「顧客の購買意欲を高める言葉や表現を見つけたい」
「広告や商品説明文がユーザーに響かない」
上記のような悩みを抱える広告担当者もいるのではないでしょうか。
ユーザーの購買意欲を高めるには、効果のある言葉やフレーズの理解も重要です。そのために、まずは顧客視点に立って商品やサービスを見つめ直し、特徴やベネフィットを言語化することが大切です。
本記事では、顧客視点の重要性や、魅力的なキャッチコピーのつくり方を紹介しています。また、購買意欲を高めるマーケティング心理学にも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
購買意欲が高まる言葉!顧客視点がカギ
顧客の購買意欲を高める言葉を考える際には、顧客視点を深めることが重要です。そもそも購買意欲とは、ある商品やサービスに対し「購入したい」「お金を払いたい」と思う気持ちを指します。
また、顧客視点とは、顧客の立場や視点を理解し、その視点に基づいて行動し、顧客にとって価値のある体験や製品・サービスを提供しようとするアプローチや考え方を指します。特にWeb広告では、ユーザーの気持ちになりきり、購買意欲を高められる言葉やフレーズになっているか視点を変えて画面を確認する姿勢が大切です。
なぜ顧客視点が重要なのか?
商品やサービスの改善は、企業側の予算やKPI(重要業績評価指標)に縛られるケースが多く、言葉やフレーズもつられて企業側の思想に寄り添ったアウトプットになりがちです。
しかし、顧客からの評価に重きを置けば、企業の事情にとらわれず、顧客が望む商品やサービスの開発・改善につなげられます。その結果、購買意欲を高められるような言葉やフレーズを用いた広告の作成も可能となります。
また、ユーザーはWeb上で何かを検索する際に、自分の見たい情報や興味のあることだけを検索してしまいがちです。例えば、気になっている商品の価格が知りたい場合、特徴やベネフィットなどは調べずに、価格だけで購入するか否かを判断することも少なくありません。
そのため、ユーザーが何に興味を持っているかを企業側が把握することにより、ユーザーにとって本当に必要な情報を効率的に届けられます。
顧客視点を理解すればアプローチ方法のヒントを掴める
実際の顧客は、企業側からは思いつかないような行動や判断をしているケースが多々あります。
例えば、企業は顧客が商品の品質や価格を最も重視すると考えがちですが、実は顧客はSNSでの評判や友人からのおすすめ情報に大きく影響されることも少なくありません。そのため、ユーザー心理を正確に把握しなければ、効果的な広告の作成は難しくなります。
顧客視点になりきり、「関心事」「訴求ポイント」「障害物」などを整理し可視化することで、どうアプローチすべきかが見えてくるでしょう。適切なアプローチ方法を考慮した上で広告文を作成すれば、ターゲットに寄り添った、購買意欲を高める言葉を選択できます。
購買意欲をかき立てるキャッチコピーのつくり方
ここでは、ユーザーの購買意欲をかき立てるキャッチコピーのつくり方を紹介します。
テクニックを知るだけで、文章の質が格段に上がるため、キャッチコピーの作成に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
限定感や特別感をアピールする
人は、限定されると購入したくなる心理があります。その心理を利用し、「数量限定」「期間限定」「今だけ割引」などの文言を使用し、限定感や特別感をアピールすれば、購買行動につながる可能性を高めることが可能です。
例えば、新作限定カラーコスメのキャッチコピーを「限定カラー発売!ほかでは見かけない、あなただけのスタイルを。」にしたとします。限定カラーを購入すれば、ほかの人とは違う何か特別なものを手に入れられると感じる心理を刺激でき、購買意欲促進が可能です。
また、「あなただけ特別に●●!」などのアプローチを受け、「自分は特別な存在」と優越感を抱くと、人間は嬉しくなり、購買行動につながりやすい傾向もあります。
地域名を入れ親近感を持たせる
キャッチコピーの文言の中に、ターゲットとなる顧客の居住地や地域名を入れることで、親近感を持たせることが可能です。「熊本県の皆様」や、さらに限定し「博多にお住まいの皆様」のように、居住地もしくは出身地が名指しされると、応援したい気持ちが芽生えたり、自分ごとのように捉えやすくなったり注目のきっかけになります。
また、ユーザーの心象が上がるようなブランド名や言葉を入れれば、ユーザーは商品そのものに特別感や親近感を感じ、購入意欲を刺激できます。
例えば、「プレミアム」という言葉や「ラグジュアリー」といった言葉は高級感を演出でき、ユーザーは特別な体験ができると期待するでしょう。一方、「ホームメイド」や「ファミリー」、「ナチュラル」などの言葉は、親しみやすさと品質の高さを感じさせ、手づくりの温かみや特別感を演出できます。
親近感の演出は、ユーザーとの距離を縮めたい時に非常に効果的で、広告を嫌うユーザーが多いSNS広告にも有効です。
付加価値を強調する
商品の付加価値を伝えることも、買いたくなる心理を向上させるテクニックの1つです。例えば、「これ1つで、3通りの使い方ができる」「1つあれば、さまざまな場面で活躍できる」などの文言を用いれば、商品の多機能性や便利さをアピールできます。
また、特定の課題や問題を解決できることを強調するのも有効です。
例として、「時間を節約できる」「手間が省ける」といった文言があります。これらの文言を使用すれば、ユーザーはその商品が自分の生活をより便利に、または快適にしてくれると感じ、購入したいと思わせることが可能です。
このように、商品の付加価値を明確にし、それを効果的に伝えるキャッチコピーの作成により、ユーザーの購買意欲を高められます。
未来のベネフィットを想像させる
商品やサービスの使用により得られるベネフィットを提示し、ユーザーに今よりもよい未来を想像させることで、広告の反応率を向上させられます。例えば、「これを使えば、毎日がもっと快適に」などのキャッチコピーにより、ユーザーに商品やサービスが提供する未来の価値を具体的に想像させられるでしょう。
未来のベネフィットを想像させる手法は、特に新しいテクノロジー商品やサービス、継続的な使用により効果が現れる商品などで非常に効果的です。なぜなら、ユーザーがその商品やサービスを使うことで得られる価値を想像しやすくなるからです。
訴求するベネフィットはターゲットによって異なるため、ターゲットを明確化した上でキャッチコピーを作れば、より刺さる文章を作成できます。
数字を入れることで信頼度を向上させる
キャッチコピーに具体的な数字を盛り込めば、ユーザーは商品の効果をイメージしやすくなり、商品やサービスへの信頼感も向上します。
例えば、「99%の人が満足した」「3分で結果が出る」などのように、具体的な数字を使用すれば、抽象的な表現よりも明確で信頼性が高いと感じられるでしょう。
購買意欲を高めるためには、抽象的な表現よりも、数字による具体性を取り入れ、相手に明確なイメージを持たせることが重要です。また、「〜調べ」などのエビデンスを追加すれば、さらなる信頼度アップにつながります。
ただし、専門的な知識がなければ理解できないような数字やデータは、かえってストレスを与えてしまうため、キャッチコピーとしては不要です。
購買意欲が高まる言葉の選び方!マーケティング心理学の活用
キャッチコピーで顧客の購買意欲を高めるには、マーケティング心理学を理解しておくことも重要です。
ここでは、代表的なマーケティング心理学を紹介します。
アンカリング効果
アンカリング効果とは、人々が最初に得た情報に強く影響を受け、そのあとの判断や意思決定が、初めの情報に左右される現象です。アンカリング効果を活用し、最初に目に入る情報には、数字を入れたり、情報が印象的であったりすればするほど効果が期待できます。
例えば、「元々の価格は¥10,000だったが、今なら¥7,000!」といったように、最初に高い価格を提示しておくことで、そのあとの割引価格を魅力的に感じさせられます。
ただし、アンカリング効果を使う際には注意も必要です。誇大な表現や不正確な情報は、短期的には注目を集めるかもしれませんが、長期的には信頼性を失い、ブランドイメージにも悪影響を与える可能性があります。
正確かつ誠実な情報提供を心掛けつつ、アンカリング効果をうまく活用し、購買意欲を高めるマーケティング戦略を展開していきましょう。

単純接触効果
単純接触効果とは、接触回数が増えるたびに対象物に対し好印象を抱く現象です。
CMなどで繰り返し流れてくる映像を目にしていると、無意識のうちに宣伝されている商品やタレントに対し好意的になった経験がある方も多いのではないでしょうか。このような単純接触効果を活用し、Webサイトやランディングページを一度訪れたユーザーに対しリターゲティング広告を用いれば、好感度を高められます。
また、耳に残るメロディや響きがあると、人は無意識のうちにその音に引かれ、好印象を持つケースがあります。同様に、印象的なキャッチコピーも何度か耳にすることで、人々はその商品やブランドに親近感を抱きやすくなるのです。
「お口の恋人」(ロッテ)や「やめられない、とまらない|かっぱえびせん(カルビー)」のように、何度か聞いているといつの間にか覚えてしまうようなキャッチコピーを考えましょう。

権威への服従原理
権威への服従原理とは、人々が専門家や権威者の意見や推薦に強く影響を受ける心理的なメカニズムです。例えば、受験生が教材を選ぶ際に「現役東大生おすすめの参考書!」といったフレーズを目にすると、その言葉だけで質が高いと感じることが多々あります。
トクホ(特定保健用食品)が売れるのも、この原理が働いています。多くのトクホ商品は、科学的な研究や専門家による推薦が前面に押し出されており、「医師が推薦する」「○○大学との共同研究により効果証明!」などのフレーズが用いられるケースが少なくありません。
これらの情報はユーザーにとって信頼性の高い指標となり、製品が安全で効果的との印象を与えます。そのため、キャッチコピーを作る際、自社の商品やサービスにおいて権威性をアピールできる要素があれば、積極的に記載するとよいでしょう。
一貫性の原理
一貫性の原理とは、「イエス」で回答できるような質問を繰り返すことで、ユーザーの意欲や興味を高める心理的メカニズムです。
例えばランディングページにおいては、「毛穴が気になりますか?」「肌の透明感をアップさせたいですか?」などの「イエス」で答えられる質問の設置が有効です。これにより、ユーザーの関心が最大化したタイミングで「この商品で肌の悩みを解決できます」と商品を推薦すると、購買につながりやすくなります。
このメカニズムを理解して活用すれば、マーケティング戦略においてより効果的なキャンペーンや広告を展開できます。特にECサイトやメールマーケティングでは、段階的にユーザーから小さな意思表示を取るように設計すれば、最終的には大きな意思表示、つまり購買に至る確率を高めることが可能です。
損失回避の法則
損失回避の法則とは、ユーザーは利益を得ることよりも無意識に損失を回避する傾向が高い現象です。
この心理的傾向は、マーケティングや広告において非常に効果的な手法として用いられています。損失を避けたいと感じる人々の自然な欲求に訴えかけることで、商品やサービスへの興味を引き出しやすくなるのです。
例えば「このサプリを使用すれば肌の透明感が増す」メリットよりも、「このサプリを使わないと肌年齢が衰える」などのデメリットを指摘する方が、より強く印象づけられます。
このように、損失回避の法則を理解し、それに基づいた戦略立案により、ユーザーの行動を有利に誘導することが可能です。

認知的不協和
認知的不協和とは、人は矛盾する考えや行動を同時に抱えると、不安定な状態(不協和)に陥り大きなストレスを抱えることを指します。そのストレスを開放できるサービスや商品を提供すれば、ユーザーの購買意欲をかき立てることが可能です。
例えば、「甘いものを我慢せずに10kgダイエット!」というキャッチコピーは、甘いものを断たなくてもダイエットができるメリットを強調できます。このように、ユーザーのストレスや悩みに直接対処するような訴求により、購買意欲を刺激できます。
ただし、誇張し過ぎるとユーザーに違和感を持たせてしまう要因にもなりうるため、注意が必要です。
まとめ
本記事では、ユーザーの購買意欲を高める言葉や、すぐに使えるテクニックを紹介しました。ユーザーの購買意欲を高めるには、まずは顧客視点に立ち、顧客が本当に求めているものは何なのかを探るステップを踏むことが重要です。
企業側からの一方的なアプローチをするのではなく、顧客に寄り添ったキャッチコピーの作成により、効果的に購買意欲を高めていきましょう。
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