口コミの投稿数や内容が、お店の評価や集客に影響します。しかし実際には、口コミの集め方がわからず悩んでいる方も多いでしょう。そこで本記事では、口コミの重要性から効率よく集める方法まで解説します。口コミを活用し、事業を成長させたい方は最後までご覧ください。
口コミの効果・メリット
口コミは、消費者の購買行動を左右する重要な要素です。口コミの内容を確認し、お店の来店や購入を決断しているユーザーは一定数います。
総務省が平成28年に実施した「インターネットショッピングサイトから購入する際に、口コミをどの程度確認するかを調べたアンケート」によると、どの世代も6割以上の方が口コミを確認している点がわかります。
(第1部 「特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~」総務省HPアンケート結果の分析より)
口コミの情報の中でも特に重要視しているのが、一定数の人が実体験に基づく評価をしている情報の信頼度と、情報量の多さです。「皆がもっているから私も欲しい」と思う「バンドワゴン効果」や、利害関係のない消費者の言葉に信ぴょう性が増す「ウィザー効果」が働き、購買行動を後押ししています。
よい口コミが増えれば来店者数も増やせ、売上アップも見込めます。それでは、具体的な効果を次の項目から見てみましょう。
信頼性と認知度の向上を狙える
口コミは消費者の実際の経験や意見が反映されており、販売者からの発信よりも利害関係のない第三者からの評価の方が信頼性が高いとされています。これをウィザー効果といいます。よい口コミはブランドの信頼性を高め、新たな顧客の興味を引きつけるのに有効です。
株式会社アットフリークが2022年に実施した「インターネットで商品を購入するユーザーの、企業ブランドに関する認識についての調査」では、初めて目にする企業の商品やサービスでも、口コミの評価がよければ購入すると回答したユーザーは半数以上もいました。
このように口コミは新規顧客の獲得にも好影響を与えます。
ブランドイメージを形成できる
ブランドイメージとは、顧客がブランドに対し抱くイメージのことです。ブランドイメージは、企業が提供する商品やサービスの特徴・機能などのような客観的な事実に基づいて形成されるとは限らず、企業側がコントロールできるものではありません。広告や実際の商品に加え、口コミを見て形成されることがほとんどです。
顧客のよい口コミが増えるほど、そのブランドは高品質や優れたサービスを提供しているとのイメージが定着しやすくなります。
ただし、悪い口コミが広まると顧客からの信頼を失いブランドイメージに悪影響を及ぼします。一度ブランドイメージが崩れると、回復するまでに中長期的な対策が必要となるリスクがあることは覚えておきましょう。
広告費を抑えつつバイラルな広がりを期待できる
「バイラルな広がり」とは、口コミや情報が急速に拡散し、多くの方々に広まる現象です。特定のコンテンツやメッセージが多くの方の興味や関心を引きつけ、ユーザーが自発的に共有すると生じる現象です。
口コミや共有が連鎖的に起こると、広告効果やブランド認知度の向上が狙えます。そして特定のコンテンツやメッセージが多くの方の関心を引きつけ、さらに感情的な反応を引き起こせれば、より高い拡散性も期待できます。
口コミ投稿サイトは無料のSNSやブログなどが多く、ブログやサイトの運営費もあまりかかりません。1つの投稿に不特定多数のユーザーが見るため、宣伝効果が高く費用対効果が高いのが利点です。
口コミの集め方について
口コミは新規客にアプローチをかける材料として重要なものと理解しながらも、どのように数多くの口コミを集めればよいかわからず苦戦する方も多くみられます。ここでは、口コミの集め方の方法として7つの方法をご紹介していきます。
口コミを集めるには時間がかかります。それぞれの方法を確認し、できるところから早めに取り組んでいきましょう。
手書きの口コミ
アンケート用紙を利用して来店したお客さんに、その場で書いてもらう方法です。例えば、セミナーの終わりや商品を試してもらったあと、食事をしたあとなどにアンケートの時間を作り、アンケートに協力してほしい旨を伝えて協力を仰ぎます。
手書きの口コミをそのまま画像として載せれば、サクラのような虚偽の口コミと差別化でき、信ぴょう性を高める効果が期待できます。
アンケートは負担が少ない選択式がおすすめです。あまり時間がない方や文章で書くのが苦手な方でも気軽に答えてもらえます。
ただし、時間がなくアンケートに答えられないと拒否されたときに、強制的に書いてもらうと逆効果です。最後に悪いイメージを与えかねませんので、あくまで「差し支えなければ」の範囲で留めておきましょう。
メールの利用
何かのサービスを受けたあとに、その場でアンケート記入の時間がない方には、メールやSMSで口コミを投稿してもらうのも効果的です。メールで届けば、ユーザーのタイミングで回答してもらえる率が高まります。過去に利用してもらった方にも改めてアンケートを送って、回答してもらうのもよい方法です。
回答方法はメールで口コミを返信してもらうパターンと、メール内にアンケートフォームのURLを送る2パターンがあります。アンケートフォームであれば、自動集計されるため、口コミに早く反映できるのが利点です。
また、メールの送付方法は、迷惑メールフォルダに入る可能性がある通常メールよりもSMSの方がおすすめです。開封率が高くなります。可能であればメールとSMSの両方にアンケートを送りましょう。
ただし、メール利用でのアンケート集計は、予めメールを登録してからサービスを利用した顧客に限ります。予約や購入の際に、メールアドレスを登録してもらえるようなシステムを構築しておきましょう。
Googleの利用
Googleの口コミ機能を利用して口コミを投稿してもらう方法です。Googleのアカウントを持っている方であれば、誰でも投稿を依頼できます。
Googleに口コミを投稿してもらえば、お店の情報と同時に口コミが表示されるため、よい口コミが多ければ来店を後押しできます。同画面では、Googleマップも表示されるため、マップのナビを利用し、現在地からお店まで経路も瞬時にわかるため、店舗を構えたサービスを展開している方におすすめの方法です。
事前準備として、Googleビジネスへの登録が必須ですが、無料で登録できるうえ、登録方法も簡単です。ホットペッパーや食べログなどの口コミサイトよりも、関連キーワードをGoogleの検索窓に入力すれば上位に現れるため、登録しておいて損はありません。
口コミサイトの利用
ぐるなびやホットペッパービューティーなどのサイトに投稿してもらう方法です。口コミを投稿すれば、お店とサイトの双方から特典が付与されるケースが多く、口コミを集めやすいのが特徴です。
サイトの利用者によっては、写真付きで投稿するため、投稿用のかしこまった写真よりも、よりリアリティを感じやすく信ぴょう性も高まります。
Facebookの利用
企業用のアカウントを作成し、ページに口コミを書いてもらう方法です。Facebookは個人のみではなく、企業用としても利用可能です。企業の利用は、Facebookビジネスといい、自分の会社やお店のビジネスページを作成できます。
Facebookには「いいね」の機能があるため、アクションの数が多くなればページを見た顧客の判断材料となり、ブランドイメージに好影響です。イメージがよくなればそのお店に足を運んでもらいやすくなります。
新商品やお店の臨時休業、セールなどのタイムリーなお知らせなどもFacebook上で多くの方にお知らせでき、反響を確認できます。
Twitterの利用
Facebookと同様、企業用のアカウントを作成し情報を発信したものに対してコメントをもらう方法です。Twitterは拡散が高く、1人の方がリツイートなどで情報を発信すれば、共感したフォロワーからフォロワーへ、次々に情報が届き、フォロー外のユーザーからも認知されやすいのが利点です。
Facebookと同様に「いいね」機能があり、フォロワー数を多く獲得できれば企業としての信用度も上がり、好感度アップを狙えます。
TwitterもFacebookと同様に、情報を発信できるサービスです。新商品の情報や新サービスの情報などをタイムリーに掲載できます。フォロワー数に比例し、口コミの投稿数は伸びる傾向にあります。つまり、多くの口コミを期待するのであれば、フォロワーの数を伸ばす施策も必要です。
公式サイトの利用
自社の公式サイトに口コミ情報を投稿してもらう方法です。問い合わせフォームやコメント欄を活用しそこから口コミを書いてもらえます。
ただし、公式サイトは上記に紹介した方法と異なり、受け身の状態です。そのため、商品の口コミよりは、企業からの返答を期待する商品やサービスの問い合わせ、クレームなどが多く集まる傾向があります。つまり、返答内容によって企業姿勢が問われる投稿でもあります。
マイナスなコメントに対し、誠意をもった姿勢を示しましょう。閲覧したユーザーに不安を抱かせないのがポイントです。
自発的な口コミを促すなら顧客ロイヤリティを高めよう
上記で口コミの集め方を紹介してきましたが、どんなに口コミの集め方のシステムを整えても、実際に顧客が商品やサービスに満足しなければ口コミは書いてもらえません。
口コミを書いてもらうためには、サービスを充実させ顧客ロイヤリティを高めることが大前提のことは覚えておきましょう。顧客ロイヤリティとは、特定の企業や商品に対して感じる信頼や愛着などをいいます。
信頼や愛着などを感じてもらえれば、よい口コミが増え、ブランド力も高くなり、集客へとつながります。
これはNG!悪い口コミの集め方
ここでは、悪い口コミの種類を紹介していきます。悪い口コミとは、実際のサービスとは異なること、もしくは利害関係が生じている上で投稿したコメントです。
しかし、たとえサービス内容と異なるよい口コミを増やし来店や商品の購入を促しても、口コミとサービス内容に相違があれば期待を裏切られたユーザーは不快感を抱き、結果低評価の口コミが増えていきます。
以下の集め方は悪い例なので、決して真似をしないでくださいね。
サクラの利用
サクラは、無関係のユーザーがサービスを利用したかのように虚偽の口コミを投稿する方法です。投稿すると利益が発生するケースや友人・知人に依頼するケースがサクラに該当します。
利害関係があるため、投稿内容はよい口コミばかりです。しかし、利用者が「口コミと違う」と印象を抱けば、むしろ評判は悪くなります。
代行サービスの利用
代行サービスはサクラと似たもので、業者などに「1件1000円」や「1文字1円」などと報酬を与えて、虚偽の口コミを何件も書いてもらう方法です。褒め過ぎている口コミ、もしくはお店の規模に対して口コミの件数が多過ぎるケースは、ユーザーに不信感を与えます。
不信感を抱いたユーザーは、利用候補から外してしまうため、結局口コミの件数を集めても成果につながらず意味がありません。
さらに、口コミのやらせは、景品表示法に定められている不当表示にあたるおそれもあります。景表法違反は課徴金の制裁がありますので、くれぐれも手を出さないようにしましょう。
自分で投稿
経営者自身で何件も口コミを投稿する方法です。当人であればサービス内容を詳しく理解しているため、投稿内容も過剰に書きがちです。しかし、経営者しか知らない情報が書かれていれば、お店の従業員、もしくは関係者と疑問に思われるでしょう。
自作自演の口コミは、ユーザーに感覚的な違和感を与えます。お店を決めるときにマイナスな要因が働けば、候補から外されてしまうため労力が水の泡となります。
まとめ
この記事では、口コミの集め方を解説してきました。口コミを集めるためには、ユーザーがコメントしやすい環境を整えることが大切です。もしマイナスなコメントが投稿されても、誠意をもって対応すれば反対に高評価を得られることもあります。
ただし、どんなにシステムを整えても顧客体験がマイナスであれば口コミは集められません。もしサクラや代行サービスなどで虚偽の口コミを集めてしまえば、ユーザーに不信感を与え本末転倒です。お客様がシェアしたくなるようなサービスを提供し、正しい口コミを少しずつ増やしていきましょう。
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