大澤要輔『Webhit（ウェビット）』編集長

SNSコンサルとは？依頼できる業務内容や利用するメリット・費用相場を紹介

2025年6月17日

URLをコピーしました！

「SNSの運用がうまくいっていない」「どのようにSNSを運用すれば成果が得られるかわからない」このような悩みを抱えているなら、SNSマーケティングに精通しているコンサルへの依頼がおすすめです。

しかし、依頼先によっては自社に適合せず、思ったとおりの結果が得られなかったり、依頼したい内容を断られたりする場合があります。

本記事では、SNSコンサルの概要やコンサル会社の選び方、依頼する場合のメリット・デメリット、費用相場などを解説します。自社に適合したコンサルを見つけSNS運用を成功させましょう。

目次ーこの記事で分かることー

SNSコンサルの概要と運用代行の違い

はじめに、SNSコンサルの概要と運用代行との違いを解説します。提供しているサービス内容を理解することで、コンサルと運用代行のどちらへの依頼が適切かがわかります。

SNSコンサルとはSNSマーケティングを支援するサービス

SNSコンサルとは、InstagramやX（旧：Twitter）などのSNSアカウントをマーケティング活用するために専門的なサポートを提供するコンサルティングサービスです。

具体的には、SNSマーケティングの戦略立案から競合のリサーチ、方向性のアドバイスなどを提供するほか、企業によってはデータの分析や改善案の提案なども行います。

SNSへの理解がないままアカウントの運用を始めてしまうと、期待したような効果が得られなかったり、炎上したりする恐れがあります。しかしSNSコンサルに依頼すれば、自社に適合するSNSを運用できるため、SNSを通して戦略的にサービスや商品の認知拡大や購買・利用などにつなげられるでしょう。

コンサルと運用代行の違い

SNSコンサルとSNS運用代行とでは、役目と任せられる業務内容や範囲が異なります。SNSコンサルの役目は戦略面のサポートであり、コンサル会社がアドバイスや指導を行うためアカウントの運用は自社で行います。

一方、SNS運用代行の役目は、コンテンツの作成や投稿などの実行業務です。SNSコンサルが投稿文の作成・提案、SNS運用代行がレポートの作成を行う場合もあるため、業務範囲が重なっていることもあります。

専門的なアドバイスをもらいながら自社で運用をしたい場合はSNSコンサル、リソースを割けず代わりに運用をしてもらいたい場合は運用代行を選択するとよいでしょう。

SNSコンサルに依頼できる業務内容

SNSコンサルの依頼を検討する場合、依頼できる業務内容を把握しておく必要があります。依頼できる業務内容は、主に以下の通りです。

運用目的・最終目標の決定
競合リサーチ・戦略の立案
アカウントのコンセプト・投稿方針の提案
レポートの作成・分析
SNS運用全般のアドバイス

それぞれの業務内容を詳しく解説します。

運用目的・最終目標の決定

SNSコンサルと連携して、SNS運用の目的や最終目標の明確化が行えます。ただSNSを運用するだけでは十分な効果は得られません。成果を出すためには、的確な基盤作りが重要であり、プロの視点を取り入れて戦略を決められるのはサービスを利用する大きなメリットです。

SNSコンサルに相談すれば、これまでの実績やノウハウを活かした適切なアドバイスが受けられます。すでにSNS運用を行っている場合でも、成果が出ない原因を分析し、より効果的な運用方針の再構築が可能です。

競合リサーチ・戦略の立案

SNSコンサルに依頼すれば、競合リサーチをもとにした戦略立案をサポートしてもらえます。効果的なSNSの運用には、業界のトレンドや競合他社の成功事例を分析し、ターゲットのニーズを把握することが不可欠です。

市場動向を踏まえた上で、SNSの活用方針を策定し、目標達成に向けた具体的な戦略を構築します。また、中長期的な運用スケジュールの策定や、KPI（重要業績評価指標）の設定もこの段階で行います。

アカウントのコンセプト・投稿方針の提案

アカウントのコンセプトや投稿方針の策定もSNSコンサルが提供する業務の1つです。コンセプトや投稿方針を決める際、SNSごとの特徴や利用者層、自社のターゲット層を考慮しなければなりません。

しかし、知識が不足している状態でSNSを運用してしまうと、ターゲットに情報が届かず期待したような効果が得られない場合があります。SNSコンサルの専門的なアドバイスを受ければ、より効果的にSNSの運用が可能です。

戦略をもとに、どのようなキャラクターや世界観を作るか、投稿の内容やトーンをどう統一するかを明確にし、ユーザーとの適切なコミュニケーション方法を提案します。さらに、SNSコンサルはコンテンツの企画だけでなく、アイコンの選定やビジュアル戦略のほかコンテンツの方向性のサポートも行います。

レポートの作成・分析

SNS運用の成果やリサーチ結果、アカウントの状況をデータ化し、詳細に分析することもSNSコンサルの役目です。具体的には、フォロワーの増加数、アクセス数、投稿ごとのエンゲージメント率などを、インサイトツールやアナリティクスから取得し、レポートを作成します。

これらのレポートは、戦略や方向性の見直しに活用されます。客観的な視点からの分析と改善提案を受けることで、SNS運用の効果を最大化できるため、目標達成に向けた最適なアプローチが可能です。

SNS運用全般のアドバイス

SNSアカウントの戦略設計だけでなく、コンテンツの作成や投稿、フォロワーとのコミュニケーション方法など運用に関する全体的なアドバイスもSNSコンサルは行います。また、SNSを運用する上で、情報の流出や炎上といったトラブルを未然に防ぐことが重要です。

SNSコンサルは、このようなトラブルへの対策も入念に行えるため、心強い味方になるでしょう。アドバイスは電話やチャットのほか、オンラインミーティングなど希望する方法で実施します。

アカウントの運用・施策の実行

SNSコンサルは、戦略設計だけでなく、アカウント運用や施策の実行も支援します。まだ運用を開始していない場合、アカウント作成やID作成、プロフィール設定といった初期設定などを代行してもらえることもあります。

また、投稿作成やコメント対応、画像・動画の撮影・編集といった実務の依頼も可能です。自社での運用が難しい場合、運用代行にも対応するコンサル企業を活用するとよいでしょう。ただし、SNSコンサルと運用代行の業務範囲は異なるため、依頼内容は必ず確認してください。

SNSコンサルを依頼するメリット

SNSコンサルに依頼するメリットには、以下の3つが挙げられます。

最新のノウハウをプロから借りられる
効率的なPDCAサイクルを回せる
自社に適合する運用方法を知れる

SNSマーケティングでの成果を高めるためにも、コンサルに依頼して得られるメリットは把握しておきたいものです。それぞれのメリットを解説します。

自社に適合する運用方法が把握できる

SNSはそれぞれ機能や特徴が異なるため、自社に最適な運用方法を見極めることが重要です。SNSコンサルは各SNSの特性を熟知しており、紹介したい商品やサービスに適したプラットフォームの活用を提案できます。

例えば、アパレルやコスメの場合、画像や動画での訴求がしやすいInstagramが適しています。さらに、ショッピング機能を活用すれば、自社商品の購入ページへの誘導も可能です。

このように、SNSコンサルは各SNSの特徴や利用者層を分析し、最適な運用戦略を提案できます。SNSマーケティングを効率的に進めるためにも、専門家の知見を活用するとよいでしょう。

効率的にPDCAサイクルを回せる

SNSコンサルに依頼すると、結果の分析や改善点の洗い出しをサポートしてもらえるため、効率的にPDCAサイクルを回せます。SNSはトレンドの変化が早く、同じ施策を続けるだけでは効果が持続しないため定期的な見直しが不可欠です。

コンサルが作成するレポートを活用すれば、戦略の見直しや改善がスムーズに進みます。PDCAを繰り返し最適な運用方法を確立することで、運用の質も向上するでしょう。

ただし、SNSマーケティングの知識がないと、適切な分析や改善が難しくなります。運用に不安がある場合は、専門家に相談するのも有効な手段です。

SNSコンサルを依頼するデメリット

SNSマーケティングの一部をコンサルに依頼することは、マーケティングの質を向上させる有効な手段です。ただし、以下のようなデメリットも考慮しなければなりません。

コストが発生する
必ずしも効果があるわけではない

メリットだけでなくデメリットも理解した上で、最適な活用方法を検討しましょう。

コストが発生する

SNS運用は無料で始められるため、自社で完結できれば費用はかかりません。しかしコンサルを依頼すると、業務範囲に応じて高額な費用が発生する恐れがあります。

コンサルへの依頼を検討する際は、予算内で運用できるよう、外注する業務と自社で対応する業務を整理しましょう。特に、戦略設計やコンテンツの作成、広告運用などはコストがかかりやすいため、慎重に判断してください。

必ずしも成果が得られるわけではない

SNSコンサルに依頼しても、必ずしも期待した成果が得られるとは限りません。コンサルごとにスキルや経験に差があり、なかには経験の浅い担当者が業務を行うケースもあります。そのため、依頼先を選ぶ際は、実績や過去の事例を確認し、自社に適したコンサルかどうかを慎重に見極めることが大切です。

SNSコンサルを利用する場合の費用相場

SNSのコンサルティングサービスにかかる費用は企業によって異なり、月額料金制やプロジェクト単位制、成果報酬制など料金設定にも違いがあります。月額料金制を例に1ヶ月あたりの費用相場と依頼できる業務内容を以下の表にまとめました。

1ヶ月あたりの費用相場	依頼できる業務内容
〜10万円	運用に関する簡易的なアドバイスの実施
10〜30万円	戦略立案など詳細なアドバイスの実施
30万円以上	戦略立案のほか効果測定や広告の運用
50万〜100万円程度	戦略立案のほか効果測定や広告の運用、投稿制作までフルサポート

なお、フリーランスでSNSコンサルを行っている方に依頼する場合、企業よりもリーズナブルにサービスを受けられる可能性があります。企業、フリーランスにかかわらずSNSコンサルを利用する場合は、依頼したい業務範囲を明確にしましょう。

失敗しないSNSコンサル企業の選び方

SNSコンサル企業には、それぞれ強みや実力の違いがあり、自社に適した企業を選ぶことが重要です。選定の際に押さえておきたいポイントは、以下の3つです。

料金が明確でコストバランスが見合っているか
コンプライアンスの遵守・リスク対策ができているか
豊富な実績があるか
目指す方向性に寄り添ってくれるか

これらのポイントを詳しく解説していきます。

料金が明確でコストバランスが見合っているか

SNSコンサルを依頼する際は、費用とサービス内容のバランスを考慮することが大切です。依頼範囲が広がるほど費用も高くなるため、事前に見積もりを取り、複数の企業を比較してコストバランスの良い企業を選びましょう。

また、料金体系が不透明な企業には注意が必要です。曖昧な契約内容のまま依頼すると予想外の追加費用が発生する恐れがあります。安心して依頼するためにも、料金の内訳が明確で、事前に総額が把握できる企業を選んでください。

コンプライアンスの遵守・リスク対策ができているか

SNS運用において、コンプライアンスを遵守できるかどうかは重要なポイントです。各SNSには独自の規定があり、違反すると投稿の削除やアカウント停止のリスクがあります。そのため、依頼するコンサルが規定を正しく理解し、適切な運用ができるか確認しましょう。

また、SNSでは不適切な投稿が拡散され、炎上につながるリスクもあります。過去に炎上対応の実績があるか、トラブル時の対応フローが明確かを事前に確認しておくと安心です。リスク対応の範囲や責任の所在が明記されているかも併せてチェックしてください。

豊富な実績があるか

SNSコンサルを選ぶ際は、豊富な実績を持つ企業やフリーランスを選ぶことが重要です。実績が多い場合、さまざまな業種やターゲットに対応した経験があり、成功につながるノウハウを持っている可能性があります。

また、実績のある企業は、トレンドの変化やアルゴリズムのアップデートにも柔軟に対応できるため、最適な運用方法を提案してくれる傾向があります。成果を重視するなら、成功事例が豊富な企業を選びましょう。

目指す方向性に寄り添ってくれるか

SNSコンサルを選ぶ際は、単に施策を提案するだけでなく、「なぜその目標を達成したいのか」を深く理解し、最適な戦略を立ててくれる企業を選ぶことが重要です。

例えば、「フォロワーを増やしたい」という目標があったとしても、その背景には「商品を知ってもらいたい」「購入につなげたい」などの目的があるはずです。ただフォロワー数を増やすだけでは、ターゲット層と関係のないフォロワーが増え、期待した効果が得られない可能性もあります。

そのため、企業の強みや商品やサービスの特性、顧客層を理解し、「目的に沿ったフォロワーの増やし方」や「売上やブランド価値向上につながる施策」を提案してくれるSNSコンサルを選びましょう。

まとめ

SNSコンサルは、SNS運用をサポートし、的確なアドバイスを提供してくれる心強い存在です。しかし、方向性を理解してくれない企業やリスク管理が不十分な企業、料金体系が不透明な企業を選んでしまうと、期待した効果が得られないだけでなく、トラブルにつながる可能性もあります。

そのため、SNSコンサルを依頼する際は、予算内に収まるかどうかだけでなく、企業の特徴や得意分野、契約内容の明確さなどを慎重にチェックすることが重要です。

ウェビットでは主に中小企業がWebマーケティング、Web集客を行ううえでのお悩みを解決するような情報を発信しております。気になられた方はぜひ、ほかの記事もご一読ください。