SNSやブログ、ネット広告などを用いてネット集客に力を入れている企業は多いでしょう。しかし、単にSNSやブログを開設したり、ネット広告を掲載したりしても集客に効果が現れるとは限りません。逆に、やり方を間違えればイメージダウンにつながる恐れもあります。
本記事では、ネット集客を成功させビジネスを活性化させるコツや注意点を紹介します。ネット集客に力を入れたいと考えている方は、参考にしてください。
ネット集客とは？
ネット集客はWeb集客ともいい、インターネットを利用したツールや媒体で顧客を獲得したり、商品やサービスの販促活動を行ったりする施策の総称です。ネット集客と似ている言葉に「Webマーケティング」があります。
Webマーケティングは、集客以外の施策が含まれます。Web上のシステムやツールを利用して知名度向上や事業拡大を図ったり、商材が売れる仕組みを作ったりする施策などはWebマーケティングの一環です。また、Webマーケティングの施策の1つにネット集客が行われる場合もあります。ネット集客を行う際は、Webマーケティングとの違いも把握しておきましょう。
ネット集客を成功させるweb戦略のコツ
ネット集客を行う際、活用するツールを選定する前にWeb戦略を構築する必要があります。ターゲットに沿ったWeb戦略を構築しなければ、ネット集客は成功しません。ネット集客を成功させるためのWeb戦略のコツは、以下の通りです。
- 現状を把握する
- 目的と目標を具体的に設定する
- ターゲットを絞る
- カスタマーズジャーニーを作成する
- ネット集客の施策を実践する
- 検証と改善を繰り返す
それぞれのコツを解説します。
現状を把握する
ネット集客を始める前に、自社のサービスや商品の特徴、市場の動向やトレンドなどを分析する必要があります。分析する際のポイントは、以下の通りです。
- 自社のサービスや商品における有効なツールは何か
- 自社のサービスや商品がネット集客に適しているのか
- 競合の状況や市場の動向はどのように変化しているか
近年は、TVCMや雑誌の広告、新聞の折り込みチラシなどアナログな手法より、ネット集客のほうが効果的なイメージがあるでしょう。しかし、サービスや商品によって従来の集客方法が適している場合があります。どの集客方法が適しているか確認してください。
分析をした結果、自社が提供するサービスに適したネット集客のツールがあるかを検討します。さらに、競合の状況や市場の動向を分析すれば、競合と比較して自社の強みや弱みが理解できます。
目的と目標を具体的に設定する
サービスや商品の特徴、市場の動向など分析結果をもとに、ネット集客を行う目的（ゴール）を定めます。目的が定まっていないままだと、効果的なネット集客を行えません。「商品の購入」「サービスの契約」など、ネット集客を通じて達成したい目標を具体的に設定してください。
また、目的を達成するための目標も併せて検討します。目標は、短期・中期・長期と期間を分けて定めれば、段階を踏んだ施策の実践が可能です。「短期目標は、契約数10件獲得する」「長期目標は、契約数100件獲得する」と具体的な数値で目標を設定しましょう。
ターゲットを絞る
サービスや商品を利用してほしいターゲット像を絞ります。ターゲットには、以下2種類があります。
- 一般的なターゲット：サービスや商品を購入する可能性が高い方
- コアターゲット：サービスや商品の価値をより高く感じている方
例えば、若い男性向けのサービスや商品の場合、一般的なターゲット像は20代〜30代の男性としてもいいでしょう。コアターゲットは、ターゲット像をさらに掘り下げてペルソナを設計します。「20代後半〜30代前半の独身男性、会社員で高品質なものを身につけたいと考えている」と、より深くターゲットを想定しましょう。
コアターゲットは一般的なターゲットに比べて顧客になる可能性があります。ターゲットを絞ることは、適切な集客方法の選定につながります。
カスタマーズジャーニーを作成する
カスタマージャーニーとは、ターゲットがサービスや商品を購入するまでに至るプロセスを指します。購買行動プロセス「AIDMA（アイドマ）の法則」を利用して作成するとスムーズです。
- A = Attention（注目）：ターゲットにサービスや商品を認知してもらうために施策を打つ
- I = Interest（興味）：興味・関心を持っているターゲットへ向けて、サービスや商品の特徴、類似品との優位性を訴える
- D = Desire（欲求）：購買意欲が高まっているターゲットへ向けて、購買の障壁を取り除く
- M = Memory（記憶）：宣伝を繰り返し、ターゲットの購買意欲を衰えさせないようにする
- A = Action（行動）：購入特典やメリットなどを示し、購買の動機付けを行う
ターゲットの購買行動を分析し、それぞれのアクションに適したツールを検討するとよいでしょう。
ネット集客の施策を実践する
分析や検証を重ねた結果から得られた情報を参考に戦略を組み立て、ネット集客の施策を実践します。ネット集客に利用できるツールは、アクセス数や利用者数の数値がすぐに確認できます。定期的にチェックしながら、成果が得られているかを判断してください。
ネット集客はすぐに結果が出るイメージがあるかもしれません。しかし、施策によっては結果が出るまで数ヵ月かかる場合もあるため、長期的に行う必要があります。
検証と改善を繰り返す
ネット集客は検証と改善を繰り返しながら効果が得られているものを探る必要があります。戦略を立てる際に設定した目標に達しているかを定期的に検証してください。
目標を達成している場合は、そのまま継続するとよいでしょう。改善点がある場合は、早めに対処しなければなりません。なお、戦略が必ずしも正しいとは限らないため、目標を達成していない場合は、目標が的確かどうかも併せて検証してください。
ネット集客の種類
ネット集客の種類を5つ紹介します。
- 検索エンジンの利用
- ネット広告の掲載
- SNSを利用した情報発信
- 外部サイトの利用
- メルマガの発信
それぞれを詳しく解説しますので、ネット集客の方法を検討する際の参考にしてください。
検索エンジンの利用
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索をした際、キーワードに基づいたコンテンツがランキング形式で表示される仕組みを利用します。自社の公式サイトやブログが上位に表示するようSEOを行う施策が代表的です。上位に表示されるほどアクセス数が伸びやすく、サービスや商品の周知や企業自体の認知度向上に効果があります。
一方で、アクセス数が増えてもサービスや商品のページにターゲットが辿り着けなければ意味がありません。そのため、ターゲットが迷わずに行動できる導線の設計が重要です。また、実店舗へ実際に来店して欲しい場合は、Google Mapの検索結果で上位表示を目指すMEOも有効です。
ネット広告の掲載
ネット広告は、Webサイトやブログに表示される広告の総称です。主な広告は以下、表の通りです。
| 広告名 | 特徴 |
| リスティング広告 （検索連動型広告） | ・検索したキーワードに連動して表示される広告 ・効率的に集客可能 |
| アフィリエイト広告 | ・成果報酬型広告 ・第三者による宣伝でターゲットにアプローチ可能 |
| SNS広告 | ・FacebookやInstagram、X（旧：Twitter）などのSNS内で配信される広告 ・違和感なくターゲットのタイムライン上に表示可能 |
| メール広告 | ・メールで配信する広告 ・ターゲットへ直接に宣伝が可能 |
広告ごとに特徴があるため、情報発信の目的に応じて使い分けましょう。
SNSを利用した情報発信
SNSに自社の公式アカウントを開設し、見込み顧客に向けて情報発信する方法も一定の集客効果があります。集客効果が高いSNSは以下、表の通りです。
| Ｘ（旧：Twitter） | ・利用者が多く、多数の企業も宣伝に利用している ・注目を集めれば高い集客効果が認められる ・炎上リスクがやや高い |
| ・おしゃれな画像と動画の投稿ができる ・利用者の年齢層が幅広い ・リンクを貼れば公式サイトなどにも誘導できる ・視覚効果が低いサービスや商品には不向き | |
| ・本名で利用するため信頼感がある ・利用者の年齢層が高め ・拡散力は低い |
魅力的な発信をすれば、多くのユーザーに届きやすいため、訴求力が高まる点がメリットです。SNSにブログやホームページのアドレスを掲載すれば、直接流入も期待できるでしょう。
外部サイトの利用
ポータルサイトやプレスリリース、口コミサイトなどにリンクを貼ってもらうと、認知度を高められます。飲食店なら、ぐるなびや食べログなどが代表的な外部サイトとなります。外部サイトによっては、口コミを書けるところもあるため、宣伝効果が期待できるでしょう。
外部サイトを経由すれば、ユーザー属性が絞られるため、見込み客が顧客になる可能性があります。一方で、競合他社と比較されやすいため、差別化を図らなければなりません。
メルマガの発信
配信を希望するユーザーに向けて自社が提供するサービスや商品の関連情報を定期的にメールで発信する方法もネット集客の1つです。BtoBにも効果がある宣伝方法で、SNSが盛んになる前はネット集客の主流でした。
BtoCの場合は、LINE公式アカウントを利用する企業が増えています。LINEは登録者が多く、公式アカウントでクーポンなどの配布も可能です。メルマガより手軽にお友達を増やせる点も魅力であり、一般的なメルマガと併用してもよいでしょう。
ネット集客を行うメリット・デメリット
ネット集客を行うメリット・デメリットを紹介します。ネット集客を検討している場合は、メリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。
メリット
ネット集客をWeb戦略に取り入れるメリットは、以下の通りです。
- コストパフォーマンスが高い
- ユーザーの反応を分析できる
- リアルタイムでの情報発信が行える など
SNSやブログなど無料で利用できるツールもあるため、費用をかけずに始められます。また、ターゲットの行動データを分析できるため、施策に効果があるかを判別しやすいでしょう。
また、アナログの集客方法では獲得できないターゲット層にも情報が的確に届きやすい点もメリットです。365日24時間、時間を問わず情報を更新できるため、キャンペーンやセールなどリアルタイムで届けたい情報を発信可能です。
デメリット
メリットがある一方、デメリットには以下の点が挙げられます。
- 競合他社が多い
- 広告出稿やSEOの知識が求められる
- 定期的なブラッシュアップが欠かせない
- 効果がすぐに得られない など
ネット集客は低コストで始められるため、参入障壁が低く、競合他社が多く存在します。そのため、他社との差別化が難しいサービスや商品がターゲットの目に止まらない場合があります。
また、SEOやネット広告、SNSに関する知識や知見が必要です。ネット集客に詳しい人材が在籍していない場合は、人材募集や外注などで対策可能です。すぐに効果が得られない特徴もあるため、短期間で結果を出したい場合は向いていません。
ネット集客を外注する利点と注意点
ネット集客のために人的リソースをさけない場合は、ネット集客専門の会社へ外注する方法があります。ネット集客の一部または全部を委託できるため、予算にあわせた方法を選択可能です。また、集客方法の改善を行いたい場合にも適しています。ネット集客を外注する利点は、以下の通りです。
- 人的リソースを本業に集中できる
- 実績がある会社に依頼すれば成功率が高くなる
- 知識や知見があるため結果が早期に得られやすい
ただし、コミュニケーションを取らないと、方向性にすれ違いが生じ、思ったような結果が得られなくなります。外注だからといって、すべてを丸投げせず、情報を共有しながらネット集客を行なってください。
まとめ
ネット集客は従来のアナログな集客方法と比較して、高い効果を得やすい場合があります。しかし、戦略を立てなければ思ったような効果は得られません。コツを掴んで、集客につながる戦略を立て、実施することが大切です。
特に、ターゲットの選定やネット集客に利用するツールは入念に検討しましょう。また、ネットに掲載する情報も厳選しないといけません。人的リソースが割けないなら外注する方法も検討してください。
ウェビットでは主に中小企業がWebマーケティング、Web集客を行ううえでのお悩みを解決するような情報を発信しております。
気になられた方はぜひ、ほかの記事もご一読ください。
