「自社のSNS運用を任されたけど、SNSのうまい使い方がわからない」
「自社アカウントのフォロワーが思ったより増えない」
今や企業がSNSアカウントを運用するのは当たり前の時代です。しかし、実際にはSNSをうまく使えている企業はほんのわずかで、多くの企業が上記のような悩みを抱えています。
そこで本記事では、企業がSNSをうまく使う方法や失敗しやすいNG行為を解説します。これからSNSをうまく使っていきたい方や、なかなか成果が出ない方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
【企業向け】SNSのうまい使い方6選
まずは、企業のSNS運用に適したうまい使い方を紹介します。使い方は以下の6つです。
- ターゲットを明確にし訴求しやすいSNSを活用する
- 運用目的と投稿内容に一貫性をもたせる
- ユーザーとのコミュニケーションを図る
- 各SNSの広告機能を利用しターゲットに訴求する
- アカウントの世界観を統一し企業イメージを定着させる
- インフルエンサーとコラボしユーザーの興味関心を獲得する
それぞれ解説します。
ターゲットを明確にし訴求しやすいSNSを活用する
大前提として、誰に向けての発信なのかは明確にしましょう。ターゲットが決まっていないままSNS運用をしてしまうと、認知拡大や売上増加につなげられません。
SNSの運用がうまい企業は、自社のターゲットを明確にし、それに合わせたSNSを活用しています。以下の表のようにSNSは、それぞれユーザー層に偏りがあります。
SNS | ユーザー層 |
10〜20代(男女に偏りなし) | |
10〜20代(女性ユーザーが若干多め) | |
YouTube | 30〜50代(男女に偏りなし) |
TikTok | 10代(男女に偏りなし) |
30〜50代(男性ユーザーが若干多め) |
(参照:令和4年版 情報通信白書|SNS)
例えば、自社の商品・サービスが30〜50代の会社員と相性がよいのに、InstagramやTikTokを運用してしまっては、CVR(成約)は上がりません。運用するならFacebookが適しています。
運用目的と投稿内容に一貫性をもたせる
ターゲットが明確になり、自社に適したSNSがわかったら、運用する目的を決めるのも大事な工程です。運用する目的が、認知拡大なのか、顧客の育成なのかでSNSの投稿内容は大きく変わります。
運用目的と投稿内容に一貫性がないと発信内容にブレが生じ、成果にもつながりません。そのうえ、SNSユーザーにも自社が伝えたいことが届きづらくなります。例えば、認知拡大のためにSNSを運用しているのにもかかわらず、SNSユーザーとの交流(リプライや相互フォロー)ばかりだと認知の拡大にはつながりません。
また、ブランディングが目的なら、写真や動画と相性がよいSNSを使うのも成果につながりやすいアプローチ方法です。以上のように、運用する目的によって投稿内容や利用するSNSを選択する必要があります。必ず運用する目的は明確にしましょう。
ユーザーとのコミュニケーションを図る
運用する目的にもよりますが、SNSユーザーとのコミュニケーションを積極的にとるのもうまい活用方法です。SNSの魅力は、ユーザーと交流しやすい点です。フォローやコメントをしてくれたユーザーと積極的に交流することで、ファン化につながります。
一般的に、SNS内でのユーザー同士の交流が多いと、タイムライン上に表示されやすくなり認知度UPにもつながるため、コミュニケーションを積極的にとっていきましょう。
各SNSの広告機能を利用しターゲットに訴求する
SNSをうまく運用している企業は、広告機能も活用しています。SNSの種類によってユーザー層に偏りが生じるため、自社のターゲット層に合ったSNSで広告を出すことで、興味関心を持ってくれるであろうユーザーに商品・サービスを訴求できるのです。
短期間で狙ったユーザーに訴求できるSNS広告は、期間限定の商品・サービスの告知に適しています。SNSを運用する目的が認知拡大であれば、広告の活用はうまい使い方といえるでしょう。
アカウントの世界観を統一し企業イメージを定着させる
SNSの使い方がうまい企業は、アカウントの特徴がわかりやすく、世界観が統一されています。例えば、この後の事例で紹介するシャープは、堅いイメージが強い企業です。しかしSNSで運用しているアカウントは、企業イメージとはかけ離れたフランクな発信内容で、ユーザーから人気を集めています。
アカウントのキャラ・世界観が統一されていると、信頼感や親しみやすさが生まれ、オフラインではアプローチしにくいユーザー層のファン化も狙えます。SNSを活用する際は、どういうキャラ・世界観で運用するのか、目的に合わせたコンセプトを決めるのも重要です。
インフルエンサーとコラボしユーザーの興味関心を獲得する
インフルエンサーとのコラボをすることで、ユーザーの興味関心や認知拡大に大きく影響します。ただこれは、やや難易度が高いので、SNSの運用に慣れてきた段階で着手するのがよいでしょう。
ただし、インフルエンサーとのコラボは、人に依存した宣伝になってしまう傾向が強いので、期間を設けて運用するのがおすすめです。短期間とはいえ、認知拡大には絶大な訴求効果を発揮します。
例えば、アパレルブランドならファッションインフルエンサーとコラボすることで、そのインフルエンサーのフォロワーに向けて、商品・サービスを訴求できます。
ただし、自社の商品・サービスのターゲット層とインフルエンサーのフォロワー層が被っていないと、訴求効果は望めません。人気よりも関連性の高いインフルエンサーとコラボするのがよいでしょう。
SNSをうまい使い方ができていない企業のNG行為
SNSを運用する上で企業がやってしまいがちなNG行為を以下5つ紹介します。
- 報告・宣伝ばかりで内容がつまらない
- ターゲット層とSNSのユーザー層がズレている
- フォロー・いいね周りだけしている
- 成果を出している企業の真似だけしている
- アカウントの世界観が統一されていない
自社のSNSアカウントでNG行為をしていないか、一つずつ確かめていきましょう。
報告・宣伝ばかりで内容がつまらない
最も陥りがちなNG行為は、投稿内容がプレスリリースの報告や、宣伝ばかりになってしまっていることです。商品・サービスの宣伝ばかりだと、ビジネス感が強くユーザーに距離を置かれる可能性があります。SNSはあくまで娯楽で使用するサービスです。友人同士との会話でいきなり、ビジネスの話をされたら引きますよね?
Linkedinなどのビジネス向けのSNSもありますが、基本は娯楽で使っているユーザーがほとんどなので、SNSの空気感に合わせた投稿を心がけましょう。
ターゲット層とSNSのユーザー層がズレている
ターゲットとするお客さんの像を鮮明にイメージしておらず、加えて各SNSの特性が把握しきれていないと、自分では相性がよいと思い込んでいたSNSでも、実はズレが生じていることもあります。
例えば、スーツをオーダーメイドで販売している企業が、アパレル=Instagramというイメージで始めても効果はあまり出ません。スーツをオーダーメイドで依頼するのは、ある程度所得に余裕がある40〜50代の会社員のはずです。すると40〜50代の会社員の多くが活用しているSNSは、Facebookです。そのため、Facebookを活用し仕掛けた方が、ターゲット層とユーザー層がマッチしているためCVR(成約率)は上がるといえるでしょう。
フォロー・いいね周りだけしている
フォロワーを増やしたいがために、フォローやいいね周りだけをしていませんか?企業アカウントを運用する上で、賢い活用方法とはいえません。短時間でフォローやいいね周りをしていると、アカウントが凍結(使用停止)する恐れがあるので、控えましょう。
仮に、フォローやいいね周りでフォロワーが増えたとしても、それらのフォロワーはアカウントに魅力を感じてフォローしたのではなく、恩義でフォローしてくれたユーザーの可能性があります。
自社のターゲット層とかけ離れている可能性も高いため、集客や売上には直接つながりません。
成果を出している企業の真似だけしている
成果を出している企業を真似すれば、自社も成果が出るだろうと思い込みながらアカウントを運用していたら、危険信号です。他社の真似だけをしたアカウントは、SNSユーザーからすれば、無個性だと捉えかねません。
成果につなげるためには、企業アカウントにはそれぞれ個性と特徴をハッキリもたせることが大切です。ただ表面的に真似するだけでなく、人気の企業アカウントがなぜ人気なのか徹底的に深掘り、自社の運用目的に合っていたら参考にする程度にしておきましょう。
重要なのは、他社の真似ではなくいかに自社のターゲットとなるユーザーに向き合えるかです。
アカウントの世界観が統一されていない
企業がSNSを活用する際に、場合によっては一つのアカウントを複数人で動かすこともあるはずです。別々の人が1つのアカウントを運用すると、キャラの統一感を損なう可能性があります。複数のスタッフで運用する場合は、マニュアルなどを準備し、誰が運用してもアカウントのキャラに統一感が生まれるようにしましょう。
SNSは本来個人で活用するサービスのため、企業アカウントでも人間味あるキャラで運用すれば、ユーザーからも親しまれやすくなります。
SNSをうまく使いこなす上での注意点
SNSをどんなにうまく使いこなせても、トラブルは生じてしまいます。SNSを使う上で以下2つの注意点を把握しておきましょう。注意点を事前に知っておけば、トラブルが起きても焦らず対処できます。
- 炎上するリスクがあることを考慮する
- 成果が出るまでに時間がかかる
それぞれ解説します。
炎上するリスクがあることを考慮する
SNSは全く意図していないところで、炎上するリスクがあります。炎上は真偽にかかわらず、企業のイメージダウンに直結するので、発信する内容は最新の注意を払いましょう。
企業アカウントでも、誹謗中傷を言われることも少なくありません。訴訟問題にもなりかねないので、もし言われたら削除される前にスクリーンショットなどで証拠を保存しておきましょう。
成果が出るまでに時間がかかる
SNSの使い方がどれだけうまくても、成果が出るまでにはある程度の時間はかかります。SNSは無料で始められる分、参入してくる企業も多く競争率が高いため、成果が出せるようになるためにはかなりの時間が必要です。
短期で自社の企業アカウントの認知を広めたい場合は、広告を利用するか、競合他社にはない独自性を見つけましょう。
【事例別】SNSの具体的なうまい使い方
具体的にどのようにSNSを使えばいいのかイメージしやすいように、活用事例を3つ紹介します。
- 企業らしからぬツイートをする「シャープ」
- ターゲット層に合わせた投稿をする「ダイソー」
- 関連性の高い企業がコラボする「UCC上島珈琲×ALPRO」
それぞれ解説しますので、自社のアカウント運用の参考にしてください。
企業らしからぬツイートをする「シャープ」
参照:Twitter
大手電機メーカーのシャープは、アカウントの世界観を表現するのがうまいことで有名です。
企業アカウントにもかかわらず、同業他社名を含めてユーモア溢れるツイートをしています。このような、企業らしからぬツイートがユーザーに親近感を与え、認知度・好感度UPにつながっています。
ターゲット層に合わせた投稿をする「ダイソー」
参照:Instagram
100円ショップで有名なダイソーの、Instagramフォロワー数は180万人を超えています。ターゲット層とSNSのユーザー層が見事にマッチした事例です。Instagramのユーザー層は、10〜20代の女性が多いため、ダイソーが投稿している写真は可愛いデザインが中心となっています。
ただ見栄えをよくするだけでなく、ターゲット層の暮らしに役立つ情報を投稿し、ターゲット層とSNSのユーザー層を的確に捉えられています。
関連性の高い企業がコラボする「UCC上島珈琲×ALPRO」
参照:Instagram
UCC上島珈琲とALPROは、お互いの特性を活かし合ったコラボのお手本のような事例です。若者の珈琲離れや、SDGsの浸透による代替ミルクへの切替などの対策として、新しいラテの飲み方を提案することで、新たなユーザーの獲得につなげました。
まとめ
企業がうまくSNSを使うには、誰に見て欲しいのか(ターゲット)となんのために運用するのか(目的)を明確にする必要があります。今後SNSの運用に力を入れていきたいと考えている方は、本記事で具体的にSNSのうまい使い方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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