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【すぐ活用できる】ヴェブレン効果の概要や活用法を紹介

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マーケティング活動では、自社の利益を上げるために、顧客の心理を理解し少しでも高い価格で商品を売る必要があります。そこで、活用したい心理がヴェブレン効果です。

しかし、ヴェブレン効果をWebマーケティングにどう反映させるかわからない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、ヴェブレン効果の概要やヴェブレン効果が発生する条件、活用方法などを解説します。ヴェブレン効果を使ってWebマーケティングを成功させたい方、ヴェブレン効果をすぐに実践したい方はぜひ最後までご覧ください。

目次 ー この記事で分かること ー

ヴェブレン効果とは

ヴェブレン効果とは、商品の価格が高いほど商品の価値が高いと認識され、需要が増加する現象です。マーケティングに活用することで高級な商品であるような錯覚を生み出し、商品の成約や売上の増加につながる可能性を高められる効果です。

自己顕示欲を満たすためだけの消費行動であることから、「見せびらかし消費」「顕示的消費」とも呼ばれます。所有することでステータスを確立したり、満足感を得えたり、これらを重要な価値ととらえる心理が影響しています。

ヴェブレン効果が発揮される商品は、ハイブランドの商品やプラチナカード、数量限定品などです。これらの商品を総称して「ヴェブレン財」とも呼ばれます。

ヴェブレン効果は、アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインによって提唱されました。

「SNS映え」を狙い高まるヴェブレン効果

ヴェブレン効果は、自己顕示欲の高い層に対し商品の価格が高まれば、比例して需要も高まる心理効果です。そのため、ハイブランドやラグジュアリーな市場などに広く浸透しています。

しかし、SNSやインターネットが浸透し、物の所有だけが「見せびらかしの消費」に該当しなくなりました。今では、高級なアイテムやラグジュアリーな体験をSNS上に投稿することで、自分の生活やステータスを強調する傾向があります。

SNS映えを狙い、「いいね」や「フォロワー数」など他人からの評価に価値を置くユーザーにとって、自己顕示欲を満たせるSNSツールは、ヴェブレン効果が発揮しやすいフィールドといえます。

ヴェブレン効果が発生する条件

商品の価格が高いほど需要が増加するヴェブレン効果を発生させるためには、以下の2つの条件があります。

  • 希少価値が高く限定した流通であること
  • 社会的に価値が認められていること

発生する条件を確認することで、ヴェブレン効果を活用しやすくなるでしょう。1つずつ紹介します。

希少価値が高く限定した流通であること

ヴェブレン効果は商品の価格が高いほど需要が増加する現象のため、商品の希少価値が高いことが必須です。

希少価値が高い商品はなかなか手に入りにくい商品のため、必然的に商品の価格と需要が上がります。特に認知度が高い「シャネル」や「ルイ・ヴィトン」のようなハイブランドの商品であれば、持っているだけでステータスになり、特に自己顕示欲を満たしやすいでしょう。

例として、ダイヤモンドは生産数に対して需要が大幅に高いため、ヴェブレン効果が発揮しやすい商品です。反対に、生産量の多い「ユニクロ」や「しまむら」などのファストファッションはヴェブレン効果を発揮しにくい傾向です。

同様に限定品は商品自体に魅力があり、多くの方が手に入れたいと思うため、ヴェブレン効果を発揮しやすくなります。市場に流通する限定品の数が少なければ、所持することでより優越感を感じやすく周囲にアピールできます。

社会的に価値が認められていること

ヴェブレン効果をマーケティングに活かすためには、「見せびらかしたい欲」を満たせるような周囲から賞賛される商品でなければなりません。そのためには、商品自体の価値が社会的に認められていることが条件です。

例えば、高級車のメルセデスベンツや高級時計のロレックス、ハイブランドのカルティエやエルメスなどは、ブランドの価値が社会的に認められているため、所持するだけで他人から賞賛されやすく、ステータスになります。ロゴを見るだけで価値がわかるため、SNSの映えにも最適です。

商品だけでなく、ゴルフやホテルの高級会員権やファーストクラスのラウンジなど、ラグジュアリーな体験をできる権利を所持していることも社会的価値が認められているため、ヴェブレン効果を発揮します。

仮に、誰も知らないブランドやアイテムでは、他人から賞賛される効果が低く、自己顕示欲が満たせないためヴェブレン効果は発揮しにくくなります。

ヴェブレン効果が発生しやすい商品

ヴェブレン効果は希少価値が高い商品などに対して効果を発揮しますが、代表的な商品は以下の3つです。

  • ハイブランドの商品
  • プラチナカード
  • 限定品

紹介する商品は形こそ違うものの、ヴェブレン効果が発揮される条件が整っています。1つずつ紹介します。

ハイブランドの商品

ハイブランドの商品は、ヴェブレン効果を発揮しやすい商品です。

ハイブランドの店舗は扱っている商品の価格が高く、誰でも購入できるわけではありません。また、ハイブランドの商品は1つ1つ丁寧に作られている商品が多いため、流通数が少なく希少価値が高いです。

例として、革製品のハイブランドであるエルメスのバッグは、1,000万を越える商品もあります。中でもバーキンは、Webサイトで購入できず、さらに店舗でも選ばれた顧客だけが手にできる希少性の高いアイテムです。手にするだけでも自己顕示欲を満たせる商品であり、ステータスを築くために充分効果を発揮します。

ただし、ハイブランドの商品でも多くの方が手に入れたいと思う商品でなければ、ヴェブレン効果は発揮されません。

プラチナカード

プラチナカードもヴェブレン効果を発揮しやすい商品です。

プラチナカードは年会費がゴールドカードよりも高く、毎年設定された金額以上を使い続けるなどの条件があるため、所持する方は多くありません。しかし、多くの条件があるにもかかわらず、ラウンジの入場や優待券の保有など、特別な権利を多数保有できるため、需要が多いのが特徴です。

例として、アメリカンエキスプレスのプラチナカードは年会費が165,000円と高額です。しかし、カードを所持しているだけで多くの方が手に入れたい特別な権利を多数保有できます。例えば、京都のラウンジの利用や国内高級ホテルの無料宿泊券の付帯、予約困難なホテルの優先予約などが挙げられます。

特別な権利を多数保有し、自己顕示欲を満たせるプラチナカードは、ヴェブレン効果を発揮しやすい商品です。

限定品

限定品は販売する数・期間に限りがあるため、通常の商品よりも希少価値が高く、ヴェブレン効果を発揮しやすいです。例として、ゴッホの「ひまわり」は世界に十数点しかなく、多くの方が知っているため、ヴェブレン効果が発揮されやすい限定品です。

限定品でも価格が高い商品やプレミア価格がついている商品は、よりヴェブレン効果を発揮しやすいでしょう。

ヴェブレン効果の活用法

商品に魅力を持たせる戦略であるヴェブレン効果ですが、有効活用するには以下の3つのポイントを押さえましょう。

  • 価格・希少性を高くする
  • 商品をブランディングする
  • 商品パッケージを高級風に見せる

1つずつ紹介します。

価格・希少性を高くする

ヴェブレン効果を発揮するには、商品の価格・希少性が高いことが条件です。そのため、商品の価格・希少性を上げる戦略が必要です。価格戦略としては、商品価格をあえて高く設定することや、希少性の高い商品にプレミア価格を設定することなどが挙げられます。

希少性戦略では、商品に付加価値をつけて希少性を高くすることや、商品を数量・時期限定で販売することなどの方法があります。

紹介した商品の価格・希少性を上げる戦略をとることにより、商品自体の魅力が高まり、ヴェブレン効果が発揮されやすいでしょう。

商品をブランディングする

商品を高級なイメージでブランディングすることで、ヴェブレン効果が発揮しやすくなります。

高級なイメージでブランディングが成功した商品は、ブランド商品として確立されます。確立された商品は「○○の製品」のようにブランド名で呼ばれ、商品の名前が欲しいために手に入れようとする方が多くなるでしょう。例えば、ダイソンの商品が該当します。

「商品名を手に入れるための消費=自己顕示欲を満たす消費行動」であるため、ヴェブレン効果が発揮されている状態です。

ただし、商品のブランディングには多くの時間・コストを必要とするため、短期計画ではなく中長期計画でブランディングすることや計画的なコストの策定が大切です。

商品パッケージを高級風に見せる

商品パッケージを高級風に見せる工夫も、ヴェブレン効果の活用法の1つです。

商品の実物が見えない消費者にとって、パッケージは購入するかどうかの大きな判断材料です。商品の外装に高級感を出せれば、「高級品を身につけたい」「手に入れたい」という自己顕示欲を刺激でき、商品の購入につながる可能性が高くなります。

高級風に見せる例としては、パッケージの素材を硬めに作ることや、色味をシックな色彩ないし金・銀のような光沢のある加工を施すなどが挙げられます。

ヴェブレン効果の注意点

ヴェブレン効果を発揮させるには、注意点にも留意しなければなりません。ヴェブレン効果を活用するには、以下の2つに注意しましょう。

  • 価格を高くし過ぎない
  • 価格設定の前に価値を認知させる

ヴェブレン効果を最大限に発揮するためにも、注意点を1つずつ確認しましょう。

価格を高くし過ぎない

商品の価格を高くするとヴェブレン効果が発揮されやすいですが、極端に高くすると効果が発揮されません。

商品価格が相場とかけ離れすぎている場合、商品自体が怪しく見られ、販売量が低迷し利益が出なくなる可能性があります。また、高価格設定は低価格を期待している顧客を対象外とするため見込み客が少なくなり、利益を減少させてしまうデメリットも存在します。

ヴェブレン効果を最大限に発揮するには、商品が相場とかけ離れすぎない価格に設定することが重要です。そのためには、競合商品のリサーチや段階的な価格のつり上げ戦略が必要です。

価格設定の前に価値を認知させる

ヴェブレン効果は商品の価格を高くするだけでなく、需要が高いことも条件です。商品価格を高くしてから価値を認知させることは難しいですが、商品の価値を認知させてから商品価格を高くすることは可能です。

そのため、商品の価格設定を高くするよりも先に、商品自体の価値を顧客に認知させましょう。価値が認知されると、高価格に設定しても商品が売れる可能性が高まります。

広告費・宣伝費など、多くのコストがかかりますが、顧客に商品の価値を理解してもらうためには、商品のメリット・価値を伝え続けていくことが大切です。

ヴェブレン効果と関連する効果

ヴェブレン効果と関連し、マーケティングにも使用される効果を2つ紹介します。

  • バンドワゴン効果
  • スノッブ効果

ヴェブレン効果との違いを知ることで、マーケティングで使用できる戦略が増えるでしょう。1つずつ解説します。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、多くの方が支持している物事に対して、より支持が集まる現象を指します。「バンドワゴン」とはパレードの先頭を行く楽隊車のことです。

一般的な価値しかない物事でも多数が支持している物事のため、質のよいものや価値の高いものだろうと思ってしまう現象が発生します。

例として、広告で見る「累計○○人突破!」「今、売れています!」のようなキャッチコピーや、フォロワー数が数万人以上のインフルエンサーの発言などが挙げられます。

ヴェブレン効果が発揮される商品とバンドワゴン効果が発揮される商品は異なりますが、多くの方が知っている商品やブランドが効果の対象となることは同じです。

スノッブ効果

スノッブ効果とは、多くの方が支持している物事に対して、人と被りたくない心理が働く現象を指します。ほかの方が持っていない、経験していない物事に魅力を感じます。多くの方が支持している物事に対してより支持が高くなるバンドワゴン効果とは逆の効果です。

ヴェブレン効果は価格が効果の発生原因になることに対し、スノッブ効果は他人と被らないことが効果の発生原因となります。しかし、多くの方が持っていないものに魅力を感じることは共通しています。

価値が高い限定品は価格が高く他人と被りにくいため、スノッブ効果とヴェブレン効果の両方を発揮できる商品です。

まとめ

ヴェブレン効果とは、商品の価格が高いほど需要が増加する現象であり、ハイブランドの商品やプラチナカードが該当します。価格・希少性を適度に高くすることや商品をブランディングすること、商品パッケージを高級風に見せることでヴェブレン効果は発揮されやすいでしょう。

ヴェブレン効果はWebマーケティングの成果を上げるための方法の1つなので、本記事で紹介したテクニックを参考に、自社のマーケティング戦略の参考にしてください。

ウェビットでは主に中小企業がWebマーケティング、Web集客を行う上でのお悩みを解決するような情報を発信しております。気になられた方はぜひ、ほかの記事もごご覧ください。

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この記事を書いた人

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
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