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ストーリーテリングとは?具体的な書き方や活用事例も紹介

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自社商品の魅力を伝えたいのに「話が相手に響かない」と感じたことはありませんか?「ストーリーテリング」を使えば、そんな悩みを解決できるかもしれません。

ストーリーテリングは、メッセージを物語として届けることで、人の心を強く動かす力を持っています。単なる事実の羅列でなく感情に訴えかける物語は、聞き手の深い共感と記憶の定着を生み出すことが可能です。

この記事では、ストーリーテリングの基本的な意味や効果、すぐに使える物語の型、具体的な作り方の手順、そして有名企業の成功例までを詳しく説明します。記事を最後まで読めば、あなたもストーリーテリングを効果的に使い、伝えたい想いを相手の心に深く届ける技術が身につくでしょう。

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目次 ー この記事で分かること ー

ストーリーテリングとは?

ストーリーテリングとは、伝えたいメッセージや情報を、物語に乗せて相手に届ける手法です。単に事実を並べるのではなく、登場人物や背景、出来事の展開といった物語の要素を用いる点が特徴です。

具体的にはビジネスにおけるプレゼンやマーケティング、教育現場など様々な場面で活用されています。物語の力を借りることで、数値やデータを伝える以上に深い共感や納得感を生み出せます。

起源

ストーリーテリングの起源は、人類が言語を持ち始めた時代までさかのぼると考えられています。文字が発明される以前から、知識や文化、教訓を次の世代へ伝える手段として用いられました。日本でも仏教の法話や落語の原型など、古くからストーリーテリングの型が使われてきた歴史があります。

ビジネスの世界でも起源は古く、商人がストーリーを語って商品説明をしていたと言われています。その後テレビ広告の登場で、マーケティング手法として確立されました。現代ではSNSや動画などでブランドの価値観を共有し、顧客と深い関係を築くための戦略として進化を続けています。

ナラティブとの違い

ストーリーテリングは語り手が始めから終わりまで、一貫した物語を一方的に語る手法です。ここでの主役は、語り手や物語そのものになります。一方ナラティブは「語り」そのものを指し、受け手が物語を自分自身の経験や価値観に照らして解釈することで、完成する点が特徴です。

例えば、ある企業の創業者が語る成功秘話はストーリーテリングです。対して、ブランドが「あなたの挑戦を応援します」という世界観を提示し、顧客が自身の人生を重ね合わせて共感する場合、そこにナラティブが生まれます。

語り手が主導するのがストーリーテリング、受け手が主体となるのがナラティブと理解するとよいでしょう。

注目される理由

情報が溢れる社会の中では、人の心に深く響き記憶に残る伝え方が求められているためです。インターネットやSNSの普及により、私たちは膨大な量の情報に触れています。多様な情報の中において、単にデータや事実を並べただけでは、埋もれてしまう可能性が高まります。

ストーリーテリングによって感情が動かされると強く印象に残り、他の情報との違いを生み出すことが可能です。ビジネスの場面で競合と似た商品を扱う場合でも、開発に込められた情熱やユーザーの感動的なエピソードを語ることで、独自の価値を伝えられます。

ストーリーテリングの効果

ストーリーテリングを用いることで、様々な効果が期待できます。ここでは、以下の3つを紹介します。

  • 記憶に残る
  • 共感してもらえる
  • 行動を促せる

感情を揺さぶることで伝えたいことが心に深く刻まれ、商品購入や意識の変化といった具体的な行動につながりやすくなるのです。

記憶に残る

人間の脳は物語を聞くことで、聴覚や視覚、感情など複数の領域が同時に活性化されます。そのため、単純な情報よりも強く記憶が定着すると言われています。さらに記憶を司る「海馬」は、一貫性のある物語にすることで、より詳細に記憶できることがfMRI研究によって確認されています。

歴史の年号を丸暗記するのは難しくても、特定の人物の苦労や喜びを物語として聞くと忘れにくくなりませんか?商品の特徴を箇条書きで説明されるよりも「この機能でお客さまの生活が豊かになりました」というエピソードを聞く方が、強く印象に残るのです。

共感してもらえる

物語を通すことで、聞き手は登場人物の課題や感情に自分自身を重ね合わせやすくなります。自分のことのように感じることで、語り手との間に強い心のつながりが生まれるのです。

例えば新商品の紹介の際、開発者の失敗談や苦労話を伝えたとします。顧客はその姿に心を動かされ「この人を応援したい」「この商品を使ってみたい」という気持ちになるでしょう。自分と似たような経験をしたり、同じような価値観を持っていたりする相手に親近感を抱く人も多いと思います。

行動を促せる

物語で感情が揺さぶられ深い共感が生まれると、聞き手は伝えられたメッセージを「自分ごと」として捉えるようになります。結果「自分も何かしたい」「変わらなければ」という内面からの動機が芽生えるのです。感情が動くことで、行動を起こすための心理的な壁が低くなるためです。

例えばチャリティー活動への参加を呼びかける際、支援を必要とする子どもの物語を語ったとします。聞き手は心を動かされデータを示された時よりも、寄付やボランティアといった具体的な行動を起こす可能性が高まるでしょう。物語は人の心を動かし、最終的に行動を変えるきっかけを作るのです。

ストーリーテリングのメリットとデメリット

ストーリーテリングは聞き手に行動を促す効果的な手法ですが、あわせてデメリットがあることも忘れてはいけません。効果を最大限に引き出すためには、状況に合わせた使い方が重要です。

メリット|感情的なコミュニケーションがとれる

ストーリーテリングのメリットは、感情に基づいた深いコミュニケーションが取れる点です。人は感情を動かされると、相手に対して親近感を抱き心を開きやすくなるものです。

例えば企業の採用説明会では、どちらが学生の心に響くでしょうか?

  • 会社の業績データを並べて説明
  • 創業者が会社を立ち上げた思い、または社員が乗り越えてきた苦労

後者の方が「この人たちと一緒に働きたい」という感情が芽生えると思いませんか。ストーリーテリングを活用することで、人間的なつながりを生み出すことが可能です。

メリット|ブランドの信頼を高める

ストーリーテリングは、企業や商品に対するブランドの信頼を効果的に高める力を持っています。物語を通すことで、ブランドが大切にしている想いや価値観を伝えられるからです。どの商品も高品質な機能を持っている今、顧客は企業の想いやビジョンにも注目しています。

例えば食品メーカーの場合、契約農家と何年もかけて土壌を改良し、ようやく納得のいく野菜を収穫できたという物語を発信したとしましょう。その物語から顧客に、安全に対する実直な姿勢を感じ取ってもらえます。「安全です」と繰り返すよりも、具体的な物語の方がはるかに説得力を持たせることができ、企業全体への信頼感が高まります。

デメリット|ストーリーが刺さらない場合がある

ストーリーテリングのデメリットとしては、物語が必ずしも聞き手の心に響くとは限らない点が挙げられます。価値観や人生経験は人によって異なるため、ある人にとって感動的な物語が別の人には全く響かないというケースもあるのです。

高級志向のブランドが節約や倹約をテーマにした苦労話を語っても、顧客の共感は得にくいかもしれません。また語り手の自己満足や作り話に聞こえるストーリーは、逆効果となり聞き手をしらけさせるリスクもあります。

デメリット|時間とコストがかかる

心を動かす物語を作り上げるためには、多くの時間と手間、費用がかかる点もデメリットの1つです。人の心を動かすほどの物語は、入念な準備と時間が必要です。

例えば、企業の歴史を伝える動画を制作する場合を想像してみてください。過去の資料を調べたり、関係者に話を聞いたりする時間が必要です。さらに脚本を作り、撮影や編集のための人材や機材も欠かせません。情報をまとめた資料を作る場合に比べ、時間も費用も多くかかる点に注意してください。

ストーリーテリングが有効なケース

ストーリーテリングは論理的な説明だけでは届かない、深い理解や共感を求める際に有効です。ここではストーリーテリングが有効なケースとして、3つ紹介します。

ブランディング

ストーリーテリングは企業のオリジナリティや価値観を伝え、熱心なファンを獲得する上で有効です。現代の顧客は機能や価格だけでなく、企業の理念やビジョンで商品を選ぶ傾向があるからです。

Salesforceが実施した顧客調査『Connected Shoppers Report』によると、顧客の83%が「小売店やブランドが提供する体験は商品やサービスに劣らず重要である」と回答しています。特にミレニアル世代やZ世代ではこの傾向が顕著で、ブランドとのつながりや共感、自分の価値観に合った体験を重視することが明らかになっています。

参考:現代流消費行動パターンを考察 4つの面で変革されたショッピング

創業の物語や開発秘話は、ブランドに深い意味と魅力を与え、価格競争に巻き込まれない強い関係を築くのです。

商品PR

商品PRにストーリーテリングを使うと、顧客の購買意欲を高める効果が期待できます。物語には、商品が自分の生活をどのように変えてくれるのかを想像させる力を持っています。

ある調理器具を宣伝する場合、「高温で素早く調理可能」と説明するよりも「仕事で忙しかったけど、この調理器具を使うことで家族の時間が増えました」と語る方が、顧客の心に響きます。商品で得られる未来を想像させることで、商品の価値が心に響きやすくなるのです。

社内教育

ストーリーテリングは企業の理念を浸透させ、社員の意欲を高めるためにも使えます。企業の歴史や過去の成功事例、困難を乗り越えた先輩社員の物語は、指針の理解や誇りを持つきっかけを与えてくれます。

新入社員研修で経営理念を説明する際であれば、理念の言葉を暗記させるのではなく、理念が生まれた背景にある創業者の物語を語ります。新入社員は理念が単なる言葉ではなく、自分の行動に落とし込まなければいけないことを理解するでしょう。物語は組織の一員としての自覚を促し、一体感を醸成できます。

ストーリーテリングを考える際の代表的なフレームワーク

ここではストーリーを考える際に役立つ、5つのフレームワークを紹介します。

  1. ヒーローズジャーニー
  2. STAGEの法則
  3. チャレンジプロット
  4. クリエイティビティプロット
  5. コネクションプロット

心に響く物語を効率的に作るために、伝えたいメッセージに合わせて適切なフレームワークを選びましょう。

ヒーローズジャーニー

ヒーローズジャーニーは、主人公が困難を乗り越えて成長する姿を描く、古くから使われている物語の型です。多くの神話や映画でも用いられていて、聞き手が主人公に自分を重ね合わせ、感情移入しやすい構成が特徴です。

基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 主人公の平凡な日常
  2. 冒険に旅立つ
  3. 師と出会う
  4. 試練に直面する
  5. 最大の危機を乗り越える
  6. 大きな成長を遂げる
  7. 故郷へ帰る

企業の創業者が、逆境を乗り越えて成功した話などを語る際に有効な型です。挑戦と成長の道のりを描くことで、聞き手に勇気と感動を与えられます。

STAGE の法則

STAGEの法則は、聞き手を惹きつけるための物語の型です。聞き手の関心を引くために、5つの要素が順番に組み立てられています。この法則に沿って伝えることで、聞き手は話の筋道を追いやすくなります。

STAGEは以下の頭文字です。

  • Setting(設定)
  • Trouble(問題)
  • Action(行動)
  • Goal(目標)
  • Ending(結末)

はじめに物語の背景を説明し、次に直面した問題点を提示します。つづいて問題を解決するための行動とその先の目標、最後に行動の結果で締めくくります。成功事例の紹介などで活用すると、説得力のある話ができます。

チャレンジプロット

チャレンジプロットは、大きな困難やトラブルに挑戦する姿を描く型です。聞き手は、逆境に立ち向かう姿に心を動かされ、応援したいという気持ちを抱きやすくなります。

最初に主人公が乗り越えるべき巨大な壁を示します。例えば「圧倒的な強者に対して、弱者が知恵と勇気で立ち向かう」といった設定です。そして失敗を繰り返しながらも諦めずに挑戦し続ける過程を描くことで、聞き手の共感を呼びます。

社会貢献活動の意義を伝えたり、社員の士気を高めたりする場面で効果的な手法です。

クリエイティビティプロット

クリエイティビティプロットは、新しいアイデアやひらめきでの問題解決を描くフレームワークです。長年解決できなかった問題が、新しい視点で解決される様子は心に強い印象を残すのです。

この型では、はじめに解決が難しいと思われていた問題点を説明します。そして試行錯誤の末、画期的なアイデアを思いつく場面を印象的に描きます。例えば新商品の開発秘話や、業務プロセスを劇的に変えた工夫の話などが、この型に当てはまるでしょう。

新しいアイデアが生まれた背景と効果を語ることで、聞き手に新鮮な感動を与えられます。

コネクションプロット

コネクションプロットは、人との出会いやつながりを中心に描く物語の型です。異なる背景や価値観を持つ人々が影響を与え合う姿は、聞き手の心に温かい感動を与えます。

物語の流れとして、最初は反発し合っていた登場人物が、ある出来事をきっかけに心を通わせていく過程を描きます。対立を乗り越えて協力し合うことで、1人では成し遂げられなかった成果を生み出すのです。

例えば企業の部署間の連携によって生まれた成功事例や、顧客との交流から生まれた新サービスの物語などが当てはまります。

ストーリーテリングのやり方 5 ステップ

ストーリーテリングを成功させるための具体的な手順として、以下の5ステップを踏むことをおすすめします。

  1. ターゲットを決める
  2. 伝えるメッセージを明確にする
  3. 具体的なエピソードを抽出する
  4. 感情を動かす構成を考える
  5. 本文を書く

思いつきで話すのではなく、体系化された手順に沿って物語を組み立てることで、伝えたいメッセージが心に届きやすくなります。

1.ターゲットを決める

聞き手によって心に響くテーマや言葉の選び方が異なるため、初めにターゲットを決めましょう。ターゲットが曖昧だと、誰の心にも届かない結果になりかねません。

自社の製品をPRする場合、聞き手が製品に詳しいリピーターか、それとも全く知識のない方かで話す内容が大きく変わるはずです。さらには相手の年齢や職業、興味関心なども具体的に考えることで、どのようなエピソードが共感を呼ぶかが明確になります。聞き手のことを考え抜くことが、心を動かす物語作りの第一歩です。

2.伝えるメッセージを明確にする

次に物語で何を伝えたいのか、中心となるメッセージを1つに絞り込みます。1つの物語にたくさんの要素を詰め込むと、聞き手は何が重要なのか分からなくなってしまうからです。

自社商品の魅力を伝える際であれば、推したいことを全てを語るのではなく「この機能が、顧客の家族時間を豊かにする」といった1つのメッセージに決めましょう。そして、そのメッセージを象徴する家族のエピソードを選んで語るのです。

物語を聞き終えた後、聞き手の心に1つの明確なメッセージが残るように設計することが重要です。

3.具体的なエピソードを抽出する

中心となるメッセージが決まったら、裏付ける具体的なエピソードを集めてください。実際の出来事を語ることで物語に説得力が生まれ、聞き手は内容を身近に感じられます。

「新商品で家族時間を豊かにする」というメッセージを伝えたい場合を考えてみましょう。たとえば「忙しい毎日で、家事を効率化することで会話が増えた」や「この商品がきっかけで子供たちの将来が決まった」というエピソードを探し出します。

成功例だけでなく、苦労した話や失敗例も聞き手の共感を引き出す貴重な材料です。

4.感情を動かす構成を考える

次のステップは、聞き手の感情を効果的に動かすための構成づくりです。同じ内容でも、話す順番によって聞き手の心の動きは大きく変化します。聞き手が最も引き込まれ、感動するような話の流れを作ってください。

構成づくりでは、話の順番を決めるフレームワークを使うと効果的です。「ヒーローズジャーニー」や「STAGEの法則」などを活用することで、誰でも共感しやすい構成をつくれます。

例えばSTAGEの法則の場合、物語の背景を説明した後、抱えている問題点を説明します。次に問題を乗り越えるためのアクションと最終的な目標を描き、行動の結果を伝えます。

それぞれのエピソードがどこに当てはまるか考え、最も効果的な順番に並べ替えましょう。

5.本文を書く

物語の構成が完成したら、実際に文章を書き起こします。ここまで準備ができていれば、設計図に沿って組み立てるように、構成に合わせて本文を書くだけです。

文章を書く際は、情景が浮かぶような表現を意識するのがおすすめです。例えば「嬉しかった」と書くよりも「思わず飛び上がって喜び、仲間と肩を抱き合った」と描写する方が、感情が豊かに伝わります。

難しい専門用語は避け、聞き手が理解しやすい言葉を選ぶこともポイントです。書き終えたら声に出して読んでみて、文章の流れが悪い部分や分かりにくい点がないかチェックしてください。

ストーリーテリングの活用事例

多くの有名企業が、ストーリーテリングを活用してブランド価値を高めています。製品の機能だけでなく物語を語ることが、強い共感と信頼の創出に役立っていると言えるでしょう。ここでは物語を通して、自社の理念や世界観を伝えている企業の例を紹介します。

Apple

Appleは、機能ではなく製品が与えてくれる体験を語るストーリーテリングをよく活用しています。創業者のスティーブ・ジョブズ氏が、現状を打ち破り世界を変えるという強い信念を持っていたからです。

「1984」というCMでは、Macintoshを管理社会からの解放者として描いています。また新製品発表会では、ジョブズ氏自らが登壇し、製品開発の背景にある物語を情熱的に語っている映像を見た方も多いのではないでしょうか。

Appleは1997年から2002年まで「Think different.(人と違う考え方をしよう)」というメッセージを物語で伝え続け、今でもスタイリッシュなデバイスで人々の心を掴んでいます。

Red Bull

Red Bullは「翼をさずける」というブランドメッセージを、限界に挑戦する人々の物語を通して伝えています。商品そのものの宣伝ではなく、ブランドが持つ世界観や価値観を共有することに力を入れている点が特徴です。

公式チャンネルの「I Jumped From Space (World Record Supersonic Freefall)」という動画では、成層圏からフリーフォールしている様子が公開されています。音速を超えたときスピンしてしまった体験などを、本人が語っています。

他にもF1レースや航空レースなど普通では考えられないような挑戦の場として、エクストリームスポーツのイベントを数多く主催しています。Red Bullは「挑戦」という体験を物語として提供し、世界中にファンを生み出しています。

IKEA

IKEAは「より快適な毎日を、より多くの方々に」という理念を、家具を通じた生活の物語で伝えています。低価格でデザイン性の高い家具を提供するだけでなく、家具がもたらす豊かな暮らしの場面を具体的に見せることで、顧客の共感を呼んでいるのです。

公式ホームページでは、家族の暮らしのあらゆる物語を紹介しています。例えば子ども部屋の家具購入を考えている親に向けて「初めての自分の部屋!(親にとっても)」といったような物語を展開しています。顧客は単純に家具を選ぶだけでなく、自分の家族を想像しながら家具を選ぶことになるのです。

Guinness

ギネスビールは、長い歴史と友情をテーマにした心温まる物語で、ブランドの深い味わいを伝えています。ギネスが持つ「時間をかけて楽しむビール」という特徴を、人々の絆や思いやりといった普遍的な価値と結びつけているのでしょう。

車イスバスケをテーマにした、有名なCMがあります。複数の男性が車イスバスケをしていて、試合が終わると1人を除いて立ち上がります。このCMでは、車イスの友人のためにバスケットボールをする若者たちの物語が描かれているのです。試合の後は全員で彼を囲んで、ギネスビールで乾杯します。

このCMは友情深さと思いやりを感動的に描き、多くの人々の心を打ちました。商品の説明は一切ありませんが、ギネスが「大切な人と分かち合う特別な時間」を象徴する存在であることが伝わります。

AMERICAN EXPRESS

AMERICAN EXPRESSは「日々、世界最高の顧客体験を提供する」を実現するために、顧客の物語を通して理念を伝えています。顧客はクレジットカードを持つことで、自身の生活にどんな影響があるかを想像することが可能です。

AmericanExpressJPで公開されている動画「Amex | 夏のイベント 篇 30”」では、顧客がフェスや夏祭り、スポーツイベントを楽しむ様子が描かれています。カードの説明は無いものの、視聴者に友人や家族と夏を楽しむイメージを与えています。

ストーリーテリングのよくある質問

ストーリーテリングを初めて活用する方は、実際に進めることで様々な悩みが出てくるでしょう。ここでは、ストーリーテリングのよくある質問に答えますので、ぜひ理解を深めてください。

初心者が学ぶおすすめの方法は?

初心者がストーリーテリングを学ぶには、高品質な物語に数多く触れるのがおすすめです。たくさんの物語に触れることで、人を動かす物語がもつパターンを自然に覚えられます。

自分が感動した映画や小説、企業CMなどが、なぜ自分の心を動かしたのかを考えてみましょう。「どこで感情が動いたか」「主人公にどう共感したか」などを書き出してみてください。優れた作品に触れ、なぜ良いのかを考える習慣をつけることが上達への近道です。

適切な長さは?

決まった正解はありません。伝える相手と状況に合わせて、長さを調整しましょう。長すぎると途中で飽きてしまう可能性もある一方で、短すぎるとメッセージが伝わらないこともあります。物語の目的が何なのか、聞き手はどのくらいの時間を割いてくれるのかを常に考えることが重要です。結論、聞き手が興味を失わずメッセージが十分に伝わる長さが最適です。

効果測定の方法は?

物語を伝えた後の、聞き手の反応や行動の変化を確認してみましょう。特にマーケティングにおいてストーリーテリングの目的は、何らかの行動を促すことにあります。マーケティングの観点でwストーリーテリングを活用した場合、売上が伸びたり、自社サイトのPV数が増えたりすれば、物語が効果的だったと判断できるでしょう。

まとめ|ストーリーテリングは共感を生み行動を促す

ストーリーテリングは共感を生み出し、人の行動を促すためのマーケティング手法です。情報が溢れる現代において、論理だけでは動かせない感情に働きかけ、聞き手との間に強い絆を築きます。

この記事では、ストーリーテリングの基本的な意味や効果、具体的な作り方の5ステップ、そして有名企業の活用事例までを解説しました。紹介したヒーローズジャーニーなどの型を使えば、あなたも聞き手の心に残る話を作ることが可能です。

しかし自分では、どうしてもうまく物語を作れないこともあります。そんな時はマーケティングのプロの力を頼るのも、選択肢のひとつです。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
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