「コンテンツマーケティングを成功に導くやり方を知りたい」
「SNSやYouTubeを利用し始めたが、売上増加につながらない」
「これから行うことになったがやり方がわからない」
このような悩みを抱えてる方も多いのではないでしょうか?
コンテンツマーケティングを成功させるには、やみくもに始めるのではなく計画的に進めていくことが重要です。この記事では、戦略的にコンテンツマーケティングを行うための手法やポイントを、成功事例を交えて紹介します。コンテンツマーケティングを成功させたい方はぜひ参考にしてください。
コンテンツマーケティングは顧客獲得への布石
コンテンツマーケティングとは、ブログ・動画・SNSなどの独自コンテンツの提供によって集客を図る手法です。見込み顧客や既存顧客と定期的なコミュニケーションを通して自社商品やサービスを認知させ、購入を促す態度変容を目的としています。
ただし、成果が出るまでに時間がかかるため、ターゲットとする顧客に対して適切なコンテンツを継続的かつ効果的に提供する戦略の立案が不可欠です。
コンテンツマーケティングが不可欠な理由
市場が成熟した現代、商品の品質や価格だけでは競合他社との差別化を図るのが難しくなっています。そこで注目されているのが、コンテンツマーケティングです。WebサイトやSNSなどを通じて見込み顧客や顧客を効果的に増やすことが期待できます。
以前は、企業が不特定多数に向けて情報発信し購買を促進することが一般的でした。現在は、消費者自身が商品を検索し、購入に至るプロセスが主流です。そのため、インターネット上で適切なコンテンツを提供することにより、消費者の注目を集めやすくなります。
コンテンツマーケティングに高い戦略性が求められる理由
自社商品やサービスのPRに有効なコンテンツマーケティングですが、成果を出すためには緻密な戦略が必要です。高い戦略性が必要とされる理由を以下の頁で詳しく解説します。
中長期的な施策であるため
コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかるため、中長期的なマーケティング戦略とされています。したがって、自社を取り巻く現状を分析した上で戦略を立て、着実に成果を積み重ねていくことが重要です。
また、ある程度戦略が決まっていればコンテンツに一貫性が生まれ、ターゲットへ意図した情報を届けやすくなります。時間をかけて顧客との関係性を構築できれば、長期的なビジネスの成長につながるでしょう。
限られたリソースを効率的に活用するため
コンテンツマーケティングの運用には人員や予算といったリソースが欠かせず、いかに有効活用するかが重要です。特に中小企業はリソースが限られるため、手当たり次第に取り組むのではなく、自社に必要な施策を絞り込んで集中的に取り組むとよいでしょう。
先に戦略を立てておけば、人員や予算を必要な部分にのみ注力でき、高い費用対効果が期待できます。また、継続的にコンテンツ制作や配信を行うため、戦略立案と同時に必要なリソースを確保しておきましょう。
コンテンツの品質や方向性を保持するため
事前に戦略を立てておけば、コンテンツの品質や方向性を保持できます。やみくもにコンテンツマーケティングを始めてしまうと制作するコンテンツに一貫性がなくなり、意図したターゲットに情報が届かない場合があります。
反対に、あらかじめ戦略を立てておけばターゲットへの情報発信がしやすくなるのに加え、「この段階ではこの手法が効果的」といったように施策を円滑に進めやすくなるでしょう。また、コンテンツマーケティングの運用には複数人が関与するため、戦略に立案しておけば意見の調整もしやすくなります。
効果的なコンテンツマーケティングの戦略を立てる9ステップ
コンテンツマーケティングの戦略立案は、計画的に進めていくことが重要です。以下の9ステップで進めていくとスムーズに戦略を立てられるでしょう。各ステップでやることを詳しく解説するので、自社の戦略立案に活かしてください。
➀現状の分析と課題の把握
まずは自社の現状を分析し、課題の洗い出しを行いましょう。現在の市場環境やターゲットの属性を考慮した上で、どんなコンテンツであればターゲットになる顧客と接点を持てるか検討します。
その際、3C分析やSWOT分析などのフレームワークの活用が効果的です。コンテンツマーケティングの実績がある場合は、蓄積されたこれまでのデータを分析し、課題があれば戦略を見直しましょう。
②目的とゴールの設定
コンテンツマーケティングでどのような課題を解決したいか目的を明確にし、達成度合いを評価するためのゴールを設定します。目的が明確であれば、目的達成に必要な戦略や目標が立てやすくなります。
また、目標は定量的にわかりやすく評価できるよう数値化するのが基本です。例えば「◯月までに成約率△%アップ」のように目標を設定します。目的に合わせて、達成度合いを評価しやすい指標を選択しましょう。
③ペルソナ設計
ペルソナとは、自社の商品やサービスのターゲットを具体的な人物像へと落とし込んだものです。年齢・性別・職業などの基本情報に加え、趣味・価値観・抱えている悩みなど実際の顧客に近い人物像を設計します。
特に「抱えている悩み」の設定は、ターゲットのニーズに合ったコンテンツを制作する上で重要です。顧客が求めるコンテンツを提供すれば、信頼獲得やブランド化につながります。
④購買フローの把握
最適な戦略を立てるためには、顧客が商品・サービスを購入するまでの過程を把握することが重要です。これを「カスタマージャーニー」といいます。各過程においてどのような情報を顧客が求めているかわかれば、自ずとコンテンツ内容は決まり、制作もスムーズに進むでしょう。
【カスタマージャーニーマップの例】
フェーズ | 認知・関心 | 情報収集 | 比較検討 | 購入・利用 | 継続・推奨 |
顧客の行動 | |||||
タッチポイント | |||||
思考・意識 | |||||
感情曲線 | |||||
課題・要求 |
また、カスタマージャーニーをもとに適切なコンテンツを選択するコンテンツマップの作成も有効です。
⑤コンテンツ選定
コンテンツの媒体や方針を決定します。コンテンツの媒体はSNSやオウンドメディアなど多種多様なため、目的・ペルソナ設計・購買フローに応じて使い分けましょう。最終的なゴールを達成するために、それぞれの媒体でも具体的な戦略を考えることが重要です。
⑥運用体制の整備
コンテンツの媒体や方針の決定後、コンテンツの制作・運用体制を整備します。コンテンツマーケティングの成功には継続的な取り組みが不可欠なため、コンテンツ制作の仕組みづくりが重要です。
特にリソースが限られる中小企業では、コンテンツ制作が後回しになったり継続的な運用が困難になったりする可能性があります。そのため、チームを組んで協力しながら運用できる体制を整えましょう。コンテンツ制作の効率化を目的に、ツール導入や機材の準備といった環境整備も必要です。
➆計画表の作成
コンテンツ制作のスケジュールを作成します。コンテンツ制作の際、他部署の協力を仰ぐ場合があるため、制作スケジュールを作ればコンテンツ配信に間に合うよう依頼できます。
年間計画の作成は、季節や流行に即したネタを織り込んだコンテンツ制作ができるのもメリットです。また、担当者や制作スパン、管理責任者などをあらかじめ決めておけば、スムーズなコンテンツ制作・運用ができるでしょう。
⑧コンテンツ制作
設計したペルソナや設定したゴールに基づき、顧客目線でコンテンツを制作します。顧客の購買フローに応じてコンテンツが持つ役割が変わるため、購買フローのどの段階に該当するかを意識しながら制作しましょう。
例えば、顧客の関心を引くことが目的であればSEOを意識し、アクセス数が伸びるようなコンテンツを目指します。制作して終わりではなく、ターゲットの興味を引くコンテンツになっているか常に確認することが重要です。
⑨振り返りと改善
コンテンツを制作し配信したあと、設定した目的・目標を達成できているか効果測定を行います。効果測定と改善を繰り返す(PDCAサイクルを回す)ことで、高品質なコンテンツを提供でき、顧客の満足度を上げられます。
目標を達成できていなければ、現在までに得られた成果はないか、どこを改善すれば目標を達成できるかなど、多角的な観点で分析しましょう。
コンテンツマーケティングを成功に導く戦略立案のコツ
コンテンツマーケティングを成功に導く戦略立案のポイントを4つ紹介します。ポイントを押さえたコンテンツを制作できれば、集客を効果的に行えます。
【コツ1】目的を明確にする
コンテンツマーケティングによって何を達成したいのか目的を明確にしましょう。目的が不明瞭では期待する成果を得られません。ニーズに沿っていないコンテンツを作り続けることになり、疲弊を招く恐れがあります。
また、目的に応じて活用する施策やコンテンツは変わります。そのため、何を目的にコンテンツを配信するかを明確化することが重要です。さらに、どのような観点で成長したいかを具体的に設定しましょう。目的に沿ったコンテンツを制作すれば、短期的な成果は見えづらくとも、中長期的な成果に結びつく可能性があります。
【コツ2】顧客のニーズを理解してコンテンツを配信する
コンテンツマーケティングの成功においては、顧客のニーズに合ったコンテンツ配信が重要です。コンテンツマーケティングの最大の目的がコンテンツ配信による顧客の悩みや課題の解決であるためです。
コンテンツの内容が顧客のニーズから外れると、顧客からの信頼を得られず成果につながりません。顧客のニーズを深く理解し、悩みや課題を解決できるコンテンツの制作を意識してください。また、単なる情報提供だけでなく、共感できるようなストーリーを織り込むと、顧客とのつながりをさらに強化できるでしょう。
【コツ3】継続的に制作可能な体制を作る
コンテンツマーケティングは中長期的な運用が前提のため、継続的に制作できる体制の整備が必要です。専門チームを作り、チーム内で円滑なコミュニケーションを図りましょう。コンテンツの企画から効果測定までメンバーで協力しながら進めてください。
また、PDCAサイクルを回すことで、顧客との信頼関係を築ける高品質なコンテンツ制作が可能になります。特に効果測定は、コンテンツマーケティングを長期的に継続する上で不可欠です。チーム内でリソースを割けないのであれば、チーム外のメンバーへの依頼も検討しましょう。
【コツ4】成功事例を参考に手法を考える
他社の成功事例を参考にすることも重要です。手法の内容と成果の大きさを分析し、自社に適用できるかを検討しましょう。特に参考にすると良い成功事例は、同業他社で、なおかつ同じターゲット層の企業です。
また、自社で広告運用の実績がある場合、その実績に基づいて戦略を立てるのも有効な手段です。ターゲットとする顧客層や訴求内容が一致していれば、同じ戦略でも一定の成果につながる可能性があります。
成功事例から学ぶコンテンツマーケティングの戦略立案
高い戦略性をもったコンテンツマーケティングを実施し、自社商品の売上や認知度の向上に成功した企業の事例を紹介します。目的によって各企業の取り組み内容が異なることを理解し、自社のコンテンツマーケティングへ活用するための参考にしてください。
トヨタ自動車|自社コンテンツのハブ化で認知度アップ
トヨタ自動車はオウンドメディアの「トヨタイムズ」を運営し、自社の認知度の向上に成功しています。トヨタイムズは、トヨタ自動車の取り組み内容や想いを発信しているメディアです。
CMやSNS、Youtubeなど複数のメディアで展開し、読者からの共感を得ることに注力しています。このような取り組みから、相互作用を生み出し大きな成果をあげています。自社の情報を検索した人が最終的にトヨタイムズへたどり着くよう設計し、情報のハブとして活用している点も成功要因の1つといえるでしょう。
freee|悩みを解決して自社製品の売上につなげる
freeeはオウンドメディアの「経済ハッカー」で、給与計算や請求書、確定申告などの悩みを解決する情報を提供しています。会計関連のニーズに焦点を当ててコンテンツSEOに注力し、リスティング広告も出しているのが特徴です。また、画像を活用して視覚的に分かりやすいように工夫しています。
freeeの戦略は、最終的に自社ツールへたどり着くよう設計し、悩みを解決したターゲットがスムーズにサービスページへ移動できるよう仕組み化したことです。この点がコンテンツマーケティングで成功したポイントといえるでしょう。
HubSpot Japan|顧客目線に特化したコンテンツ提供でブランディング
HubSpot Japanは、社名と同様のオウンドメディア「HubSpot」を運用し、顧客目線の情報発信によって自社のブランディングに成功しました。自社サービスの使い方に関する情報発信を行っており、これにより問い合わせ件数の減少とサービス導入の促進に成功します。
また、サービスの紹介だけでなく、自社で蓄積したマーケティングのノウハウやブログなどの学習用コンテンツも用意しています。これにより自らのインバウンドマーケティングに成功しています。
まとめ
コンテンツマーケティングは中長期的な施策のため、目的・目標を明確化し、計画的に進めることが重要です。また、顧客のニーズを的確に把握し、既存顧客・見込顧客ともに自社商品やサービスのファンになってもらえるよう、継続的にコンテンツを配信し続けることも大切です。今回解説した内容を参考に、ぜひ自社独自の戦略を考え、成果につなげてください。
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