アフィリエイト広告は、成果報酬型のため高い費用対効果を期待でき、ほかのインターネット広告と比べ無駄なコストがかかりにくいのが魅力です。さらに、多くのWebサイトやブログを通じて広範囲にリーチできるため、ターゲットに効果的にアプローチできるのも利点です。
そのため、アフィリエイト広告を運用し、商品やサービスの売上を上げたいと考えるWeb担当者も多いでしょう。そこでこの記事では、アフィリエイト広告を出稿する手順やコツ・メリットやデメリットを解説します。
ただし、運用するには注意点も把握しておかなければなりません。併せて運用上の注意点も解説しているため、アフィリエイト広告の出稿を失敗したくない方はぜひ参考にしてください。
アフィリエイト広告の出し方
アフィリエイト広告の出し方は以下の通りです。
- ターゲットの設定
- 広告を掲載するASPの選定
- 広告に必要な素材の準備
- アフィリエイターとの契約
- 広告の掲載開始
以下で詳しく解説します。
1.ターゲットの設定
まずはターゲットを設定します。ターゲット設定には、細かなペルソナ設計が重要です。ペルソナとは架空のユーザー像を指します。性別や年齢のほかに職業や居住環境など、できるだけ細かく設計することでターゲットを具体的に絞りましょう。
大勢のユーザーに向けて広告を発信しても、内容が刺さりにくく反響は薄くなりがちですが、一人に向けて発信することで共感を得やすくなり広告効果が発揮されやすくなります。
2.広告を出稿するASPを選ぶ
次にASPを選定し登録します。登録の際、場合によっては会社情報や事業内容などの審査や、初期費用も発生するため、登録の手順は事前に確認しておきましょう。審査内容は公開されていませんが、ランディングページの内容をチェックするASPもあります。記載内容が景品表示法や薬事法などの法に触れていないかチェックはかかさないでください。
審査に通過したら、メディア向けのPRシート作成やトラッキングタグの設定を行います。
3.報酬単価を決定しクリエイティブ作成を行う
次にASP内に宣伝したいサービスや商品を登録し、各報酬の単価を決めます。報酬の単価は同ジャンルの競合をリサーチして決定しましょう。
報酬の単価を決めたら、クリエイティブの作成を行います。複数のバナーと宣伝文を作成し、ASPに入稿します。入稿した素材はあとから追加・変更も可能です。
4.アフィリエイターと契約をする
ASP内でアフィリエイターが自社サービスや商品の掲載を決めたら、アフィリエイターと契約します。予め掲載予定のサイトを確認し、アフィリエイターの選定は慎重にしましょう。万が一掲載先のサイトで不当表示が発覚した場合、原則広告主に責任が問われるからです。
内容に問題がなければ承認し、提携を開始します。
5.広告の掲載をスタートする
アフィリエイターがサイトに広告を掲載し、その広告からサービスや商品が購入されるとASPを通して成果の通知が届きます。
その際、成果通知を承認する前に、広告が正しく掲載されているか、偽装や不正はないかを確認しましょう。問題がなければ承認し、成果報酬費用がアフィリエイターに支払われます。
アフィリエイト広告で成果を得るためのコツ
アフィリエイト広告で成果を得るためには、ポイントを押さえておくことが大切です。以下のポイントを参考に、成果を得るための環境を整えましょう。
- 成果報酬は競合と比較する
- ランディングページに力を入れる
- アフィリエイターと交流の場を設ける
- アフィリエイターに自社サービス・商品を知ってもらう
以下で詳しく解説します。
成果報酬は競合と比較する
成果報酬が安すぎるとアフィリエイターに選んでもらえません。また、高すぎても費用対効果が得られなくなります。
アフィリエイト広告の成果報酬は、サービスや商品のジャンルによって適切な価格帯があるので、同ジャンルを扱う競合をチェックして、成果報酬を決定するようにしましょう。
ランディングページに力を入れる
アフィリエイト広告で成果を得るためには、自社のランディングページも重要です。広告から多くのユーザーが訪れても、ランディングページの質が悪いと購買に至りません。
自社サービスや商品の内容やメリット、強み、他サービスや商品との違いなどを常に改善し、成果につながりやすいランディングページを作成しましょう。
アフィリエイターと交流の場を設ける
継続的にアフィリエイト広告の成果を得るには、アフィリエイターと良好な関係を築き、継続的なコミュニケーションとサポートを行なうことが大切です。
ASPには通知メールを送信できる機能があるため、アフィリエイターにバナーの変更通知やキャンペーンの予定通知などを送信し、自社の広告を積極的にアピールしましょう。
また、交流会などを開催し直接的なコミュニケーションをとるのも効果的です。その中で、信頼性の高いアフィリエイターを選定し、よきパートナーとしての関係性を構築することも、アフィリエイト広告の運用を成功させる上ではかかせません。
アフィリエイターに自社サービス・商品を知ってもらう
アフィリエイターに自社サービスや商品を直接体験してもらうのも1つの手です。実際に体験した感想を紹介してもらうことで、サービスや商品についてより詳しく紹介でき購買につながりやすくなります。
アフィリエイターに商品を貸し出したり、提供したりして体験レビューを掲載してもらうのが効果的です。
アフィリエイト広告にかかる費用
アフィリエイト広告は費用対効果が高いとはいえ、初期費用やランディングコスト、成果に応じた費用がかかる広告です。主に以下の費用がかかります。
- 初期費用
- 月額費用
- 成果報酬費用
以下で詳しく解説します。
初期費用
アフィリエイト広告を運用するにはASPへの登録が必須です。しかし、ASPへ登録するには初期費用がかかります。費用はASPによって異なるため、利用前によく検討しましょう。
中には、初期費用が無料のASPもあります。
月額費用
ASPを利用するには、毎月固定の月額費用がかかります。月額費用も初期費用と同様、ASPによって異なるため、よく検討しましょう。
初期費用が無料のASPの場合には、月額費用も無料になるケースがほとんどです。
成果報酬費用
アフィリエイト広告から成果が発生した場合、アフィリエイターに支払う報酬とASPの手数料がかかります。
成果報酬は売上の一定割合を支払う「定率型」と、制約1件ごとに決まった金額を支払う「定額型」があり、広告主が自由に設定できるので自由度が高いです。
サービスや商品のジャンルによって金額に幅があり、安すぎても高すぎても費用対効果を得られません。成果報酬額は同ジャンルの競合を参考に設定するようにしましょう。
アフィリエイト広告のメリット
ここまで、出稿の手順や成功するためのコツを紹介しました。広告を出稿するまでの手順がかかるうえ、成功するにはいくつかのポイントを押さえておかなければなりません。しかし、そこまでしてもアフィリエイト広告を始めるべき理由は以下の通りです。
- 自社商品の認知度拡大が期待できる
- 費用対効果が高く低リスクで広告運用できる
- Web集客の時間・コストを削減できる
アフィリエイト広告のメリットを、それぞれ解説します。
自社商品の認知度拡大が期待できる
アフィリエイト広告は、アフィリエイターが持つWebサイトやSNS、ブログなどのさまざまな媒体で広告を出稿します。
そのため、さまざまな市場やユーザー層に対して広告を公開でき、自社商品の認知度拡大が期待できるのが利点です。認知度が拡大すると、サービスや商品の検索数が増え、実店舗への訪問にもつながります。
認知度が拡大すれば、アフィリエイターに広告を選んでもらいやすくなるため、さらに高い成果を期待できます。アフィリエイターもアフィリエイト広告で収益を得ているため、成果につながりやすい広告を選択するためです。認知度拡大によりアフィリエイターから選ばれやすい広告になれば、新しい顧客層にリーチできるチャンスが生まれます。
費用対効果が高く低リスクで広告運用できる
アフィリエイト広告は、費用対効果が高く低リスクで広告を運用できるのがメリットです。
さまざまな媒体を利用して広告運用しても、広告出稿にかかった費用に見合う成果を出せるかはわかりません。一方アフィリエイト広告は、成果に応じて広告費用が発生するため、費用対効果を得やすい広告媒体です。広告をクリックされても購入に至らなければ、広告費用は発生しません。
また、広告を出稿する前に成果に対する報酬額を決めているため、想定外の費用がかかることがなく低リスクで広告運用が可能です。
Web集客の時間・コストを削減できる
アフィリエイト広告は、広告主に代わってアフィリエイターが持っているコンテンツで集客を行うため、広告主が自ら集客を行う必要がありません。
アフィリエイターもアフィリエイト広告で収入を得るため、自身のコンテンツにユーザーが集まるよう集客戦略を練っています。よってアフィリエイターが集客を行いサービスや商品を宣伝してくれるため、集客にかける時間やコストの削減が可能です。
アフィリエイト広告を出稿する上での注意点
アフィリエイト広告を出稿する場合は、メリットに加えリスクを把握しておく必要があります。注意すべき点は以下の通りです。
- ASPの利用コストがかかる
- イメージにそぐわない宣伝をされる場合がある
- 違反対象になるリスクがある
- 計画的に運用できずに脱落するリスクがある
以下で詳しく解説します。
ASPの利用コストがかかる
アフィリエイト広告はASPを利用するため、ASPの初期費用や月額料金、成果報酬の手数料などがかかります。万が一、アフィリエイターに広告を選んでもらえなかった場合や成果につながらなかった場合でも利用料がかかるのがデメリットです。
ASPは案件数が多いに越したことはありません。しかし、自社の方針やサービスや商品に合わないものを利用すると成果につながらないため注意が必要です。
利用するASPは慎重に選び、万が一の場合も考えておくようにしましょう。
イメージにそぐわない宣伝をされる場合がある
アフィリエイト広告は、宣伝をアフィリエイターに委ねるため、イメージとマッチしない宣伝をされてしまうリスクもあります。万が一イメージに反した宣伝をされた場合、企業イメージに悪影響を及ぼします。
ASPによって、広告主が掲載サイトの広告審査を設定できるため、希望に合わせて選んでください。
違反対象になるリスクがある
アフィリエイターが不正な宣伝を行っていた場合、原則広告主が法律上の責任を負う必要があります。そのため、掲載サイトを管理し、不当表示を行なわせないようパトロールすることも大切です。
不正な成果を排除するため、広告主には成果承認作業があります。しかし、大量の注文を目視でチェックすることや、巧妙な手口を素人が判断できずにいるため、不正をすべて防ぐのが困難な状況です。
上記のような不正を回避するためには、アフィリエイターとの信頼性を築いていくのが効果的でしょう。
計画的に運用できずに脱落するリスクがある
アフィリエイト広告は、広告にユーザーを集める必要があるため成果が出るまでに時間がかかることは覚えておきましょう。
そもそも、ASPへの登録が完了しても、アフィリエイターに選ばれなければ広告掲載はスタートしません。さらに、アフィリエイターに選ばれたとしても、掲載先サイトにユーザーが集まり、その上で商品・サービスへの興味付けに成功しなければ成果になりません。
まずは、アフィリエイターに広告を掲載してもらうために、自社サービスや商品のメリットなどをアピールし、数多くの商品・サービスの中から選んでもらうことからスタートです。
しかし、長いスパンで計画的に運用ができず脱落していく企業やメディアが多いのが現状です。脱落しないためには、同ジャンルの競合をチェックしつつ、コツコツ運用を続けられる手段を模索していく必要があります。
まとめ
アフィリエイト広告は、ASPに登録することで誰でも簡単に出稿できます。しかし、ただ出稿するだけでは成果につながりにくいのが難点です。
アフィリエイターと積極的にコミュニケーションをとったり、サービスや商品を実際に体験してもらったりすることで、より質の高い宣伝ができ集客・収益の向上につながるでしょう。
ウェビットでは主に中小企業がWebマーケティング、Web集客を行う上でのお悩みを解決するような情報を発信しております。気になられた方はぜひ、ほかの記事もご覧ください。