インスタグラムはユーザーの利用率が高く、マーケティングに活用すれば自社商品の認知拡大や売上の伸び悩みを解決できる可能性があります。特にBtoC企業との相性が良いマーケティング手法になるため、BtoB企業がインスタグラムを活用する際は工夫が必要です。
本記事では、インスタグラムマーケティング戦略の方法や成功の秘訣、BtoB企業の活用事例を紹介します。マーケティングの一環にインスタグラムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インスタグラムマーケティングの概要
インスタグラムマーケティングとは、インスタグラムを活用して商品やサービスのプロモーションを行うマーケティング手法の1つです。画像や動画をメインに投稿できる特性から、商品やサービスの特徴を視覚的に訴求できる点が強みです。
インスタグラムは、主に「#(ハッシュタグ)」で情報を検索します。この特徴から「タグる」と呼ばれるワードが生まれ、情報収集の手法としても一般的になりつつあります。
リリース当初のインスタグラムは、画像とテキストを投稿するシンプルな仕様でした。現在はリールやストーリーズなどの動画やライブ配信にも対応しています。また、投稿した画像や動画には商品タグの設定が可能で、ユーザーはインスタグラムを通して商品やサービスが購入できるようになりました。
このように、機能面の拡充からユーザーの購買意欲を促進できるSNSとして企業のマーケティング戦略に活用されるようになりました。
インスタグラムマーケティングに取り組むべき理由
インスタグラムは、BtoC企業だけでなくBtoB企業も活用できるSNSです。企業がインスタグラムを活用したマーケティングに取り組むべき理由には、以下の3つが挙げられます。
- ブランド認知度を向上できる
- 顧客との信頼関係を構築できる
- 新規リードの獲得につながる
以下より、それぞれの理由を詳しく解説します。
ブランド認知度を向上できる
令和5年に総務省が行った調査から、インスタグラムの全年代利用率は56.1%で、若年層を中心に幅広い世代から支持されているとわかります。そのため、適切なハッシュタグや広告戦略により、多くのユーザーに投稿を見てもらう機会を作ることができます。
インスタグラムの特徴を活かし、商品やサービスの魅力はもちろん、製造過程や従業員の様子などを定期的に投稿してブランドイメージの構築を図りましょう。これにより、ユーザーのブランドに対する認知度の向上が期待できます。
参考:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」
顧客との信頼関係を構築できる
インスタグラムには、いいねやコメント、DM、ストーリーズのアンケート、ライブ配信など、ユーザーと直接コミュニケーションを取れる機能が備わっています。これらの機能により、ユーザーの疑問や要望に応えたり、ブランドの価値観を伝えたりすることで信頼関係の構築が可能です。
また、プロフィールのリンクやストーリーズのリンク機能を活用し、資料請求や問い合わせの導線を用意すれば、ユーザーの購買行動を促進することもできます。継続的なコミュニケーションは顧客ロイヤルティの向上にもつながるため、ロイヤルカスタマーの創出も期待できるでしょう。
新規リードの獲得につながる
インスタグラムを活用したマーケティングは、新規リードの獲得にも効果的です。主な理由は以下の4つが挙げられます。
- ショッピング機能で購買を促進できる
- 企業文化を発信できる
- アルゴリズムによりアプローチしやすくなった
- フィードバックをもとに改善に取り組める
これまでのアルゴリズムでは、フォロワー数の少ないアカウントはリールの再生回数が伸びにくい傾向にありました。しかし、最近のアップデートによって、エンゲージメントが高ければリールの再生回数が伸びやすくなり、フォロワー数が少ないアカウントでも多くのユーザーにアプローチしやすくなりました。
商品やサービスを認知していない層にも情報が届きやすくなったことから、新規リードの獲得につながる可能性が高まっています。
インスタグラムの活用で得られるメリット
インスタグラムをマーケティングで活用するメリットは、以下の通りです。
- 商品・サービスを視覚的に訴求できる
- アプローチ方法が複数ある
それぞれのメリットを解説します。
商品・サービスを視覚的に訴求できる
ビジュアル的な訴求が重要になる商品やサービスは画像や動画を使うことで、テキストだけでは伝わりにくい魅力や特徴を表現してユーザーに伝えられます。例えば、美容関連の商品なら使用前後の比較動画、飲食店なら料理の盛り付けシーンを投稿することで、商品の魅力を効果的にアピール可能です。
また、インフォグラフィックやスライド形式の画像を活用すれば、セミナー開催のお知らせやお役立ち情報など、視覚的に伝えるのが難しい情報もわかりやすく表現できます。
インスタグラムは、ビジュアルとテキストを組み合わせて情報を発信できるため、商品やサービスの魅力を多角的に訴求するのに適しているプラットフォームです。アプローチ方法を工夫することにより、より多くのユーザーにアピールできるでしょう。
アプローチ方法が複数ある
インスタグラムは画像や動画をテキストと一緒に投稿してユーザーへアプローチできるSNSですが、このほかにも以下のような複数のアプローチ方法があります。
アプローチ方法 | 特徴 |
フィード | 画像+テキストを投稿・閲覧できる |
リール | 短尺動画を投稿・視聴できる |
ストーリー | ・短尺動画、画像を投稿できる ・投稿した情報は24時間経つと自動削除される |
ハイライト | 過去に投稿したストーリーを残す |
ライブ配信 | コメント機能を備えたライブ配信が行える |
IGTV | 最長1時間の動画を投稿できる |
ショップ | 商品販売に対応している |
ガイド | 情報をまとめたページを作成できる |
獲得したいターゲット層によってアプローチ方法は使い分けられます。自社のターゲットに合ったアプローチ方法を選んで活用しましょう。
インスタグラムマーケティングの具体的な手法
インスタグラムを活用した具体的なマーケティング手法は、主に以下の4つが挙げられます。
- 公式アカウントを開設する
- 広告を出稿する
- インフルエンサーを起用する
- キャンペーンを実施する
それぞれの手法を詳しく解説します。
公式アカウントを開設する
公式アカウントの運用は、インスタグラムマーケティングにおいて基本となる手法です。具体的な施策には、フィードやリール、ストーリーズの投稿のほか、インスタライブなどが挙げられます。
公式アカウントの運用目的は、商品やサービス、企業ブランドをユーザーに認知してもらうことです。投稿内容は商品やサービスの魅力がユーザーに伝わるよう配慮するだけでなく、統一感を出してブランドの世界観が伝わるようにしなければなりません。
定期的な投稿によりアカウントのイメージを確立すれば、投稿に反応するユーザーが増えるとともにファン化も狙えます。
広告を出稿する
インスタグラムのアカウントを「ビジネスアカウント」として登録すれば、広告の出稿も可能です。フォロワー以外にも広告を閲覧してもらえるため、潜在層にもアプローチを行えます。
また、広告は表示範囲の設定にも対応し、在住地域や職業などターゲットを絞って配信できます。さらに、Facebookとの連携によりFacebookにも同じ広告を表示可能です。
広告の形式は画像・動画広告やカルーセル広告など複数の種類があるため、組み合わせて活用すれば宣伝効果を高められます。広告は数百円から出稿でき、予算に合わせて選べるため柔軟に活用できます。

インフルエンサーを起用する
インスタグラムで影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスのPRを依頼する方法もマーケティング手法の1つです。自社アカウントをフォローしているユーザー以外にもアピールできるため、認知拡大や購買意欲の向上につながります。
ただし、インフルエンサーは料理や旅行、コスメなどジャンルに特化している場合があるため、選定する際は商品やサービスと適合する人物であるかを見極めなければなりません。インフルエンサーを起用する場合、ステルスマーケティングに該当しないようガイドラインを設けておくと安心です。

キャンペーンを実施する
キャンペーンとは、インスタグラム上で実施するプロモーション施策を指します。特定のハッシュタグやフォロー&コメントなどの参加条件を満たしたユーザーに、抽選で特典内容を提供します。
そのため、この手法はユーザーとの接点作りやフォロワー増加を目標としている場合に有効です。ただし、ルールを守らず行うとMeta社からペナルティが課せられる恐れがあります。実施する際は「プロモーションガイドライン」を確認し、利用条件を正しく理解しましょう。
BtoB企業がインスタグラムで発信すべきコンテンツ
BtoB企業がインスタグラムマーケティングを実施する際に発信すると良いコンテンツには、以下の3つが挙げられます。
- 自社の紹介
- 商品・サービスの紹介
- 顧客との関係性
それぞれを詳しく解説しますので、発信内容を検討する際の参考にしてください。
自社の紹介
ユーザーに企業を理解してもらいたい場合、企業の歴史や理念、事業内容のほか、従業員の活動内容などを発信します。掲げるビジョンをユーザーに共有し共感が得られれば、企業への信頼性やブランド価値の向上につながります。
自社の紹介は、人材採用においても役立つコンテンツです。企業の環境や雰囲気を画像や動画で投稿すれば、ミスマッチや入社後のギャップを軽減できます。自社に適合する人材発掘がしやすくなるでしょう。
商品・サービスの紹介
インスタグラムは、商品やサービスを紹介する場として活用できます。例えば、リールで商品のデモンストレーション動画を配信したり、フィード投稿で新商品のリリース情報を告知したりすることで、視覚的に魅力を伝えられます。
ただし、宣伝色が強くなりすぎないよう注意が必要です。「この商品はこういう使い方ができる」「このような場面で活用できる」といった形で、ユーザーの課題解決や利便性に焦点を当てて紹介しましょう。
インスタグラムはSNSであり、企業の公式サイトやECサイトとは異なります。そのため、売り込みよりもユーザーとのコミュニケーションを重視し、プラットフォームの特性を活かした情報発信を心がける必要があります。
顧客事例の紹介
顧客の導入事例やレビューの発信は、実績を示しながら企業や商品の信頼性を高めることができます。実例を挙げることによって、商品やサービスの魅力や導入方法を具体的に理解してもらいやすくなるためです。
また、「どのように導入すれば、どのような成果が得られるのか」を明確に伝えると、導入を検討している企業が判断しやすくなります。導入を迷っている層に対して、具体的な成功事例を示すことは、購入や契約に向けた後押しにつながるでしょう。
さらに、顧客企業の視点から見ても、決定権を持つ意思決定者への説得材料として活用してもらえる可能性があります。
インスタグラムマーケティングを成功に導くポイント
インスタグラムマーケティングを成功させるためには、以下4つのポイントを押さえて実践しなければなりません。
- 明確な目的を設定する
- ターゲット・ペルソナを設計する
- 成果指標(KGI・KPI)を設定する
- 改善と実行を継続的に行う
それぞれのポイントを押さえて、インスタグラムをマーケティングに活用しましょう。
明確な目的を設定する
インスタグラムを活用して最終的に成し遂げたいことを明確にする必要があります。目的を決めないままの状態で発信してしまうと、軸が定まっていないため、コンテンツ内容に統一感がなくズレが生じてしまう恐れがあります。
まずは、インスタグラムマーケティングに取り組む目的が何かを明確に決めて、社内で共有しましょう。目的が明確になると、活用する手法や実施する施策などを正しく選択でき、アカウントの運用方法が定まります。
ターゲット・ペルソナを設計する
抽象的なターゲット設定だけでは、ユーザーのニーズを把握するのは難しいでしょう。ターゲット像を詳細に掘り下げ、具体的なユーザー像を明確化したペルソナを設計すればユーザーのニーズに沿ったコンテンツの配信が可能です。ペルソナを設計する際は、以下の情報を詳細に決めてください。
- 企業の特徴
- 商品やサービスを導入する理由
- 解決したい課題
- 年商や予算規模
ペルソナの設計によりどのようなアプローチがユーザーの心に響くのかが可視化され、購買意欲を高めるための効果的なPR手法が見つかりやすくなります。ペルソナを設計する際は、次のステップに沿って進めると効果的です。
- ターゲットの絞り込み
- 3C分析
- ペルソナの詳細な項目設定
このプロセスを経ることで、インスタグラムマーケティングの方向性がより明確になり、ターゲット層に響く効果的な施策を打ち出せるようになります。

成果指標(KGI・KPI)を設定する
インスタグラムマーケティングの成功には、最終的なゴールであるKGI(重要目標達成指標)と、それを達成するための具体的なKPI(重要業績評価指標)の設定が重要です。インスタグラムの投稿は効果測定が難しいと感じられがちですが、実際には数値として計測できる要素が多くあります。
例えば、いいね数やフォロワー数、ハッシュタグの増減トレンドを分析が可能です。また、ショッピング機能からECサイトへの流入率も把握できます。
KGIが認知拡大であれば、リーチ数やインプレッション数の増加をKPIとして設定するのが効果的です。一方、KGIが購買率の向上であれば、リンクのクリック数をKPIに設定することで具体的な成果を測定できます。
改善と実行を継続的に行う
インスタグラムマーケティングで目的を達成するには、効果測定と改善を継続的に行う必要があります。効果検証には以下、3つのデータを活用できます。
- アカウントインサイト分析
- 広告パフォーマンス分析
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)データ分析
効果測定を手作業で行うのは、時間がかかり非効率です。分析ツールを活用すれば、アカウントの成長度合いや効果を迅速かつ詳細に把握でき、数値データを簡単に可視化できます。これらのデータを基に継続的に改善していくことが、インスタマーケティングの成功には不可欠です。
インスタグラムマーケティングの事例紹介
株式会社山善が運営する「山善ビズコム」は、2022年に開設されたBtoB向けのECサイトです。最終目的は売上の向上とし、インスタグラムを活用したマーケティング戦略が展開されました。
参入当初、同社はBtoB向けのコンテンツを投稿すべきだと考えていました。しかし、発注決定権を持つ担当者が山善のブランドに対して一定の認知を持っていると考えられるため、ブランド認知を広めることに重点を置いたコンテンツに切り替えます。
さらに、投稿内容をシンプルかつ直感的に理解できるよう改善しました。このアプローチにより、視聴者が興味を持ちやすく、エンゲージメントを高めることに成功しました。
その結果、約1年で「山善ビズコム」の月間セッション数は1万を超えるまで成長するとともに、フォロワー数も現在では2.8万人に達します。ブランド認知度の向上とともに、ECサイトの売上にも好影響を与えています。
まとめ
インスタグラムマーケティングは、ユーザーが情報収集を目的に利用する特性を活かした戦略です。ユーザーの興味や関心を引きつけながら、ブランドの認知度を高めたり、企業内部の透明性を示すことで信頼を築いたりできます。
売上が思うように伸びていない場合は、ターゲットに合わせたペルソナ設計や、PDCAサイクルを意識した施策を取り入れるとよいでしょう。
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