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営業や紹介が強ければ、マーケティングは必要ないですよね?

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Webhit 編集部

今回は、「営業や紹介が強ければ、マーケティングは必要ないですよね?」というテーマについてお話しいただきたいと思います。お願いします。

大澤 要輔

よろしくお願いします。

Webhit 編集部

正直なところ、営業や紹介が強い企業は、マーケティングをやる必要が
あるんですか?

大澤 要輔

あります。これには理由があります。一度、皆さんが日頃行っている
「営業活動」に立ち返って考えてみてください。

大澤 要輔

たとえば、テレアポでも飛び込み営業でも、快く話を聞いてくれるのはどのような人でしょうか。
それは、最初から自社の商品に興味がある人や、すでに解決したい課題がはっきりしている人、買う可能性が高い人、いわゆるニーズのある「顕在層」の方々でしょう

大澤 要輔

もちろん、ニーズが顕在化している層だけでなく、潜在層へのアプローチも必要です。
お客様との関係性を構築し、見込み顧客を育てていく(リードナーチャリング)というプロセスは、通常の営業活動でも行われていることでしょう。

大澤 要輔

しかし、ここで冷静にリソースの配分を考えてみてください。
「今すぐ売上に直結する、あるいは来月には成約する可能性の高いお客様」と、「現時点ではニーズがなく、いつ動くかも分からないお客様」。この両者が目の前にいるとき、限られた経営リソースをどちらに優先
して割くべきでしょうか……?

Webhit 編集部

それはもう、間違いなく前者ではないでしょうか……?

大澤 要輔

おっしゃるとおりです。当然、優先すべきは前者(今すぐ客)でしょう。そうなると、次にそれ以外の方々にどうアプローチするかという
課題が生まれ、そこでマーケティングが必要になります

大澤 要輔

マーケティングを一言で定義するなら、「自然とお客様に選ばれる状態を作ること」です。
こちらから「このサービスは素晴らしいです」「御社に最適です」と
営業をかけずとも、「ぜひ御社にお願いしたい」というお問い合わせが
舞い込んできます。その状態をいかに作り出せるかが肝心です。

Webhit 編集部

なるほど、「ぜひ御社にお願いしたい」と言われる状態が実現できれば、営業としてはこれほど心強いことはないですね。

大澤 要輔

はい。顕在層の方はニーズがあるとはいえ、必ず他社と比較し、自社に合うかどうかを検討する時間が必ずあると思います。

その際に、例えば競合サービスとの比較コンテンツなどを提供できれば、お客様が抱いている懸念を先回りして解消することができるかも
しれません。

大澤 要輔

一方で潜在層の方は、『今すぐ依頼するわけではないが、情報は持って
おきたい』と考えています。
そうした方々に対しては、メールマーケティングでの情報提供やセミナーの開催、サービス資料の送付などを通じて接点を持ち続ける。
そうすることで、潜在層のお客様も徐々に興味を深め、やがて顕在層へ変わっていくということが起きます

大澤 要輔

もちろん、営業による紹介が強く売上が立っているなら、それは素晴らしいことです。
しかし、実際にお会いしたりオンラインで打ち合わせをしたりといった直接的な営業活動には、人的リソースの限界が必ず訪れます。

大澤 要輔

特に潜在層まで含めて広範にアプローチしようとすれば、対応すべき数は膨大になります。
だからこそ、コンテンツを用いて一括で情報を届け、お客様が自社を
選びやすい状況を仕組みとして作り上げる。これがマーケティングの
本質であり、不可欠な理由です

Webhit 編集部

ありがとうございます。
お話を伺っていると、営業とマーケティングは対立するものではなく、両者が共存している状態が理想的だと思いましたが、営業とマーケティングの役割の違いについては、具体的にどのようなイメージで認識しておくべきでしょうか? 

大澤 要輔

そうですね。一言でいうと、営業や紹介が「プッシュ(押し)」である
のに対し、マーケティングは「プル(引き)」の活動です

大澤 要輔

営業は、テレアポやメールなどを通じて、こちらから「このような
サービスはいかがですか」と働きかけていく動的なアプローチです。
一方でマーケティングは、コンテンツを通じて、直接的な売り込みを
せずにお客様を惹きつける手法を取ります。

大澤 要輔

「この商品を買ってください」「契約してください」と直接口にするのではなく、提供するコンテンツに触れていただくなかで、「この会社は信頼できそうだ」「このサービスは良さそうだ」というポジティブな印象を
自然に醸成していく
。これがマーケティングの役割です。

大澤 要輔

こうした好意的な印象や信頼関係は、放置していても勝手に構築されるものではありません。
もし放っておいても集客ができるのであれば、誰も苦労はしません。
意図的に「選ばれる状態」を設計し、具体的に作り込んでいく必要が
あります

大澤 要輔

このように、マーケティングによって潜在層のお客様を育成し、ニーズが顕在化したタイミングでアポイントを設定して営業へ引き継いでいく。この一連の流れを構築することこそが、組織的な成長には不可欠です。

Webhit 編集部

ありがとうございます。営業とマーケティングの役割の違いが、今のお話で非常に明確になりました。
マーケティングという仕組みを持たず、営業や紹介だけに依存し続ける
ことには、経営上どのようなリスクが潜んでいるのでしょうか?

大澤 要輔

そうですね、紹介という手法は、確かに強力な営業手段の1つです。
しかし、経営的な観点から見れば、非常にコントロールがしにくいと
いう難点があります。

大澤 要輔

例えば、「今月は5件の紹介を獲得したい」と目標を立てたとしても、
それはあくまでお客様側の都合やタイミングで全然達成できないこともあります。
こちらがどれだけ望んだとしても、外部要因に左右される以上、意図的に件数をコントロールすることは極めて困難だと言わざるを得ません。 

Webhit 編集部

そうですよね。

大澤 要輔

また、営業を主軸に置くこと自体は否定しませんが、営業だけに頼り
切る経営にはリスクがあります
営業がアプローチするのは、いわば「上澄みの水」のような、すでに
ニーズが顕在化している層です。
そこをすくい続けているうちは良いですが、その層を当たり切ってしまった際、次の一手が打てなくなります。

大澤 要輔

本来、ニーズがある程度固まっている『準顕在層』や、これからニーズが生まれる『潜在層』に対して、あらかじめ種をまき、興味を持って
もらっておく必要があります

しかし、営業だけに依存していると、この「掘り起こし」ができて
いない。いざ営業数字が不安定になったとき、その穴を埋めるための
見込み顧客が育っていないのです。

大澤 要輔

では、その膨大な潜在層へのアプローチまで、すべて営業だけで全て
カバーするのかといえば、それは現実的ではありません。
だからこそ、仕組みとして顧客を惹きつけ、育てるマーケティングは
必須といえるのです

Webhit 編集部

なるほど、ありがとうございます。
営業や紹介が強い会社ほど、これまでは「マーケティングなんて必要
ない」と考えてきた側面もあるかもしれません。では、実際にマーケ
ティングを始めたいと考えた場合、まずはどこから手をつけるのが
正解なのでしょうか?

大澤 要輔

マーケティングを考える上で最も重要なのは、営業へどのような状態のお客様を引き渡すかを明確に定義することです
ここがすべてのスタートラインになります。

大澤 要輔

営業が受注を目指すにあたって、あらかじめ把握しておきたい情報は
多岐にわたります。
例えば、具体的な予算感、社内の意思決定のフローや決裁権限など、
案件の精度を左右する重要な要素があるはずです。

大澤 要輔

マーケティングの役割を、そうした営業が知りたい情報をあらかじめ
引き出し、精度の高い状態でお客様を渡すことと定義するのか。
または、まずはスピードを優先し、とにかく最短で最大数の接点を
営業へ供給することと定義するのか、定義をつくることが大事です。  

Webhit 編集部

なるほど。実際にマーケティングの役割をそこまで明確に言語化できている会社というのは、世の中にどれくらいあるものなのでしょうか?

大澤 要輔

少ないと思います。
よく「質の良い問い合わせが欲しい」という言葉を耳にしますが、
「質の良さ」とは具体的に何を指すのかを問われて、明確に答えられ
ないケースは少なくありません。

大澤 要輔

だからこそ、営業、マーケティング、そして経営に関わる全ての人間が
共通して理解できる言葉で、その定義を明確にし、認識を一致させて
おくことが極めて重要です

Webhit 編集部

分かりました。ありがとうございます。
認識のズレを解消してマーケティングが組織としてうまく機能し、強く
なっていった場合、営業は不要になるという地点まで到達できるもの
なのでしょうか?

大澤 要輔

そうですね。正確に言えば、「無理やりクロージングするような営業」が必要なくなります。

Webhit 編集部

なるほど。

大澤 要輔

「マーケティングが強くなるということは、言い換えれば『無理を
しなければ売れない』という状態から脱却するということです

大澤 要輔

自社独自の強みやポイントを正しく伝え、お客様が自社を選ぼうとする際に、その意思決定を阻害しないようサービスを改善し、選びやすい
環境を整えるという仕組みが機能していれば、強引なクロージングなど
必要ありません。
理想的なのは、資料を読み合わせながら淡々と対話を進めているだけで、自然と受注に至るような状態だと思います

Webhit 編集部

営業が「大変ではなくなる」という感じでしょうか……?

大澤 要輔

おっしゃるとおり、営業が大変ではなくなります。

Webhit 編集部

ありがとうございます。では、この記事を読んでくださっている方に、
最後に一言お願いします。

大澤 要輔

弊社にもよくご相談をいただきますが、「営業や紹介が強いから、
マーケティングは後回しでいい」と考える方が非常に多くいます。

大澤 要輔

しかし、実は営業と紹介でうまくいっている今こそ、一刻も早くマーケティングを仕込むべきです
なぜなら、攻めの「プッシュ(営業)」が機能しているうちに、守りで
あり、引きの「プル(マーケティング)」を構築しておかなければ、
いずれ人的リソースの限界や、紹介の不確実性に直面した際に打つ手が
なくなるからです。
プッシュとプル、この両輪を使いこなすことが、経営の安定には欠かせ
ません。

大澤 要輔

また、これまで営業一辺倒でマーケティングを未経験だった企業に必ずお伝えしているのは、マーケティングへの初期の期待値を、著しく下げてほしいということです。
「30万円かけても、ろくに問い合わせは取れない」と思っておいていただくのが丁度いいと思います。

大澤 要輔

最初から過度な期待を持たずにスタートすることで、組織としての
ポジションを冷静に認識でき、着実な改善の一歩を踏み出せるように
なる
と思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
上級ウェブ解析士
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