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【プロが解説】リスティング広告のキーワードを選定する方法

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リスティング広告の出稿をご検討されている方のなかには「キーワードの選定方法がわからない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、100社以上のWebマーケティング支援に携わってきたマーケティングのプロが、リスティング広告のキーワードを選定する方法を解説します。
キーワードを選ぶ際の注意点やよくある失敗例も紹介しますので、リスティング広告の出稿をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

目次 ー この記事で分かること ー

リスティング広告におけるキーワードとは

リスティング広告におけるキーワードとは、ユーザーが検索する語句に対して広告が表示されるように、広告主が設定する単語やフレーズのことです。

適切なキーワードを設定することで、より確度の高いユーザーに対して広告を表示できます。

しかし、適切なキーワードを設定するためには、ユーザーのニーズを分析して、検索されそうな単語やフレーズを予測する必要があります
また、設定したキーワードに対して、広告を表示する範囲も決めなければなりません。

一見難しそうですが、これから紹介する、キーワードを選定する際のステップや注意点を守ることで適切に選定できますので、ぜひ最後までご覧ください。

リスティング広告のキーワードを選定する際の7つのステップ

宣伝する商品・サービスの名称やカテゴリ名をキーワードに設定しただけでは、潜在的なユーザーにアピールすることはできません。
そこでここからは、キーワードを選定する際に必要な7つのステップを解説します。

ステップ①自社の商品・サービスの魅力を理解する

リスティング広告のキーワードを選定する際は、まず宣伝したい商品・サービスの魅力を把握することが大切です。

そのために、商品・サービスを深く理解している商品開発者や、販売担当者などに以下の項目をヒアリングしましょう。

商品開発者や販売担当者にヒアリングする項目

  • 商品・サービスの内容
  • ターゲット
  • 強み
  • 弱み

また、SNSや口コミサイトを確認して、実際に商品・サービスを購入した顧客の感想をキーワード選定の参考にすることもおすすめです。

このような整理に重要なのがペルソナ設計になります。
ペルソナ設計については下記記事で詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。

ステップ②競合分析で自社のアピールポイントを把握する

キーワード選定における2つ目のステップは、競合他社の商品・サービスを分析することで、自社のアピールポイントを把握することです。

まずは、分析のために競合他社のWebサイトを閲覧し、商品・サービスの価格や納期、強みといった情報を収集しましょう。

さらに、競合他社が配信している広告の内容を確認することでも、競合他社のアピールポイントを理解できます。

集めた情報をもとに、競合他社と比較して、自社の優れている点と劣っている点を洗い出しましょう。
優れている点がわかることで、その美点に魅力を感じるユーザー層が想定できるため、ターゲットの絞り込みにも役立ちます。

ステップ③ユーザーニーズを分析する

ユーザーニーズの分析もリスティング広告のキーワード選定時には欠かせません。

ユーザーニーズを分析するためには、実際に商品・サービスを購入した顧客への理解を深めることが大切です。
以下のような顧客情報を集め、顧客像を明確にしましょう。

ユーザーニーズの分析に必要な顧客情報

  • 年齢
  • 性別
  • 商品・サービスを知ったきっかけ
  • 商品・サービスを購入した理由

上記の情報から浮かび上がった顧客像に対して、訴求力のあるキーワードを絞り込みます。

ステップ④軸となるキーワードを決定する

これまでの3つのステップで絞り込んできたキーワードのなかから、軸となるキーワードを決めます。

キーワードを「固有名詞」「商品・サービス名」「ニーズ」「購入のタイミング」に分類することで、ユーザーが検索しそうなキーワードが想像しやすくなります。
例として、ワイヤレスイヤホンを探しているユーザーを想定した際の分類を、以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

ワイヤレスイヤホンを探しているユーザーを想定したキーワードの分類の例

キーワードの分類キーワードの例
固有名詞SONYのワイヤレスイヤホン
商品・サービス名ワイヤレスイヤホン Bluetoothイヤホン
ニーズ高音質 ロングバッテリー 防水 ノイズキャンセリング 安い
購入のタイミング買い替え プレゼント

分類したキーワードを「ワイヤレスイヤホン 高音質 安い」のように組み合わせて、軸となるキーワードを決定していきましょう。

ステップ⑤サブキーワードを決定する

軸となるキーワードが決定したら、サブキーワードを選定するステップに移りましょう。

サブキーワードとは、軸となるキーワードと掛け合わせて検索されることが想定されるキーワードのことです。
サブキーワードからは、ユーザーがそのキーワードを検索した背景を推測できます。

たとえば「イヤホン 耳に入らない」と検索している場合は、イヤホンの耳に差し込む部分であるイヤーピースが、耳の大きさに合わないことに悩んでいることがうかがえます。
もし、自社の販売するイヤホンに、小さいサイズのイヤーピースが付属している場合は、このサブキーワードを設定しましょう。

なお、サブキーワードを選ぶ際は、Googleなどの検索窓にキーワードを入力した際に表示されるサジェストを参考にすることがおすすめです。
また「ラッコキーワード」という無料のツールを使用することでも、軸となるキーワードと一緒に検索されている語句を知ることができます。

サブキーワードを上手に活用して、より確度の高いユーザーへの広告表示を目指しましょう。

ステップ⑥キーワードのマッチタイプを決定する

リスティング広告のキーワードを選定する際は「マッチタイプ」を適切に設定することが欠かせません。

マッチタイプとは、設定したキーワードとユーザーが検索した語句にどのくらいの関連性があるときに、広告を表示するのかを決める条件のことです。
マッチタイプには、主に「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3つの条件が存在します。
以下で、それぞれのマッチタイプを解説しますので、参考にしてください。

完全一致

完全一致とは、設定したキーワードと検索されたキーワードが完全に一致している場合にのみ、広告が表示されるマッチタイプのことです。

たとえば、マッチタイプを完全一致に設定したうえで「イヤホン 高音質」をキーワードに設定している場合は「イヤホン 高音質 安い」という検索には広告が表示されません。

フレーズ一致

フレーズ一致とは、設定したキーワードが含まれている場合は、設定されていないキーワードが、あいだや前後に入っていても広告が表示されるマッチタイプのことです。
また、フレーズ一致では、設定したキーワードの語順が異なる場合であっても、基本的に広告が表示されます。

したがって「イヤホン 高音質」というキーワードをフレーズ一致で設定している場合は「高音質 防水 イヤホン」という検索にも対応することが可能です。

部分一致

部分一致は、設定したキーワードと検索されたキーワードが関連している場合に広告が表示されるマッチタイプのことです。

たとえば「イヤホン 高音質」というキーワードを部分一致で設定している場合は「音楽用 ワイヤレスイヤホン」という検索に対しても広告が表示される可能性があります。
マッチタイプを部分一致に設定すると、非常に広範囲のユーザーに広告を見てもらうことが可能です。

ステップ⑦除外キーワードを決定する

除外キーワードとは、一緒に検索された際に、広告を表示させないように設定するキーワードのことです。
除外キーワードを設定することによって、ニーズの合わないユーザーや利益につながらないユーザーに対して広告を表示することを防げます。

たとえば、高級なイヤホンの広告で「格安」「激安」といった単語を除外キーワードとして設定すると、安価なイヤホンを探しているユーザーには広告が表示されません。

また「故障」や「キャンセル」といったネガティブなキーワードを除外キーワードに設定することで、売り上げにつながりにくい検索への広告表示を減らせます。

リスティング広告のキーワードを選定する際の4つの注意点

ここからは、リスティング広告のキーワードを選定する際に押さえておきたい4つの注意点を解説します。

注意点①キーワードプランナーで入札単価と競合度を確認する

キーワードを選定する際は、キーワードプランナーを用いて、入札単価と競合度を確認することが大切です。
なぜなら、リスティング広告では、入札単価と競合度によって1クリックごとにかかる費用が決定されるためです。

入札単価とは、1クリックごとにかかる費用の上限額のことで、低く設定すると費用を抑えられますが、その分広告表示の回数が少なくなります。
また、競合度とは、同じキーワードを設定している他社の数を表す数値です。
競合度が高い場合は、入札単価を高く設定しなければ広告の表示回数が減少してしまいます。
一方で、入札単価を高く設定しすぎると、費用対効果が下がるという点にも注意が必要です。

キーワードプランナーを使用して入札単価と競合度を調査し、バランスの取れた選択を行いましょう。

リスティング広告のクリック単価(CPC)については下記記事で詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください。

注意点②設定できるキーワード数の上限を確認する

リスティング広告で設定が可能なキーワードの数には、上限があります。

Google広告のキーワードの上限数はアカウントごとに500万個、除外キーワードは1万個です。
一方で、Yahoo!広告では、キーワードと除外キーワードを合わせて5万個までが上限です。
膨大な数であるため足りなくなる可能性は低いですが、上限があることを把握したうえで、キーワードを選定しましょう。

注意点③ユーザー目線で魅力的なキーワードを選定する

キーワードを選定した結果、せっかくユーザーに広告が表示されても、クリックされなければ意味がありません。

クリック率を上げるためにも、広告の表示回数だけではなく、その広告がユーザーにとって魅力的なものであるのかどうかを熟慮しましょう。

たとえば「イヤホン 人気ランキング」というキーワードで検索しているユーザーに対して1つの商品の広告を表示しても、ユーザーはあまり惹かれないかもしれません。
そういった場合は、除外キーワードに「人気ランキング」を設定するなどの対策を行いましょう。

注意点④キーワードのマッチタイプの特性を把握する

キーワードを選定する際は、マッチタイプの特性を把握し、目的に合うものを選ぶことも重要です。
ここからは、マッチタイプごとの注意点を説明します。

完全一致の場合

マッチタイプを完全一致に設定する際の注意点は、確度の高いユーザーへのアプローチが期待できる一方で、潜在的なユーザーへの訴求ができないということです。

完全一致を選択した場合は、設定されたキーワードどおりに検索が行われない限り広告が表示されません。
そのため、キーワードどおりに検索をしていないものの、リスティング広告をきっかけにユーザーが自身のニーズに気づく機会を失ってしまうのです。

検索ボリュームの少ないキーワードを設定する際には、マッチタイプを完全一致以外に設定することをおすすめします。

フレーズ一致の場合

フレーズ一致では、設定したキーワードと検索キーワードの語順が異なることで、検索意図が変化するとプログラムが判断した場合に、広告が表示されない可能性があります。

検索意図の異なるキーワードに対して広告を表示しないという判断は、通常は広告主にとってもメリットですが、プログラムの判断が不適切な場合はデメリットにもなりえます。

部分一致の場合

部分一致の注意点は、関連性の低い検索キーワードに対しても広告を表示してしまう可能性があることです。

たとえば「ウエディング ドレス」という検索に対して「パーティー用 ドレス」の広告が表示されることがあるかもしれません。
そういった不適切な表示を防ぐためには、除外キーワードを設定することが重要です。
上記の場合は「パーティー用」を除外キーワードに設定しましょう。

リスティング広告のキーワードを選定する際によくある失敗例

キーワードを設定し、いざ広告を出稿しても失敗してしまうことがあります。
ここからは、リスティング広告のキーワードを選定する際によくある2つの失敗例を紹介しますので、参考にしてみてください。

失敗例①キーワードのマッチタイプを活用していない

リスティング広告のキーワードを選定する際によくある失敗例の1つは、マッチタイプを活用していないことです。

リスティング広告では、マッチタイプを設定していない場合、その広告のマッチタイプは自動的に部分一致に設定される仕組みになっています。
部分一致には、関連性の低いキーワードに対しても広告を表示してしまうという特性があるため、考えなく部分一致のままにしておくと、無駄な広告表示が増えてしまいます。

また、キーワードに複数の単語を入れているにもかかわらず、マッチタイプを完全一致に設定している場合も、失敗につながる可能性が高いです。
なぜなら、複数の単語の組み合わせが完全一致する確率は低いため、広告が表示される回数が減少してしまうからです。

適切なユーザーに広告を届けるためにも、リスティング広告のキーワードを選定する際は、マッチタイプまできちんと設定することをおすすめします。

失敗例②検索クエリを検索キーワードに追加していない

検索クエリを検索キーワードに追加していないことも、キーワードを選定する際によくある失敗例の1つです。

検索クエリとは、ユーザーが実際に検索を行った語句のことです。
キーワードに検索クエリを追加することによって、よりユーザーのニーズに合わせた設定にブラッシュアップできます。

検索クエリは、Googleが無料で提供しているツールである「Googleサーチコンソール」を用いることで調べられます。
Googleサーチコンソールを使用して検索クエリを調べる手順は、以下のとおりです。

Googleサーチコンソールを使用して検索クエリを調べる手順

  1. Googleサーチコンソールのホーム画面を開く
  2. ホーム画面上の左側のバーにある「検索パフォーマンス」を選択する
  3. 「検索パフォーマンス」内の「クエリ」をクリックする
  4. 表示された検索クエリや右側に表示されている「クリック数」「表示回数」を確認する

上記の手順で検索クエリを確認し、検索キーワードとして未設定のものを追加していきましょう。

正しいステップを踏むことでリスティング広告のキーワードを適切に選定しよう

リスティング広告のキーワードを選定する際は、7つのステップを踏むことが大切です。

まずは、宣伝したい商品・サービスのアピールポイントを見つけることや、ユーザーへの理解を深めることを通して、軸となるキーワードを決めましょう。

そして、軸となるキーワードを補強するためのサブキーワードを設定したうえで、マッチタイプや除外キーワードを用いて、広告表示の範囲を絞り込むことで設定が完了します。

Webhit(ウェビット)では主に中小企業がWebマーケティング、Web集客を行ううえでのお悩みを解決するような情報を発信しております。
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この記事を書いた人

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Google広告 各種資格
Yahoo!広告 各種資格

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