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差別化したい!でも自社独自の強みなどがないんですが、どうすれば?

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Webhit 編集部

他の競合の会社と差別化したいのですが、自社独自の強みが特にない場合は、どうやって差別化していったらいいのでしょうか?

大澤 要輔

まず前提として、「差別化」と「独自化」の違いをお話ししたいと思い
ます。

差別化というのは、基本的には同じ土俵で勝負をすることで、その中で違いをつけることを言うんですよね。
独自化というのは、そもそも同じ土俵で勝負しないということを言う
わけです。

大澤 要輔

例えば、化粧品を例にとりましょう。
化粧品のグループの中には、「保湿系化粧水」、保湿力が強い化粧水みたいなものがありますよね。

大澤 要輔

みんなが「保湿、保湿」という市場があるとします。
そういった市場の中で、要は「このような新しい成分が入っていて、
ヒアルロン酸の10倍の保湿力があります」と言って、他と違うことを
やる、他よりも良くするということが、いわゆる「差別化」
と呼ばれるものですね。

大澤 要輔

ですが、「そもそも保湿とは、どうして必要なんだっけ?」のような話があって、仮に年齢に合わせたケアの意味で「エイジングケア」という
文脈で考えたときに、「保湿」というものがまず大前提として必要になるから、のような話になったとします。

大澤 要輔

すると、その中で、今は保湿という土俵でみんな戦っているよねと、
そういう方向性で、エイジングケアという文脈がある中での「保湿」
という文脈でみんな戦っているよねと。

大澤 要輔

それに対して、「いや違うぞ、幹細胞化粧水だ」と。
エイジングケアという目的のためには、もちろん保湿も大事だから、
保湿もきちんとしているけれど、「エイジングケアをするのなら、
幹細胞の方の化粧水がいいんだ」という、全く違う道を切り開くようなことを「独自化」といいます

大澤 要輔

ただ、独自化しようと思っても、競合がすぐ真似できるようなものだと「独自」ではないため、またそこで土俵が作られてしまいます。

大澤 要輔

今度は「幹細胞化粧水」という道が作られて、他の競合が入ってきて、また土俵が作られて…ということになるので、要はその中で、次はどうやって差別化するかといった話になってしまうため、独自化には注意が必要ではありますね。

大澤 要輔

その上で、差別化したいけれども、自社独自の強みがないという場合にどうすればよいか…という話になります。
まず、「そもそも今は差別化をしたいのか、独自化をしたいのか」の路線を決めるっていう話が先ですね。

大澤 要輔

あくまで今自分が戦っている競合より良くしたいということであれば、「ビジネスモデルを改造して価格面を改善できないか」など。
もしくは、独自であれば、「競合がやっていないこういうサービスがあるから、それで戦えないか」のようなことを考える必要がありますね。

大澤 要輔

共通の土俵、色々な市場がある中で、「これは何に向かってやっているんだっけ?」という事を考えて、その中でまだ誰も手を付けていない独自の路線を見つけてその方向に決めるのか。

ですので、「差別化路線なのか、独自化路線なのか」を決めることが、
まず基本的に必要
ではありますね。

Webhit 編集部

なるほど。どちらにするか路線を決める必要があるんですね。

大澤 要輔

結局、差別化も独自化もそうですが、それを決めた上で、あくまで会社側から見たお客様のことは1回横に置いておく必要があります。
会社側から見たら、差別化も独自化も結局売上なり利益を上げるためにとっている行動ですから。

大澤 要輔

お客様に売れる状態を作るために差別化や独自化するのであれば、結局お客様に売れるような差別化の仕方、お客様に売れるような独自化の
仕方をしなければいけません。

そのため、それぞれの市場でのお客様の購買行動、つまりお客様が
商品やサービスを購入又は契約するといった行動をとる時に、

・何を考えて選んでいるのか
・何を基準に選んでいるのか


ということをまずは把握することが一番先ですね。

大澤 要輔

独自化する場合にも、

・お客様は何の目的で買っているのか
・お客様の頭の中にある手段はどういうもので、本当に妥当なものか
・お客様に、説得力をもって新しく提案できることは何か


のようなところから考えることです。

大澤 要輔

結局、共通して重要なのは、「お客様に売れる」ということです。
お客様が自然と他と比べたり、それを見たときに「これは独自のものだ、これは差別化されたものだ」と認識してしっかり手に取れる状態、
購入してくれる状態を作るということですね。
いずれにしても、お客様に売れるような差別化・独自化を考えていく
ことが必要です。

Webhit 編集部

差別化をしたいと考えた時に、自社内であれこれ考えるより、お客さんが何を望んでいるのかという視点で考えるのが第一ということですか?

大澤 要輔

最初は、お客様ベースで話をして考えた方がいいですね。
「普段お客様からいただく声はどのようなものか」などですね。

Webhit 編集部

「どのようなお客さんには満足いただいていて、どのようなお客様に
満足いただいていないのか」「また、それはどのような時か」のような
ところを把握してから、自社でできることを考えるのですね。

大澤 要輔

そうですね。

目次 ー この記事で分かること ー

既存製品から新たな価値を生み出す:独自化の実践例

Webhit 編集部

差別化と独自化の違いを聞いて、なんだか独自化の方が、少し難しそうな印象を受けました。
独自化とは、新しい路線を決めるようなことをするということだと思うのですが、既存の商品から新たに独自化を目指すことはできますか?

Webhit 編集部

開発段階で「こういった商品を作ろう」となった時に、独自の路線を
決めるということのイメージはできました。

既存の商品があって、既にたくさんの競合があって、そこから差別化をするなら、いろいろとアピールの仕方やアプローチを変えることができるような気がします。
けれども、「既に物がある状態で、そこから独自の方向を切り開く」と
いうイメージがあまりできなくて…。
既に存在するものから、独自路線を作ることは可能なのですか?

大澤 要輔

もちろん可能です。
例えばコーヒーの、ワンダモーニングショットを知っていますか?

Webhit 編集部

はい、知っています!

大澤 要輔

あれも、元々は普通のコーヒーだったんですよ。
ですが、「今うちの商品を飲んでくれているのは誰なんだっけ、どういう時に飲んでくれているんだっけ」のように突き詰めていった結果、
テレビのCMでも見たことがあると思いますが、いわゆる広告面で、
「基本的には会社員の方が朝に飲んでいるケースが多いよね」という話になったそうなんです。

大澤 要輔

そこで、改めて自社のターゲットを、例えば「会社員」のように大きく括って、そこの市場に対して、コーヒーを売っている企業の人たちと
競争をしたわけです。

大澤 要輔

その中で「豆が良いよ」みたいな話や、「焙煎が、炭火焼が」のような
ことを言うのは差別化ですね。

大澤 要輔

ここでは、ターゲットをより具体的に、例えば「朝一番にコーヒーを飲むビジネスマン」のように設定して、そういう人たちに元気を注入する
ようなメッセージも独自に作りました。

普通のコーヒーなら、「どこの豆だ、焙煎方法は何だ」のようなことを言うのがほとんどのところを、「ワンダモーニングショットは朝一番に飲むコーヒー」という新しい見せ方、押し出し方をしたことによって独自の路線を作れたわけです。これも一つの独自化ですよね。

Webhit 編集部

なるほど。
コーヒーの繋がりで思い出しましたが、例えば商品自体は今言ったように変わらなくても、例えばCMなどでストーリーを作ったりしますよね。

昔話のキャラクターを用いてストーリー仕立てにしたり、缶コーヒーのBossでは宇宙人が出てきたり…。

Webhit 編集部

CMから何かを連想させるということも、一種の差別化又は独自化の手段として有効なのでしょうか?
CMとなると、予算的になかなか難しいものかもしれないのですが。

大澤 要輔

中小企業に限って言えば、難しいケースが多いです。
もちろん、放映する時間帯(ゴールデンタイム / その他)や、放映局やエリアなどによって変わりますが、現実的には難しいことが多い
ですね。

大澤 要輔

あとは「差別化のためにCMを流す」というところが、少し違うかなと
個人的には思っています。
なぜなら、結局CMができることは何かというと、まず一つには「知ってもらう」ということがあるのです。
一般的に、CMを流すのであれば、テレビを見ている人、もしくはウェブCMの場合はYouTubeなどを見ている人に対して、それなりの回数を表示するため、「知らない人にも知ってもらえる」ということがまず一番の
メリット
ですよね。

Webhit 編集部

知ってもらえる。なるほど。

大澤 要輔

もう一つは、知ってもらった後、結局お客様に行動してもらわなくてはいけないんですよね。
それはBtoCの導線でも、先ほどのコーヒーでも、自動販売機の前に立った時に「コーヒー飲みたいな、どうしようかな」と思った時に、自動販売機の中にある多くて10種類ほどのコーヒーの中から選んでもらわなくてはいけないんです。

大澤 要輔

そうなった時に、例えば、先ほどのワンダモーニングショットは「専用」と言われているわけなので、まず朝の7時台、8時台に飲もうと思った時にワンダモーニングショットの広告が頭の中に何回も流れるような状態になりますね。
CMで何回も何回も見ている状態で、「朝にコーヒーを飲む」となったら、もう「ワンダモーニングショットかな」と。
いわゆる第一想起を取れるということなんですよね。

大澤 要輔

第一想起というのは、特定の状況、例えば「朝に缶コーヒーを飲む」という状況下において、自分たちを一番最初に思い起こしてもらうことをいいます。それを伝えるために広告は有効だと思います。

ただ、「CMをやったから差別化できる」というわけではありません。
認知などは、第一想起を取ることには寄与しますけれども。

大澤 要輔

もう一つ、副次効果的には、先ほどの独自化のところでワンダモーニングショットの話をしましたが、ワンダモーニングショットは「朝専用で飲む」というところに価値を作りたいわけですよね。

大澤 要輔

それは、要はメッセージの話であり、訴求の話、コンセプトの話なわけです。なので、他の人たちに真似される危険が高いわけですよ。

大澤 要輔

その場合、副次効果として、「朝専用のモーニングショット」のような
ことを広告でバンバン言っていると、自分たちが先に認知を取って、
第一想起を取ってしまいますよね。

そうなると、後から他のところが出しても、「あれはワンダモーニング
ショットを真似ただけのものだ」と思われてしまうため、独自化する、独自の路線を強化するという効果は十分にあると思います。

大澤 要輔

実際に、ワンダモーニングショットは、2002年10月頃の発売だったかと思うのですが、「グッドモーニング作戦」みたいな形で、とにかくすごかったんですよ。
駅前や、タクシーの会社さん、ガソリンスタンドなどを対象に、缶コーヒーを飲む人たちがたくさんいる全国1,000箇所ほどの街頭で、とにかくサンプリングをしたんです。

大澤 要輔

そこではとにかく「これが朝専用の缶コーヒーです」と、とんでもない量を配布しました。CMだけではないんですよね。

大澤 要輔

「朝に飲む缶コーヒー」というイメージを定着させることにめちゃくちゃ力を入れて、「朝専用といえばワンダモーニングショットだよね」のように、朝の缶コーヒーといえばワンダモーニングショットにしてね、といったところまで作ることができているので、強いものですね。
そういった活動によって、本当に大きく独自の線がずっと強化されているという例です。

Webhit 編集部

そういうことですね。
そこまでやるから、更に効果があったのですね。

見落とされがちな強みを活用する

大澤 要輔

今の話は大きい企業についてのことなので、現実的な話をすると、
中小企業さんがそれを取り入れるのは結構難しいんですよね。

大澤 要輔

独自化について、中小企業さんが現実的に取り入れられる例の話をすると、「他が真似できない話や実績、自社の考え、実績、経歴、プロセス」のような、誰にも真似のできないオンリーワンのものは、使えるものがあれば全てを使います

大澤 要輔

そして、ストーリーテリングと呼んだりするのですが、「こういうストーリーで作ったので、それに共感する方はご購入ください」のような形で
出すこともできます。

大澤 要輔

また、実績などは揺るぎないものなので、「うちには、このサービスや
商品、実績があります」という、一つの強固な、いわゆる独自化ができる部分でもあると思います。

大澤 要輔

もう一つは、真似ができないとは言いませんが、真似することが非常に難しい、ハードルが高い一般サービスとして「改善をする」ことが
あります。

Webhit 編集部

改善をするんですね。

大澤 要輔

例えば、「社内にしかないノウハウを、サービスに潤沢に取り入れる」
ようなことですね。
「うちはSEO対策を10年以上やってきました」と言う場合、SEO対策を10年以上やってきたノウハウで体系化されたサービスには、SEOの経験がない会社や一介のフリーランスでは、とてもじゃないですけど真似
できませんよね。

Webhit 編集部

確かに、できないですね。

大澤 要輔

でも、そういうことが独自性になるんですよ。
他には、例えば「真似をするのに大量の資金を投じなければいけない」などですね。もしくは、非常に能力が高くなければいけないとか。

大澤 要輔

例えば、独自化路線の一つで、「完全成果報酬制のコンサルをやります」のようなことがありますが、結局それは、ある程度の結果が出せる算段があるからやっていけるわけですよね。
でも、結果が出せないコンサル会社の人たちは、それができません。

Webhit 編集部

確かに、確かに。

大澤 要輔

ですので、それに関しては、ある程度諦めるしかないのです。
周りから見たときに、結果を出せる自分たちのノウハウがあれば真似
できますが、ノウハウがなければ真似することはできないんですよ。

Webhit 編集部

意外と、「強みがない」と言っている企業さんも、自分たちにとって
当たり前すぎて、その強みに気がついていないだけで、実はすごい強みがありましたということも結構ありそうですね。

大澤 要輔

そうですね。
強みという言い方が良くないなと僕は思っています。
「強み」というと、スペック的な強さをどうしても言いたくなって
しまうんですよね。

大澤 要輔

例えば、「うちの薬品を使うと、これだけの効果があります」みたいな
ことを言いたがるんですよ。
「うちのサプリメントはビタミンCをこれだけ含んでいます、何mg含んでいます」のようなことは、強みになるケースもあるのですが、真似
しやすいんですよね。

簡単に言えば、強みとしてはすごく短命な強みです。
強みにしたところで、すぐに真似されてしまうので、もうイタチごっこ
じゃないですか。

Webhit 編集部

それは確かに…。

大澤 要輔

なので、「1万mg配合」を売りにすると、「1万1000mg配合」と言われ
たら負けてしまう
んです。
簡単に言えば、その強みはもう強みではないんですよ。

Webhit 編集部

確かにそうですね。上書きされやすいんですね。

大澤 要輔

そこで、例えば「うちのサプリメントは、国内外の認定機関によって
認証された国内の工場で作っていて、機械と人力の両方で、24時間365日の品質管理を100人体制で行っています」のようなことを言ったとしたら真似できますか?
できないですよね、無理じゃないですか。

大澤 要輔

工場を買ったところで、どういうオペレーションを組むかなどを考えると途方もなく時間がかかりますし、認証を取るのも時間がかかります。そうなると、それは強みになるんですよ。
要は参入障壁が高くて、他が真似しにくいもの。

Webhit 編集部

なるほど。
では、そういった他では真似できないものを強みとして挙げていくのがベストなのですね。

大澤 要輔

「独自の強みがない」という状況は、テック系の話でよく聞くことが
多いです。先ほどのサプリメントの話でいうと、「何mg配合」で負けてしまうと、もう負けというわけですね。

例えば、ビタミンCのサプリメントで、ビタミンCだけを取りたい人間がどれだけいると思いますか?

Webhit 編集部

ビタミンCだけ…。めちゃくちゃいる気がしますね!

大澤 要輔

そうですね、たくさんいますよね。
でも、ビタミンC以外にもいろいろ言えるはずですよね。
例えば僕の手元にはビタミンBや乳酸菌、NMNのサプリメントがあります。そういうものや、他にも酵素や酵母などもよくありますね。

大澤 要輔

結局、「ビタミンCって何のために買っているんだっけ?」という話なんですよ。
例えば、女性向けで売るなら美肌を目的とした文脈になりますね。
そうだとしたら、「本当にビタミンCだけで美肌になるんだっけ?」と
いう話になりますよね。

大澤 要輔

例えば、「ビタミンCと、この成分を組み合わせて摂取することによって、肌に対するフィードバックが非常に早くなったり、より吸収率が
上がりやすくなったりする」という効果があるとします。
例えば、「ビタミンC単体の入っている量が、他社製品には1万mg入って
いるけれど、うちは7000mgしか入っていない」という場合は、残りの3000mgを意味のあるものとして取り上げることができます。

大澤 要輔

「この方法でビタミンCを入れると、1万mgや1万2000mgを入れたとき
とは段違いの吸収率になるので、最終的に体に残存するビタミンCの割合は高いんですよ」
のような話ができると、ビタミンCの量が強みではなくても関係ないんですよ。
なぜなら、お客さんが求めているのは美肌になることだからです。

大澤 要輔

美肌になるためにビタミンCを飲んでいて、ビタミンCのことは知って
いるけれども、例えば「ビタミンCとビタミンB6を組み合わせるといい」「これとこれを組み合わせるといい」のようなことを知っている人は、全体から見たら少数派じゃないですか。

Webhit 編集部

確かに。そこまで詳しい人は少数派かもしれないですね。

大澤 要輔

そうだとすると、知らない人たちがいる可能性がありますよね。
その人たちに、「ビタミンCだけを1万mg配合したものをまだ飲んでいるんですか?でも、7000mgとこれを組み合わせたこの商品では、吸収率が3倍違うんですよ」と、新しい提案をする。

大澤 要輔

例えばそのように、商品なりサービスなりを改善していくことも、自分たちが差別化や独自化をするために必要なことだと思います。

Webhit 編集部

なるほど。「お客様は結局何のためにこれをしようとしているのか」と
いうところから改善をしていく必要があるのですね。

大澤 要輔

そうですね。結局最後に売る対象がそこなので。

Webhit 編集部

確かに。入っている量で争っても意味がないですね。

大澤 要輔

そこで競おうと思ったら、「次は1万2000mgで差別化を図ろう」のようになってしまって、イタチごっこなんですよね。
そういうものは、最終的には製薬会社や大手の会社の方が断然強いん
ですよ。

Webhit 編集部

確かに、それはそうなりますよね。

大澤 要輔

自社工場を持っていたりすると中間マージンが省けるため、価格も安くなるんですよ。
そうなると、はっきり言って、そこで戦うだけ無駄なのです。

ですから、例えば、

・大手が真似しにくいもの
・真似ができたとしても、同じような状態になるまでにそれなりにコストや時間がかかるもの


このようなものであれば、いわゆる独自性を維持できる時間が長くなりますね。

Webhit 編集部

なるほど。
維持できる年数が長くなると、お客様が物事を決める時に一番目に頭に浮かびやすく、選択肢として一番に入ってきやすいから、独自性をアピールできる期間はできるだけ長い方が良いということですか?

大澤 要輔

結論としては、その第一想起の話とはまた少し違うのですが、ただ独自性があるものは目に付きやすいので、第一想起されやすいということはありますね。

例えば、回転寿司でどこが第一想起として思い浮かびますか?

Webhit 編集部

私は、はま寿司ですね。

大澤 要輔

はま寿司ですね。はま寿司が第一想起なのでしょうか?はま寿司は家の近くにありますか?
例えば、電車を使う時やどこか買い物に出かける時は、大体その前を
通ったり、看板が見える位置にいますか?

Webhit 編集部

はい、家の近くにあります!
家のすぐ近くにはま寿司があって…。

大澤 要輔

それもまた、いわゆる第一想起を強めているものの一つですよね。
でも、多分、エリアによっては「くら寿司」という人もいますし、「スシロー」という人もいるんですよ。

Webhit 編集部

確かにそうですね。

大澤 要輔

ですので、そのように場所によって第一想起は違うのですが、そういったパイを奪い合うようなことをするためにCMを流すなど、色々なことをするんですよね。
独自化したり差別化したりという点では、くら寿司は無添加のような
ことにもこだわっていますよね。

Webhit 編集部

そうですね、確かにそれぞれ特色を持っていますね。

大澤 要輔

その独自化や差別化という話でいくと、自分たちには強みがないと判断してしまうのは早計なので、それを判断してしまうよりも前に、その商品やサービス・業界に対して、「そもそもお客様はどういう基準で選び、どのような考え方をしているのか」ということですね。

大澤 要輔

その中で、自社やお客さんにとって役に立てそうなことや、お客さんにとって喜んでもらえることは何なのか。
さらにその中で、競合が真似できないことや、真似がかなりしにくいことなどが入っていればベストですよね。

大澤 要輔

例えば、実績などが当てはまります。
他にも、強力なビジネスモデルを作って、他の競合だと最初に5万円必要なところを「3,000円でいいです」のようにしたら、まさに革新的な独自化といえますね。
でも、その3,000円を実現しているビジネスモデルの全貌を明らかにするのは、上場企業でもない限り難しいことです。
真似するところが出てきたくても、出てきにくいですよね。

Webhit 編集部

なるほど。
基本的には、「強みがない」ということはなくて、何を強みにするかと
いうところでしょうか。

大澤 要輔

「強みがない」というのは、考えることを放棄しています。
自分たちの商品サービスを、自分たちで下げている状態
ですね。

Webhit 編集部

なるほど。考えることを放棄してしまっているのと同じなのですね。

大澤 要輔

完全に新規の事業では、お客さんの反応がないので分かりませんが、
新規事業ではなく、今までも、少なくとも数人に売ったことのある
サービスであれば、誰かが何かを思って買ってくれているんです。

大澤 要輔

そこで、「誰が何を思ってくれているのか」ということを確認しながら、実際のお客さんの声を聞き、自分の考えをその中で整理して、

・独自化のために、こういう基準でやっていけば、独自のラインを作れてお客様のニーズもある
・差別化のために、お客さんは価格で選んでいるから、販売価格を低くできるビジネスモデルや、1回あたりの支払い価格を少なくできるビジネスモデルを構築する


などを考える必要がありますね。

まとめ

Webhit 編集部

今日はお話しいただきありがとうございます。
最後に、この記事を見てくださっている方に一言お願いします。

大澤 要輔

「差別化したい、自社の強みが見つかっていない」と思っているのであれば、「自分たちの会社をもっと信じてあげてもよくないですか?」
思います。

大澤 要輔

これまで色々な経験をして頑張ってきた会社じゃないですか。
色々な経験をして頑張ってきた会社には、色々なものが眠っているはずなんですよ。
「お客様に喜ばれたときに何をしたのか」のように、小さなことかも
しれませんが、そういうものをしっかり集めて、「それはお客様にとって何が良かったんだっけ?」「そのことで、お客様はどうして満足してくれたんだっけ?」のようなことをきちんと聞かなくてはいけません。

大澤 要輔

今までやってきたことがそこにあるはずなので、それをしっかり聞いて、勝手に諦めないようにしましょう。
一言で言うと、もったいないです。

Webhit 編集部

もったいない。確かに。何かしら絶対にありますからね。
それを見つけられないと、今までのお客さんに対しても失礼ですね。

大澤 要輔

そうですね。
あとは、自分たちの商品やサービスを「お客様にとって良いものだ」と思って提供しないと、やっぱりお客さんはついてこないですよね。

Webhit 編集部

確かに、消費者側からしたら、自信のない商品は少し嫌ですね…。

大澤 要輔

いわゆる手土産を持っていく時のマナーにも、「つまらないものですが」という言葉があると思うのですが、あれは良くないですね。

Webhit 編集部

確かに!

大澤 要輔

つまらないものなら持ってくるなという話なわけです。

でも、結局日本人にはそのようなことが一応常識とされていて、それを良しとする文化の中で育ってきているので、それならそれを正々堂々と、「もしお口に合えば」ではなく、「しっかり自分が選んできたよ」「自分は自信を持って渡しているよ」ということを、一度明確に伝えるべきかなと思います。
その意思を持ってきちんと提供しないと、お客様にも失礼ですね。

Webhit 編集部

確かにそうですよね。
自信をもって提供してもらわないといけないですよね。
ありがとうございます。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
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