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Webマーケティングの自動化ってホントにできるの?

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Webhit 編集部

最近、マーケティング関連の広告で「Webマーケティングを自動化する」という謳い文句を掲げた広告を見かけることが多いのですが…

それができたら楽だなぁとは思いつつ、実際のところ、Webマーケティングの自動化ってできるものなのでしょうか?

大澤 要輔

基本的に、集客やマーケティングの自動化には、大きく二つの文脈があるんですよ。

一つ目は「広告の文章を作るのを自動化しますよ」「例えばこのツールを使うと、こういうことが自動化できますよ」みたいな話ですね。

二つ目が、マーケティングの流れのすべてについてです。
例えば、
・お客さんを集める
・そこからお客さんに対してコンテンツを出していく
・契約を取る、クロージングをする
みたいなことをすべて自動化する、要は「もう完全に何にもタッチしなくていいよ」「何も調整もいらないし、メンテナンスもいらないよ、それで成功するよ」みたいなことを言っているような自動化です。

このように、大きく2種類あるんですよ。
確かに楽だなという話ではあるので、引き寄せられちゃいそうなのですが、「マーケティングの自動化ができます!」みたいなことを大きな声で言っているところは、大体二つ目なのですよね。

Webhit 編集部

二つ目の、「何もノータッチでいいよ」っていうのを謳い文句にしているところの方が多いのですか?

大澤 要輔

そうですね。なので、結論から言うと非常に怪しいんですよね。
そもそもマーケティングって、人がそこに介在しなくなるということが現時点では現実的に難しいんです。

例えば、広告を出して、お客さんが来る時もあれば、来ない時もありますよね。仮に来たとしても、自分たちにとって理想的なお客様ではないケースも多いわけです。理想的なお客様が来ればいいのですが、そういうお客様ばかりではないときもあります。

例えば、広告からLINEに入ってくる割合が10%だとしましょう。
そこから20%の人が契約してくれましたというときに、この10%と20%という数値が動かなければ、経営はずっと回ります。
ですが、10%を下回ることもありますし、逆に言えば20%を超えることもあるんですよ。

なので、必ずしも毎回ノータッチでほっといても集客できますよ、ということにはならないわけですよね。
入ってくるお客さんの状態も違うし、数も違うし割合も違うということが、毎月毎月起こるので。

結局、その経営を見ている人間や、マーケティングの責任を持っている人間が、そこをしっかり確認する・調整する・アップデートするということをやらなければいけないので、いわゆる自動化にはならないという感じですね。

Webhit 編集部

そのような、いわゆる「一度導入すれば完全ノータッチでマーケティングを自動化する!」というものは、機能としては実現できたとしても、結果は伴わない、現実的ではない施策であるという認識でよろしいですか?

大澤 要輔

そうですね。
初めはうまくいくかもしれないですし、うまくいくときがあるかもしれないのですが、ずっとそれでうまくいくわけではないですよということですね。

自動化というと、もう未来永劫ずっとうまくいきますみたいな感じに聞こえるんですけど、そのようなことはあり得ませんよという話ですね。

Webhit 編集部

魅力的な話だと少し思ってしまったのですが、やはり裏にきちんと知識のある人が介入していないと、必ずしもうまくいくとは限らない、その可能性は低いというような感じですね。

目次 ー この記事で分かること ー

Webマーケティングで部分的に自動化を取り入れる効果とは?

Webhit 編集部

最初に二つの文脈があるとおっしゃっていましたが、今までのお話はその後者のお話だったかと思います。
前者の方の、例えば部分的に広告の文章を自動化する、何かツールを使うことで一部分自動化するなど、そういったことは効果的ではあるのでしょうか?

大澤 要輔

はい。結論としては効果的ですね。
例えば有名なのはLステップがありますね。

最近では、公式LINEの通常のアカウントの方でもできますけれども、
LINEの一定の流れを、自動でルールを決めて配信していくことができるという感じです。

Lステップが出る前、公式LINEアカウントでできるようになる前は、基本的に手動で送っていくしかなかったという時代がありました。

なので、Lステップが出る前は、メルマガが主流だったんですよ。
ステップメールってありますよね。
「メールが今日来たら明日には別のメールが来る」というものです。
現在のシステムができるまでは、ステップメールが主流で使われていました。

ステップメールもそうですし、LINEもそうですけど、自動で最適化が行われる、自動で何かが送られるという作業を自動化すること自体に関しては、割合がどう、成果がどうという話ではないのです。

送ることそのものを自動化しているので、単純に作業工数を減らせているんですよね。
自分がやらなきゃいけない作業量を減らせるということに直結するので、これは効果的なのですよね。

Webhit 編集部

では、Webマーケティングの自動化という部分で言うと、正確にはその作業効率や、単純作業の部分にかかる時間を圧縮するという意味での自動化は推進されるけれども、Webマーケティングをまるっとすべて自動化するというのは、そもそも現実的ではないという感じですね。

大澤 要輔

そうですね。
すべて自動化するならば、きちんとチェックや調整、メンテナンスをすることを前提に自動化を組むのは良いと思います。

Webhit 編集部

そういうことなのですね。

大澤 要輔

はい。
結局、マーケティングのフロー全体の自動化というのも、「広告の運用をAIで自動化します」というものがあって、それで入ってきたときに、
・LINEに追加したらLINEからこの文章を自動で送ります
・LINEの文章の中で送ったURLをクリックした人にだけこれを送ります
・さらに、それに反応した1人だけにこのオファーをかけてクロージングします
・そこでご契約いただいた方には、このページを案内します
のように、ここまでのすべてが作業の連続なのですよね。

この作業を一つ一つ、すべて自動化するということ自体は構いませんが、ただ、Webマーケティングをやる以上、やはり成果を求めてやっていくので、「自動化の流れができたから、あとはもういいや、ほっとけ」というのではなく、「できたのならば、それをしっかり監視して、モニタリングをして、きちんと改善する、メンテナンスする」のように、人間がそれを見ていることが大前提ですね。
それであれば効果があります。

Webhit 編集部

そうなんですね。
そういったチェックバックやモニタリング期間について、
・大体どれくらいの間隔で行うのか
・一般的にどのようなチェックを入れるべきなのか
・どのように改善を回すべきなのか
ということも教えていただきたいです。

大澤 要輔

基本的には大きく2種類あると思います。
ある程度の母数のデータが入ってくるという前提で話をすると、大体2種類で、一つがまず1週間ごとですね。

例えば、日曜日に作業をして、月曜日から別のステップ配信が流れるようにしたいときに、その前の1週間と、変えてからの1週間でまず成果を見比べるんですよ。

ある程度入ってきている母数があるとして、例えば100人ずつ入ってきたとすると、「100人入ってきたうちの何割がこれを見てくれている、これをクリックしてくれている」というすべてが出ます。

そこで例えば、「送るURLやオファーの内容自体は一緒で、テキストを変える、添付する動画を変える」みたいに、どこか1ヶ所を変えて、その前後比較としてまずは1週間の短期間で初動を見るという方法が一つあります。

もう一つは単月ごとですね。
1ヶ月で見るというやり方ですね。

全体のデータの母数をより多く確保できるので、よりその改善がきっちりできたかどうかというのが、より明確に数字として出やすくなるのと、その数字により意味を持たせやすいんですよね。

統計的には200以上データの母数があると、ある程度そこには相関性が出てくるので、優位性があると言われたりします。

なので、1ヶ月単位のものだと、ある程度データが大きいのでより信頼性のある分析と判断ができるという感じですね。
それで月ごとに推移を見ながら、改善をしていくという流れです。

Webhit 編集部

そのような視点があるのですね。ありがとうございます。

どのようなサービスなら利用しても大丈夫?魅力的な謳い文句のサービスの良し悪しを見極める方法って?

Webhit 編集部

最初のテーマに戻ると、マーケティングの自動化っていう広告を見た場合、「広告の内容を見て、自動化しつつもチェックバックをちゃんと行って、改善もうちでやりますよ」という広告なら、話を聞いてみても大丈夫という認識で良いのでしょうか?

大澤 要輔

はい、いいですね。
持続する仕組みを作って、それを一緒になって改善するよという前提ならいいサービスです。

Webhit 編集部

今のお話を聞いていると、そういったサービスをお願いしたいなという気持ちに持っていかれるのですが、実際、すべて自動化できるよということだけを謳っている会社さんもあるのですか?

大澤 要輔

いいえ、「自動化したものをすべて一緒にチェックすることまでやりますよ」という会社さんは聞かないですね。

マーケティングの自動化を怪しい文脈で言っているところ、「もうこれさえ作っちゃえばずっとそれで稼げます」のようなことを言っている人たちの中で、「伴走まですべてやってその仕組みの調整もずっとやります」という会社さんはあまりないかなと思います。

Webhit 編集部

怖いですね…

大澤 要輔

そうなんですよ。怖いんですよ。

Webhit 編集部

そこの見極めって…。
マーケティングに詳しくない人だと、「楽ができるならいいな」と飛び込んじゃいがちな気がするのですが、最低限の見極める術はあるのでしょうか?悪い会社さんに引っかからない方法を知りたいです!

大澤 要輔

そういった怪しげなことを聞いて、「それって本当だろうか」と確かめるみたいな話で言うなら、「その仕組みを作った後のサポートに何があるのか」ということですね。

例えばランニング広告に出ているのなら、ランニングページに書いてあるのか、営業を受けたのなら資料に書いてあるのか、のようなことを確認するのが大前提として必要なのかなと思います。
まず、その段階で書いていない会社さんは少し違うと思いますね。

例えば、テンプレートコンサルとよく言われたりするのですが、
自社が持っている、何かがうまくいったというテンプレートに、強制的とまでは行かなくても、比較的強引に当てはめていくことをするようなところもあるんですよね。

ただ、ご存知の通り、各会社さんによって状況も全く違いますし、業種が同じでも会社の体制が違ったり、リソース状況が違うとできることも、やれることも全く違うので、
・テンプレートを押し付けるだけになっていないか
・仕組みを作った後の伴走が前提としてあるか
ということが重要かなと思います。

まとめ

Webhit 編集部

今日はお話しいただきありがとうございます。
最後に今日のまとめと、この記事を見てくださっている方に一言お願いできればと思います。

大澤 要輔

マーケティングの自動化というところ自体は悪いことではありません。
ただ、「マーケティングの流れをすべて自動化すれば、もう触らなくてもいい、メンテナンスしなくていい、改善しなくていい」という思考に陥ってしまうことそのものが問題です。

マーケティングの自動化を取り入れる際には、「もう触らなくていいんだ」ではなくて、あくまで作業を自動化するんだと、その上で改善業務を行ってしっかりやらなければいけないという前提の認識を持って、取り入れていただければいいかなと思います。

このメディアを見てくださっている方は中小企業でマーケティングを頑張っていらっしゃる方が多いと思うので、部分的にマーケティングを自動化して、効率的に業務を行って、より様々な集客ができるように、
本記事でお話をしたような内容をご活用いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Google広告 各種資格
Yahoo!広告 各種資格

目次 ー この記事で分かること ー