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カスタマージャーニーマップとは?作り方・種類・活用方法まで徹底解説

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カスタマージャーニーマップは、顧客が商品購入に至るまでの過程を視覚的にわかりやすくしたものです。顧客の行動や思考、感情をマップに記入することで顧客への理解が深まります。また、行動変容に合ったマーケティング施策の検討・実施につながります。

この記事では、カスタマージャーニーマップの概要や種類、作り方を解説しますので、Webマーケティング戦略立案に活用したい方はぜひ参考にしてください。

目次 ー この記事で分かること ー

カスタマージャーニーマップの概要

カスタマージャーニーとは、顧客が商品を購入するまでの過程を視覚的に表したものです。顧客が商品を購入するまでにどのような行動をするか、その過程に応じて思考や感情なども含めて検討します。これにより、各過程で顧客に対して適切なアプローチを行うことが可能です。

また、カスタマージャーニーは、直訳すると「顧客の旅」になります。顧客が商品の情報を得てから購入に至るまでの過程を旅に見立てた図をカスタマージャーニーマップと呼びます。

カスタマージャーニーマップの重要性

これまで顧客が商品を認知するきっかけは、テレビやラジオのCM、折り込みチラシなどが主流でした。しかし、インターネットの普及により口コミサイトや比較サイト、さらにスマートフォンが定着しXやInstagramなどSNSといった認知のきっかけが多様化しています。

顧客の行動や思考、感情を分析することで顧客への理解が深まります。カスタマージャーニーマップに分析した情報を落とし込めば、顧客に対してブレのない一貫性のあるアプローチが可能です。見込み顧客から顧客につなげるためにもカスタマージャーニーを検討し、可視化することは重要です。

カスタマージャーニーマップを作る目的

カスタマージャーニーマップを作る目的に以下3つが挙げられます。

  • 顧客行動の把握
  • 組織内部での認識統一
  • マーケティング戦略の最適化

それぞれの目的を解説します。

顧客行動の把握

顧客の行動だけでなく、思考や感情を時系列に沿って可視化できます。そのため、顧客が商品を購入するまでの過程で取った行動が理解しやすくなります。

また、顧客が抱えている悩みや不満に気づけるようになるため、顧客目線でマーケティング施策の検討が可能です。マップを作成しておけば、顧客が商品購入に至るまでの理想的な体験を検討することもできます。

組織内部での認識統一

商品購入までの過程を視覚化することで、社内での共通認識が得やすくなります。共通認識を持つことで、顧客がどのようなステップを踏んで商品を購入するかが把握しやすくなるため、顧客体験の適切なマネジメントが可能です。

マーケティング施策だけでなく、商品に一貫性が現れ、企業が提供する商品やサービスのイメージと、顧客が持つ印象とのギャップ解消も期待できます。その結果、社内の連携が向上し、一体感も生まれるでしょう。

マーケティング戦略の最適化

各過程のマーケティング戦略を確認しながら、効果の実証やゴールまでの進捗を可視化できます。顧客の実態と乖離がないか照らし合わせ、問題点を発見し、改善を重ねるとより効果的なアプローチが可能です。

顧客の行動変化や期待する行動を把握すると、マーケティングの穴を発見しやすくなります。そのため、顧客に対するアプローチの精度が向上します。顧客が抱える疑問を解決し、より優れた顧客体験を提供できれば、顧客ロイヤリティも高まるでしょう。

カスタマージャーニーマップの種類

カスタマージャーニーマップは、以下3つの種類に分類できます。

  • タイムライン型
  • 円環型
  • 階層型

それぞれに特徴があり、提供する商品やサービスに合わせたタイプを選択する必要があります。

タイムライン型

タイムライン型は顧客の購買行動を時系列で整理する最も一般的な型です。目的によって、以下3つに分類できます。

【シナリオ型】
顧客育成のシナリオを策定することが目的

【マクロ型】
マーケティングの全体像を把握することが目的

【ミクロ型】
顧客体験における課題を見極めることが目的

シナリオ型はマーケティング施策の実行、マクロ型・ミクロ型はマーケティング戦略の立案を行う際に活用されます。それぞれの目的に合わせて設定してください。

円環型

円環型はホイール型またはサークル型とも呼ばれます。円の中心に顧客のペルソナや商品を記入し、円の周辺には顧客体験の流れを右回りに書き出します。

円環型は顧客の進行状況を段階的に追跡でき、視覚的に理解しやすいため、利用サイクルが循環する商品に有効です。しかし、カスタマージャーニーが複雑で多くの分岐点やステップがある場合、表現に限界があるため注意が必要です。

階層型

階層型はスペース型とも呼ばれています。階層型はイラストで描いたマップ上に顧客の行動を書き起こして作成します。顧客との接点や移動の経路などを可視化したい場合に有効です。

階層型は顧客体験を多角的に捉えられるため、顧客の思考や感情を詳細に把握できる点で優れています。しかし、情報が多過ぎると顧客全体像の理解が難しくなる場合もあり、マップの作成や維持に時間と手間が必要です。

効果的なカスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップは、以下6つのSTEPで作成します。

  • ペルソナの設計
  • 評価項目とステージの決定
  • 顧客行動と感情の分析
  • タッチポイントの特定
  • マッピングと視覚化
  • 課題抽出と改善策の立案

それぞれのSTEPを詳しく解説します。

ペルソナの設計

顧客のペルソナを詳細に設計します。年齢や性別、職業や性格など細かく分析しペルソナを設計していくと、顧客の求めるものが特定できます。ペルソナを設計し実物の人物のように扱えば、考え方・趣味嗜好・悩み・不安などが明確に浮かび上がります。

ペルソナを設計する際は、顧客が普段どのような生活をしているかも合わせて検討しましょう。なお、商品とは無関係の行動を把握する必要はありません。

評価項目とステージの決定

ペルソナ設計後、評価項目とステージを検討します。評価項目は縦軸に、ステージは横軸に割り当てます。評価項目とステージの具体例は以下の通りです。

【評価項目(縦軸)】
・顧客行動・心理
・タッチポイント
・課題
・施策 など

【ステージ(横軸)】
・認知
・理解
・検討
・購入 など

評価項目やステージを設定する際は、項目が多過ぎると顧客の全体像が把握しづらくなるため注意が必要です。商品に合ったものを記入してください。

顧客行動と感情の分析

効果を発揮させるためには、顧客の行動を時系列に整理し、感情や思考の分析をしなければなりません。アンケートやインタビューなどの調査を実施して、顧客がどのような状況でどういった行動を取るか明らかにします。顧客の行動を明らかにしたあとは、その行動にともなう顧客の感情や思考を分析しましょう。

顧客が考えているものとズレが生じてしまうと、的はずれな施策を実施することになりかねません。顧客の考えや感情を反映させられれば、より適切なマーケティング施策を立案し、期待される効果を高めることも可能です。

タッチポイントの特定

タッチポイントとは、商品の購買プロセスにおける顧客との接点を指します。例えば、SNSで商品の口コミを見かけて興味を持ったり、看板広告で商品を見かけたりすることがタッチポイントに挙げられます。

このほか、テレビやラジオのCM、ブログなども顧客との接点になりうるでしょう。自社が顧客とどのような接点を持っているか把握すると、どのポイントで顧客が離脱する可能性があるか予想がつきやすくなります。

マッピングと視覚化

顧客の行動や感情、思考を整理できたら、時間軸に沿ってマッピングしていきます。マッピングとは、別の項目を設定したり、ルールを割り当てたりするものです。戦略が上手くいくようにするためにも、ルールに従った対応をマップに割り当てる必要があります。

また、顧客視点で情報を整理すると、顧客にとって理想的なマップのあり方を検討する余地が出てきます。顧客の行動や感情を把握した上で適切なマッピングを行い、マップを完成させましょう。

課題抽出と改善策の立案

ステージに応じた顧客の行動や感情、思考を把握したあと、現状の課題や問題点を分析します。顧客の期待に応えられていないポイントや、感情のサポートが不足しているポイントを特定し、検証してください。これにより、顧客が商品購入に至るまでの過程における課題がわかります。

なお、作成時に関係者間で意見が対立するようであればミーティングを重ねることで、より実効性のある改善策を発見できるでしょう。

カスタマージャーニーマップ作成時のポイント

カスタマージャーニーマップを作成する際のポイントは以下3つです。

  • 情報の取捨選択
  • 実用性を重視したデザイン性
  • 更新と改善

それぞれのポイントを解説します。

情報の取捨選択

マップを作成する際は、情報の取捨選択をしましょう。情報を詰め込み過ぎてしまうと複雑になり、適切な施策の立案を行えません。

顧客のニーズを捉えつつ、商品に関連する適切な内容をマップに記入する必要があります。また、改善点が見えにくくなってしまう可能性もあるため、マップはシンプルに作成し、段階的にブラッシュアップを重ねましょう。

実用性を重視したデザイン性

イラストや図解を用いて見やすいようにデザインする場合があります。しかし、マップのデザインを重視するあまり、本来の目的を見失ってしまうケースも少なくありません。

マップの作成は顧客の行動や感情を理解し、適切なマーケティング施策を立案することが目的です。本来の目的から逸脱してしまっては、マップを作成しても思ったような効果は見込めません。デザインはシンプルにして、顧客の情報を正しく理解できるようにしてください。

マップのテンプレートが配布されている場合もありますので、作成しやすい方法を選びましょう。

更新と改善

マップを作成し、マーケティング施策を行った後は、想定通りの結果が得られているかを確認してください。想定していた結果と顧客の購買プロセスに乖離があれば、都度マップを修正・バージョンアップを行う必要があります。

また、顧客の購買プロセスは変化するため、完成したマップが常に通用するとは限りません。顧客の商品に対する行動を把握し、マップの更新と改善を図りましょう。

カスタマージャーニーマップの実践的な活用法

カスタマージャーニーマップの活用法を3つ紹介します。

  • メールマーケティングの最適化
  • SNS運用の強化
  • コンテンツマーケティングの改善

マップの作成後は、こちらの活用方法を参考に実践してみましょう。

メールマーケティングの最適化

メールマーケティングを最適化したい場合にマップは活用できます。メールマーケティングとは、企業が見込み顧客や既存顧客に対してメールを利用して商品の情報を提供し、購入につなげるマーケティングの手法です。

メールマーケティングは顧客へ一斉に情報を提供できるメリットがあります。一方で、情報を必要としない顧客にまでメールが届いてしまい、思ったような効果が得られないといったデメリットもあります。マップを活用できれば、顧客のステージそれぞれに合わせた悩みや疑問を解消できるメールが送信可能です。

SNS運用の強化

XやInstagramなどSNSを通じて、商品の認知を広げたりブランディングを目指したりする場合にもマップは活用できます。顧客へのアプローチ法や想定する顧客が頻繁に利用するSNS、投稿のコンセプトなどをマップから分析可能です。

これらの分析により顧客への理解を深められれば、目的に合ったSNSの選択や、顧客の購買ステージに適したマーケティング施策が行えるでしょう。SNS運用を強化するには、継続的な活動と戦略的なアプローチが必要なため、適宜マップを活用してください。

コンテンツマーケティングの改善

コンテンツマーケティングは顧客に対して価値のある情報を先回りして提供し、見込み顧客や既存顧客を惹きつける手法です。顧客の購買ステージごとの行動や感情、思考を理解することで、効果的なコンテンツマーケティングを行えます。

マップを活用すれば、どのタイミングで、どのようなコンテンツを提供するかが明確になります。これにより、顧客の関心を引きつけ、購入に至るまでの具体的なアプローチが計画できるでしょう。顧客のニーズに合ったコンテンツを適切なタイミングで発信し、購買までのプロセスをスムーズに進めるための戦略を立案できます。

まとめ

カスタマージャーニーマップで顧客の行動や思考を可視化すると、顧客への理解を深められます。ただし、情報を詰め込んでしまうと顧客のニーズを正しく把握できません。思ったような効果が得られなかった場合はマップを見直して、改善を行いましょう。カスタマージャーニーマップで顧客のニーズに寄り添ったマーケティング施策を立案してください。

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この記事を書いた人

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
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