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広告やSNSなどでのクリエイティブは、AIに任せて良い?

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Webhit 編集部

今回は「広告や SNS などでクリエイティブは、AIに任せていい?」と
いうテーマでお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

大澤 要輔

お願いします。

Webhit 編集部

最近「デザイナーはいらなくなるのではないか」といった声も聞かれ
ますが、こうしたクリエイティブの領域は、AIに任せてしまっても
よいものなのでしょうか?

大澤 要輔

結論から言うと、広告や SNS などでクリエイティブも生成AIに任せきりにしてはいけません
X(旧Twitter)などを見ていると分かりやすいのですが、いわゆる
「AI驚き屋」と呼べる人たちが数多く存在します。

大澤 要輔

何か新しいAIツールや機能が出るたびに、

「今日このAIを使ってみて驚いた」
「やばすぎる」
「感動した」

といった言葉を、投稿の最初に持ってくる人たちを、私は「AI驚き屋」と呼んでいます。

大澤 要輔

そうした投稿は、一見すると非常に魅力的に見えますし、表面的には「このままマーケティングの手法やSNS投稿に使えそうだ」と感じて
しまうかもしれません。しかし、世の中はそんなに甘くありません。

Webhit 編集部

なるほど、生成AIに任せきりにするのは危険だということですね。

大澤 要輔

はい。どれだけ見た目がきれいに仕上がっていても、どれほど整った
コピーやデザインができていたとしても、それだけでコンバージョンが
取れるのであれば、マーケティングの現場がここまで苦労することは
なかったはずです。

大澤 要輔

この点を踏まえると、「AIに任せる」という言葉を使う人の多くは、
実際には「丸投げ」を意味していると言えます

Webhit 編集部

たしかに、見た目がきれいなだけで成果が出るのであれば、
マーケティングはここまで難しくなりませんよね。

大澤 要輔

そうです。さらに、本質的な意味で「任せる」ことができている人は、実はそれほど多くありません。
生成AIに対して、「どのような成果物を」「どの程度の品質で」アウトプットさせたいのか、そのために「どのようなインプットを与えるのか」まで明確に定義できて初めて“任せている”状態だと言えます
これは、業務要件を定義することと本質的には同じです。

大澤 要輔

一方で、単に生成AIに作らせて出てきたものを見て「なんとなく
良さそうだ」と反応
るだけでは、それは任せているのではなく
ただの丸投げに過ぎません

Webhit 編集部

たしかに、それができている人が少ないというのも納得です。

大澤 要輔

はい。そしてこの「丸投げ」は、実は非常に危険だと私は考えています。最近では、AIを使っている人と使っていない人とで、脳の使われ方に
違いが出ているという研究結果も報告されています

大澤 要輔

たしか、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究だったと思いますが、ChatGPTを使用した場合、脳の活動量が最大55%低下していたという
データが示されていました。
さらに、そのうち約83%の人が、数分前に自分で書いた文章の内容を
覚えていなかった
という結果も出ています。

大澤 要輔

この結果が示しているのは、「AIを使うことで仕事が早く終わったように感じる一方で、自分自身はほとんど考えていない状態に陥っている可能性がある」ということです。

Webhit 編集部

つまり、「丸投げ」によるAI活用は、単に成果が出にくいだけでなく、
人の思考力そのものを弱めてしまうリスクがあるということですね。

大澤 要輔

そのとおりです。
考えずに生成AIに作らせて、「これでいいのではないか」と判断してしまう使い方を続けていると、思考する機会そのものが失われていきます。結果として、自分で頭を使わなくなってしまうのです。

大澤 要輔

生成AIに考えることまで丸投げしてしまうと、人は「考えない状態」に慣れてしまいます。
それは決して望ましいことではありません。だからこそ、生成AIの使い方として大切なのは、「AIに考えさせる」のではなく、「AIを使って自分の思考を前に進める」ことだと考えています。
例えば、新しい視点に気づくために使ったり、自分の考えを一段深めるための壁打ち相手として使ったりする方がいいと思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
先ほどのお話にもありましたが、AIは使わない手はない存在だと
思います。
そのうえで、AIを活用してクリエイティブを制作する場合、どのような
考え方や進め方が望ましいのでしょうか?

大澤 要輔

まず前提として、どのような画像、あるいはどのようなクリエイティブを作ってほしいのかという要件を最初に定める必要があります

例えば、「セミナーのアイキャッチ画像を作ってほしい」のか、
「Meta広告で使用する広告バナーを作ってほしい」のかでは、
求められるクリエイティブはまったく異なります。

大澤 要輔

セミナーのアイキャッチ画像であれば、

・登壇者の顔写真を掲載する
・開催日程を分かりやすく入れる
・セミナータイトルを最も目立つように配置する

など、情報の優先順位が重要になります。

大澤 要輔

一方で、Meta広告用のバナーであれば、長い文章を詰め込むのでは
なく、できるだけ短く、瞬時に目を引くインパクトのあるキャッチ
コピーが求められます。

Webhit 編集部

なるほど。

大澤 要輔

また、画像サイズを「1080ピクセル×1080ピクセルで作成してほしい」といったように、具体的に指定することも重要です。
ほかにも用途に応じた推奨サイズや形式はさまざまありますし、そもそも静止画なのか動画なのかによっても、求められる要件は変わってくるでしょう。

大澤 要輔

このように、AIを活用してクリエイティブを制作する場合は、アウト
プットの形式や条件を含めた要件をあらかじめ定義しておくことが
重要です。

そのうえで、生成AIでたたき案を作成し、さらにAIを使ってブラッシュアップしていく方法もありますし、そのたたきをデザイナーに共有して、「このイメージで制作してほしい」と具体的に依頼する方法もあり
ます。

大澤 要輔

実務上の作り方としては、大きく分けると、この2つのパターンに
帰結すると思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。では、AIで制作するのに、特に相性の良い
クリエイティブはありますか?

大澤 要輔

現在はGeminiの「Nano Banana Pro」が最適でしょう。
記事内に挿入する図解や、SNS投稿で使用する図解といった、いわゆる「図解系コンテンツ」は比較的分かりやすく活用できます

大澤 要輔

もちろん、広告バナーを作成することもできますし、広告向けの動画
素材を作ることも可能
です。
ツールごとに得意・不得意や作り方の違いはありますが、Geminiの
画像生成機能であれば、図解や広告バナーといった用途には十分対応
できます

大澤 要輔

「これは作れる」「これは作れない」といったことは特段ないと思います。どちらかというと、自分たちの利用目的に合わせて、「このアウトプットはAIで代替できるのか」「求める品質を満たせるのか」を、アウトプット品質を定義する段階で確認することが大切です。
そのうえで、要件を満たせそうであれば、まず一度AIで出してみるのが
一番早いと思います。

Webhit 編集部

なるほど。特に何にすべきみたいなのはなく、どれでも試してみると
いいってことですね。

大澤 要輔

はい、色々試してみるのが一番いいですね。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
では反対に、AIに任せるのではなく、人間が考えたほうがよい領域
には、どのようなものがありますか?

大澤 要輔

そうですね。自分自身や会社としての熱量、ストーリーを乗せる部分については、自分たちの手で作ったほうが人間味が出ます
その結果、成果につながりやすい、いわゆる「良いクリエイティブ」になりやすいと考えています。

大澤 要輔

たたき案をAIで作ること自体はまったく問題ありませんし、むしろ効率的です。
ただし、最終的に自社ならではのニュアンスやエッセンスを加える工程については、必ず人が関与すべきです。
そこはAIではなく、人間がやった方がいいと思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
では、これまでにも少し触れていただきましたが、クリエイティブ制作にAIを活用するという点で何か注意すべきリスクはありますでしょうか?

大澤 要輔

はい。生成AIを使う上でのリスクはもちろん色々ありますが、まず1つ
大きいのは商用利用や著作権に関わる問題です。

大澤 要輔

例えば、商用利用が禁止されているイラストや写真、ロゴなどを、広告クリエイティブとして使用してしまうケースがあります。
これは最も避けなければならない行為の一つです。
商用利用が認められていない素材をもとに生成された画像やコンテンツを、広告やプロモーションに使ってしまうと、トラブルにつながる可能性があります。 

Webhit 編集部

たしかに、商用利用や著作権の問題は、最初に押さえておかなければならない大きなリスクですね。

大澤 要輔

そうですね。あくまで現時点での一般的な見解や、さまざまな情報を
踏まえた整理になりますが、「ジブリ風」といった作風レベルの表現で
あれば問題になりにくいようです。
一方で、特定のキャラクターとほぼ同一、あるいは明確に類似していると判断される場合は、リスクが高いと考えられています。

大澤 要輔

そのため、生成AIを使って制作する際は、著作権や商用利用の可否に
ついて事前に確認したうえで進めることが重要
です。

Webhit 編集部

AIをまだ使い慣れていない方の場合、商用利用や著作権といった情報自体を把握できていないケースも多いと思います。
そういった基礎的な知識は、どこから学ぶのがよいでしょうか?

大澤 要輔

そうですね、商用利用が可能か、著作権に触れないかといった問題は
生成AIを使う場合に限った話ではありません

大澤 要輔

例えば、フリー素材サイトを利用する場合でも同様です。
フリー素材サイトであっても、「このサイトの素材は商用利用不可」と
明記されているケースがあります。
そうした条件を見落としたまま素材を使ってしまうと、問題になる
可能性があります。

Webhit 編集部

なるほど。

大澤 要輔

リスクを避けるために最も確実なのは、必要に応じて弁護士にリーガルチェックを依頼することです。
最終的には、その対応が一番確実だと思います。インターネット上で
見かけた曖昧な解釈や、「たぶんこうだろう」といった情報をそのまま
判断材料にするのは、正直かなり危険です。

大澤 要輔

そのため、自分たちがやろうとしている内容を弁護士に共有し、リーガルチェックのうえで「問題ない」という判断があったのであれば、少なく
とも企業として合理的な判断をしたと言えます

もちろん、法律の解釈にはグレーな部分が残ることもありますが、それも含めて弁護士とすり合わせすることが重要です。

大澤 要輔

また、商用利用や著作権に関する条件は、権利の保有元が明示している
ケースも多くあります。
例えば、フリー素材サイトの利用規約や、ロゴを所有している企業の公式サイトなどには、使用可否が記載されていることがほとんどです。
そうした一次情報を自分たちでしっかり確認することも、有効な対策のポイントだと思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
では、最後にこの記事を見てくださっている方に一言お願いします。

大澤 要輔

広告やSNSのクリエイティブを「AIに任せる」と言う人の多くは、
実際には“丸投げ”の意味で使っているケースが少なくありません

しかし、この丸投げは明確に避けるべきだと考えています。

大澤 要輔

なぜなら、そのやり方では、商用利用が可能かどうか、著作権を侵害していないかといった基本的な確認が抜け落ちやすいからです。

さらに言えば、広告バナーであれば、本来は

「どの仮説を検証したいのか」
「ABテストの意図はどこにあるのか」

といったマーケティング上の設計が必要ですが、そうした前提もない
まま、とりあえず作ってみる、という状態に陥りがちです。

大澤 要輔

たしかに、そのやり方でも成果が出ることはあります。
ただし、それはあくまで短期的な成果に過ぎません。
その瞬間のメッセージとして反応が取れただけであり、自社の商品や
サービスを撹拌していくうえで、「どのような訴求がお客様に刺さるのか」という本質的な検証はまるでできていません

大澤 要輔

実際には、「以前AIで作った画像が良かったから、またAIで画像を作って広告を出そう」といった、非常に粗い解像度で運用してしまっている
ケースが多く見られます。

大澤 要輔

だからこそ重要なのは、自分たちのマーケティングの解像度を高めることです。そのうえで、

アウトプットの品質要件
必要なインプット
・前提条件

を整理し、それらをきちんと生成AIに渡した上で活用していくというプロセスを踏むことで、結果的に最も成果が出やすくなる
でしょう。

生成AIが作ったものをそのまま使い、いわゆる「ポン出し」で集客
しようとする考え方は正直なところ非常に甘く、リスクも高い
ため、
気をつけていただきたいと思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
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目次 ー この記事で分かること ー