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中小企業のマーケターに求められる能力とは?

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Webhit 編集部

今回は「中小企業のマーケターに求められる能力とは?」について
お話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

大澤 要輔

お願いします。

Webhit 編集部

まず中小企業と大企業では、マーケターの役割や仕事の内容に違いは
あるのでしょうか?

大澤 要輔

そうですね。一般的に“マーケター”といった場合には、どちらかといえば事業全体を管轄し、戦略を俯瞰する立場を指すことが多いと考えております。そのため、ここでは特定の領域に限られた役割ではなく、全体を担う存在としてのマーケターを前提にお話しさせていただきます。

大澤 要輔

この場合、マーケターの役割や仕事内容は、中小企業でも大企業でも
ほとんど変わらないと思います。

Webhit 編集部

なるほど。変わらないんですね。

大澤 要輔

はい。マーケターの役割には、リスティング広告やSEO対策など特定の施策を成功させることも当然含まれますが、それ自体が最終的な責務
ではありません。

大澤 要輔

会社全体として、例えば、

・どの程度のリードを獲得していく必要があるのか
・営業側にどのレベルまで顧客を育成しパスを渡すのか

といった領域にまで関わります。

大澤 要輔

重要なのは、その範囲までを見据え、自社が設定した目標を超える成果を出せているかどうかを把握することです。

大澤 要輔

さらに言えば、マーケターとは会社が市場の中で生き残り、成長して
いくために必要なことを幅広く担っていく存在だと考えております。

Webhit 編集部

非常に重要な役割を担っているのだと理解しました。

大澤 要輔

はい。そして、大手企業と中小企業では、マーケターの体制に違いが
あります。
大手企業では階層構造が整えられていることが多く、CMOの下に複数のマーケターが配置され、知恵を出し合いながら幅広い課題に取り組む
体制が確立されています。
それぞれの専門性や経験を掛け合わせることで、多角的なアプローチが可能になるのです。

大澤 要輔

一方で中小企業の場合、十分な予算があるケースを除けば、複数のマーケターを抱えることは稀であり、多くはゼロか一人というのが現実
です。そのため、広告運用者やデザイナーがマーケティングを兼任していることも少なくありません。

こうした環境では、マーケターには事業全体を見渡して取り組む力が
求められると同時に、成果に直結する“腕力”とも言えるスキルや実行力が不可欠
となります。

大澤 要輔

大手企業であればCMOが担う領域を、中小企業では一人のマーケターが担わなければならないことも多いため、その分だけ胆力や意思決定力が求められるのです。
したがって、中小企業においてはマーケターが持つスキルセットや課題設定力が、経営そのものを左右する重要なポイントになると考えております。

Webhit 編集部

「そもそも階層構造にできるのか、ほとんど1人でやるようなものになるのか」という部分が違うのですね。

大澤 要輔

そうですね。
もちろん、施策の規模にもよりますが、中小企業でもマーケターの下に広告運用担当者やSNS運営者がつくケースはあります。
しかし、マーケターというポジションの人材が複数名配置されることは非常に稀であるのが現実です。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
先程、腕力が問われるということも少し出てきましたが、中小企業の
マーケターに求められる能力というのは、具体的に何が挙げられるのでしょうか?

大澤 要輔

中小企業のマーケターに求められる能力は、端から端まで一人で担えるスキルです。
具体的には、ウェブ施策の実行や商品設計、コピーライティングは
もちろん、広告やSNSの主要施策を自ら行えることも求められます。
さらに、問い合わせから商談、クロージングまで一連の流れに対応
できる能力も必要です。

大澤 要輔

つまり、実際に現場でこれらの業務をこなせる人材でなければ、中小
企業においてマーケターというポジションに就くことは難しいと言えるでしょう。

Webhit 編集部

なるほど。

大澤 要輔

なぜかと言うと、

「営業や商品開発のことがわからない」
「コンセプトとは何か理解できない」
「コピーライティングが苦手」

という人が、会社全体を理解してマーケティングを担うことは難しい
からです。
そのマーケターの下に人を配置して業務を進めようとしても、マーケ
ティング経験がなければ正しいディレクションはできません

大澤 要輔

例えば、SEO記事のライターを担当者に任せる場合でも、そのマーケ
ター自身がキーワードの選定や記事構成、タイトル案の作成などを自力で経験したことがあるかどうかが重要です。

どれだけ自分で実務を経験してきたかによって、適切なフィードバックや指示が可能かどうかが決まります。経験不足の人だと、問題のあるSEO記事でも「ちゃんとできているからOK」と流してしまい、マーケ
ターとしての価値が発揮できません。

大澤 要輔

そのため、マーケターは会社全体の文脈を理解した上で、目標設計や
達成すべき状態を把握し、定性的な側面も含めて最適な状態を作れる
能力が必要です。
言い換えれば、中小企業においてマーケターは端から端まで自分で担えるスキルを持つことが求められるのです。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
一方で、現実的に中小企業でマーケターを任せられる人は、経験がほとんどなかったり、初心者だったりする人も多いと思います。
そういった場合、どのように業務を端から端までできる能力を育てて
いったらよいでしょうか? 

大澤 要輔

前提として、経験もスキルもない人をマーケターのポジションに就けるべきではありません。
とはいえ、経験やスキルの少ない社員が『マーケターとしてスキルアップしたい』という場合にやることは、大きく分けてインプットとアウトプットの2つです。

大澤 要輔

インプットはYouTubeや書籍、有名人の講演など、さまざまな方法で
行うことができます。
AIを活用するなど、手段はいくらでも存在します。
しかし、重要なのはアウトプットです。
アウトプットとインプットの比率で言えば、9:1や8:2でアウトプットの方が大切です。

大澤 要輔

例えば、コピーライティングの能力を高めたいのであれば、広告コピーをたくさん書くこと、メルマガ配信のスキルを習得したいのであれば、実際に文章を多く作成することが求められます。

大澤 要輔

そして、必ずフィードバックをもらえる相手にチェックしてもらうことが重要です。
自分が学んだことが正しくできているかを確認し、改善点を見つけて
潰していくというプロセスを繰り返すことが、スキルアップには不可欠
です。

大澤 要輔

しかし、「独学でやりたい」といったケースも一定数存在します。

Webhit 編集部

独学でやって成功するものなのでしょうか?

大澤 要輔

独学でやる場合は、『うまくいかない前提』で進める覚悟が必要です。
そして、市場からのフィードバックを得るという考え方を持つことが
重要です。

大澤 要輔

社員にアウトプットを任せるのであれば、会社の社長自身がある程度の覚悟を持つ必要があります。
広告費が無駄になる可能性や、お客様に誤解を与えてしまうリスク
など、さまざまな事態を想定したうえで、アウトプットの環境を整え、適切にフォローアップできる体制を作らなければなりません

大澤 要輔

そうでなければ、社員はインプットばかり行い、アウトプットをしない人になってしまい、マーケターとしてのスキルを身につけることは
できません。

Webhit 編集部

まずはアウトプットできる環境を作ってあげることが大事なのですね。アウトプットできる環境を作るには、どのように進めてあげるのが
担当者や会社にとって一番いいのでしょうか?

大澤 要輔

自転車の練習が補助輪付きから始めるように、マーケターの育成も最初はプロに付き添ってもらうのが良いと思います。
根本的な考え方や作ったものに対して、何をどう改善すべきか、あらゆる角度からフィードバックをもらうことが、最も効率的な学びにつながります

大澤 要輔

そのうえで、アウトプットを実際に行い、結果が出るかどうかを体感しながらPDCAを回すことが重要です。
会社の立場から見ても、このプロセスを通じて改善を繰り返すことが、マーケターのスキル向上には最適だと考えております。

Webhit 編集部

FlyEdgeでもそのようにマーケターの育成をサポートすることをやって
いると思いますが、よくある失敗はありますか?

大澤 要輔

マーケター育成でよくある失敗の一つとして、経営者が『外部研修を受けさせればよい』とか『ラーニング教材だけ与えればよい』と考えて
しまうケースがあります。
確かに一時的にインプットは増えますし、強制的な学習も可能ですが、それだけではアウトプットの総量は増えません。

大澤 要輔

マーケターの実力や力量が伸びるのは、実際にアウトプットを多く行ったときだけです。
インプットも大切ですが、成長にはアウトプットを伴う経験が不可欠だということを理解しておく必要があります。

Webhit 編集部

なるほど。それだとうまくいかないですね。
アウトプットを伴う経験が必要だと理解しました。

大澤 要輔

また、経営者が短期的な成果に厳しすぎる場合、マーケター育成は失敗しやすくなります
例えば、今週の数字が悪いだけで『なぜ成果が出せないのか』と叱責
するような環境です。

大澤 要輔

マーケターの仕事は非常に泥臭い一方で、さまざまなことを考えて
次々と施策を打てる、クリエイティブな楽しさがあります。
発想が柔軟であればあるほど、打ち手も多く生まれます。
しかし、短期成果に過度に厳しい環境では、マーケターが萎縮し、
まともな意見や提案が出せなくなってしまいます。

大澤 要輔

結果として、『施策の打ち手が想像できない』『頭が働かない』状態と
なり、思考が硬直化します。
そのため、すぐに結果の出る広告など、安全な方法だけを選ぶように
なり、本来求められるマーケティングの創造力が発揮されなくなり
ます
。このような状況は、育成における明確な失敗と言えるでしょう。

Webhit 編集部

アウトプットはもちろん、その施策で、多くのことを試せるような
環境を整えてあげるというのが、第一歩でしょうか。

大澤 要輔

そうですね。

大澤 要輔

そうは言っても、環境はマーケター育成において非常に重要ですが、
『ただ場さえあればよい』という考えでは不十分です。
どのような環境を作るか、どういう場にするかが重要です。

大澤 要輔

例えば、インプットの機会を整え、さまざまな施策を試してもよいという安全な環境を用意しつつ、定例会議で進捗を確認する仕組みを作ったとしましょう。
しかし、会議で成果を厳しく追求したり、『なぜすぐ成果が出ないのか』と詰めすぎると、教育途中の社員は対応できず、萎縮してしまいます。
その結果、育成がうまく進まず失敗に終わってしまうのです。

大澤 要輔

そのため、『どうしてうちのメンバーはマーケティングができないのか』と嘆く経営者も多く、非常に残念な状況になってしまうことがあり
ます。

Webhit 編集部

なるほど。環境をどんな場にするのか、環境を整えるか、マーケティングにみんなで立ち向かえるようにするというのが大事なんですね。

大澤 要輔

そうですね。

Webhit 編集部

ありがとうございます。では最後に、この記事を見てくださっている
読者の方に一言お願いします。

大澤 要輔

本来、マーケターに求められる能力は、幅広い分野に及ぶことが多い
ものです。

大澤 要輔

一方で、広告を運用してくれる方や、SNSを担当してくれる方、デザインを制作してくれる方といった部分的な役割は、発注側からすると
アウトプット物が非常に分かりやすく、『マーケティングをやってもらえている』という印象を持ちやすいでしょう。

大澤 要輔

しかし、忘れてはいけないのは、そうした方々はそれぞれの専門領域において最適化を行うスペシャリストであるという点です。 そのため、
しばしば“グロースハッカー”と呼ばれる存在に近いとも言えます。

大澤 要輔

まずご理解いただきたいのは、マーケターは単なる作業担当者ではないという点です。マーケターに求められるのは、会社の数値的な成果は
もちろん、定性的な側面も含め、事業全体を見渡して必要なことを
すべて実行していく力です。

大澤 要輔

いわば端から端まで担える存在であることが求められます。
ただし、そのような人材を未経験から育成する場合、年単位の時間が
かかる
とお考えください。

大澤 要輔

その間には、自由度の高い環境や、提案できる権限を一定程度与える
ことが不可欠です。なぜならマーケターは実践の中でしか育たない職種であるため、挑戦できる場をいかに用意できるかが重要です。

大澤 要輔

新卒社員が営業職に就いた場合、いきなり成果を求めることはないと
思います。まずはトークスクリプトを覚えさせ、電話対応を経験させ、上司に同行して実際の営業現場を学びます。
そして、うまくできなかった部分についてフィードバックを行い、
次にどう改善するかを考えさせるといった段階を踏んで成長していく
はずです。

大澤 要輔

マーケターも同じであり、最初から数字を出せないのは当然のこと
です。しかし、マーケティングは成果や施策が目に見えやすいため、
「なぜできないのか」と短期的に判断されがちです。
もし短期間で成果を求めたい、あるいは初期から効果的な打ち手を実行したいのであれば、プロに相談するのが最も効率的です。
その点については、弊社でもご支援が可能なため、ご検討ください。

大澤 要輔

マーケターを育てることは非常に有意義ですが、その過程には一定の
注意点があるということを忘れずに取り組んでいただきたいと考えて
おります。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
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