YouTubeアカウントの成長に重要な指標の1つが、クリック率です。YouTubeのクリック率を上げるには、サムネイルやタイトル、テーマの決め方などさまざまな面で工夫が必要です。
この記事では、YouTubeアカウントを運用する企業の方に向けて、YouTubeのクリック率を上げる方法とクリック率の平均や目安になる数値を解説します。クリック率を上げるための手法を理解し、ユーザーの興味を引く魅力的な動画を制作しましょう。
YouTubeで重要視される指標「クリック率」とは
YouTubeのクリック率とは、動画のサムネイルをユーザーがクリックした割合を指します。クリック率の計算式は、次の通りです。
クリック率 = クリック回数 ÷ サムネイルの表示回数 × 100( % )
サムネイルの表示回数が1,000回で、そのうちクリックされた回数が50回の場合、クリック率は5%と算出できます。クリック率は「ユーザーがその動画に魅力を感じた指標」として、YouTube運用などのSNSマーケティングにおいて重視されています。

クリック率の平均値と目安
インプレッションのクリック率についてYouTubeの公式情報を確認すると、多くのアカウントが2〜10%の範囲に収まっていることがわかります。アカウントのジャンルにもよりますが、おおむね5%前後であれば平均値といえるでしょう。
クリック率は8%あれば高い方で、10%はかなり優秀です。一方で、2%台は平均より低い数値のため、タイトル・サムネイルの工夫、ジャンルの見直しなど、改善策を検討すべきでしょう。YouTubeをはじめたてであれば、まずは平均値である5%を目標にしたいところです。
参考:YouTubeヘルプ「インプレッションとクリック率に関するよくある質問」
クリック率分析時の注意点
クリック率で目標とする5%は、あくまでも目安です。なぜなら、クリック率は動画のジャンルや内容によってその都度上下するためです。クリック率の分析をする際は、平均値自体にこだわるよりも「一定期間のデータ取得後に分析・改善の目安になる数値」ととらえるのがよいでしょう。
また、アカウント開設当初はクリック率が安定していないため、データ分析は長期的な視野が必要です。
YouTubeのクリック率を上げると企業の集客力が向上
クリック率を上げる最も大きなメリットは、YouTubeのアルゴリズムから人気のあるアカウントと評価され、企業の認知拡大や集客につながる点です。アルゴリズムとは、クリック率の高い動画を「ユーザーから人気がある動画」と評価する仕組みです。
アルゴリズムから評価されると、ユーザーのおすすめや関連動画に表示されやすくなります。また、動画の内容やキーワードによっては、Googleの検索結果に表示されることもあり、さらに広い範囲へのリーチが期待できるでしょう。
クリック率を上げると、インプレッション・視聴回数・再生時間など、さまざまな指標の上昇も期待できます。このような好循環を築くことで、より多くの見込み顧客にリーチでき、企業のマーケティング施策の成果に直結する可能性が高まります。

YouTubeアナリティクスによるクリック率の確認方法
クリック率の確認方法を手順に沿って説明します。クリック率の確認はYouTubeアナリティクスで行います。なお、紹介しているのはPCを基本にした手順です。
- YouTubeStudioを開く
- 左部に並んだメニュー欄から「アナリティクス」を選択する
- 上部にある「コンテンツ」タブを選択する
また、スマートフォンでクリック率を見たい場合は、YouTubeStudioアプリのアナリティクスから「リーチ」を選択すると確認できます。アナリティクスではクリック率のほかにも、データ分析をはじめとする指標改善に役立つさまざまな情報を入手できます。
YouTubeのクリック率変動に直結!サムネイルの重要なポイント
サムネイルは、YouTubeのクリック率を向上させるために重要な要素です。「クリック率はサムネイルの出来で大きく変動する」といっても過言ではありません。サムネイルを作成するときに特に意識すべき重要なポイントとして、次の5つを解説します。
- 明るくはっきりした配色を心がける
- 人物の写真や企業キャラクターの画像を用いる
- 文字による情報量は最低限に努める
- タイトルとは異なるキャッチコピーを入れる
- 同業他社のサムネイルを参考にする
それぞれ詳しくみていきましょう。
明るくはっきりした配色を心がける
明るい色は人の目を引きやすく、ポジティブな印象を与えます。ユーザーの注意を引くためには、鮮やかでメリハリのある色づかいを意識しましょう。ただし、明るい色を使ったからといって、煩雑な印象を与えると逆効果です。明るさとともに、すっきりと見やすい配色を心がけてください。
また、サムネイルに使用するフォントも、大きくて読みやすい文字を使用し、ひと目で内容が伝わるようにしましょう。フォントに縁取りやシャドウなどを入れ、下の写真や絵に埋もれないようにすることも効果的です。
人物の写真や企業キャラクターの画像を用いる
人物の写真をサムネイルに入れると、ユーザーは親近感を覚えやすくなります。企業アカウントであれば、社長と社員が談笑している様子やユニークな恰好をしている画像なども魅力的です。思わずクリックしてみたくなるような、微笑ましいサムネイルができあがるでしょう。
医療クリニックや整体院などの場合、実際に診療・施術を行う人物の姿を入れるのも有効です。ユーザーは人の写真に安心感を覚え、信頼の高い情報と認識しやすくなります。人物の写真以外であれば、企業のイメージキャラクターを起用するのも1つの方法です。
ゆるキャラを前面に出せば、企業の認知度や好感度の上昇につながります。企業のイメージキャラクターがいる場合は、サムネイルや動画内で積極的に起用しましょう。
文字による情報量は最低限に努める
サムネイルは、ひと目で内容が伝わるように「シンプルで見やすいデザイン」を心がけましょう。文字による情報は最低限にとどめ、短い文で何が書かれているか伝えるようにします。
ユーザーは多くのサムネイルを高速で見比べているため、長い文章や細かい説明はほとんど読んでいません。そのため、文字情報を増やすよりもインパクトを与える一言にする方が、ユーザーにとってわかりやすく、興味を引きやすくなります。
例えば「この動画を見れば〇〇のやり方や効果がわかる」と長文を並べるより「3分でわかる〇〇!」と情報をまとめた方が、どのくらいの時間で何がわかるかが伝わりやすいでしょう。
別の例として、動画の内容が企業の出版した書籍の販売促進であれば「新刊〇万部突破!」など、短いキャッチコピーも効果的です。書籍を持った社員や、新刊を山積みにした写真などと併せれば、さらに印象的なサムネイルに仕上がります。
タイトルとは異なるキャッチコピーを入れる
サムネイルは、タイトルとは異なるフレーズを入れると情報伝達効果を発揮しやすくなります。タイトルとキャッチコピーは別の情報にした方が、ユーザーに少しでも多くの情報を届けられるためです。
タイトルとキャッチコピーを同じ内容にすると、ユーザーに届く情報がかぶってしまうため、届く情報が限定的になってしまいます。限られたスペースでより多くの情報を伝えるためにも、キャッチコピーは、タイトルとかぶらないようにしましょう。
同業他社のサムネイルを参考にする
同業他社のアカウントのサムネイルを参考にするのも有効です。参考にする際は、チャンネル登録者数が多いアカウントや視聴回数が多い動画など、評価が高い企業を選びましょう。
サムネイルの特徴を参考にしつつほかの要素も確認・分析すると、今後のコンテンツづくりの参考になります。ただし、他社サムネイルの真似では効果が得にくく、ユーザーの興味を引くことも難しいでしょう。あくまでも他社の良い点を「参考」にした上で、自社だけのオリジナル要素を生み出すことがポイントです。
YouTubeのクリック率を上げるコツ
YouTubeのクリック率を上げるコツを、3つ取り上げて解説します。
- タイトルは内容がわかりやすい表現にする
- テーマの選択はユーザーの興味やターゲットの好みに合わせる
- アカウント全体の世界観・統一感を意識する
3つのコツをまとめると「ユーザー好みのわかりやすい動画制作を意識する」ことが大切であると言えます。
タイトルは内容がわかりやすい表現にする
タイトルは、クリック率を上げるために工夫したい重要ポイントです。ユーザーは画面に表示されたサムネイルとタイトルを見て、視聴するかどうか判断します。タイトルには、次のような記載が有効です。
- 視聴するメリットの記載
- ターゲットへの呼びかけ
- 視聴すると何がわかるか
- 「!」「?」などの使用
- 具体的な数値(〇倍、〇分など)
タイトルには、その動画のキーワードやターゲットに伝えたい内容を端的に盛り込みましょう。検索ニーズのあるキーワードをタイトルに入れることで、YouTube内の検索で表示される可能性が高まります。商品販売の動画であれば、商品の限定感や特別感をタイトルに入れることも消費者の購買意欲を高める方法の1つです。
また、ターゲットの年齢層や好みに合わせた表現をすると、ターゲットの興味をより引きやすくなります。クリック率を上げるため、魅力的でわかりやすいタイトルを設定しましょう。

テーマの選択はユーザーの興味やターゲットの好みに合わせる
クリック率を向上させるためには、テーマの選択も重要です。ユーザーの興味が薄いテーマを選んでも、クリック率は上がりにくいでしょう。クリック率が上昇しやすいのは、世間のトレンドや大きなニュースなど社会的関心の高い情報をテーマにした動画です。
特に、ターゲットの好みに合わせたテーマを選択すると、ターゲットに近い層からクリックされやすくなります。ただし、自社の商品やサービスと関連性が薄いテーマを選んでしまうと、クリック数は伸びても売上にはつながらないため注意が必要です。企業の顧客・潜在顧客を増やすためにも、ターゲットの好みをリサーチし、積極的にテーマに盛り込みましょう。
また、テーマ選択時は既存のチャンネル登録者を意識することも大切です。既存のチャンネル登録者は一般的に、自社の動画を視聴してから登録しています。既存のチャンネル登録者から好評だったテーマやクリック率が高かった動画を検証し、関連したテーマを選択するのもクリック率向上につながる手段の1つです。
アカウント全体の世界観・統一感を意識する
アカウントの世界観全体に統一感を持たせるのも、クリック率を上げる要素として大切です。サムネイル・フォント・登場人物・テーマカラーなどを統一させると、アカウントのイメージがユーザーに浸透し、イメージの定着につながります。
一度イメージが定着すると「この雰囲気はあのアカウント」とユーザーから認知されるようになるため、リピーターやチャンネル登録者からクリックされやすくなります。アカウントの認知度を向上させてクリック率を上げるためにも、アカウントのブランディングは積極的に行いましょう。

クリック率を上げるために知っておくべき3つの指標
YouTubeのクリック率を上げるためには、関連指標の確認・検証も重要です。クリック率を上げるために知っておくべき指標として、次の3つが挙げられます。
- インプレッション数
- 視聴回数
- 視聴維持率
各指標の詳細を理解し、目標値の設定や検証に活用しましょう。
インプレッション数
インプレッション数とは、動画のサムネイルがユーザーの画面上に表示された回数です。インプレッション数が増えると、ユーザーがサムネイルを目にする機会も多くなるため、クリック数の上昇が見込めます。
インプレッション数の高い動画は、アルゴリズムから「ユーザーに有益な情報を与える動画」と評価されやすくなります。評価が上昇すれば、おすすめや関連動画に表示される機会も増えていくでしょう。
クリックしてもらうには、まずユーザーが動画の存在に気づく必要があります。インプレッション数は、クリック数を上げるための重要な指標の1つです。
視聴回数
視聴回数とは、ユーザーが動画を視聴したとYouTubeが認定した回数です。クリック率と視聴回数は、どちらもアルゴリズムから評価されるための重要な指標です。クリック率が上がるとアルゴリズムから評価され、視聴回数の上昇につながります。
また、視聴回数が上がるとアルゴリズムから評価され、クリック率の向上に結びつきます。クリック率と視聴回数の増加は連動する場合が多いため、クリック率の検証時は視聴回数も確認すると効率的です。
視聴維持率
視聴維持率とは、ユーザーがどのくらい動画を視聴し続けたかを示す指標です。視聴維持率が低いとアルゴリズムから価値の低い動画と判断され、インプレッション数が伸び悩み、クリック率の低下にもつながる可能性があります。
仮に視聴維持率が低い状態でクリック率を上げるための策を講じても、再生直後に離脱されるため成果が得られにくい状況に陥るでしょう。なお、視聴維持率の平均は約40%です。検証の際はクリック率とともに視聴維持率を確認し、もし視聴維持率が40%に満たない場合は、動画の内容や見せ方の改善を図りましょう。
まとめ
YouTubeのクリック率は、インプレッション数・視聴回数・視聴維持率などさまざまな指標と相互に関係しあって数値を上下させます。企業アカウントが成長するためには、各指標を伸ばしてアルゴリズムから評価されることが重要です。
動画を配信したあとも、クリック率をはじめとする指標の検証・改善を定期的に行い、目標とする数値の達成を目指しましょう。
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