アフィリエイト広告は現在、集客力や訴求力がある広告として注目を集めています。また、アフィリエイト広告は従来の広告よりも費用を抑えて高い効果が期待できるのもメリットです。しかし、これからアフィリエイト広告の導入を検討している会社は、どのくらい費用が必要か気になるかもしれません。
本記事では、アフィリエイト広告を出す際にかかる費用やその内訳などを紹介します。
アフィリエイト広告を出す際にかかる費用とは?
はじめに、アフィリエイト広告を出す際にかかる費用の内訳やそれぞれの概要について解説します。アフィリエイト広告を出す際にかかる費用は固定費・変動費・成果報酬の3種類です。それぞれの支払時期や費用相場も解説するので、参考にしてください。
アフィリエイト広告を出す費用の内訳は固定費と変動費
アフィリエイト広告を出稿する際にかかる費用には、固定費と変動費があります。それぞれの概要は以下の通りです。
固定費 | ・初期費用:ASPを開設する際にかかる費用。初めてASPと契約したときに発生する ・固定費:広告を出し続ける限りかかるASPの月額利用料 |
変動費 | ・成果報酬額:商品・サービスが購入された際に発生するASPに支払う ・手数料:成果報酬が発生した際にASPに支払う手数料 |
固定費のうち初期費用はASPを開設する際に1度だけ必要です。したがって、固定費として発生する費用はASPの月額使用料と考えましょう。
一方、変動費は成果報酬が発生する条件を満たさなければ費用はかかりません。成果報酬の条件次第で、費用を抑えられます。しかし、成果報酬が発生する条件が厳しすぎるとアフィリエイターから敬遠されてしまうため、バランスが重要です。
支払う成果報酬の種類
アフィリエイト広告で発生する成果報酬には、以下のような種類があります。
- 定額型:成約1件ごとに決まった金額を払う
- 定率型:売上の一定割合を払う
どちらを選ぶかは、広告主の自由です。成果報酬の内訳はアフィリエイターに払う費用と、ASPに支払う手数料です。手数料の割合はASPによって異なるため、契約の際に確認しておきましょう。
例えば、定額型で1件につき1,000円の報酬を定めて手数料が30%だった場合、1件の売約につき1,300円がかかります。定率型の場合は、アフィリエイターに売上総額に応じて一定の割合を支払う契約を結びます。アフィリエイターに10%、手数料に30%と契約を結んだ場合、売上総額が10万円だと13,000円が成果報酬です。
成果報酬の種類や利率に迷ったらASPと相談しましょう。
アフィリエイト広告の運用次第で必要になる費用
アフィリエイト広告は運用次第で以下のような費用が必要になるケースがあります。
- 特別成果報酬単価など
- 広告出稿の代理店の利用費用
ここでは、費用が必要になる条件や特別な費用をかけるメリット・デメリットを紹介します。
特別成果報酬単価など
特別成果報酬とは、自社の広告の価値を高めてアフィリエイターに自社の広告を優先して掲載してもらうために設ける報酬です。例えば、発信力の高いインフルエンサーの運営するサイトに広告の掲載を依頼するときや、多くのアフィリエイターに広告の掲載を依頼するときに用います。
宣伝に成功し報酬がアップするとわかっていれば、優秀なアフィリエイターが掲載してくれる可能性も高まるでしょう。
特別成果報酬の単価はケースバイケースですが、成果を上げたければある程度まとまった費用がかかります。どのようなタイミングでどのくらいの額を報酬として設定するかは、自社内だけでなくASPの担当者とも相談して決めましょう。
広告出稿の代理店の利用費用
広告代理店経由でアフィリエイト広告の運用代行を依頼する場合、広告代理店経由で初期費用、月額費用、成果報酬費用などが発生します。自社でアフィリエイト広告を運用する人的リソースがなければ、広告出稿の代理店を利用すると広告出稿から運用まで、作業を一任できます。
毎月一定の費用が発生しますが、アフィリエイト広告の宣伝効果を短期間でアップしたい、もしくはアフィリエイト広告に関するアドバイスを随時受けたい場合などに役立つでしょう。また、社内でアフィリエイト広告を運用できる社員を育てるまでのつなぎとして利用したいときにも有効です。
広告出稿の代理店も多くの会社があるため、ASP選びと同じくらい入念に選びましょう。初めてアフィリエイト広告を利用する場合は実績豊富な会社が適しています。
無料ASPの特徴とメリット・デメリット
広告主とアフィリエイターの仲介役になってくれるASPには固定費が必要なところと、変動費のみで固定費が無料なところがあります。変動費のみのASPを利用すれば、広告主が定めた条件を達成しないと費用が発生しません。
ここでは、固定費が必要な有料ASPと変動費のみの無料ASPを比較したメリット・デメリットを解説します。
無料ASPと有料ASPの比較
無料ASPと有料ASPの特徴と違いは以下の通りです。
無料ASP | ・固定費が無料、変動費のみが発生する ・広告経由での購入実績や閲覧実績など広告主が定めた条件を達成しないと費用がかからない |
有料ASP | ・固定費・変動費の両方が発生する ・広告の効果がなくても固定費は発生する ・広告に高い効果が発生すると固定費に加えて多額の変動費が発生する |
無料ASPの方が費用を抑えてASP広告を運用できます。広告に載せる製品やサービスによっては、無料ASPを利用した方がメリットが大きいケースもあるでしょう。
しかし、無料ASPは有料ASPに比べて数が少ない、もしくは変動費が高く設定されているといったケースもあります。
無料ASPを利用するメリット
無料ASPを利用するメリットには、以下のようなメリットが挙げられます。
- 気軽にアフィリエイト広告を利用できる
- 特定のジャンルに強いASPがいる
- 万が一失敗したと思った場合、会社の損益を気にせず撤退の判断ができる
- ASPを選べばブランドイメージを守りやすい
- 有能なアフィリエイターと繋がりやすい
広告経由で商品やサービスが購入されないとASPは売上が発生しないため、より有能なアフィリエイターを抱えている傾向です。特に、オープンな場でアフィリエイターや広告主を募集しないクローズドASPは、有能なアフィリエイターと繋がりやすいでしょう。
無料ASPを利用するデメリット
一方、無料ASPを利用するデメリットは以下の通りです。
- 掲載可能なメディアが少ない
- 運用実績が少ない場合がある
- 手数料などが有料ASPより高額な場合がある
- クローズドASPは審査が厳しい
知名度が高く利用者が多い「A8.net」をはじめとする大手ASPは、ほぼ有料ASPです。無料ASPは数が少ないうえ、掲載可能なメディアが少ないのがデメリットです。より多くの方の目に広告が留まって欲しいなら、無料ASPの利用は適しません。
また、クローズドASPは審査が厳しいところもあり、初めてアフィリエイト広告を出す場合は審査に通らない可能性もあります。
広告出稿の代理店を利用するメリット・デメリット
広告出稿の代理店を利用する最大のメリットは、アフィリエイト広告の出稿から効果が出るまでの運用を一任できる点です。アフィリエイト広告は従来の広告とは異なり、掲載されてからの運用が重要です。放置しておけば効果が出ないだけでなく、アフィリエイターが違法な宣伝をするリスクもあります。
したがって、アフィリエイト広告の掲載状況を常時チェックしつつ、必要ならばASPと交渉して効果が出るように対策を立てなければなりません。従業員の人数や経験・知識によっては人手を割けないところもあります。そのような場合は、代理店の利用はメリットが大きいです。
一方、デメリットとしては利用している限り費用が発生する点です。かかる費用によっては、委託費用が収益を越え、アフィリエイト広告を利用するメリットがなくなる場合もあるでしょう。また、代理店の担当者との相性が悪いと意思疎通がうまくいかず、思うような成果につながらないのもデメリットです。
アフィリエイト広告の費用を適正にするためのポイント
ここでは、アフィリエイト広告の費用を適正にするためのポイントとして、以下を開設します。
- 複数のASPを比較してみる
- 成果報酬をむやみに高額にしない
- 外部に作業を委託する場合は範囲を明確にする
広告の導入を考えている方は、参考にしてください。
複数のASPを比較してみる
アフィリエイト広告を運用しているASPは複数あり、選択肢も豊富です。知名度だけでなく、それぞれの月額費用や変動費用を比較してみましょう。その上で、自社に合ったものを選んで見積もりを取ってください。必要であれば、複数の業者に見積もりを取って比較してみると現在の相場や、業者の特徴がわかります。また、無料ASPとも比較してみましょう。
例えば、月額費用が安くてもサポートが薄いなど、業者同士を比較することで見えてくるものもあります。
実際にASPを利用した方の口コミも参考になります。特定の分野には強いが知名度が低いASPのピックアップに口コミが役立つ場合もあるでしょう。
成果報酬をむやみに高額にしない
成果報酬を高額に設定すれば、掲載を希望するアフィリエイターが増えて多くの場所に広告が掲載されるメリットがあります。しかし、成果報酬をむやみに高額にしてはいけません。成果報酬が高額なゆえに、製品とマッチしないところに広告が表示されてしまう、もしくは不正な宣伝が行われてしまうなどデメリットもあります。掲載箇所が多くなると、管理も大変です。しかし安すぎても、掲載を希望するアフィリエイターが減ってしまいます。
成果報酬はASPとも相談して適正価格を設定しましょう。力を入れたい製品やサービスがある場合は、そのときだけ特別報酬を設定するなど対策した方が効果が期待できます。
外部に作業を委託する場合は範囲を明確にする
社内でアフィリエイトを運用するリソースがなく外部に委託する作業を依頼する場合、委託範囲を明確にしましょう。例えば、広告ページの作成やライティングの文章の執筆といった部分的な作業を依頼する、広告代理店に必要な作業を丸ごと依頼するといった選択肢があります。
部分的な作業依頼の方が費用がかかりませんが、人的リソースが十分でないとせっかくの成果物を活かせません。運用のすべてを依頼すれば人的リソースを割く必要がありませんが、予算オーバーになるデメリットもあります。
どちらが適正か、よく考えた上で判断しましょう。
費用をかけたアフィリエイト広告を効果的に運用するポイント
最後に、費用をかけたアフィリエイト広告を効果的に運用するポイントとして以下の3点を紹介します。
- 広告掲載してくれるところを順次増やしていけるようにする
- ASPと定期的に話し合いの場を設ける
- 力を入れる製品・サービスの広告には費用をかける
実践できるものがあれば、積極的に取り入れてみてください。
広告掲載してくれるところを順次増やしていけるようにする
広告が掲載されるサイトが増えるほど宣伝効果は高くなります。そのため、以下のようなことを実践して広告掲載ヶ所を増やす努力をすると効果的です。
- 競合商品よりも優れている、類似商品はあるが差別化が図れている、売上実績があるなど根拠を挙げてアフィリエイターを集める
- 製品やサービスによっては特別報酬を設定する
- 実績を出しているメディア運営者に報酬単価アップなどを交渉材料に、優先的に広告を掲載してもらったりレビューを書いてもらったりするなど交渉する
特に、類似品が多い製品やサービスは他社との差別化が重要です。アフィリエイターが「売れそうだ」と思う製品やサービスだと思ってくれるよう、伝達方法を工夫しましょう。
ASPと定期的に話し合いの場を設ける
アフィリエイト広告で一定の効果を出すためには、定期的な話し合いの場を設けることも大切です。ASPは自社の商材に合っているか、広告形式と自社の商材との相性はどうかなどを定期的に確認するのも仕事です。
一方広告主は、定期的にアフィリエイターのサイトをチェックして、正しく広告が掲載されているか確認が大切になります。その結果、改善が必要ならその旨をASPの担当者と話し合いましょう。
もし、話し合いを重ねても改善が見られない場合は、ASPの変更を検討することをおすすめします。広告出稿の代理店に依頼しているなら、ASPの代わりに代理店の担当者と定期的な話し合いが必要です。
力を入れる製品・サービスの広告には費用をかける
力を入れる製品・サービスの広告には別途予算を組んで一定の費用をかけましょう。例えば、特別成果報酬単価などを設ける、もしくは影響力の強いインフルエンサーに名指しで宣伝をお願いするなどです。
アフィリエイト広告は既存の広告に比べて費用を抑えられますが、それでも適切な値段設定は重要です。アフィリエイト広告を掲載していると、非常に影響力の強い人物が製品を買ったりサービスを利用したりして、一気に知名度と人気が高まる場合もあります。しかし、そのような事例は稀です。必要ならばASPとその都度話し合いましょう。
まとめ
アフィリエイト広告を出すには一定の費用がかかります。既存の広告より費用がかからないケースが多いですが、費用をかけずに高い効果を上げるのは難しいでしょう。
アフィリエイト広告の目安や相場を把握しておき、高すぎず安すぎずにならないように設定してください。まずは、ASPと契約する前に自社でもアフィリエイトに関する知識を身につけておきましょう。
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