Webhit 編集部今回は「中小企業にコンサルって必要なんですか?具体的に何をしてくれるのかも分かりません」というテーマについてお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。



はい、お願いします。



早速ですが、中小企業にとってコンサルは必要なんですか?



コンサルは、いなくてうまくいくのならその方が絶対にいいと思います。しかし現実には、自分たちだけでは、うまくいかないケースも少なくありません。その場合、事業成長としてスピードアップするために、コンサルを入れるのは有効だと思います。



ありがとうございます。
では、コンサルは具体的に何をしてくれるものなんですか?



昔の定義で言えば、コンサルタントとは新しい情報を提供したり、自分たちの知らない仕組みを教えてくれる存在だと考えられていました。
しかし、昨今のコンサルティングに関しては、私の解釈ですが、お客様と一心同体となり、戦略立案はもちろん、改善提案や場合によっては実務の実行まで手を動かして伴走することが求められていると考えています。



もう一つの側面としては、自社が目指す方向性がぶれないようにする、いわば調整弁のような役割を果たすことも必要だと思っています。



特に社長という立場の人は、「あれをやりたい、これをやりたい」と
新しいアイデアや方向性に走り、会社が本来目指すべき方向性からずれてしまうことがよくあります。



しかし、一心同体で伴走してくれるコンサルタントがいることで、その
ずれをある程度止めたり、完全に止めることはできなくても、会社が
本来目指していた方向に寄せるよう調整してくれます。
こうした意味で、コンサルタントは会社が目指す方向性を維持するための調整弁としての役割を果たしていると考えています。



具体的にコンサルタントが行うタスクについて言えば、基本的には
ほとんど全ての業務に関わります。



例えば、私の場合であれば、マーケティング戦略の立案のような典型的なコンサル業務はもちろん担当します。
しかし、それだけに留まらず、社内で作成したインスタグラムの投稿や
動画について、秒刻みでフィードバックを行うこともあります。
また、急遽セミナーを開催することになれば、そのためのアイキャッチ
画像を夜間に作成するといった対応も行います。



つまり、依頼される内容は無限にありますが、私が行うのは自分の得意分野に限定されるものではなく、お客様が実現したいことを達成できるかどうかに尽きます。
そのために必要なことはすべて行うというスタンスで行っています。



コンサルティングと外注(アウトソーシング)の違いはあるのでしょうか?



コンサルタントと外注の違いを一言で表すと、自社の事業理解度にあると考えています。



コンサルタントは、先ほど述べたようにお客様と一心同体で伴走する
必要があり、そのためには自社の事業を深く理解することが不可欠です。
この事業理解の深さが、コンサルティングと外注の大きな違いです。



一方、外注とは、言い換えれば特定の業務を代行する存在です。
たとえば〇〇の代行といった形で、業務の実行にフォーカスすることが主な役割です。



コンサルティングと外注の違いは「自社の事業理解度」なのですね。



はい。外注はあくまで代行までしか対応できません。例えば広告運用の代行であれば、広告の設定や改善作業を代行することはできますが、どの設定が最適かを判断することや、広告の内容で何を伝えるか、サービスの訴求ポイントは基本的にお客様から提供してもらう形になります。



同様に、LP制作であっても、外注の場合はあくまで制作代行に留まり、内容の方向性や訴求ポイントの決定はお客様が行う必要があります。
つまり、外注は作業の実行にフォーカスしており、戦略的判断や事業理解に基づく提案は基本的に含まれません。



なるほど。



YouTubeの動画制作についても、外注はあくまで制作代行にあたります。つまり、自社で本来行うべき業務を代行してもらう形が外注の役割です。



そのため、外注業者は基本的にヒアリングを行いますが、それは外注範囲内でのヒアリングに留まります。
ヒアリングの先に踏み込んで戦略や事業理解に基づく提案を行うことはありません。これは、コストパフォーマンスが合わないからです。



外注の役割は、本来自社で行うべき業務を代行してもらうこと
なんですね。



そうです。外注はあまり稼働をかけられないため、自社の事業や特性を深く理解することは難しい場合がほとんどです。
そのため、中小企業の社長や担当者の方で、外注に対して
「自社のことを十分に理解してくれない」
「自社の特性に合った運用をしてくれない」
と感じた経験がある方は多いと思います。



その結果、そうした企業ほど、外注に対して単なる作業代行以上の、
コンサルティング的な関わりを求める傾向があります。



なるほど。
外注で失敗した企業ほど、コンサルを求める傾向にあるのですね。



しかし、そもそもコンサルと外注では事業理解度に大きな差があります。そのため、事業理解に基づいた施策を実行してもらいたい場合には、コンサルに入ってもらうとよいでしょう。
コンサルが自社の事業を十分に理解したうえで、外注先への指示出しや
フィードバックを行ってもらう必要があります。そうしなければ、最終的には自社側の管理工数だけが増え続ける状態になりやすいのです。



よく分かりました。ありがとうございます。
中小企業において、コンサルティングが必要な状況と必要ではない状況は見極められるものなのでしょうか?



そうですね。自社で行うべきことをすべて実施し、それでもどうにも
ならない場合にこそ、外部の支援やコンサルを活用するタイミングだと考えています。



自社でやり切ってもどうにもならない場合には、コンサルを入れるほうが有効です。
しかし、まだ自社で対応可能なことがある場合や、自分たちで解決策が分かっている場合には、コンサルがいなくても十分に対応できます。



明確ですね。



また、自社でやれることが明確であっても、組織的な問題で実行や改善が進まない場合もあります。



例えば、社内で施策を決めても実行されなかったり、報告が十分に上がらなかったり、データの集計や整理ができなかったりする場合です。
このように、施策を展開しても改善や行動が適切に行えない状況では、コンサルを入れることが有効です。



私の場合、コンサルとして入る際には、現場の業務ディレクションを行うことも多くあります。
経営者や決裁者とは戦略的な話や方向性の大きな議題について議論し、その内容を現場の担当者に落とし込み、指示出しやフィードバックを
含めたディレクションを行うという形です。



やりきってどうにもならない時や、やることは分かっていてもまともに
運用ができてない、動けていない時には入ってもらうといいということですね。



そうですね。はい。



ありがとうございます。では、その場合、中小企業がコンサル選びに失敗しないためのポイントはあるのでしょうか?



失敗しないために考えたいポイントは、「この人と中長期的に一緒にやっていけるかどうか」です。
それがYESなら問題ありませんが、NOであれば、どんなに料金が安かろうが高かろうが、サービス内容が良かろうが依頼はやめた方がいいと
思います。



結局、コンサルの技法やノウハウは体系化できたとしても、最終的に
それを運用するのは人間です。
その人が自社の事業に対して熱意を持っているか、一緒に事業を進める
中で楽しさややりがいを感じられるか、そしてほとんどうまくいかない時でも一緒に乗り越えていけるという確証がない限りは依頼しない方がいいと思います。



なるほど。人柄ということですか?



人柄や立ち居振る舞いも重要ですが、それだけでなく、熱量や自社への理解度も大事です。
最初から完璧に理解してくれている人ばかりではありませんが、理解しようという姿勢があり、実際に努力して自社のことを把握してくれているという実感があるかどうかがポイントです。



努力して自社のことを把握・理解してくれる人には好感も持てますね。



はい。ここまで「見極める」という話をしてきた中で、実は一度も
「スキル」の話には触れていません。



たしかに、そうですね。



スキルはもちろん大事ですが、後から学んだり実践で磨くことができるので、最終的にはどうとでもなります。
しかし、それ以上に重要なのは、
「この人と一緒に働きたいか」
「この人の言うことを聞きたいか」
という人間性や信頼関係です。
どれだけスキルが高くても、人としてチームや組織に受け入れられない場合、そのスキルはほとんど意味を持たないということです。



スキルよりも人間性や信頼関係が重要なのですね。



そうです。スキルや経歴の優秀さだけで人を選ぶのは間違いで、重要なのは「この人と一緒にやっていきたいか」という感覚です。
たとえうまくいかないことがあっても、一緒に乗り越えられるかどうかが判断基準になります。YESならばその人と一緒に仕事をした方がいいと思います。
弊社の社内メンバーも、今まで全員私が直接話をして選んできました。
そして、「この人と一緒に仕事をしたい」と思える人、つまり、たとえ
失敗があっても一緒に改善して前に進める人だけと組んでいます。



ありがとうございます。
よく「コンサル依存」になってしまっている企業が多いという話も耳にしますが、中小企業がコンサル依存にならないために注意しておくべき
ポイントはどのようなことがありますか?



ポイントは「丸投げしないこと」です。「分からないからやっといて」という依頼の仕方をする経営者もいますが、そういう会社はほとんどの
場合、後から自分たちで再建できず、ノウハウが残りません。



一方で、外部の人と一緒に作業を進めながら、
・フィードバック
・「こういう風に進めたい」という意図を示す
・実際のアウトプットを確認する
などを実践することで、徐々に自分たちにもノウハウが貯まって
いきます。



なるほど。



そのため、丸投げせず、自分たちも関わってやっていける会社はやはり
強いですし、めんどくさいからと丸投げにしてしまう会社は、ノウハウが貯まらない。



結局「このコンサルがいないと仕事が回らない」という状態になりがちで、これは問題です。



ただし、コンサル依存といっても、その人を自社の恒久的なチームメンバーとして迎え入れる場合は話が違います。
その場合は「依存」ではなく、「一緒に継続して入ってほしい」という
オーダーのもとでの関係なので、問題はありません。



あくまで本来的には「コンサルを入れずに自社でやりたい」と思っているのにも関わらず、丸投げしてしまう状態がよくないということですね。
この流れで少しお聞きしたいのですが、逆に「こういうコンサルには依頼しない方がいい」というポイントはありますか?



まず一つ目は、「これをやれば絶対うまくいきます」と断言するタイプです。現実には絶対成功する方法など存在しませんので、このようなコンサルは信頼できません。



二つ目は、「最先端・最新・トレンド型」です。「これが今一番トレンドです」「これが最先端です」と自分の知識や流行だけを振りかざすタイプのコンサルです。



そういう人はよくいますか?



はい、結構います。
三つ目があるとすれば、ノウハウをひけらかすタイプですね。



なるほど。
では、この3つのタイプのコンサルと逆の人に依頼するといいですね。



そうですね。逆に言えば、良いコンサルに依頼する際に最も大事なのは、人と人の関係です。
やはり、仕事は人対人で進めるものですので、「この人と一緒に仕事を
したい」と思えるかどうかが非常に重要です。



コンサルも外注の中の1つだと思いますが、先程お話にも出たように、メンバーとして一緒に関わってもらうというスタンスでやる方がいい
のですね。



そうですね。従業員と外注をきちんと切り分けた形で組織を作る会社がありますが、そういう場合、外注との接点が少なくなることがほとんどです。
その結果、外注が何をしたいのか分かりにくくなったり、細かい情報の共有ができず、一緒に進める体制が取れなくなり、うまくいかないことが多くなります。



そのため、外注も組織のメンバーとしてちゃんと数えるくらいの意識で関わった方が、よりスムーズに成果が出やすくなります。



ありがとうございます。では最後に、この記事を読んでくださっている
読者の方に一言お願いします。



今回は「中小企業にコンサルって必要なんですか?具体的に何をしてくれるのかも分かりません」というテーマでお話いたしました。
中小企業においては、原則としてコンサルがいなくても自分たちだけで
できる方が望ましいでしょう。
もちろんこれはコンサルに限らず、外注も同じです。自分たちの中で全て完結できるのが理想です。
ただ、現実的にはほとんどの場合そうはいかず、やってもやってもどうにもならないフェーズというのは必ず出てきます。



そういう時に、正しく頼る意味でコンサルを活用するのは全く問題ありません。
私自身も顧問やコンサルを入れた経験がありますが、適切に活用しているだけで、恥ずかしいことではありません。



ただし、注意すべき点は、そのコンサルが自分たちの事業をどれだけ理解しようとしているかです。
事業理解とは、ターゲットや属性を知るだけでは不十分です。
例えば、そもそも自分たちの事業はどんな意味合いで行っているのか、事業部長や関係者はどんな思いで動いているのか、組織内でのコミュニケーションや改善したいポイントは何か、といった個々の事情や性格まで理解しようとする姿勢が必要です。



ある意味、土足で踏み込むくらいの積極性で事業や組織の実態を理解しようとしてくれる人で、かつ「この人となら一緒にやっていけそうだ」と思える人と仕事をするのが一番いいのではないかなと思います。
以上です。



ありがとうございました。











