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この商品・サービスでマーケティング活動をしたいけれども、どう数字を組み立てても費用対効果(CPAなど)が合わなくなってしまう時の最も重要な改善ポイントとは?

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Webhit 編集部

この商品・サービスでマーケティングの活動をしていきたいけども、
どう数字を組み立てても費用対効果が合わなくなってしまいます。
そのときに改善するポイントは何でしょうか?

大澤 要輔

これに関して最も重要な改善ポイントは、結論から言うとサービスの
単価
ですね。
サービスのLTV(ライフタイムバリュー)と呼ばれるものを伸ばすことに重きを置くのが一番良いかなと思います。

大澤 要輔

基本的に、似たようなものが揃ったとき、より安いものが欲しくなるのは人間のサガでもあると思うんですよ。
「安さ」は一つ重要な要素ではあるんですけれども、ただ安ければ売れるのかみたいな話で、安くしたら今度は費用対効果が合わなくなってきます。

大澤 要輔

例えば、1万円のサービスを売るのにお客様が成約するところまでを
含めて、合計10万円かかった場合。
単発1万円のサービスで、お客様の成約までが10万円だとしたら、
9万円分損していますよね。

大澤 要輔

凄く極端な例を出しましたけど、そういった「単価を下げればいいだけだよね」とすると、そもそも費用対効果が合わなくなります。
ですので、いわゆる「商品の単価を上げること」、また商品の単価を上げることとイコールではありませんが、「LTVを上げること」が挙げられ
ます。

大澤 要輔

1つずつ説明しますね。
商品の単価を上げるというのは、先程の1万円の話で例えてみると、
1万円が20万円になることはないですが、普段15万円で売っているものを20万円で提供できるようにならないか、という話ですね。

大澤 要輔

対して元々15万円の商品が、成約までの間に集客費用や営業費用で
10万円かかるとしたら、商品の売り上げから販売するまでのコストを
差し引いた金額は5万円になるのでプラスになりますよね。

大澤 要輔

もちろん、サービスの提供にあたって他にも人件費や云々かかるものもあるので、そこも考慮して決めないといけないのですが。
15万円のものが20万円で売れて、1件獲得するまでに諸経費が10万円
かかるのであれば、10万円分の利益が出るんですよ。

大澤 要輔

差し引きで利幅を増やせるので、いわゆる費用対効果というものを
合わせるようなことができるということがまず一つありますね。

大澤 要輔

もう一つはLTVです。
簡単に説明すると、1人のお客様が最初に購入してくれてから、その後
生涯でどれだけ購入してどれだけの金額を自社に貢献してくれるのか
というライフタイムバリューのことをいいます。

大澤 要輔

例えば、1,000円の商品をお客様が生涯10回購入してくれたとすると、
その人のライフタイムバリューは1万円です。
細かい計算をすると、購入頻度などいろいろな要素があります。
もちろん、100回買ってくれれば10万円になります。

大澤 要輔

先程、商品の単価を上げるのとイコールではないとお伝えしましたが、商品の単価を上げることでもLTVは上がります。

大澤 要輔

1,000円の商品を生涯10回購入していたものを1万円にして10回購入したら10万円ですよね。
イコールではないと言ったのは、何回買うか、どれぐらいの量を買うのか、のようなところの違いです。

大澤 要輔

そういうところでいくと、今の10回という部分を100回、1,000回買ってもらえる商品にできれば、単価が変わらなくてもそれだけで10万円、
100万円というように上がります。

大澤 要輔

お客様が生涯にわたってどのぐらい買ってくれるのか、単発回だけで
終わってしまうものなのかそうでないのか、自分たちでサービス設計をコントロールする必要があるということです。

大澤 要輔

主にその費用対効果を合わせることを考えるならば、最も重要な改善
ポイントは、

・商品単価を上げる
・LTVを上げる


のどちらかになるかなと思います。
僕のおすすめは後者の「LTVを上げる」ことですね。

Webhit 編集部

LVTを上げるというのは、購入してくれる回数を増やしていくという
考え方で合っていますか?

大澤 要輔

そうですね。
細かい計算式をいろいろ作ろうと思えば作れますし、定義上こういう
ものがうちのLTVだという決め方をすることは不可能ではないのですが。

大澤 要輔

具体的には、

・収益
・購買の頻度
・平均継続期間


がどのくらいかということを考えます。

Webhit 編集部

なるほど、1回だけしか購入されなかったら赤字ですが、5回、
10回以上買ってくれたら黒字になる、みたいなパターンもある
ということですね。

大澤 要輔

ありますね。
その例でいくと、最近でこそ少し減ったかもしれませんが、サプリメントや化粧品がそうですね。
例えば、青汁や化粧品の単品通販を見たことはないですか。

Webhit 編集部

あります!初回で〇〇円みたいなやつですよね?

大澤 要輔

おっしゃる通りです。
1週間分のトライアルセット500円みたいなのがありますよね。
例えば、美容液だったら、原価だけで考えたら当然研究開発費や人件費がかかっているため、販売価格が500円では割に合わないんですよ。

大澤 要輔

コンバージョンが取れて1件購入が取れたとしても、絶対に合わないん
です。500円の商品を買ってもらうために、広告費もおそらく1万円〜3万円ぐらいかかっているはずなんですよ。

大澤 要輔

何故、それがビジネスとして継続できるのか。
リピートしてもらえるからなんですよね。
例えば、500円のトライアルセットを使ってみて「これいいかも」と
思った人が定期購入をします。
通常単価が6,000円だとしたときに、毎月1個届く契約にしておいて、
1年間続けてくれたら売上は7万2,500円ですね。

大澤 要輔

先程、1万円から3万円ぐらいという話をしましたが、間を取って2万円
ぐらいで1件の契約が取れたとすると、LTVで言ったら7万2,500円なので、それだったら割に合っていますね。
このように、最初は合わないけれど後ろのLTVを伸ばすことによって
費用対効果を合わせるということは実際に存在します。

大澤 要輔

どの市場・マーケットもそうなのですが、今は商品やサービスを見つけるのが非常に困難なんです。
競合がたくさんいる状態で、直接の競合でなくても間接の競合も含めて選択肢として均等に選ばれるわけですよね。

大澤 要輔

わかりやすく例えると、「ランチに何を食べようかな」と考えて、
ラーメンなのか天ぷらなのかイタリアンなのか、のようなことを選ぶ
とき、ラーメンの直接的な競合はラーメンですが、ラーメンの間接競合として、天ぷらやイタリアンもあるんですよ。
このように、間接競合まで含めると、想像以上に競合がたくさんある
ことがわかります。

大澤 要輔

選択肢がたくさんあって、でもその中で戦わなくてはいけないとなると、価格で勝負をすることが考えられます。
ただ、価格で勝負をすると、どんどん単発ごとの利益は下がってしまいます。
もちろん、原価を下げられる努力ができればいいのですが、近頃は原価が高騰しやすいですよね。

大澤 要輔

原価はどんどん上がっていく中で、お客様からは価格の希望があると
いう状態はかなり苦しい状況だと思います。
それならば、単発だけではなくて複数回購入してもらう、または別の
商品やサービスを掛け合わせて売る工夫をする必要があると思います。

大澤 要輔

他社と価格競争をしなくてはならなくなる状態では、非常に費用対効果が厳しいものになってくるでしょう。

Webhit 編集部

なるほど。常に何かサービスの魅せ方や売り方を工夫していかないと
難しいですね。

大澤 要輔

ですので、僕としてはLTVを上げることをおすすめします。
よく単価を上げると皆さんは言いますが、もちろんさっき言った通り
単価を上げるのも一つの手なんです。
ただ、間違ってしまうのが、何も変えずに単価だけをいきなり上げるんですよね。単価が上がって、それを納得してくれる人は多分いません。

大澤 要輔

単価が上がったら買わなくなりますよね。「別にこれじゃなくてもいいよね」と思った瞬間に選ばれなくなります。
今まで競合に勝てていた理由が「単価」なのであれば、それを上げた瞬間に売れなくなります。

大澤 要輔

もちろん、単価が上がっても欲しいものであれば売れる可能性はあります。ですので、単価を上げる際には、自社の商品がそういうサービスを提供できているかどうかについて、先にチェックする必要があります。

Webhit 編集部

なるほど、「単価を上げたい」と思ったときに、ただ急に値上げを
してしまうと、お客様からの印象があまり良くないですよね。

Webhit 編集部

例えば「◯◯を改善しました!」とか「ここが新しくなりました!」
という感じで、値上げの理由をちゃんと伝えるとか、見せ方を工夫するのが大事なのかなと思います。
その説明がないと、ただ高くなっただけのように思われそうですね。

大澤 要輔

そうですね、ただ単価を上げるだけだとどうしても売れなくなる可能性が高いです。
もちろん、単価を上げる方法がないケースもあるんですよ。
単純に単価を上げられればいいのですが、なかなか上げられない商売も実際に存在します。

大澤 要輔

例えば、先程のランチの話で、近隣のランチ営業をしているお店が、
どこも価格を1,000円以内にしている場合、1,000円を超えた瞬間に、
「すごく高い」と思う感覚が、このエリアの消費者にはあるんです
よね。
「以前、〇〇店のランチに行ったんだけど1,500円もした」のようなことがずっと言われている中で、それでも単価を上げようとしたら、下手をするとお客様が離れてしまいます。

大澤 要輔

そうなると、単価を直接的に上げるのは難しいので、LTVを上げようと
いう方向に動かなくては駄目ですよね。

大澤 要輔

1週間に1回来店してくれるお客様がいるなら、1週間に2回、3回、4回と来てもらうにはどうしたらいいのか、ランチしか来ないお客様がいたらどうやってディナーにも来てもらうか、とかそういうことです。
LTVに必要なのは、もう一つ継続期間です。

大澤 要輔

定期的に来店してくれる状況が続けば続くほどLTVは伸びますが、それがどのぐらい続くのか、いつお客様に飽きられて期間を開けられたり、他の店舗の常連になってしまうかわかりません。
「もういいかな」となってしまわないようにするにはどうしたらいいのかということにも考慮が必要です。

大澤 要輔

ある有名な某うどん店に行くとチケットが貰えますよね。
3枚チケットがあれば無料でトッピングがつきます。
もちろん、トッピングが欲しいがために来る人もいるんですよ。

大澤 要輔

ある店舗は、「スタンプを4つ押すと、海老などのちょっとしたトッピングがもらえます」というサービスをしているのですが、スタンプが押されていないカードを4枚持ってきて「貰いに来たよ」って来店された方がいらっしゃるんですよね。

大澤 要輔

そこまでしてでも欲しかった人たちがいるんです。
そういったものに刺さる人たちがいる・いないはあるものの、店舗と
しては良いことかなとは思いますね。

Webhit 編集部

なるほど。一概に単価を上げるのではなくて、どうしたらお客様に継続して来てもらえるのかという方向に持っていくことが一つのポイント
なんですね。

大澤 要輔

そうですね。
例えば、歯磨き粉は、比較的買い替えやすい商品だと思います。
「新しいものが出たら試してみようかな」とスイッチしやすい物です。

安いもので200円から300円、高いものだと1,000円から1,500円などのものがありますが、高くてもその程度なので、「ちょっと気になるから変えてみようかな」とか、「気分的に違う歯磨き粉を使ってみようかな」と
思いますよね。

大澤 要輔

歯磨き粉をどのぐらいの頻度で使うのかと考えると、大体1日2回から3回くらい使うわけです。そうすると1ヶ月ぐらいで無くなりますよね。
1ヶ月に1回から2回程度買ってもらえるとして、あとはどのぐらい継続
して使ってもらえるかなんです。

大澤 要輔

「この歯磨き粉は良かったね。もう1回それを買おうか、いつものだからね」と言って買ってもらえたら、それでLTVがまた一つ上がります。

大澤 要輔

一方で、歯磨き粉を使っているはずなのに、デンタルクリニックで
「これ、磨けていませんね」「虫歯ができちゃってますね」などと言われたら、「あれっ、もしかしたら今使ってる歯磨き粉は洗浄力が弱いのかもしれない」となって買い替えますよね。

大澤 要輔

そういう日々の中で起きたことによってお客様の意識は変わるのですが、そもそもその歯磨き粉を選んだときに何を期待して買ったのか。
「洗浄力に期待して買っていたのに虫歯ができた」
「洗浄されていない」
ということがあった瞬間に、お客様は商品を変えてしまうんですよ。

大澤 要輔

お客様に使い続けてもらうためには、どういう結果をお客様に返していかなくてはならないかを考えないと継続期間は伸びません。
どれだけ商品を売っても、1回か2回使われて終わりのような感じになってしまいます。

大澤 要輔

その結果、結局売れない商品・サービスが出来上がってしまいます。
研究開発にかけたコストに対して、販売したときの利益のリターンがないという状態が一番厳しいところですね。

Webhit 編集部

なるほど。
そもそも「お客さんが何をきっかけにこの商品を選んでくれたのか」とていう“入口の理由”に注目することが大事なんですね。
単価を上げても受け入れてもらえる商品が増えてきたなら、次は「どうやって継続してもらうか?」という方向を決めた方がいいんですね。

大澤 要輔

そうですね。
もちろん両方できるのが理想です。
商品単価を上げて、継続の購入頻度を上げるのが一番いいですね。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
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