マーケティングに関わっている方であれば、「企業ブランディング」というワードを聞いたことがある方も多いでしょう。企業ブランディングを高められれば成長を促すチャンスになりますし、長期的に売上を向上させる手段となります。
そこで本記事では企業ブランディングを高める方法を7ステップで詳しく解説します。企業ブランディングの基本から実践まで説明しているので、これから自社のブランディングを高めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
企業ブランディングが重要である理由
企業ブランディングが重要である理由は、企業価値が高まって中長期にわたり高い費用対効果を期待できるからです。ブランディングを高められれば、商品・サービスの価格を上げたとしても、価値を受け取りたい顧客が増えて売上は上がっていくでしょう。
「〇〇といえばあの商品」のブランディングイメージを構築できれば、積極的な販売促進や広告宣伝を行わなくても商品が売れていくのです。
ブランディングイメージの例として、下記のような企業が挙げられます。
- 日常着といえばユニクロ
- ビールといえばキリン
- ハンバーガーといえばマクドナルド
ブランディングを高めれば、上記の企業のように強力なイメージを形成できます。

企業ブランディングを高める方法を7ステップで解説
ブランディングとは、企業や製品、サービスに対するイメージやアイデンティティを構築し、顧客に対して特有の印象や価値を提供するための戦略的なプロセスです。単なるロゴやネーミングだけでなく、企業のビジョン・ミッション・価値観・製品やサービスの特徴、顧客体験など、総合的な要素を包括します。
現在ブランディングを実行している方も、再検証することで自社のブランド力が高まるかもしれません。企業ブランディングを高める方法としては、下記の7ステップが挙げられます。
- 自社ブランドの方向性が統一されているか再検証する
- 自社ブランドのコンセプトが明確か再確認する
- ブランドアイデンティティが適切かを再検証する
- ブランドの価値を再設定する
- ブランド名・ロゴを再検証する
- メディアを通じてブランド価値を発信する
- ブランディングの効果を測定する
上記の手順でブランディング施策を進めれば、効果的にブランディングを高められます。手順を1つずつチェックしてください。
自社ブランドの方向性が統一されているか再検証する
まずは「自社ブランドをどんなブランドにしていくか?」の方向性が統一されているかを再検証しましょう。「どのようなユーザーにどのような価値を提供し、どのような成果を獲得してもらうのか?」方向性を明確にする作業を行います。
自社ブランドの方向性を明確にすれば、競合他社にはない自社だけの世界観を構築できます。
方向性は時代の変化とともに変わる可能性もあるため、定期的に方向性を確認する作業が重要です。
自社ブランドのコンセプトが明確か再確認する
自社ブランドの方向性を検証できたら、続いて自社のブランドコンセプトが明確になっているかを再確認しましょう。どのターゲットにどのようなイメージを想起してもらいたいのかを再確認すれば、ブランドコンセプトをより強固にできます。
加えてターゲットユーザーにどのような価値・メリットを提供できるかを考えられれば、ターゲットに刺さりやすいコンセプトが定まります。
有名企業のブランドコンセプトも参考にしてみましょう。
- スターバックス:「サードプレイス」
- ディズニーランド:「夢と魔法の国」
- QBハウス:「10分の身だしなみ」
自社にピッタリ合ったブランドコンセプトを再確認してください。
ブランドアイデンティティが適切かを再検証する
ブランドコンセプトを再確認できたら、続いてブランドアイデンティティが適切かを再検証しましょう。ブランドアイデンティティとは、ブランドが消費者や市場に対してどのような印象を与えるかを形成し、ブランド自体の存在や特質を視覚化・表現する手段です。
ブランドネームを聞いただけでユーザーに共通のイメージをもってもらえるのが理想だといえます。
ブランドアイデンティティの事例は、下記が挙げられます。
ドミノピザ | 焼き立てのピザを30分以内にお届けする |
ユニクロ | MADE FOR ALL(衣服を通じてあらゆる方の生活をより良くする) |
NIKE | Just Do It(とりあえずやってみよう) |
上記の例も参考にしてもらい、自社ブランドを聞いただけでユーザーがイメージを想起できるようなブランドアイデンティティを再検証してみましょう。
ブランドの価値を再設定する
ブランドの価値を再設定するのも、自社の企業ブランディングを高めるためには重要です。
ブランド価値とは、ターゲットユーザーが自社ブランドから感じられるメリットを指します。ブランド価値には大きく分けて下記の4種類があるので、事前に整理しておきましょう。
実利価値 | 商品の品質や機能によってユーザーが得られるメリット |
感性価値 | 感動や共感を得ることで生まれる商品・サービスの付加価値 |
情緒価値 | 商品・サービスを利用した方に高揚感・充足感を与える価値 |
共鳴価値 | 商品・サービスを通じて自己実現や社会実現を満たすことで得られる価値 |
上記のようなブランド価値を再設定し、競合他社との差別化やブランディング向上を図るのが重要です。
ブランド名・ロゴを再検証する
ブランドの方向性やブランドコンセプト、ブランド価値が固まったら、自社に合ったブランド名やロゴを再検証しましょう。ブランドに込めたイメージが伝わりやすい名前やロゴを作れば、それだけユーザーにブランドを想起させやすくなります。
ロゴは名刺や看板、Webページなどあらゆる媒体で使用されるため、拡大縮小しても認識しやすいシンプルなデザインがおすすめです。
ブランド価値やブランドコンセプトに合ったデザインのロゴを作れれば、ユーザーがロゴを見ただけでイメージを想起しやすくなるでしょう。
メディアを通じてブランド価値を発信する
ここまでブランディングの要素を再検証して明確になったら、各メディアを通じてブランド価値を発信していきましょう。
ブランド価値を発信する媒体は、下記のようなものが挙げられます。
- Webサイト
- 動画サイト
- SNS
- 広告媒体
自社ブランドをアピールするにはどのような媒体が適しているかを見極めるのも重要になってくるため、メインターゲットの目に止まりやすい媒体を選ぶようにしてください。
また、ブランド価値を発信する際にはコピーやデザインに統一感をもたせ、「ブレない軸がある企業」のイメージを崩さないようにしましょう。

ブランディングの効果を測定する
さまざまなメディアを通じてブランド価値を発信したら、どれくらいブランディング効果が出ているかを測定しましょう。どれだけブランディング施策を行っても、ブランディング効果がなければ施策を変更する必要があるからです。
ブランディング効果を測定するためには、顧客へのアンケートを行ったりWeb広告のアクセス解析を利用したり、さまざまな方法があります。
もし測定結果によってブランディング効果が高まっていなければ、再度施策を検証し広告媒体の見直しや発信内容の見直し、もしくは再度ブランディングそのものを検証しなければなりません。
一度ブランディング施策を行って終わりにするのではなく、効果測定と検証を繰り返して施策を最適化していくのが重要です。
企業ブランディングを高める3つのコツ
企業ブランディングを高めるコツとしては下記3つが挙げられます。
- 顧客目線に立って自社の強みを活用する
- 明確なブランドコンセプトを示す
- 自社の企業規模に合わせたブランディング施策を行う
上記のコツを押さえてブランディング施策を行えば、効果的にブランディングを高められます。ここからそれぞれのポイントを詳しくみてみましょう。
顧客目線に立って自社の強みを活用する
ブランディングを行う際には、常に顧客目線に立って自社の強みを活用するのが重要になります。自社では強みだと思っていても、顧客からすれば価値を感じていない可能性もあるからです。
こだわりや誇りをもつのは大事ですが、こだわりを強くしすぎてユーザー目線を忘れてしまわないようにしましょう。
ブランディングの目的はユーザーに認知してもらい購買行動を起こしてもらうことなので、常にユーザー目線を意識するのが大切です。
明確なブランドコンセプトを示す
企業ブランディングを高めるためには、明確なブランドコンセプトを示して一貫したメッセージを発信するのが重要です。どのような媒体でも一貫したメッセージを打ち出せば、「〇〇といえばこの会社」のイメージを顧客に与えられるでしょう。
またブランドを立ち上げた創業者のストーリーがあると、説得力が増してブランドが唯一無二のものになります。
例えばAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズは製品プレゼンを行う中で企業のストーリーを発信し、世界中に多くのファンを生み出しました。同様に自社の創業ストーリーを発信すれば、共感を生みブランディングを高められるでしょう。
自社の企業規模に合わせたブランディング施策を行う
自社の企業規模に合わせたブランディング施策を行うのも重要になります。大企業であればテレビCMのようなマス広告で一気に認知を広げられますが、中小企業であればターゲットを極力絞ったアプローチを行う工夫が必要です。
自社の等身大の魅力をターゲット顧客に伝えられれば、たとえアプローチできる人数が少なくてもブランディングを高められます。
企業規模によってブランディングに割ける予算が限られてくるため、どれだけの予算を使ってブランディング施策を行うかを決めておきましょう。
ブランディングを向上させた企業の事例3選
ブランディングを向上させた企業の事例としては下記の3つが挙げられます。
- ダイソン
- オリエンタルランド
- Amazon
上記のような企業の事例も参考にし、自社のブランディング向上に活かしていきましょう。
ここからそれぞれの企業事例を詳しく解説していきます。
ダイソン
ダイソンは革新的で優れた性能とデザインの製品を販売する企業としてブランディングが確立された好例です。また、ダイソンはユーザー目線を徹底している企業としても知られています。
例えばダイソンは最初の掃除機の開発プロセスの際に、納得できる製品を作るために5,127台もの試作品を作ったそうです。顧客目線で本当によい製品を作りたい想いから、それだけ多くの試作品を作ったのでしょう。
このような徹底した品質への追求が、ダイソンの製品が価値を提供できるブランディングにつながっているのです。
オリエンタルランド
東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドも、ブランディングが確立された企業の事例として有名です。ディズニーランドのスタッフは「キャスト」と呼ばれ、ステージでパフォーマンスを行うように観客を楽しませる意識が徹底しています。
例えば来場者が清掃スタッフに「何を拾っているんですか?」と聞くと、「星のかけらを集めています」と答えたそうです。
接客もブランディングの一つです。従業員一人ひとりのブランディング意識が徹底されているからこそ、このような返答を行えたのでしょう。
Amazon
Amazonは通販業界で世界中の消費者から支持を得ているブランドです。豊富な商品ラインナップを取り揃えており、書籍や家電、食品やファッションなどありとあらゆる商品を購入できます。
またAmazonはパーソナライズされたサービスの提供を行っていることでも有名です。ユーザーの購入履歴や閲覧履歴に基づいておすすめ商品を提案してくれるため、消費者からの支持を得ています。
さらにAmazonはロゴとブランドカラーを黒とオレンジで統一しており、ロゴを見れば誰もが「Amazonだ」とわかるようなブランディング施策を行っています。
自社のブランディングを高めたいのであれば、Amazonの事例もぜひ参考にしてください。
まとめ
ここまで企業ブランディングを高める方法を詳しく解説してきました。自社の企業ブランドを高められれば、企業価値が高まって中長期的に安定した売上を上げられるようになるでしょう。
また、「〇〇といえばあの商品」の市場イメージが確立すれば、競合他社との価格競争に巻き込まれずに顧客から選んでもらえます。本記事で紹介したブランディングを高める方法もぜひ参考にし、自社ブランドを高める施策を行ってください。
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