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新規事業の立ち上げにおけるマーケティングの成功事例を教えてください!

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Webhit 編集部

今回は、「新規事業の立ち上げにおけるマーケティングの成功事例を教えてください!」というテーマについてお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします!

大澤 要輔

はい、お願いします。

Webhit 編集部

まず、今まで手がけてこられたなかで、新規事業の立ち上げで成功したマーケティングの事例はありますか?

大澤 要輔

まず1つは、防衛機器を扱うBtoBの販売業者さんです。新規事業を立ち上げたいということで、その立ち上げから一緒に関わらせてもらったプロジェクトがあります。

大澤 要輔

結果的には、約3年ほどお仕事をご一緒しており、その間に新規受注で514社からの受注を獲得できました。
当該事業は非常に好調で、弊社が支援させていただいたコストに対しては、約18.82倍の売上が創出できている状態です。

Webhit 編集部

立ち上げからというのは、本当に新規の何もないところから
でしょうか?

大澤 要輔

はい。事業がまだアイデア段階の状態からのスタートでした。
どのようなメッセージを出すかも何も決まっていない状態から、まず
ターゲットは誰かという分析を行い、ゼロから立ち上げました。

大澤 要輔

LP(ランディングページ)も、原稿やデザインをお客様とすり合わせ
ながら一緒に作成しました。広告配信も共に実施し、集客から受注計算まで一連の流れをすべてサポートしました。

Webhit 編集部

なるほど。マーケティングだけ任されたというより、本当にプロジェクトの一員として関わられたという感じなんですね。

大澤 要輔

そうですね。はい。

Webhit 編集部

新規事業の立ち上げの段階のマーケティングにおいて、大切なこととは何でしょうか?

大澤 要輔

ポイントは、仮説検証をできるだけ早く回すことです。
大手企業の場合は違いますが、中小企業の場合、新規事業立ち上げの
段階で事前にできるマーケティングリサーチは限られていることが多く、最終的には「実際に出してみないとわからない」という議論に終始する
ことが多い傾向にあります。

しかし、マーケティング戦略などの計画のブラッシュアップばかりに時間をかけてしまうと、いつまで経っても市場に出せず、手探りの状態が続くため、結局うまくいかなくなります

大澤 要輔

そのため、今回のケースでは、立ち上げて比較的早い段階で広告を出してみました。
LPを作成して広告を配信して反応を確認し、その結果、反応が良かったメッセージをさらにブラッシュアップして拡大していく、という流れで
進めました。

大澤 要輔

早い段階で何をやるとうまくいかなくて、何をやるとうまくいくのかを試して改善するサイクルがあったことで無駄なコストをかけずに成果を
伸ばせました

Webhit 編集部

なるほど。おそらく、マーケティング全般的に、とにかく仮説検証を
早く回そうということは共通しているかと思いますが、新規事業の時は
特に意識した方がいいということであってますか?

大澤 要輔

そうですね。新規事業の時はなおさら意識した方がいいと思います。

Webhit 編集部

わかりました。今回は非常にうまくいったケースであると思いますが、立ち上げてうまくいかない時には、何を見たらいいでしょうか?
担当者はどうしたらいいですか?

大澤 要輔

そうですね。まず確認すべきなのは、仮説検証が遅れていないかという点と、そもそも仮説検証がちゃんとできているかという点です。
中小企業の新規事業では、仮説を立てずに「とりあえず出してみよう」という形で進めてしまうことが非常に多くあります。

大澤 要輔

仮説とは、「何を、どれだけ、どうすれば、こうなるはずだ」ということを言語化することです。これを言語化せずに実行してしまうと、結果はイエスかノーしか返ってきません。

大澤 要輔

仮説通りの結果であれば目標達成に向けて問題ありませんが、仮説と異なる結果が出た場合は、何が違ったのかを分析することが必須です。
ここで分析を行わないと、次の改善に繋げられず、せっかくの実験も無駄になってしまいます。

Webhit 編集部

たしかに、そうですね。

大澤 要輔

はい。自分たちの仮説と異なる結果が出た場合、どこかで想定が
間違っていることになります。
その場合は、想定と違った部分を見つけて改善し、仮説通りに進め
られるように調整する必要があります。これができていないこと自体が、
まず問題です。

大澤 要輔

仮説が立てられてないというのも問題です。 仮説の立て方が悪く、立てた仮説自体が非現実的であったり、感情や希望的観測が入ったものだったりするケースもあります。
そういった仮説には検証の価値はなく、意味がありません。

大澤 要輔

重要なのは、現実的な数字や状況を前提にした仮説を作ることです。
そして、その仮説を検証する際には、結果がイエスかノーかを確認し、
何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかを分析する。
この分析をもとに次の仮説を立て、改善していく作業が「検証」と呼ばれるものです。この一連の流れがずれてしまうと、戦略や施策は失敗に終わってしまいます。

Webhit 編集部

仮説を立てて、改善、検証していく作業が必要なのですね。

大澤 要輔

はい。もうひとつ注意すべきことは、事業やサービスがプロダクトアウト型になっていないかという点です。
最先端のベンチャー企業やスタートアップの場合、市場のリスクを承知で突っ込んでいくので問題ないこともありますが、中小企業が新規事業を行う場合は、プロダクトアウト型の事業は避けるべきです。

大澤 要輔

プロダクトアウト型とは、自分たちが「これは世の中に必要だ」「お客様に喜ばれるはずだ」と思うものを作り、「だから買ってください」と提供するやり方です。
一方でマーケットイン型は、お客様が本当に欲しているものや、解決したい課題に基づいてサービスを作り、「だからこのサービスを使ってください」と提案するやり方です。

大澤 要輔

プロダクトアウト型のサービスの場合、まず知ってもらう段階で理解されにくく、初期段階で成功体験を得にくい傾向があります。
特に新規事業の立ち上げ時には、受け入れられにくく、失敗したと感じやすくなります。

大澤 要輔

そのため、意図せずプロダクトアウト型になってしまうことは問題です。事前に自分たちのサービスがマーケットイン型になっているかを確認することが重要です。

Webhit 編集部

わかりました。仮説を立てる際に注意すべき点はありますでしょうか?

大澤 要輔

まず大事なのは、仮説の前提となる戦略を作ることです。
戦略がないまま「広告で1件1万円で問い合わせを取りたい」と目標だけを掲げても、それはただの希望値に過ぎず、現実性が考慮されていない
ことがほとんどです。
支援会社もそれを聞いて「はい、やります」と言ってしまいがちですが、当然、うまくいきません。

大澤 要輔

戦略がある状態では、市場や競合、自社サービスの強み・弱みを把握したうえで目標を考えられます。
たとえば、目標CPA(顧客獲得1件あたりの広告費)が1万円だとします。この場合「1万円で取りたい」というのは、「同じ同業他社で知り合いの社長が1万円取ってると言ってたから、1万円取りたい」と言って
いる場合も、多くあります。

大澤 要輔

しかし、競合の状況や自社サービスの特性を踏まえると、現実的には1万円で顧客を獲得できる可能性が低いこともあります。
その場合、まず現実的にどれくらいのCPAで獲得できるのかを確認し、許容CPAを決めたうえでテストや改善を進める必要があります

Webhit 編集部

現実性を考慮して、戦略を立てることが大切なのですね。

大澤 要輔

そうです。戦略がないと、初期段階で失敗した場合に「もうやめよう」と判断しやすく、改善のチャンスを失います。
一方で、戦略を立てておけば、許容ラインを決められ、成功する部分は続け、改善点を見極めて次の施策に活かすことができます。結果として、マーケティングの改善も進めやすく、数字も上がりやすくなります。

大澤 要輔

戦略的にCPAを下げようと思った場合、まずはCPAの実態がどのくらいかを確認することが大前提です。
そのうえで、許容できるCPAを決めます。これは、1件あたりの受注単価や販売単価、理想的なLTV(顧客生涯価値)などから逆算して、問い合わせ獲得にかけられるコストの上限を定める作業をします。

Webhit 編集部

なるほど。どこまでコストをかけられるか許容ラインを決める必要があるのですね。

大澤 要輔

はい。上限を決めたら、その許容CPA内で獲得できるかをテストして
確認します。
たとえば、許容CPAを10万円と設定したのに、実際には2万円で獲得
できることがわかった場合は、次は2万円以下でさらに改善するために
何ができるかを考えます。
理想の目標CPAが1万円だとしても、最初からその数字だけを狙って
動くのはほとんどの場合うまくいきません。

大澤 要輔

まずは現実を把握したうえで、徐々に目標に近づけていくことが重要
です。最初から理想を狙いに行こうとすると、ほとんどの場合うまく
いきません。  

大澤 要輔

早い段階で、自分たちが把握できていない失敗を重ねてしまうと、その後の改善や運用の段階で、「このやり方はうまくいかないからやめたほうがいい」という発想が生まれてしまいます。
そうなると、必要なコストを投じられず、十分なテストもできなくなるため、改善がまともに進まなくなってしまうのです。

大澤 要輔

そのため、戦略をあらかじめ作っておくことが重要です。戦略があれば、事業として撤退すべきラインや、許容できるCPA(1件あたりのコスト)の上限をあらかじめ決めることができます。
その上限以下で獲得できる場合は、まず続けてみようという判断ができるため、線引きがはっきりして安心して改善を進められます。
戦略を持つことで、マーケティングの改善もスムーズに進み、数字も上がりやすくなるでしょう。

Webhit 編集部

なるほど。仮説の立て方も教えていただいてありがとうございます。
事業の中でも、BtoCとBtoBがあると思いますが、新規事業のマーケティングの際にBtoCとBtoBでは、それぞれやるべきことは違いますか?

大澤 要輔

結論としては、あまり変わりません。
特に初期の段階では、仮説検証をできるだけ早く回すことが重要です。BtoBの場合はやり方が少し異なることもありますが、基本的な考え方はあまり変わりません

Webhit 編集部

変わらないのですね。

大澤 要輔

はい。具体的には、実際に商品やサービスを提供して、お客様の反応を確認することが重要です。
BtoCの場合であれば、商品を届ける際にアンケートを同梱したり、購入後にメールや電話で感想を聞く方法があります。
また、Amazonや自社ECサイトのレビューを活用して、お客様の声や本音を集めることも有効です。

大澤 要輔

一方で、BtoBの場合、アンケートやレビューといった手法も共通して使えますが、より適しているのは「顧客インタビュー」です。
どういう経緯で、どういうお考えのもと、意思決定をいただけるのか、みたいなことを確認していくことが必要です。実際に自社を選んでくれた理由や意思決定の背景を、30分から1時間程度かけて直接聞くことで、本音や判断プロセスを把握できます。

大澤 要輔

手法の違いはありますが、BtoBでもBtoCでも、本質的な目的は同じです。お客様の実態や本音を正しくつかむことが目的であるため、細かい
やり方の差はあるものの、やるべきこと自体は大きく変わりません。

Webhit 編集部

ありがとうございます。では、最後にこの記事を読んでくださっている
読者の方に一言お願いします。

大澤 要輔

新規事業の成功事例はいくらでも紹介できますが、それは業種や企業固有の条件が影響していることも多くあります。
本質的に重要なのは「仮説検証をいかに早く回すか」という点です。
プロジェクトとしてこの仮説検証を迅速に回せるかどうかが、成功に
直結します

大澤 要輔

逆に、うまくいかない場合は、仮説検証が遅れていたり、そもそも正しく実施できていないことがほとんどです。
新規事業のマーケティングはハードですが、事業を軌道に乗せる方法は、仮説検証を徹底して行うこと以外にありません
そのため、そこから逃げずにやってもらえたらいいと思います。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
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