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BtoBでもペルソナは重要?メリットや設計手順をわかりやすく解説

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個人ではなく、企業に向けた商品・サービスを提供することから、BtoBにペルソナ設計は不要だと考えている方もいるかもしれません。しかし、ペルソナ設計にはマーケティング戦略の立案・実行を容易にするほか、その効果を最大化しやすいといったメリットがあります。

本記事では、BtoBマーケティングにおけるペルソナ設計の重要性や具体的な手順を解説します。効果的なマーケティング戦略で自社の業績をもっと上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次 ー この記事で分かること ー

そもそもペルソナ設計とは?BtoBに必要?

ペルソナ設計とは、自社の商品・サービスを購入してくれる「架空の顧客像」を指します。設計には、年齢や性別、職業といった属性だけでなく、趣味や価値観、ライフスタイルなども含めることで、まるで実在する人物かのように詳細で現実的なプロフィールを作り上げるのが特徴です。

ペルソナ設計は、自社の顧客となる可能性のある担当者や企業へ向けて、より的確なアプローチができるようになる点から、BtoBでも必要であると考えられています。

BtoBマーケティングでのペルソナ設計は重要

BtoBマーケティングにおいても、ペルソナ設計は重要な役割を果たしています。BtoCでは個人の感情や趣味・嗜好が意思決定に大きな影響を与えます。一方BtoBの場合は、組織としての課題や目標、予算状況などが重視されていることが特徴です。

企業を構成しているのは「人」です。そのためBtoBにおいても、意思決定に関わる決裁者や担当社員のペルソナを可視化することで、どのようなアプローチが有効かをより適切に判断できるようになります。

ペルソナはターゲットをより詳細にしたもの

マーケティングにおけるターゲットとは、例えば「30代の男性会社員でアウトドア好き」といったように、いくつかの属性で分類したものを指します。一方、ペルソナは「35歳・男性・趣味は登山とキャンプ・年収600万円・昇進のため資格取得に悩んでいる」というようにターゲットを詳細化しています。

項目ターゲットペルソナ
年齢30代35歳
性別男性男性
趣味アウトドア・登山
・キャンプ
収入年収600万
抱えている悩み・30代後半になり、このままの働き方で良いのかと考えるようになった
・いまの会社でもっと良いポジションに就くために、資格を取得しようかと考えている

ペルソナはターゲット設定した属性をベースにしつつも、個人の価値観や行動様式、抱えている悩みなどを明確化し、より解像度を上げていくのが特徴です。

このように、ペルソナを明確に定義づけておくことで、顧客視点に立ったマーケティング戦略を立案しやすくなります。ペルソナで設計した属性や課題に合わせて的確な手段を選択し、ピンポイントにアプローチできるようになるのです。

BtoBマーケティングでペルソナを設計するメリット

BtoCと同様に、BtoBマーケティングにおいてもペルソナ設計を行うことで、顧客の視点に立った施策を展開できます。顧客像を具体的に想定できていれば、そのペルソナに響くようなアプローチが可能になるためです。

BtoBマーケティングでペルソナ設計するメリットは、主に3つあります。

  • ユーザー視点で考えられる
  • コンテンツの充実度を上げられる
  • チーム全体で共通認識ができる

以下で、それぞれ詳しく解説します。

ユーザー視点で考えられる

ペルソナ設計によって顧客理解を深めることは、自社の都合ではなく顧客にとって本当に必要な情報は何かを考えられるようになる点がメリットです。顧客の課題やニーズが明確になれば提供すべき情報が定まりやすく、その後のマーケティング戦略や販売訴求にも活かしやすくなります。

例えば、新商品や新しいサービスを提供する際、「〇〇が他社にはないポイント」「△△機能を搭載しているのはこれだけ」といったように、自社が伝えたい訴求ばかりを打ち出してしまうことがあります。しかし、ペルソナを設計しておけば常にユーザー目線に立ち返りやすくなるため、機能やプロダクトの説明のみといった訴求や闇雲なマーケティングを避けやすくなるでしょう。

コンテンツの充実度を上げられる

ペルソナ設計により顧客像を具体化することで、顧客が求める情報や解決策がみえやすくなるメリットがあります。「どのような媒体で情報収集しているのか」「どういうデザインや文体が好みなのか」などを明確化すれば、企業や担当者がよく目にする媒体や響きやすいメッセージもわかり、より効果的な施策を実行できるでしょう。

近年では、チラシやテレビCMに加え、WebサイトやSNSなどインターネット上のコンテンツや広告媒体も増えてきています。ペルソナに適した媒体や手法を活用して、反応率や売上アップを目指しましょう。

チーム全体で共通認識ができる

ペルソナ設計によるメリットは、社内で事業を進めていく中でも得られます。具体的には、ペルソナをチーム全体で共有しておくことで、狙うべき顧客像の共通認識が生まれ、施策を立案・実行が容易になることが挙げられます。

ターゲットとするペルソナのイメージがチーム内で一致していれば、個々の施策がバラバラになるなどのムダを防ぎ、一貫性のあるマーケティング戦略を進めやすくなるでしょう。施策を考える度に認識のすり合わせを行う必要がなくなるため、時間やコストを削減し、業務効率向上にもつなげられます。

BtoBマーケティングでペルソナを設計する4Step

正確なペルソナ設計は、BtoBマーケティングの成果を左右する重要な要素です。しかし、正しい手順を踏まなければ正確性に欠けるため、効果的なマーケティング戦略立案に至らない可能性があります。

BtoBマーケティングに適したペルソナ設計の手順は、以下の4つのステップです。

  • バリュープロポジションの確認
  • 既存顧客を元にターゲットを決定
  • 企業のペルソナ設計
  • 担当者のペルソナ設計

それぞれ詳しく解説します。

【Step1】バリュープロポジションの確認

まずは、自社のバリュープロポジションを確認します。バリュープロポジションとは、「顧客のニーズを満たす事柄」と「自社にしかない強み」を掛け合わせたものです。これを明確にすることで、どのような業種や社風、規模の企業が、どういった課題を抱えているかを想定しやすくなります。つまり、ペルソナ設計の土台となる情報が得られるのです。

なお、バリュープロポジションを考えるときは、「わかりやすい表現か」「簡潔で伝わりやすいか」なども意識するとよいでしょう。ペルソナ設計した顧客が、自社の商品・サービスを認知し、選びやすくする工夫も大切です。

【Step2】既存顧客を元にターゲットを決定

次に、既存顧客の情報を参考にしながらターゲットとなる企業を選定します。既存顧客を参考にする理由は、自社の商品・サービスを既に購入していることからバリュープロポジションに価値を感じてくれていると判断できるためです。そのため、同じような悩みやニーズを持つ企業は、売上アップにつながる可能性が高い顧客層だといえます。

既存顧客の業界や規模、ニーズや課題を分析することで、ペルソナ設計の大きなヒントが得られます。また、競合他社のデータや社内のヒアリング情報なども参考になるでしょう。

【Step3】企業のペルソナ設計

ターゲットを決定した後は具体的にペルソナ設計していくこととなりますが、ここで留意したいのは、まず企業のペルソナ設計を行う点です。BtoBの場合、最終的な購入主体は企業です。そのため、ペルソナとなる企業像を詳細に設計する必要があります。

設計する項目は、業種や売上規模、社風、将来の展望、抱えている課題など、自社の目的や施策に合わせて取捨選択しながら決定しましょう。この段階で、ターゲットとなる企業像を具体的にイメージできるようになります。

【Step4】担当者のペルソナ設計

最後に、Step3で設計した企業に所属する担当者のペルソナを設計します。ここでの担当者とは、問い合わせをくれる人など基本的に自社と接点を持つ担当者を想定します。設計する項目は企業のペルソナ同様、自社の目的や施策に合わせます。

ただし、個人的な部分だけではなく、企業ペルソナも考慮しながら決める必要がある点に注意しましょう。また、所属部署やポジション、決裁権を持っているかどうかなども積極的に盛り込みたい要素の1つです。

担当者のペルソナが完成したら営業部門に確認してもらうなど、事実とかけ離れていないかどうかのチェックも大切です。より現実的なペルソナを設計することが、事業やマーケティング戦略を成功に導きます。

BtoBマーケティングでペルソナ設計するときの注意点

ペルソナ設計は、BtoBマーケティングを効果的に進めるために有効な手段の一つです。しかし、最終的な目的である業績向上に直結するようなペルソナを設計するには、注意点が4つあります。

  • 複数のペルソナを設計する
  • 理想像でペルソナ設計をしない
  • 具体的で明確なペルソナを設計する
  • 時代や業界の変化に合わせて見直す

下記で、それぞれ詳しく解説します。

複数のペルソナを設計する

BtoB企業の商品購入までのプロセスは、問い合わせ担当者が詳しい情報を把握し、それを社内協議により決裁者が判断するのが一般的です。すなわち、購入を検討してから実際に商品・サービスを使用するまでには、複数の人たちが関わります。そのため、BtoBマーケティングではペルソナも複数設計する必要があります。

商品・サービスの検討、実際に購入してから使用するまで、各プロセスで関わるすべての人をペルソナ設計することで、具体的な戦略立案や適切なアプローチが容易になるでしょう。また、自社の商品・サービス提供により解決できる課題が複数ある場合も、顧客となる企業が抱える課題ごとにペルソナを設計すれば、より的確なアプローチも期待できます。

理想像でペルソナ設計をしない

ペルソナ設計でよくありがちな悪い例の1つに、自社の思い込みや理想に基づいて、実際の顧客像から大きくかけ離れたペルソナを作ってしまうということが挙げられます。このようなペルソナでは、実際の顧客では施策が響きにくくなり、成果につなげるのも難しくなってしまうでしょう。

ペルソナ設計の目的は、自社がアプローチすべき顧客像を明確にし、効果的なマーケティング施策に活かすことです。そのためには、理想像ではなくデータや事実に基づき現実的なペルソナを設計することが重要です。理想に偏らないようにするためには、既存顧客のデータを参考にするなどの対策を行いましょう。

具体的で明確なペルソナを設計する

ペルソナ設計では複数の項目を設定し、一人の人物像を作り上げるように具体的かつ明確にすることが大切です。ペルソナの表現が不明瞭だと、社内での共通認識が持ちにくくなったり具体的なアプローチ方法が決められなかったりと、マーケティングの効果を低減してしまう恐れがあります。

具体的かつ明確に設計するには、例えばペルソナが「情報収集の手段としてSNSをよく利用している」とする場合、「プライベートの訪れたい場所や利用したいサービスについてはInstagramを使用している」「ビジネス利用に限ってはFacebookをメインに利用している」など、より詳細に設計するとよいでしょう。

時代や業界の変化に合わせて見直す

ペルソナは、一度設計したらずっとそのままということはありません。時代や業界の変化に伴い、絶えず変化するものであると理解しておきましょう。そのため、企業のマーケティング戦略においても、ペルソナ設計には定期的な見直しが必要です。

ペルソナ設計は、あくまでも目的達成のための手段であり、成果を最大化するためのツールの1つです。定期的なペルソナの見直しを行うことで、常に最新の顧客像を把握し、効果的なマーケティング施策を打ち出せるようになるでしょう。

BtoBでのペルソナ設計の具体例

BtoBマーケティングにおけるペルソナは、担当者個人であると同時に企業でもあります。そのため、個人と企業どちらもペルソナを詳細に設計することが重要です。

以下は、SNSコンサルティング会社を例にしたペルソナ設計です。

個人のペルソナ名前田中 太郎
性別男性
年齢35歳
部署マーケティング事業部
担当事業Webマーケティング
勤続年数5年
仕事に関する悩み新規顧客を開拓したいが、SNSやWebを活用した事業を前向きに捉えてくれる事業者がなかなか見つからなくなってきた
決裁権なし
企業のペルソナ会社名株式会社〇〇
業種コンサルティング
資本金3,000万円
決算期3月
業績10億円
事業内容WebメディアやSNSを活用して事業の集客や業績を増やすコンサルティング事業を行っている
事業の課題や目標・新規顧客の開拓
・既存顧客との関係強化
・SNSマーケティングにおける認知度向上と問い合わせ増加
社風・フラットで部署間のコミュニケーションが活発
・新しい取り組みを奨励してくれる
・ワークライフバランスを重視しており、残業が少なく有給休暇も取得しやすい

このように、個人のペルソナと企業のペルソナは表にまとめて一覧形式にしておくと、より詳細かつ明確な情報を把握しやすくなります。個人のペルソナにもビジネス的な要素や課題を盛り込むことで、よりマーケティング戦略を効率的に進められる点が特徴です。

表は一度作成してしまえば、テンプレートとして活用できるため、複数設計するときにも作業効率を上げられるでしょう。

まとめ

正しいペルソナ設計ができれば、BtoBマーケティングの効率化はもちろん、成果を最大化することができます。設計手順としては、最初にしっかりバリュープロポジョンを定め、企業の課題解決を意識しつつ企業ペルソナ・個人ペルソナの両方を作ることが売上につながります。

なお、ペルソナ設計の注意点として、理想像やあいまいな表現を持ち込まないこと・自社売上につながる複数のペルソナを作ること・定期的な見直しをすることが大切です。

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この記事を書いた人

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
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