Webhit 編集部今回は「マーケターの見極め方が分かりません。見極めるポイントは
ありますか?」というテーマについてお話しいただきたいと思います。
よろしくお願いします。



お願いします。



採用やコンサル依頼などでマーケターに依頼することもあると思いますが、優秀なマーケターを見極めるポイントはあるのでしょうか?



優秀なマーケターを見極めるポイントとして一つ挙げるのであれば、
「施策の提案から話に入らない人であること」です。



施策の提案から入るマーケターは、一見すると非常に優秀そうに見え
ます。こちらが「これが悩みで、ここが課題で」と伝えたら、「それならこの施策をやればいいですよ」と即座に答えてくれるため、頼りがいが
あるように感じます。



たしかに、すぐに施策を提示されると「この人はできそうだ」と感じてしまいがちですよね。



そうなんです。しかし、実態として多くは結構自分たちの事例が多い施策や得意な施策であるところに寄せようとしているケースが非常に多く存在します。
シンプルに考えればわかりますが、その施策が本当に自社に合うかどうかは自社の状況次第になります。



そうですよね。



はい。例えば、「リスティング広告の経験があり、実績もありますがどうですか?」と提案されたとします。
その場では、「それならリスティング広告をやったほうがいいですね」と言われると、確かに良さそうに聞こえます。



しかし、本来はその前に以下の点を確認すべきです。
・そもそも、その商品やサービスには十分な検索ボリュームがあるのか
・ユーザーは検索行動を通じてその商品やサービスを購入するのか
・検索という行動自体が購買プロセスに合っているのか



なるほど、たしかに「実績がある施策=自社にも合う施策」とは
限りませんよね。



おっしゃるとおりです。
例えば、「じゃあメタ広告をやったほうがいいのでは?」とか「SEO対策が良さそうです」と提案されたとします。
これも一見、頼りになりそうですが、メタ広告の場合、本当に自分たちのターゲットがFacebookやInstagramにいるのか確認する必要があり
ます。



SEO対策も同様です。SEO対策自体は有効ですが、検索順位を上げることにかかるコストや時間的優先度が、今の会社の状況に対してフィットしているのかを考える必要があります。



たしかに、そうですよね。



はい。こういう視点が抜けがちなのは、自分たちは広告代理店だから
広告を提案する人がいるからです。
しかし、お客様のニーズや現状を把握すれば、必ずしも広告だけが最適な解決策ではない可能性もあります。



怪しいマーケターは「自分たちができることは広告だから、とにかく受注する必要がある」という理由で広告を提案してきます。そうすると本質がずれてしまうため、本質的な解決にはつながらないでしょう。



たしかに、受注ありきで施策が決まってしまうと、本質的な解決からは遠ざかってしまいますよね。



はい。そのため、企業に合うかどうか、今の自社やクライアントの実情に適しているかどうかをまずしっかり確認する必要があります。
その確認を抜きにして、いきなり施策に入ろうとするのはかなり難しいと思います。



ありがとうございます。では、「この人は少し実力が怪しいかもしれない」と感じるマーケターにはどのような特徴がありますか?



実力が怪しいかもしれないマーケターの分かりやすい例を一つ挙げる
とすれば、「自分が関わっていない数字を、自分の実績として語る」人
です。



例えば広告運用者によくある話で、「私、大手〇〇株式会社で年間2億円の広告運用を担当していました」と言う場合があります。
これの何が問題かというと、その広告予算を用意したのは誰かという話です。答えは、クライアントです。



そうですね。



しかし、それはあなたの実績ではありませんという話です。
例えば、自分は広告運用しか担当しておらず、売上や成約については一切関わっていないのに、実績の説明では「売上がこれくらい上がりました」「実績はこれくらいです」と言うことがあります。



もちろん、広告経由の成約率改善に取り組んだり、販売単価を上げる
ための広告改善を行ったりと、実際に施策に関わっていればいいと
思います。
しかし、ただ管理画面を操作していただけで、顧客の売上や受注が
上がったことを自分の実績として語る人もいるのです。



サービスであれば、広告運用の成果として語れるのは「お問い合わせ獲得」や「資料請求」といった範囲までです。
それ以上の売上や成約など、広告運用者自身が直接関与していない部分を実績として語る場合、その人の実力は怪しいのではないかと私は思います。



わかりやすくありがとうございます。反対に経験が少なく見えても、
優秀なマーケターの特徴というのはあるのでしょうか?



そうですね。反対に経験が少なく見えても、優秀なマーケターの特徴を一言で言うなら、精度はともかくとして「改善提案の数や手数が多い」ということは、やはり優秀な指標だと思います。



やはり成果を出しているマーケターや、いいマーケターには、「改善提案の数や手数が多い」という共通点があると思います。



なるほど。



なぜかというと、例えば新規事業の立ち上げを考えてみてください。
新規事業の立ち上げ時には各社が力を入れて予算も人員も割いて取り組みます。
しかし、実際にはうまくいかないケースが約70〜90%と失敗の方が圧倒的に多くなっています。



失敗することのほうが多いのですね。



はい。新規事業という会社が予算も人員も割いて、力を入れて取り組むものですら、成功する割合は決して高くありません。
そのため、マーケティングの成功率も正直たかが知れているのです。



成果が出るかどうかの差はどこにあるかというと、結局「成果が出る
までやり続けたか、やめてしまったか」という点だけです。



成果が出るタイミングは会社によって早い場合もあれば、時間がかかる場合もあります。
しかし、結局のところ「成果が出るまでやったか、やらなかったか」の違いに尽きます。



だからこそ、改善提案の手数が多いことは重要です。
つまり、自社の事業を理解し、クライアントの事業も正しく把握した
上で、改善案をどんどん出していけるマーケターは強いと思います。



ありがとうございます。少し話題は重なるかもしれませんが、中小企業において、特に活躍できるマーケターにはどのような特徴がありますか?



中小企業において活躍できるマーケターは、一言で言うと、
「自分の業務領域を定めきらない人」だと思います。



例えば、「私は広告担当なのでSEOは専門外です」「SNSは分かりますがリスティングは分かりません」といった具合です。
正直に言うこと自体は間違いではありません。しかし問題は、「分かりません・できません」で終わるかどうかです。



中小企業の場合、予算が十分にあるわけでもなく、社長の判断で方向性が変わることも少なくありません。
そうした状況下で重要なのは、小回りを利かせて柔軟に動ける人です。



例えばSEO対策であれば完璧な分析ではなくても「御社の現状をざっと
確認して、課題になりそうなポイントを示す」だけで、経営者は判断
できると思います。
もちろん経験が全くない人が何も考えずに意見を出すのは問題ですが、
経験の有無だけで人を判断して「経験者だけ採用すれば絶対うまくいく」と考えるのも違います。



たしかに。完璧さよりも、状況に応じて柔軟に動けるかどうかが重要だという点がよくわかりました。



はい。しかし、業界経験があるからといって必ず成功するわけではありません。
経験を声高に主張しても、結果が伴わないケースは多くあります。



「業界経験があるから必ず成功します」というのは、論理的には筋が通りません。
では、何に焦点を絞るかというと、先ほどの話と同じで「成果が出るまでやるのか、出るまでやらないのか」という点です。
その過程で、小回りを利かせながら試行錯誤し、改善を繰り返せる人は経営者にとって非常に頼りがいがあります。



こうした人と一緒に取り組むことで、会社全体がどの方向に動くのかが見え、組織としても前に進みやすくなるでしょう。



なるほど、「どんな経験をしてきたか」よりも、「どう向き合ってきたか」を見るべきだということですね。
マーケターを評価する軸が、かなり明確になった気がします。



はい。つまり、マーケターとして重要なのは次の点です。
・状況を正確にキャッチアップし、コミットすること
・成果が出るまでまず行動すること
・改善提案を積極的に出し、手数を増やすこと
これらをしっかり実行できるかどうかが、非常に重要だと思います。



ありがとうございます。
「経験」というお話も出ましたが、マーケターにおいては、業界知識とマーケティングの知識のどちらが、より重要だとお考えでしょうか?



結論として、業界の知識とマーケティングの知識の有無はそれほど重要
ではありません。
強いて言えば、マーケティング知識は座学レベルでも必要ですが、業界
経験自体は必須ではありません。



例えば不動産売買の支援経験があるからといって、不動産売買の会社の中身が全く同じスキームとは言えないでしょう。
・単に物件を一つだけ扱っているのか
・マンション全般を扱っているのか
・タワーマンションを扱っているのか
・都内か地方か
などによっても、状況は大きく異なります。
お客様の性質も異なれば、購入までにかかる時間も変わります。



各会社には必ず個別の事情が存在するため、業界知識だけに頼るのではなく、まずお客様に直接確認することが重要です。



例えば、
「御社の場合、不動産売買の中でもどのような形態で運営していますか?」
「御社ではどのような物件を扱い、どの範囲で業務を行っていますか?」「御社ではどのような提案の仕方をしていますか?」
といった具体的な確認です。



このとき、「御社の場合」といった言葉を使って丁寧に聞くことが大切
です。そもそもこれをキャッチアップする気がない人は、マーケターと
して論外です。



なるほど、業界経験そのものよりも、目の前の会社や顧客を理解しようとする姿勢が何より重要だということですね。



はい。そのため、マーケティング知識があること自体はある種どうでもいいのです。
反対に知識があるがゆえに、「不動産売買の会社ならリスティングを
やったほうがいい」とか、「不動産業界ではリスティングが常識」と
いった偏った認識で提案してしまう場合もあります。
しかし、大手不動産会社が多数リスティングを行っている中で、予算面で勝負できなければ成果は出ません。



つまり、マーケティング知識があることによって、業界やお客様を深く理解せず、間違った認識で提案してしまう傾向が生まれるのです。
そのため、マーケティング知識が必ずしも必要ではないのです。
もし、「どちらが大事ですか?」と質問されたら、マーケティング知識がある方が会話はスムーズにできるという程度です。



それよりも重要なのは、業界のことを正しく理解すること、そのクライアントのことを深く知ることです。
さらに、お客様がやりたい施策が自社にフィットしているか、そこに対してきちんとキャッチアップしているかといった点の方が何百万倍も大切です。



ありがとうございます。
では、この記事を読んでくださってる方に最後に一言お願いします。



はい。ありがとうございます。マーケターを見極めるポイントとして、
まず施策の提案から入ってくる人はダメです。



クライアント、つまりこの記事を読んでいる皆さんのことですが、自社の経営状況や、お客様がどんな方々で、実際にどのような声をいただいているのかといった理解がまず前提として必要です。
その理解なくして施策を提案することはできません。
そのため、良いマーケターと付き合いたいのであれば、自社の情報は惜しみなく提供することが重要です。



もし、「社外秘なので言えません」といった理由で会社側が情報を提供
しない場合は、どんなに優秀なマーケターを入れても絶対にうまくいき
ません。
もちろん、真正の機密情報は守るべきですが、すべてを「社外秘」として出さないようではうまくいかないでしょう。



そのため、施策の提案から入ってくるマーケターを避けるのはもちろんですが、会社側が直せるポイントとして、自社の状況や提供しているサービスや商品の特性、営業状況などを、機密保持契約を前提にしっかりとマーケターに提供することが重要です。
そのうえで提案をもらう形にしていただいた方がいいと思います。



ありがとうございました。












