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自社のWeb戦略、何から考えたらいいのか分かりません!

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Webhit 編集部

今回は「自社のWeb戦略、何から考えたらいいのかわかりません!」というテーマについてお話しいただきたいと思います。
よろしくお願いします。

大澤 要輔

はい、お願いします。

Webhit 編集部

まず、自社のWeb戦略とは、何から考えたらいいでしょうか?

大澤 要輔

「そもそもWeb戦略とは何か」という話ですが、これは営業やマーケ
ティングをはじめとする企業活動において、オンラインをどのように
活用するかを定める戦略
を指します。

大澤 要輔

よく混同されるのが「Web戦略」と「Webマーケティング戦略」です。正しく捉えるなら、Web戦略の中にWebマーケティング戦略が含まれるという関係になります。
つまり、Web戦略はより広い概念であり、その一部としてマーケティング領域の戦略が位置づけられているということです。

Webhit 編集部

なるほど。理解しました。

大澤 要輔

Web戦略を考える際に、最初に押さえておくべきポイントがあります。多くの会社では「デジタルマーケティングのキャンペーンをどう展開するか」といった施策レベルの話から入ってしまいがちです。
しかし、本来の順番はそこではありません。

大澤 要輔

まず確認すべきは、自社の商品やサービスが「Webで売れる状態」
あるいは「Webで集客できる状態」にあるかどうか
です。
これが整っていない段階で戦略を立てても、実際には効果が出ません。

大澤 要輔

たとえば、いくら強烈なキャッチコピーや広告で目を引いたとしても、
提供するサービスや商品そのものが弱ければ、結果として「売れないものを売ろうとしている」に過ぎません。
つまり、土台が不十分な状態では、どんなに見栄えのするWeb戦略を描いても意味がなくなってしまうのです。

Webhit 編集部

少し想像ができていないのですが、自分たちの商品がWebで売れる
のか、集客できるのかという状態になっているかどうかというのは、
具体的にどういう状態なのですか?

大澤 要輔

そうですね、ユーザーがウェブサイトを訪れたとき、最初の「0.5〜1秒」で直感的に理解できるかどうかが勝負です。
少し長めに見ても「3秒以内」に、そのサイトが何を提供しているのか、具体的にどんな価値を与えてくれるのかが伝わらなければなりません。

Webhit 編集部

「無形でも有形でも、具体的に自社の商品がわかりやすい状態になって
いるかどうか」という意味で合っていますか?

大澤 要輔

合っています。
なぜ「一瞬で伝わること」が大事なのかというと、WebやSNSの世界では情報の流れがあまりにも速いからです。
ユーザーは1つひとつの情報に時間をかけてじっくり見ることはほとんどありません。そのため、一瞬見ただけで興味を引かないと問い合わせにも購入にもつながりません

大澤 要輔

加えて現代は、どの商品・サービスも供給過多の状態にあります。
広告代理店ひとつ取っても、似たような会社が何社も存在しており、
ユーザーからすれば「どこも同じ」に見えてしまいます。

大澤 要輔

そう考えると、ユーザーは1社の情報を見たとしても、その直後に似たような情報を立て続けに目にすることになります。昨今のSNSやGoogleなどのプラットフォームには強力なレコメンド機能が備わっており、過去の閲覧履歴から「あなたはこういうものが好きでしょう」と似た情報が次々と提示されるからです。

大澤 要輔

結果として、ユーザーの目に触れるのは「また同じような内容か」と
感じる情報ばかりになります。そのため、自然と関心を持たれにくく
なるのです。

大澤 要輔

パッと見て、

・このサービスを選べば他社にはないどんなメリットが得られるのか
・どのようなベネフィットがあるのか
・導入や購入にかかる現実的なコスト感

など、他社との違いが分かることが重要です。

大澤 要輔

つまり「この会社は自分にとって価値がある」と、ユーザーが3秒以内に理解できる見せ方をする必要があります
それがページを読み進めてもらう、さらには問い合わせや購入につなげるための最低条件です。

Webhit 編集部

ありがとうございます。では、戦略云々の前に、自社の商品がどういう
状態かというのをまずチェックする必要があるということですね。

大澤 要輔

はい。結局のところ、Web戦略というのは単独で存在するものでは
なく、広い意味での営業戦略やマーケティング戦略の一部に内包されるものです。
さらにその上には事業戦略があり、最上流には経営企画があります。

大澤 要輔

ここで押さえておきたいのは、上流に位置する経営企画や事業戦略、営業戦略といった部分に破綻がある場合、その下流にあたるWeb戦略も必ず破綻するということです。
上流で決定された方向性や枠組みの影響を強く受けるため、下流の施策だけで問題をカバーすることは不可能なのです。

大澤 要輔

戦略の失敗は、戦術でカバーすることはできないことと同じです。
これは戦争を例に考えるとイメージしやすいと思います。

大澤 要輔

仮に相手と対峙する際、こちらが山や丘などの高い場所を取れる状況にあるとします。
戦略的に考えるなら、当然ながら高地を選ぶのが最も有利です。
なぜなら、平地から駆け上がってくる敵兵を上から迎撃できるため、
全体の損耗を最小に抑えて効率的に戦うことができるからです。

大澤 要輔

ところが、もし誤って高地を取らず、平地を選んでしまったらどうでしょうか。
その場合、相手も同じ条件の平地で正面衝突することになり、双方に甚大な損害が発生します。
しかも、そこには「優位性を確保する勝ち方」は存在しません。

大澤 要輔

重要なのは、この時点でどんなに精鋭の部隊を揃えようと、どれだけ
強力な大砲や馬を持ち込もうと、「平地で戦う」という不利な前提自体は変えられないということです。
つまり、戦略を誤れば、その後どんなに戦術を工夫しても挽回できない
のです。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
立案したWeb戦略が間違っていないかどうかをチェックするには、
どのようにしたらいいですか?

大澤 要輔

はい、ありがとうございます。 まず戦略を立てたら、「その戦略がうまく機能しているかどうか」を確認できる指標を設けることが大切です。
指標がなければ、戦略の良し悪しを判断できず、ただ施策を積み重ねるだけで終わってしまいます

大澤 要輔

たとえばBtoBのマーケティングであれば、

・見込み顧客(リード)の獲得件数
・想定したユーザー動線通りに顧客が動いているか
・訴求メッセージが刺さっているか

といった点が分かりやすい指標になります。

大澤 要輔

具体的には、同じランディングページを使いながら広告クリエイティブだけを変え、クリック率(CTR)やCPAを比較する方法があります。

また、「お役立ち資料」を通じてユーザーを教育し、興味・関心から
比較検討フェーズへ進めた結果、どの程度がアポイントや問い合わせに結びついているかを数値化するのも有効です。

大澤 要輔

大事なのは、「どんな指標を設定するか」は戦略の内容によって変わるという点です。絶対的な正解はありません。
重要なのは、自分たちが描いたマーケティング戦略やWeb戦略が本当に合っているかどうかを、数字や割合といった客観的な指標で確かめられる仕組みをつくることです。

Webhit 編集部

なるほど。数字や割合で客観的な指標で確かめられる仕組みを作る必要があるのですね。

大澤 要輔

そうです。先ほどの「平地か山に布陣しているか」という戦略の例に
置き換えると、

・足元に傾斜があるかどうか(戦略的優位性が存在するか)
・自分たちが高い位置にいるか(ポジションが正しく取れているか)
・相手にとって登りにくい地形か
(競合に対するハードルが十分高いか)
・身を隠せる木や遮蔽物があるか
(強みを守る仕組みが備わっているか)

こうした条件を一つひとつチェックすることで、「自分たちは本当に山に布陣できているのか=正しい戦略を選べているのか」を判断できます。

大澤 要輔

つまり、戦略を立てるだけでなく、その戦略がきちんと機能しているかを確認する指標を事前に設計することが欠かせません。
そして、指標に基づいた継続的なモニタリングを行うことで、戦略が
ズレていないかを常に確かめられます

Webhit 編集部

はい、ありがとうございます。
戦略はどれくらいの頻度で見直すといいのでしょうか。

大澤 要輔

最低でも月に一度はチェックすることがおすすめです。
戦略が正しく機能しているかを確認するモニタリングは、データが
ある程度集まったタイミングで行うことが重要
です。

大澤 要輔

予算が少額の場合は、毎週の確認ではデータが十分に集まらず、正確な
判断が難しいため実務的ではありません。
予算が大きく、施策のスピードが速い場合には、2週間に1度程度の
モニタリングをしてもいい
でしょう。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
では、そのWeb戦略の立案の中で、よくある失敗はありますか?

大澤 要輔

そうですね。戦略立案の段階で陥りやすい失敗の1つは、施策ばかりに
目が向いてしまうこと
です。
広告であればどの広告を打つか、SNSであればどのプラットフォームを使うか、Web戦略全体であれば、オンライン営業はZoomで行うのか、チームでやるのかといった具体的手段ばかりを考えてしまうケースです。
もちろん施策自体には実行する意味がありますが、施策だけに集中して
しまうと、戦略全体の最適化ができなくなります

大澤 要輔

例えば、戦略として「山に布陣して相手を一網打尽にする」という計画を立てたとします。しかし、各部隊がそれぞれ勝手に動き、タイミングを
合わせずに行動すると、戦略は機能しません。
第一部隊が攻撃しても、第二部隊、第三部隊が連携していなければ、計画通りの成果は得られません。
施策だけを見て戦略にフィードバックしてしまうと、こうした不整合が
生じるのです。

大澤 要輔

つまり、マーケティングやWeb施策の改善は個別に行うことができますが、それぞれの施策が戦略全体にどう影響するか、施策同士がどう連携
するかを意識しない限り、描いていたWeb戦略は実現されません。
戦略と施策は常にセットで考え、施策の改善は戦略の目的に沿って行う必要があります

Webhit 編集部

なるほど、木を見て森を見ずという感じですね。
最後にこの記事を見てくださっている読者の方に一言お願いします。

大澤 要輔

はい。基本的にWeb戦略を考えることは大事ですが、最終的に売れるかどうかは「商品やサービスそのもの」の品質が決め手です。
例えば果物屋さんのホームページやSNSがどれだけ美しく、広告やコンテンツがどれだけ洗練されていても、実際に提供される果物が腐っていたら、誰も購入しません。
いくら見た目や説明が素晴らしくても、商品自体の価値が伴わなければ意味がないのです。

大澤 要輔

残念ながら、実際には「腐っている商品でも広告でなんとか売ろう」とする企業もあります。しかし、商品やサービスの本質を無視して広める
ことは、本来やってはいけません。
本当に顧客のためを思うのであれば、商品やサービスは常にブラッシュアップされ、最高の鮮度や品質で提供されるべきです。

大澤 要輔

Web戦略やマーケティング施策はあくまで、それを「どう届けるか」
「どう伝えるか」の手段に過ぎません

本質は商品やサービスの価値にあり、戦略や施策はそれを最大限に
生かすためのツールです。
そのため、施策や演出に目を奪われて、商品の本質を疎かにしない
バランス感覚を間違えないようにしてほしい
と思います。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
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目次 ー この記事で分かること ー