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できるだけ早くWebマーケティングの数値改善をしたいのに、99%の中小企業が失敗する理由とは?

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Webhit 編集部

今回のテーマは「できるだけ早くWebマーケティングの数値改善をしたいのに、99%の中小企業が失敗する理由とは?」についてお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

よろしくお願いします。

Webhit 編集部

早速ですが、できるだけ早く数値改善したいと思っているのに、99%の中小企業が失敗するのはなぜですか?

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

はい。大きく分けると2つ理由があります。

一つ目は、まず数字を改善しようとして、広告代理店などに外注しているケースです。

例を挙げると、お客様の獲得単価であるCPAを抑えたい場合、中小企業の場合は代理店に対して「CPAを下げてください」というオーダーをするのですが、まずこれが一つ間違っている考え方になります。

もう一つは、マーケティングの施策の数値を改善するにあたって、サービスや商品そのものを変える気がないことも失敗する原因です。

Webhit 編集部

なるほど。

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

一つ目を詳しく説明します。
CPAを抑えようとして、数字をとにかく抑えようとするのがなぜうまくいかない原因になるのかということです。

そもそもCPAを抑えるということは確かに大事なことではあります。
とはいえ、CPAを抑えることで費用対効果が良くなるというわけではありません

非常に極端な話をすると、実はCPAを抑えることは簡単で、商品やサービスを無料で提供すれば、CPAは抑えることができます。

しかし、CPAは確かに半分や1/3くらいになるかもしれませんが、商品やサービスを無料で提供しているため、売り上げが無くなって赤字が続きます。

一方で、「この商品は100万円です!」といきなり声を出しても、当然ながらCPAは獲得はできないですよね。でも1件取れたら、売上は100万になります。

つまり、CPAを落とすとか上げるということと、売り上げが相反する可能性があるのです。CPAを落とせば売り上げが上がるわけではないし、CPAが高いから売り上げが下がるわけではないということです。

CPAを下げても売り上げが上がらないケースについて、もう少し現実的な話をすると、例えば「こういうものをプレゼントします」とか「ワークショップなどの楽しいイベントに参加しませんか?」というような形で人を集めた場合、CPAは下がります。

しかし、実際にそこから商談に繋がる割合が低くなったり、成約する割合が少なくなったりすることが起こり得ます

この場合、最終的に数字を計算していくと、成約ベースでの数字であるCPO、つまり、1件成約までにいくらコストがかかったかを見ていくと、CPOが高くなってしまいます

もう一つ、CPAを上げても、売り上げが下がらないケースの具体例を挙げます。

直接問い合わせを獲得する場合に、条件に当てはまる人たちだけに限定して個別相談や問い合わせを受けるような形にすると、誰でも問い合わせできる場合と、問い合わせできる人を限定した場合では、当然最終的な数は減ります。

つまり、獲得できる数が減るため、獲得単価も上がりやすいのです。しかし、獲得した人たちは、自分たちが欲しい人たちだけになっているため、成約率が上がるということがあり得ます。

獲得単価は最終的なお客様の成約の単価というところで計算をすると、成約単価を絞った方が良くなることもありますCPAが高い方が、成約単価が良くなることもあり得るんです。

そもそも、盲目的にCPAを抑えようとすること自体、非常に危険な発想になります。また、CPAを下げようというところに目が行きすぎると、売り上げや成約率になかなか目が届きにくくなる実態が存在します。

そうすると、いろいろなマーケティングの導線の中で、どのようにやっていけば最終的に売上や利益に一番良い状態を作れるかという発想の柔軟性を失ってしまいます

とにかくCPAを下げることしか頭になくなってしまうため、面白い企画を考えついたり、成約に結びつきやすいコンテンツを考えたりすることに頭が回らなくなってしまうんです。

CPAだけを追いかける状態になるため、結果的にうまくいかなくなるということですが、多くの中小企業がよくやってしまっているんです。

Webhit 編集部

そうなんですね。

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

二つ目は、サービスや商品そのものを変えるつもりがないということですね。「商品とかサービスはこのままで、あとはLPの方でどうにかしてください」「広告やLPの方を改善してください」という人が非常に多いんです。

しかし、結局のところ相手は数字ではなくてお客様であるため、最終的にお客様がその商品やサービスを欲しいと思えるかどうかなんです。

マーケティングで、お客様を半分騙すようなコピーを作るようなことを無理にやってしまうこともできます。しかし、問い合わせ内容と実態が全然違うものだったりすると、当然悪い口コミも広まって、その商品やサービスはお客様から信頼されなくなります。

短期的な数字ばかり追いかけて、LPや広告で限界までやると、そういったことが発生するんです。

本当にマーケティング業界としては恥ずかしい話なのですが、昨今、
「月に2万円程度で、初期費用は完全無料、LPの制作からサイトの更新、広告の制作まで全部やります」というサービスの広告動画が流れています。

しかし、実際に問い合わせをして話を聞くと、「まずは最初にデポジットで何百万か入れてください」とか、「契約期間は5年です」のように言われてしまうんですね。

そのような話を聞いた中小企業の皆様は、「聞いていた話と違う」と、きっと驚かれると思います。

「5年間の契約で300万円もかかって、すごく怪しかった……」という口コミが出回ってしまったら、集客をしているマーケティング業界の会社にとっては本当に意味のない話になりますよね。

つまりこれは、マーケティングというよりも、単純にお客様を騙して集客をしているだけで、誰でもできることではありますが、やってはいけないことなんですよね。

マーケティング支援の会社に外注すれば、LPや広告の運用をしてくれますが、マーケティングとは導線であり、商品やサービスが必ず関わっている状態になるため、商品・サービスの改善も必ず必要だということは頭に入れておいた方が良いです。

商品・サービスを積極的に変えることは大変ですが、集客をしたいのであればやるしかないです。「変える必要があるものは変える」という発想を持って、マーケティングの数値改善に取り組んでいただくことが一番良いと思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。「そもそも、この商品やサービスに改善すべき点はないだろうか」と最初に考えるのが大事ということでしょうか?

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

そうですね。前提として、商品やサービスが今売れる状態なのかということを、一番最初に考えなくてはいけません。

よくあるのは「これは非常に良い商品だから、単価が30万円でも売れると思う!」と考えて、30万円でそのまま広告に載せようとする人たちもいます。

しかし、もちろん業界によりますが、基本的に高単価なものをいきなり広告に載せて売れることはほとんどありません

まずは、その商品やサービスが、本当に広告を出すことで売れる状態なのか、問い合わせが取れる状態なのかを確認することが重要ですね。

Webhit 編集部

商品やサービスが売れるかどうかを確認するには、まずはどこを見たらいいですか?

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

まず、自分たちが出そうとしている商品・サービスの強みのポイント、価格帯や内容を考えて作っていますよね?それが自分たちの視点になっていないかをチェックした方が良いです。

例えばパソコンでいうと、スペックやメモリ容量などを羅列することがあります。お客さんがスペックを求めているタイプであればそれでいいと思います。しかし、お客さんが求めているのは、スペックによって成し遂げたいことなんですよ。

具体例を挙げると、仕事などで移動の必要な方がパソコンを欲しいと思ったら、スペックの中でも、「持ち運びがしやすい、軽い、薄い、電池の充電が長くもつ」という部分が重要になってきます。

さらに、そのスペックで成し遂げたいことは、「小さいカバンの中にもサッと入れて、カフェや新幹線の中などでも気軽に使える」「充電も長持ちするため、一日中充電をしなくても、いつでも使える」状態を実現することです。

そのため、それができますよという売り方をした方がお客様からすると使用したときのイメージがしやすいです。お客様の、こういうものを買いたい、こういう状況を作りたい、というところに対してアプローチできているかが非常に重要なポイントです。

Webhit 編集部

やはり、自分たちがサービスを作る場合は、どうしても自分たちの視点になりがちだと思います。
お客様視点で商品やサービスをアプローチする必要があるとおっしゃっていましたが、どのように考えていけば良いのでしょう?

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

一番間違いないのは、お客様のことをずっと考えることです。
あとは、お客様に近い人たちをよく見ることが大事です。

例えば、どういう機能があるかが重要であるものと言えば、筆箱です。

筆箱にもいろいろな素材があります。布製・ビニール製、チャックがある、防水機能があるなど、機能や形式もさまざまです。

先程のパソコンと同様に、仕事で移動が多い人について考えたとき、どういう人がどういう筆箱を欲しいのか想像してみます。

実際にイメージしにくい場合は、自分で筆箱を持って、電車でもカフェでもいいので、外出して3時間ぐらい移動してみると、筆箱を取り出すタイミングがわかります。

カフェに着いて一息ついたとき、仕事でお客様の元へ行ったとき、歩きながらサッとその場でメモをしたいときなどです。

カフェで一息ついたときに筆箱を出す場合、座っている時間は30分から1時間ほどだと思います。その場合、何回かペンを使う可能性がありますよね。

複数の種類のペンを使うとしたら、普通の筆箱だったら横に開いて、中から使ったものを出して戻す動作を繰り返します。次のものを出すときには、他のものをかき分けながら出すというのが一般的な動きです。

しかし、1時間もあれば、その回数が多くなりますよね?そうすると、筆箱の形がペン立てみたいになっているタイプだと、使いたいペンを探すときにも、他のものをかき分ける必要がなく、一発で取れるので楽ですよね?

移動しているときにメモ帳を取り出してサッと書きたい場合は、一番よく使うペンをクリップか何かで外側につけられる筆箱があれば便利ですよね?

お客様のことを常に考えて、お客様がどんなタイミングで使うのかを想像すると、どんな筆箱が求められやすいかがわかります。

もしイメージがつかないのであれば、お客様の行動を想像して、同じことをしてみましょう。カフェなどに行って、みんなが何をしているか観察してみるのも良いですね。人間観察に近いのですが、実態が一番わかるためおすすめです。

さらに、より具体的な使用感などの細かいことを聞きたいのであれば、「パソコンを外で使うとき、何が一番気になりますか?画面の大きさ?重さ?それとも薄さ?」のような感じで、お客様インタビューをすると良いですね。

実際のお客様や、見込み顧客になりそうな人の声を聞いて、どうあるべきかを考えていくのも良いと思います。

Webhit 編集部

自分がサービスを使ってみることが大事で、お客様にインタビューしたり、その人がどうしているのか観察したりするのが良いということですね。

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

そうです。
孫子の兵法でいうところの「敵を知り己を知れば百戦危うからず」みたいなことですね。自分達の商品・サービスについて、相手がどう思い、何を考えて使っているのか、実態はどうなのかをちゃんと理解して、お客様に合わせて行けば大丈夫です。

Webhit 編集部

想像だけではよくないということですね。

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

そうですね。うちもコンサルティング会社ですが、これまで何百万円もかけてコンサルサービスを買っています。実際に顧問にも入ってもらったりもしています。

そして実際に、「もっとこんなことがあればいいのに」「もっとこう言ってくれたらよかった」などと思うことがたくさんあるため、それらをサービスに生かしたり、サービスの改善をしたりしています。

目次 ー この記事で分かること ー

まとめ

Webhit 編集部

では最後に、今日のまとめとこの記事を見てくださっている方に一言お願いします。

Webhit 編集長<br>大澤 要輔

今回は「できるだけ早くWebマーケティングの数値改善をしたいのに、99%の中小企業が失敗する理由」ということについてお話ししました。それには大きく2つのパターンがあります。

CPAや数字を抑えようとする考え方であるということが一つ。
もう一つは、サービスや商品を変えなくていいと思い込んでしまっているということです。

これまでご相談いただいた中小企業のうち、両方またはいずれかに当てはまっている企業様が99%でした。

基本的にCPAを抑えれば売り上げが良くなるわけではないですし、費用対効果が良くなるというわけでもありません

CPAは下がったけど売り上げも悪くなってしまった、またはCPAは上がったけど売り上げが良くなったということもあるため、商品やサービスに合わせてどこが適切なバランスの位置なのかを見極めることが大切です。

CPAを下げようということだけに目がいってしまうと、どうしても柔軟な発想が失われてしまいます。

そうなるとマーケティング全体を楽しめないですし、マーケティング全体の動線でどこをどうするべきかというところにも目がいかなくなり、負のループに入ってしまいます。

そのため、CPAのみを点だけで見るのではなく、線で見るということが重要です。

商品やサービスを変えなくていいと思い込んでしまうパターンに関しては、LPとか広告とかSNSとか、それ以外の部分でどうにかしようと考える方が非常に多いです。

しかし、マーケティングの導線の中で、必ず商品やサービスを売る、説明するという行為は必要不可欠です。

商品やサービスを魅力的と思えば、買う人も増えるという単純な構造も存在するんです。

そのため、商品やサービスの改善に手をつけないのではなく、LPや広告運用と同じように、もしくはそれ以上に必ず手を加えて改善をして、マーケティング全体で改善をしていくということが一番重要だと思います。

Webhit 編集部

ありがとうございました。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
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Yahoo!広告 各種資格

目次 ー この記事で分かること ー