YouTube集客で成功するには、いくつかコツがあります。皆さんの中には、これからYouTubeで集客したいと考えている方やチャンネル開設したものの思うような効果が得られずお悩みの方もいるのではないでしょうか。
本記事では企業の成功事例をもとに、YouTubeを使った集客のコツを解説します。YouTube集客における注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
YouTube集客とは
YouTube集客とは、企業がYouTubeのチャンネルを開設して集客や販促を目的とした動画を投稿する集客方法です。動画の内容は商品の紹介やキャンペーン情報、活動紹介など企業によってさまざまですが、ユーザーの興味を引くつくりになっている点は共通しています。
各企業は充実したコンテンツづくりを行い、新規顧客の獲得や既存顧客の満足度向上を図っています。視聴者に役立つ情報や見ているだけで楽しめるユニークな動画などが、その一例です。
企業の集客にYouTubeが注目される4つの理由
企業がYouTubeに注目する理由は、主に4つあります。
- 幅広い年齢層が数多く利用している
- SNSとの連携に向いている
- 低コストで参入できる
- ブランドイメージをわかりやすく伝えられる
ここでは、それぞれの理由を詳しく解説します。
幅広い年齢層が数多く利用している
YouTubeが注目される理由は、幅広い年齢層のユーザーが大勢利用していることにあります。総務省「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を確認したところ、YouTubeの全年代利用率は90.2%と高い結果が出ています。
最も利用率の高い年代は20代で98.2%、最も少ない60代でも72.2%と7割以上が利用しているとわかりました。特に10代から40代は、いずれも90%を超える利用率となっています。これらの結果を踏まえると、YouTube集客はSEO対策やターゲット設計などを入念に行うことでジャンルを問わず高い効果が期待できるとわかります。
参照：総務省「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
SNSとの連携に向いている
SNSにYouTubeアカウントへのリンクを張るとSNSからの流入が見込める点も、YouTube集客の強みです。YouTubeにも公式SNSや自社ECサイトのリンクを張っておけば、双方向からの流入も考えられます。
YouTube動画には各SNSへの共有機能もあるため、視聴者がSNSでシェアしてくれる可能性も期待できます。YouTubeとSNSは互いの導線をつなげることで、相互に集客効果を高めあえるプラットフォームです。
低コストで参入できる
コスト面において参入障壁が低い点も、YouTube集客の特徴です。YouTubeチャンネルの開設や動画投稿は、個人・企業を問わず無料で行えます。凝った動画でなければスマートフォン1つで制作が可能なため、動画制作にかけるコストも抑えられるでしょう。
機材や編集ソフトなどのこだわりは、チャンネル運用に慣れてからでも間に合います。ほかのマーケティング手法に比べると低コストで参入できるため、起業まもない方やWebマーケティングが初めての方でも参入しやすい点もYouTube集客の魅力です。
ブランドイメージをわかりやすく伝えられる
人間は一般的に、視覚または聴覚だけで得られる情報よりも視覚・聴覚から同時に得られる情報のほうが理解しやすいといわれています。そのため、視覚と聴覚のどちらにも訴求できる動画を上手く活用してブランドイメージを伝えれば、集客力の向上につながるでしょう。
実際に、米Forrester Research社のジェームズ博士が2014年に発表した論文では「1分間の動画から伝わる情報量は文字換算で180万語になる」と述べています。これは一般的なWebページに換算すると約3,600ページと膨大な数値です。
このように、YouTubeは企業にとって、膨大な情報をわかりやすく伝える有用な集客ツールといえます。
YouTubeチャンネルの集客｜成功事例3選
企業のYouTubeチャンネル成功事例として、以下の企業チャンネルを紹介します。
- 整体院健-KEN-
- 片付けトントン
- 桃太郎オフィス 不動産事業部
3社の共通点は、視聴者に役立つコンテンツづくりをしている点です。動画で扱うテーマを1つに絞って要点がわかりやすくなっていることも、成功の秘訣といえるでしょう。
整体院健-KEN-
整体院健-KEN-は、2022年5月のYouTubeチャンネル開設から3年足らずで登録者17.3万人を達成し、集客に成功しています。同チャンネルでは肩こりや腰痛に悩む方をターゲットに、家庭でできる簡単なストレッチやエクササイズのやり方を動画で説明しています。
タイトルに「～するだけ！」「1回で楽にする」と表記して読者の心理的ハードルを下げている点も、同チャンネルの人気のポイントです。動画で実際に体を動かしながら説明しているため、文字で伝わりにくい点がわかりやすく紹介されています。
実際の施術を見せる動画では、来院者の感想なども聞けるため、施術を受けるか悩んでいる方に役立つ動画となっています。プロフィールや動画上にはSNSや公式ホームページへの導線も引かれていて、YouTube集客の効果がCTA（行動喚起）にもつながりやすい仕組みが構築されているのもポイントです。
ターゲットの明確さや動画ならではのテーマ選定など、YouTube集客で参考にしたいポイントの多いチャンネルです。
片付けトントン
片付けトントンのYouTubeチャンネルでは、不要品回収や整理収納など片付けに関するお役立ち情報を多数配信しています。特に注目されているのは、ゴミ屋敷を住めるようになるまで片づける動画です。
一見不可能にみえるゴミの量でも手際よく片づける様子はまさに圧巻の一言で、視聴者の間でも話題となっています。片付けトントンのYouTubeチャンネルが集客に成功した理由は、本業の「ゴミ掃除」に特化したコンテンツづくりを意識したからです。
2017年に公開したゴミ屋敷の掃除動画を皮切りに、片付けトントンのコンテンツは人気が急上昇しました。2020年にはチャンネル登録者15万人、2025年現在は23万人と右肩上がりに増加しています。
片付けトントンの例は、コンテンツのテーマを絞る重要性やユーザーに信頼と親しみを感じさせる動画づくりの大切さがわかる好例です。
桃太郎オフィス 不動産事業部
士業や不動産事業の堅い雰囲気を払拭するユニークな動画で集客効果を高めているのが、桃太郎オフィス不動産事業部のYouTubeチャンネルです。同チャンネルのショート動画は、1つのテーマを取り上げてコメディ調のストーリー形式にしているのが特徴です。
なかには共同代表の中瀬氏がコスプレをして1人で複数の役をこなしている動画もあり、ユーモラスな雰囲気を上手く演出しています。一方、長尺動画では不動産に関するお役立ち情報も公開し、不動産売買や相続などの情報を求める方へのアプローチも行っています。
中瀬氏の個人チャンネルとリンクさせている点も、注目したいポイントです。中瀬氏の個人チャンネルではビジネスをテーマにユニークな情報を配信し、多くのユーザーに親しまれています。企業チャンネルと個人チャンネルのリンクも、企業チャンネルへの流入を狙う手法の1つです。
同チャンネルでは2022年12月の開設以来ユーモアあふれる親しみやすいコンテンツづくりが行われ、2025年3月現在の登録者数は19.1万人と高い集客効果を得ています。
YouTubeで集客に成功する5つのコツ
YouTube集客成功の5つのコツを解説します。
- 集客の目的とターゲットを明確に定める
- 動画のテーマは1つに絞る
- タイトルにSEO対策を行う
- 集客に向けた導線をつなぐ
- ユーモア・明るさ・親しみやすさを意識する
それぞれの項目を参考にすれば、集客力をさらに向上できるでしょう。
集客の目的とターゲットを明確に定める
YouTubeで集客を行うには、ターゲットと集客の目的を定めることが重要です。誰に何のために見てもらう動画なのかを具体的にすれば、チャンネルの方向性やテーマの選定など全体の輪郭が明確になります。
目的が販促なら、商品・サービスのターゲットがそのままYouTubeチャンネルのターゲットになる場合が多いでしょう。一方、目的が企業の認知度向上なら、認知度を高めたい世代や性別などターゲットの属性を決める必要があります。
例えば、目的が「医療保険をよく知らない若い世代に自社の女性保険を知ってもらい、将来の潜在顧客として集客する」であれば、10代〜20代前半の女性がターゲット層の1つに考えられます。属性はできるだけ詳細に設計し、ターゲットの心に響く動画を制作しましょう。
動画のテーマは1つに絞る
動画のテーマを絞ることも、YouTube集客の大切な要素です。動画のテーマは1つの動画につき1つだけに絞りましょう。内容を盛り込み過ぎると何が言いたいのかわからない動画になってしまうため、視聴者が離れてしまいます。
例えば、先述の「女性保険」なら、1つめのテーマを「女性保険のメリット」、2つめのテーマは「女性特有の病気の範囲」をテーマに絞ると視聴者に内容が伝わりやすくなります。若い世代をターゲットにするなら、若年層でかかりやすい病気の紹介などもテーマとして考えられるでしょう。
このように1つのテーマに絞ると内容がわかりやすく伝わる上に、類似したテーマなど関連動画の視聴にもつながりやすくなります。
タイトルにSEO対策を行う
動画のタイトルには、SEO対策となるキーワードを入れましょう。Google検索では、YouTubeの動画も検索対象とされているからです。検索数の多いキーワードをタイトルに入れれば、自社チャンネルのターゲットに近い層の集客が見込めます。
例えば、女性保険の必要性を説明する動画であれば、キーワードは「女性保険」「必要か」などが候補に考えられるでしょう。動画のタイトルは、可能な限りクリックしたくなる言葉を入れるようにします。「〇分でわかる～」「～って本当？」など、短めの時間を入れたり疑問を持たせたりするのも有効です。
集客に向けた導線をつなぐ
YouTube集客で効果を出すには、集客への導線が必要です。導線の設置例として次のような要素が挙げられます。
- プロフィールに自社WebサイトやSNSのURLを記載する
- 動画の途中や最後に自社WebサイトのURLを埋め込む
- 動画の中でチャンネル登録をお願いする
これらの導線を用意しておけば、動画で自社に興味を持ったユーザーが次のアクションを起こす可能性が高まります。集客力向上のためには、CTA（行動喚起）が重要です。
ユーモア・明るさ・親しみやすさを意識する
YouTube集客を成功させるには、ユーモアや明るさ、親しみやすさを取り入れることが大切です。出演者が明るい口調と笑顔でハキハキと話していると、視聴者は出演者と企業に対して自然に親しみを覚えます。
ナレーション担当や出演者は、動画制作の前に顔の表情や声のトーン、活舌などを確認しましょう。また、サムネイルやテロップに鮮やかな色や読みやすいフォントを使用すれば、視聴者に好印象を与える可能性が高まります。
動画のテーマや企業の事業内容にもよりますが、基本は明るい雰囲気を心がけましょう。加えて、動画内の会話やストーリーにユーモアを盛り込むと集客効果はさらに高まります。トレンドに敏感な若者をターゲットにする場合は、話題になっている音楽やダンスを取り入れるのも効果的です。
YouTubeを集客に活用する際の注意点
この項では、YouTube集客の注意点を2つ取り上げて解説します。YouTube集客は効果が出るまでに時間が必要な上、思いがけない要素が大きな誹謗中傷につながるリスクがあります。集客成功のコツを実践する際は、以下の注意点も留意しましょう。
集客効果が出るまでの平均期間は約6ヵ月
YouTube集客の効果が出るまでの平均期間は、一般的に約6ヵ月前後といわれています。最初はコンテンツが少ないためにYouTubeから良質なコンテンツと認識されるのが難しく、ユーザーのおすすめにも表示されにくい傾向にあるためです。
YouTube集客を始めたばかりの企業でありがちな失敗として、短期的な数字に振り回されてしまう点があります。集客効果を出すためには、半年〜1年の中長期的な視野で中間目標とゴール（KPI・KGI）を設定しましょう。
ネット炎上のリスクヘッジが重要
ネットでは、時折「炎上」と呼ばれる誹謗中傷の急速な拡大現象が発生します。YouTube動画の炎上原因は、間違った情報の発信や無配慮な発言などさまざまです。炎上を避けるためには、リスクヘッジが重要です。リスクヘッジの一例として、次の対策があげられます。
- 言動に注意する
- YouTubeチャンネルは複数人で運用する
- 動画のチェック体制は複数人数で行う
- YouTube公式ガイドラインを遵守する
炎上が一度起こると信頼を大きく低下させるため、企業は事前に対策を講じておきましょう。複数の対策を検討しておくと、炎上を防ぎやすくなります。
まとめ
YouTube集客は、幅広い年齢層の多くのユーザーにアプローチが図れるマーケティング手法です。その集客効果から、Webマーケティングにおいては、近年多くの企業がYouTube集客に着目しています。
ただし、YouTube集客には効果が出るまでに時間がかかる点や炎上リスクを考慮する必要があります。本記事で紹介したYouTube集客の成功事例や成功のコツを参考にして、自社のマーケティング戦略にぜひ役立ててください。
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