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AISASをマーケティングに活用する方法とは?事例や進化版も解説

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AISASは、インターネットが普及した現代にマッチした、消費者の購買行動モデルです。名前は知っているけれど、自社のマーケティングにどう活用すれば良いかわからないという方もいるでしょう。

この記事ではAISASをWebマーケティングに活用できる具体例を解説します。企業の活用事例や、新たな購買行動モデルについてもまとめているので、マーケティング戦略にこれらを活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次 ー この記事で分かること ー

AISASとはWeb時代での購買行動モデル

AISAS(アイサス)とは、消費者の購買行動を段階的に理解するためのモデルです。商品を認知してから購入するまでの流れをプロセス化しています。AISASは2004年に電通によって提唱され、翌2005年に商標登録されました。AISASは、1924年にサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱されたモデル「AIDMA」が起源で、Webマーケティングに適した形になっているのが特徴です。

ECサイトやポータルサイトが充実している近年では、AIDMAよりAISASを活用したマーケティング戦略を立案している企業もあります。スマートフォンの普及により消費者がインターネットで情報収集する現代において、AISASの有効性が評価されているためです。

AISASの5つのステップを徹底解説!フレームワークと具体例

AISASには、以下5つの段階があります。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

ここでは、各段階でのターゲットの状態や適切なマーケティング施策などを紹介します。

STEP①Attention(注意)

Attention(注意)の段階でターゲットは、まだ自社の商品やサービスを知らないと定義します。この段階では、認知度を高めて商品やサービスに興味を持ってもらうことが目的です。

興味を引くためには、設計したペルソナに適したマーケティング戦略が重要です。例えば、ペルソナを「流行に敏感な10代女子」とした場合、人気のタレントやインフルエンサーを広告に起用するといった方法が効果的といえるでしょう。

STEP②Interest(興味)

Interest(興味)の段階は、ターゲットは商品やサービスを認知しているものの興味は薄い状態だと定義できます。したがって、商品やサービスへの興味や関心を高めてもらうようなマーケティング施策を実施することが大切です。

例えばSNSにターゲットが興味を持ちやすい商品やサービスの動画を載せる方法も有効です。また、商品や特徴をわかりやすく説明したWebページを作成するのもよいでしょう。

STEP③Search(検索)

Search(検索)は、商品やサービスへの興味が高まり、自分からインターネットで検索して情報を収集している段階です。公式サイトやECサイトへのアクセス数が増えやすい一方で、同時に競合他社の商品やサービスも比較されていることが多くあります。

ここでは、SEO対策をして検索上位に公式サイトやECサイトが表示されるようにしたり、ほかの商品やサービスを比較して優れた点をわかりやすく表示したりする施策が有効です。

STEP④Action(行動)

Action(行動)では、Searchで購買欲を高めたターゲットが、実際に商品やサービスを購入する段階を指します。商品やサービスが消費者にとって魅力的であれば、SearchからActionまで一気に進むケースもあるでしょう。

一方、Searchまで進んでもActionに至らないケースもあります。ここで購入までたどり着かなければ、マーケティングの効果が半減してしまいます。そのため、この段階ではターゲットの購買意欲をより高めると同時に、ターゲット層に合わせた価格設定や決済方法を実施するなど、購入しやすい環境を整えることが大切です。

STEP⑤Share(共有)

Share(共有)の段階では、すでに購入した顧客の体験を通じた商品やサービスに対する口コミをもとに、新たな見込み客の獲得を目指します。

例えば、SNSで商品をPRしてもらう代わりに、プレゼントやポイントを提供するキャンペーンも有効な方法です。商品やサービスを購入した方から満足度の高い意見を拡散してもらえれば、新たなAttentionへとつながる循環が生まれるでしょう。

AISASをWebマーケティングに活かす具体例

ここでは、AISASをWebマーケティングに活かす具体的な施策を紹介します。Webマーケティングには多数の方法があるからこそ、ターゲットの段階に沿った施策選びが重要です。

Webサイト|顧客獲得の基盤構築

Webサイトは、AISASの全段階で活用できる重要な施策です。顧客獲得の基盤となるため、ターゲットに合わせた適切な設計が不可欠です。商品やサービスの内容をわかりやすく解説するだけでなく、問い合わせや購入ページなどの使いやすさにも注力しましょう。

Webサイト内の情報が充実していれば、AISASを活用したマーケティングの成功率も高まります。特に、SearchとActionの段階では、Webサイト内の豊富な情報量が、購入へのポイントになるでしょう。

このように、Webサイトの構築はAISASのどの段階においても重要になるため、細部まで入念に作り込む必要があります。社内にWebサイト構築のリソースがない場合は、外注を検討するのもよいでしょう。

Web広告|ターゲットへの的確な訴求

Web広告はターゲットに的確な訴求ができる施策です。特に、AttentionやInterestの段階で、効果を発揮します。Web広告には複数の種類があるため、それぞれの段階に適した広告を配置する必要があります。例えば、認知を促進して興味を高めるには、リスティング広告・LP(ランディングページ)広告等が有効です。

特にLP広告は、顧客ニーズとマッチすれば認知から購入まで完結できるため、高い費用対効果が期待できます。また、どのような広告においても、ターゲット層を惹きつける画像や写真、キャッチコピーが重要です。必要に応じて段階ごとに画像やキャッチコピーを変えてターゲット層の心理状態に合わせましょう。興味を引くデザインも有効なため、制作をデザイナーに依頼するのもおすすめです。

メール|顧客と1対1のコミュニケーション

メールは、すでに顧客となっている方やコミュニケーションが構築できている見込み顧客に対して有効な施策です。一人ひとりにカスタマイズされた商品やサービスの紹介の紹介が可能です。

例えば、新しい商品やサービスを紹介する際は、ターゲット層とマッチしている顧客に連絡します。場合によっては、AttentionからActionまで一度に完結できる可能性もあるでしょう。また、Shareの施策としても活用できます。購入後の顧客にメールでアンケートを促せば、次のマーケティングに役立つフィードバックを得られます。

SNS|共感と拡散による認知拡大

SNSは広告やオーガニックな情報発信に適しており、AttentionやInterestの段階に効果的な施策です。例えば、SNSにWebサイトへリンクを設置して定期的に投稿すれば、ユーザーのアクセスを促進できます。また、使用感や口コミの共有に適しているため、Shareの段階としても有効です。画像や動画と共に発信すれば、より多くの注目を集める可能性もあります。

SNSを戦略的に利用し、AttentionやInterest、Shareまでの流れを構築することで、ターゲットを顧客に転換し、さらに次のターゲットを顧客に引き寄せる手助けをしてくれるでしょう。SNSの活用には、ターゲット層に合わせたプラットフォームの選定が重要です。それぞれのプラットフォームに適したコンテンツを発信することで、より効果的なマーケティング戦略が実現できます。

AISASをマーケティング戦略に活用した事例

ここでは、AISASを効果的にマーケティング戦略で活用した事例を3つ紹介します。実際のビジネス現場でどのように活用されているか具体的な事例を知ることで、自社のマーケティングを成功させるヒントが見つかるでしょう。

事例①キーエンス

キーエンスは、センサ・変位計・画像処理装置・PLC等を製造しているBtoB企業です。

【Attention】
高性能で革新的なセンサや計測器の製造により、業界や専門家の注目を集めている。製品自体が技術力を証明し、業界での認知度を高める役割を果たす。

【Interest】
優れた製品が業務プロセスの効率化や改善を求める企業の関心を引いている。高性能な製品が多くの企業から興味を持たれている。

【Search】
高い知名度と技術力を活かし、新製品の発表やプロモーションを通じて検索効果を得ている。多くの企業が新製品の情報を積極的に検索し、関心を示している。

【Action・Share】
製品を導入した企業が、業務プロセスの向上や効率化の成果を積極的に発信する。成功事例として口コミやレビューが広がり、新しい顧客の獲得につながる。

キーエンスの事例は、高い知名度と技術力を持つ企業が、新製品発表を広告手段として活用しています。その後の顧客からの評価を次のビジネスに結びつけていることを示しています。

事例②ライザップ

パーソナルトレーニングの先駆者であるライザップは、AISASを活用して顧客獲得と知名度アップを同時に達成しました。

【Attention】
有名人を起用したインパクトのあるCMで、幅広い年代に認知を広げた。

【Interest】
「結果にコミットする」というインパクトのあるキャッチコピーで、ダイエットや体型作りへの期待を高める。

【Search】
アフィリエイト広告の活用と自社サイトの充実により、ポジティブな情報をターゲットに届ける。

【Action・Share】
「30日間の全額返金保証制度」で購買障壁を下げつつ、顧客が理想の結果を手に入れることで、自発的に結果を報告する仕組みを構築した。

ライザップは現在も優れたマーケティングを継続し、別のサービスでも成功を収めています。

事例③スターバックス

スターバックスは若い世代を中心に人気のあるカフェチェーンです。スターバックスはCMをほぼ打たない代わりに、自社ブランディングとAISASを活用してマーケティングに成功しています。

【Attention・Interest】
おしゃれな店舗デザイン、スタイリッシュな接客、季節限定の商品等で認知度を高める。顧客のSNS投稿によりさらなる注目を集める。

【Interest】
魅力ある店舗環境と季節限定の商品などが、ターゲットの「調べたい、手に入れたい」といった検索意欲を高める。費用をかけなくても、顧客のSNS投稿が広告代わりになってくれるのも効果がある。

【Action・Share】
SNS映えしやすい店内や商品が、購入と情報拡散を促す。

スターバックスは広告よりも自社ブランドの価値向上に力を入れ、マーケティングの成功を収めた代表例です。

AISASの次は何?進化する購買行動

消費者の購買行動は、常に変化し続けています。ここでは、AISASと共に活用できるフレームワークを以下3種類紹介します。

  • AISCEAS(アイシーズ)
  • DECAX(デキャックス)
  • SEAMS(シームズ)

自社の商品・サービスに活用できるものがあれば、マーケティング戦略に取り入れてみましょう。

AISCEAS(アイシーズ)

AISCEASはAISASが進化したフレームワークで、「比較」と「検討」を加えた行動モデルです。AISASより詳細にユーザー行動を推測でき、次世代のモデルとして注目されています。

近年増加している、「時間をかけて比較検討する消費者の行動」を反映しているところが特徴だといえます。商品やサービスの強みを効果的に伝える情報提供プロセスが構築しやすいのもメリットの1つです。最近では、AISASに代わってAISCEASを採用する企業も増えています。

DECAX(デキャックス)

DECAXは、2015年に電通が提唱した消費者主体の行動モデルを指し、商品の「発見」から始まるのが特徴です。近年のWebマーケティングでは、企業が一方的に情報発信するのではなく、消費者がアクションを起こして企業とつながるケースも増えています。DECAXでは、「どうすれば消費者に主体的な行動を促せるか」を重視しています。

EC販売をメイン事業にしている企業や、SNS・Webマーケティングを広告の中心にしたい企業に適しており、消費者の自発的な行動を促すのが特徴です。ただし、視覚的な魅力や共感の得やすさ、実物を見なくても強みがわかるといった特徴を備えた商品やサービスでないと、成功が難しい側面もあります。

SEAMS(シームズ)

SEAMSは、AIDMAやAISASから進化した行動モデルで、「回遊行動」に焦点を当てています。回遊行動とは、特定の目的なくインターネットを閲覧し、興味を持った商品やサービスを購入する行動を指します。

SEAMSではスマートフォンユーザーをターゲットとし、回遊行動の起点としています。Surf(回遊)・Encounter(遭遇)・Accept(需要)・Motivation(効用)・Share(共有)の5ステップで構成され、「衝動買いを促すモデル」としても知られているのが特徴です。

まとめ

AISASは自社の商品やサービスの購入を促す目的で、Webマーケティングを効果的に活用するためのフレームワークです。Webマーケティング初心者でも、AISASを活用すれば、効果的なマーケティング戦略が立案できます。Webマーケティングの施策選びに悩んでいる方は、派生モデルとも併せて活用してください。

ウェビットでは主に中小企業がWebマーケティング、Web集客を行ううえでのお悩みを解決するような情報を発信しております。気になられた方はぜひ、ほかの記事もご一読ください。

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この記事を書いた人

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
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Yahoo!広告 各種資格

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