
BtoCとBtoBでマーケティングの手法って変わってくるのですか?



そうですね、手法に関しては変わります。
例えば、 BtoCだとわかりやすいのは飲食店のクーポンとかですね。
でも、BtoBでそういったクーポンってできないじゃないですか。



逆にBtoBでできることだと展示会とかですね。
一般的にはBtoB向けでやることが多いです。



なるほど、興味をもってもらう手法が違うということでしょうか。



興味をもってもらうのもそうですし、お客様に対する接点のポイント・種類が違うということですね。



では、逆に変わらない部分はどこでしょう。



基本的に売るための考え方はあまり変わらないかなと思います。
BtoCとBtoBが共通しているのは「人に対して売る」っていうことなん
ですよね。



あえて雑に違いをいうと「一般消費者という人に売っているのか、
法人という人に売っているのか」なんですよ。



それぞれ考え方も違えば意思決定の基準のロジックも違うよねという
話なので、相手にしているのは人であって、属性とか相手の状態によって決め方が違うだけ。
で、そこに対して考えることとか、やらなければならないことは大きく変わらないです。



いま意思決定のロジックという話があったと思うのですが、人だと感情というか、いかに買いたいと思ってもらうかを考えると。



その点、法人だとなかなかそういうわけにはいかないのかなと。
全体の利益を考えるというか、そういった意味でいうと、人か法人かで
訴えかけるポイントやアピールが違う気がするのですが、いかがでしょう。



アピールするポイントは違いますね。
例えば、BtoCの場合でハンバーグをお客様に買ってもらおう、食べて
もらおうとすることを考えてみましょう。



一般消費者に向けてやるのであれば、ハンバーグを食べたくなるようなメニューの魅せ方やキャッチコピーの書き方ができているか。



お客様の求めているものが素材であるなら「黒毛和牛100%」等と書いたり、もっと感情に訴えかけましょうとなれば「ジュワっとする」「口の中でまろやかな味わいが」など、そういう言い方ですよね。
「シズル感」という、美味しそうな感じを頭の中に想起させる言葉を
使ったりして、感情に訴えかけていくっていうのをやったりします。



逆に、BtoBでハンバーグを売り込もうとなったときは
・ハンバーグをこれだけの方に食べていただけた
・こんな方に食べていただけた(インタビュー)
・ハンバーグの原価、販売価格、購入することで得られる定量的な数字
等になります。



他のハンバーグと比較したときに、うちのハンバーグはこういう部分で強みがあるので選んでください、ということですね。



BtoBの方が比較的「合理的に意思決定される」というのが一般的な話
です。ゆえに、言い方が結構変わるんです。
ですが、全く感情に訴えかけなくていい、というわけではなく、こういった方が食べてます、こういった方が感想を述べています、といった
部分はBtoCと変わらないです。



有名な芸能人がハンバーグを食べに来て「これは美味い!都内で3本の
指に入る」と言ってました、となると一般消費者も感情に揺さぶられるじゃないですか。
BtoCとBtoBは感情の訴えかけ方が少し変わってきますよ、ということ
ですね。



なるほど、BtoBは合理的な数字があったほうがいいんですね。



そうですね。
例えばこれが大きな会社だったとします。
・営業を最初に受ける担当者が情報収集をする
・課長や部長が同席し同意を得る
・事業部のトップや役員を連れていきながら少しずつ合意形成をする
というように、段階的に進めていきます。



これが中小企業であったとしても、最終的な意思決定に至るプロセスの長さは変わりますが、少しずつ合意形成をすること自体は本質的に変わりません。



経営者は、最終的にいくらでサービスや商品を買うとなったときに投資を回収できるか、投資するだけの価値はどこにあるのかなと考えながら購入を決めます。



そうなると、必然的に合理性を主張するような提案が多くなりがちなのかなと思いますね。



手法は変わるけども基本的な考え方は変わらない、ですがBtoBかBtoCでアピールするポイントが変わるということですね。
ありがとうございます。

