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「マーケティングって生成AIで大体できるでしょ!」それってホント?

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Webhit 編集部

今回は『「マーケティングって生成AIで代替できるでしょ!」それってホント?』というテーマについてお話しいただきたいと思います。
よろしくお願いします。

大澤 要輔

はい、お願いします。

Webhit 編集部

様々なところで言われていますが、マーケティングの仕事って、大体生成AIでできるって本当ですか? 

大澤 要輔

できるかできないかで言えば、できます。しかし、できるだけです

Webhit 編集部

できるだけ、といいますとどういうことでしょうか……?

大澤 要輔

そうですね。例えば、LPを作ることもできるし、キャッチコピーを作ることもできる。
広告文も作れるし、広告用の画像も作れるし、SNS投稿を作ることも
できる。しかし、「できるだけ」です。

大澤 要輔

どういうことかというと、非常に高度なプロンプトを使えたり、AI
エージェントを最大限活用できたりする、そういった一部の人間を
除けば、生成AIを使っている人の多くは、「とりあえず一回調べさせて
みよう」「一回作らせてみよう」といった使い方をしているケースが、
まだまだ非常に多い
と思います。

大澤 要輔

その結果として出てくるアウトプットについて、使うかどうかは各会社の判断に委ねられるのですが、正直なところ、「それでいくんですか?」と思ってしまうレベルのものも、かなり多いのが現状です。

Webhit 編集部

たしかに、誰にでもできますね……。

大澤 要輔

はい。表面上綺麗なものを作ることはできます。
しかし、表面上きれいなだけのものしか作れていないのであれば、新卒と同じレベルの仕事になってしまうため、正直あまり意味はありません。結局、「あくまでできるだけ」と言っている理由は、そこに意図がない
からです。

大澤 要輔

マーケティング活動というのは、本来、会社の意図を市場に対してきちんと伝えていく行為です
その意図に対してお客様が共感し、納得し、その結果として「選ばれる」というプロセスがあります。
そのため、なんとなくきれいな言葉を並べて、仮に集客ができたとしても、その後が続くかどうかはまったく別の話です。

大澤 要輔

例えば、AIで作ったキャッチコピーを見て来た人が、

・自社の商品やサービスに対して深い共感や理解を示してくれるのか
・一度購入したあと、継続的にファンになってくれるのか
・その後も売上に貢献してくれるのか、契約を継続してくれるのか

そこまで考えた上でマーケティングを設計しているかどうかが、本質的には重要です

大澤 要輔

だからこそ、自分たちの会社として、

・どういう背景があって、どういう意図でこのキャッチコピーにしているのか
・どういう意図でこのLPにしているのか
・どういう意図でこのクリエイティブを作っているのか

という説明ができる状態でなければいけません。
そこがないまま作られたアウトプットは、どれだけ見た目が整っていても、マーケティングとしては成立しない、という話です。

Webhit 編集部

なるほど。
AIを使うにしても、最終的な意図と戦略が伴わなければ意味がない、ということですね。

大澤 要輔

おっしゃるとおりです。
例えば、生成AIを使えば、非常にインパクトの強いキャッチコピーを作ること自体はできます。
お客様の期待値を異様に高めるような表現も、正直いくらでも作れるでしょう。

大澤 要輔

しかし、それを見て「なんかすごく見栄えがいいものができたから、
これを使っちゃおう」と、そのまま広告に出したとしましょう。
そうすると、その広告を見たお客様は、「こういうサービスなんだ」と
認識します。

大澤 要輔

その上でお問い合わせをして、実際にサービスの説明を聞いたときに、「でも、広告で見た内容と全然違いますよね?」となった場合、その
お客様は本当に買うと思いますか……?

Webhit 編集部

買わないと思います。

大澤 要輔

そうですよね。なぜこういったことが起きてしまうのかというと、理由はシンプルで、意図なくキャッチコピーや広告を作っているからです。
生成AIを使って、とりあえず作って出すだけであれば、正直誰でもできます。事務員さんでもできますし、新卒でもできますし、特別な専門性がない人でも「形としては」作れてしまう。

大澤 要輔

ただ問題なのは、次のような設計が一切ないまま作ってしまうと、
会社にとってはほとんど意味がない、という点です。

・どういう意図で
・どんな仮説を立てて
・何を検証したくて
・何のためにこの施策をやっているのか

大澤 要輔

本来、マーケティング施策というのは、会社のお金を使ってテストを
していくものです
「こういう意図で、こういう出し方をした結果、うまくいったのか、
いかなかったのか」を検証しなければいけません。
しかし「AIが出したものがうまくいったか、いかなかったか」だけを
見てしまうと、何が良くて何が悪かったのかが分からない
のです。

大澤 要輔

そうなると、「じゃあこのAIの出力がダメだったから、次は別のAIに、
別の案を出させてみよう」という、ただの繰り返しにしかなりません。

Webhit 編集部

なるほど、それでは何の意味もないですよね。

大澤 要輔

はい。先ほどお話ししたように、検証意図を1つひとつ設計していくと、

「このパターンでは取れないのであれば、次はこのパターンなら取れるのではないか」
「この仮説で出していたが、この仮説自体が外れている可能性が高い」

といった判断ができるようになります

こうしたプロセスを踏むことで、会社にノウハウが蓄積されていきます。

大澤 要輔

つまり、自社のマーケティングにおいて、次のようなことが徐々に分かるようになるのです。

・どの数字で勝ちに行くと負けやすいのか
・どの数字であれば勝てる、もしくは勝てる可能性が高いのか

大澤 要輔

一方で、この部分を軽視して、

「生成できたものをとりあえず突っ込めばいい」
「スピード命だから、まず出してみよう」

というスタンスの人たちは、生成AIが出したものを出して、ダメだったら次のものを出して、またダメだったら次を出してということを繰り返すと、結果としてコストだけが消化されていきます。

大澤 要輔

そして最終的に、

「もう使える予算がありません」
「生成AIが出したものって、やっぱりダメかもしれませんね」

というところで終わってしまうケースが非常に多くあります。

大澤 要輔

結論としては、生成AIで「できる」ことは確かに増えたけれど、
「ただできるだけ」になってしまっている
それが現時点での一番正確な回答だと思います。

Webhit 編集部

はい、わかりました。ありがとうございます。
では、今お話しいただいたことを踏まえて、世間ではなぜ「マーケティングの仕事は生成AIでもできる」と言われているのでしょうか……?

大澤 要輔

ありがとうございます。 例えば、比較的よくあるマーケティング認識として、次のような捉え方をしている人が非常に多いと思います。

・広告を出すこと
・SNSの投稿を作ること
・Webサイトを作ること
・記事を作ること

大澤 要輔

つまり、最終的に目に見えるアウトプットだけを切り取って、それを
マーケティングだと認識しているケースが多いということです

Webhit 編集部

なるほど。マーケティングを勘違いしている人が多いのですね……。

大澤 要輔

はい。
先ほどお話ししたとおり、マーケティングとは、最終的にお客様から
自然に選ばれる状態をつくるまでの一連のプロセス全体を指します

そのため、最終的に出てくる一部のアウトプットだけを切り取って「これがマーケティングだ」と考えること自体が、そもそも大きな筋違いです。
しかし、この前提を理解できていない人が、実際には驚くほど多いのも現状です。

大澤 要輔

そして、よく分からないクリエイティブを延々と作って広告費を投下
し続け、それでも成果が出ないという結果になります。すると今度は、

「広告代理店が悪い」
「広告が悪い」
「広告文が悪い」
「Googleの媒体が悪い」

と、原因を外に求め始めます。

大澤 要輔

しかし、そういう発想に至ってしまう根本原因は

「広告を出すことがマーケティング」
「SEOやSNSをやることがマーケティング」

といった、マーケティングに対する大きな勘違いにあります

大澤 要輔

この勘違いがあるからこそ、「マーケティングの仕事なんて、生成AIで
できるでしょ」という認識が生まれます。
たしかに、生成AIは、記事を書くこともできますし、広告文を作ることも画像を作ることもできます。

大澤 要輔

そのため、マーケティングを“アウトプット作業”だと誤解、勘違いし、「これならマーケティングは、AIで全部できるのでは?」と思う人が
大量に生まれているのです。

Webhit 編集部

なぜマーケティングがAIで全部できると勘違いされているのかが、
よくわかりました。

大澤 要輔

はい。これをもし経営者の方が見ているのであれば、少し考えてみて
ください。使用している生成AIは、ChatGPTでもGeminiでもClaudeでも何でもけっこうです。

大澤 要輔

仮に自分が飲食店を経営しているとしましょう。
例えば居酒屋を経営している経営者だとして、「このエリアで居酒屋を
やっています。経営の仕方を教えてください」と生成AIに聞いたとします。そのとき、出てきた回答すべてに納得できるのであれば、確かに
経営はできるのかもしれません。しかし、その内容を採用するかどうかを決めるのは誰か、という話です。

Webhit 編集部

なぜマーケティングがAIで全部できると勘違いされているのかが、
よくわかりました。

大澤 要輔

「こういう施策をやったらいいんじゃないですか」とAIが言ったとして、その責任を取るのは誰なのか、そこから改善していくのは誰がやるのかに関しては、AIではないと思います。それは経営者が責任を持って判断し、改善していかなければならないことです

大澤 要輔

同じように、もし営業担当者の方が見ているのであれば、例えば自分たちがBtoBのツールを扱っている会社だとします。
「うちのツールはこういう特徴で、ターゲットはこういうお客さんです。どうやって売ればいいですか」とAIに聞いたとしましょう。
そうすると、それっぽい売り方はいくらでも出てきます。

大澤 要輔

しかし、その内容をそのままお客様に伝えたとき、本当にお客様は納得するでしょうか……?

Webhit 編集部

納得できないと思います。

大澤 要輔

そうですよね。営業担当者であれば分かることだと思いますが、営業の仕事は、以下のようなことを把握したうえで、推し量りながら進めていくことが絶対に必要です。

・お客様が今どんな感情で話を聞いているのか
・お客様の社内で何の優先度が高くて、何の優先度が低いのか
・その担当者の上長がどんな人物なのか
・社内のカルチャーがどういうものなのか

大澤 要輔

つまり、AIを活用して「それっぽい答えが出てくるから、生成AIが営業できる」と本当に言えるでしょうか……?あなたの代わりに、そこまで推し量ってやってくれますか……? ということです。
自分の職種に置き換えて「AIは自分の仕事を本当にできると言えるのか?」と考えてみてください

大澤 要輔

おそらく、ほとんどの人が「いや、それはまだ無理じゃないか」と思う
部分が、1つや2つ必ずあるはずです。
それなのに、なぜマーケティングの仕事だけは「生成AIが全部できる」と思ってしまうのか。そこを次に問いたいですね。
ここまで話しても「マーケティングだけは生成AIでできる」と思う人が
いるとしたら、正直、非常に想像力が足りない
と思います。

Webhit 編集部

ありがとうございます。
ではそれも踏まえて、今の生成AIがマーケティング領域でできること、
できないことというのは、どのあたりでしょうか?

大澤 要輔

マーケティングで言うと、まず各種アウトプットの「たたき」を作ることはできます
それから、出てきたアウトプットが自分で作ったものであれ、生成AIが
出したものであれ、何らかのアウトプットをブラッシュアップすることもできます

大澤 要輔

あとは、今手元にあるアウトプットを別の形にコンバートする、という使い方もできるでしょう。
例えば、記事をXの投稿にするとか、記事から図解を作るとか、記事の内容を動画化するとか。そういった形で、既存のコンテンツを別の形式に変換することができる、という点は1つのポイントだと思います

Webhit 編集部

ありがとうございます。
逆に生成AIではできないと思うことはありますか……?

大澤 要輔

難しいと感じるのは、一発で実務にそのまま使え、なおかつ世に公開できるレベルのクオリティのものを作ることです
もう1つできないのは、人と人とのコミュニティの中に存在する、さまざまな事情を踏まえたアウトプットを、一発で出すことです。

Webhit 編集部

なるほど。たしかに。

大澤 要輔

あとは、元となるコンテンツが存在しない状態で、強い属人性を伴う
コンテンツを生み出すことはできない
という点もあります。
他にも細かく挙げれば色々ありますが、ひとまず「できること」
「できないこと」で大別すると、このあたりに整理できるのでは
ないでしょうか。

Webhit 編集部

はい、ありがとうございます。
では、今のところでいうと、人間がやった方がいいマーケティング業務は何がありますでしょうか……?

大澤 要輔

結論として人間がやった方がいいマーケティング業務は「全部」です
AIの力は、私自身もそうですが、多くの場面で積極的に借りたほうがいいと思います。ただし、AIに任せるのではなく、あくまでAIの力を借りるという前提で使わなければいけません

Webhit 編集部

はい。そうですよね。

大澤 要輔

先ほど「全部」と言ったのは、すべてを人間が手作業でやりなさいと
いう意味ではありません。
しかし、人間が一度もやったことのない業務を、生成AIに丸投げした
ところで、高いクオリティのものは作れない
、という話です。

大澤 要輔

例えば、「Google広告を出したい。広告文を作ったことがないからAIに
作らせよう」と考え、実際に作らせて、そのまま出稿する。
こういうことは平気で起きています。

大澤 要輔

しかし、Google広告の広告文を作ったことがない人間が、生成AIに
まともな指示を出せるのか、そして適切なフィードバックができるのか
一度考えてみてください。結論から言えば、まず無理でしょう。

大澤 要輔

そうなると、生成AIを使ったとしても、大したアウトプットは出てきません。だからこそ、一度はGoogle広告の広告文を自分で作り、自分で
改善してみる。

大澤 要輔

そこで頭をひねるというプロセスを踏むことが必要です。
その経験があって初めて、生成AIに対して適切な指示を出したり、生成AIが出したものに対して的確なフィードバックを返してブラッシュアップさせたりすることができるようになります

Webhit 編集部

なるほど、そういうことですね。
要するに、生成AIをいくら使っても、それを扱う人自身がその業務の
基本的な理解や経験を持っていなければ、AIの力を最大限に引き出す
ことはできない、ということですよね。

大澤 要輔

おっしゃるとおりです。
そういう意味で、人間がマーケティング業務を生成AIに多く任せたい
のであれば、その分だけ多くの経験を積まなければいけません

大澤 要輔

やったことがないことを生成AIに投げて、さも仕事ができたかのように見せるのは、仕事ができる“ふう”になっているだけです。
正直なところ、あなたの能力は1ミリも変わっていないという事実に早く気づいてほしいなと思っています。

大澤 要輔

本当にマーケティングの成果を出したい人、あるいは生成AIを活用して
マーケティングのアウトプットのスピードも質も最大化したいと考えて
いる人ほど、一度マーケティング業務をすべて自分でやってみてください
、というのが私の結論ですね。

Webhit 編集部

はい、ありがとうございます。
では、現時点の状況を踏まえると、生成AIは今後さらに発展していくことが予想されますが、その場合、マーケティングは完全に自動化できると思いますか……?

大澤 要輔

マーケティングを完全に自動化するのは、無理だと思います
ただし、これは別に手前味噌な話をしているわけではありません。
そもそもマーケティングというのは、その言葉どおり「マーケット」を相手にする仕事です
そう考えたときに、生成AIには本質的な限界があります。

大澤 要輔

1つは、生成AIが取得・参照できる情報には限界があるという点。
もう1つは、人間が人間に対して話す・伝えるという行為と、人間が生成AIに指示を出すという行為が、現時点では完全に同質化していないという点です。

大澤 要輔

この2つが解消されない限り、マーケティングを生成AIだけで完結させるのは、正直かなり難しいと言わざるを得ません。 

Webhit 編集部

なるほど。

大澤 要輔

なぜかというと、そもそもマーケットというのは「生もの」なんです。日々、刻一刻と動いています。今この文章を読んでいるその1秒、
1分の間にも、マーケットは変化し続けています。
だからこそ、昨日までうまくいっていたやり方が、今日は通用しなく
なる、ということは珍しくありません。

大澤 要輔

どれだけ優れたデータを生成AIに与えたとしても、
どれだけ「これまでうまくいった成功パターン」を学習させたと
しても、明日にはそのパターンがまったく機能しなくなる、という
ことは普通に起こり得ます

大澤 要輔

そう考えると、「自社の成功事例を食わせたから、生成AIは良いアウト
プットを出してくれるはずだ」という発想は論理的に成り立たない、と
いうことが理解できるでしょう。

大澤 要輔

また、常に変化し続けるものに対して、AIだけで完全に自動化できるのかと言われると、正直なところ、疑問符がつきます
変化の“動き”を人間側がきちんと理解していなければ、生成AIに指示を
出すことも、アウトプットを承認することも、適切な判断を下すことも
できません。

大澤 要輔

そのため、結局、

「マーケットを押さえにいく」
「マーケットの変化を自分の目で把握しにいく」

という行為そのものは、人間が必ずやらなければなりません

Webhit 編集部

たしかに、生成AIが常に変化し続けるものに対して全て対応できるかは
難しそうですね。

大澤 要輔

はい。もう1つが、「生成AIが拾える情報には限界がある」という点
です。例えば、お客様インタビューを想像してみてください。

大澤 要輔

自分が営業担当として受注したお客様に対して、導入から3ヶ月後に
インタビューを行うケースです。
そのお客様とは、すでに関係性ができていて、思い入れもあり、
ある程度ざっくばらんに話せる関係になっているとします。

大澤 要輔

そういう前提のもとで、1時間ほど雑談も交えながらインタビューを
行い、言葉の端々やニュアンス、間の取り方、表情なども含めて情報を吸い上げていく。
こうしたインタビューと、同じことを生成AIに置き換えて完全に再現
できるか、というと、現実的にはかなり難しいでしょう。

大澤 要輔

この「関係性がある人間同士だからこそ引き出せる情報」や、
「その場の空気感を含めた情報取得」は、現時点の生成AIでは
代替できない領域です

Webhit 編集部

やはり、マーケットの動きを自分の目で押さえ、変化を肌で感じながら判断することは、人間にしかできない重要な役割というわけですね。

大澤 要輔

はい。
これを読んでいる皆さん自身の立場に置き換えて考えてみてください。
例えば、自分のことをよく知っている慣れ親しんだ人や、顔も性格も
分かっていて、ある程度信頼関係ができている相手からインタビューを受ける場合と、Googleフォームで送られてきたアンケートに回答する
場合とで、まったく同じ内容・同じ熱量で答えられますか……?
多分、無理ですよね。

大澤 要輔

もちろん、「それが生成AIだったらどうか」という話はあると思います。例えば、ChatGPTを使ったインタビューツールのようなものが送られてきて、「いつもご利用ありがとうございます。これからいくつか質問を
しますので、お答えいただけますか?音声での回答も可能です」と
いった形で、ChatGPTが音声で話しかけてきて、こちらも音声入力で
回答する。そういう体験は、技術的にはできます。

大澤 要輔

しかし、それでもなお、人間、それも慣れ親しんだ相手から直接インタビューされるときと、まったく同じ内容・同じ深さの回答ができますか……?というと、やはり難しいと思います。

Webhit 編集部

そうですね。難しいと思います。

大澤 要輔

はい。多くの人が多分返せないし、返さないと思います。
なぜかと言うと、生成AI相手に、別にそこまで気を使って話す必要は
ないから
だと思います。わざわざ言葉を選んで、本音を引き出される
前提で話す必要はない
ですよね。

大澤 要輔

そう考えると、少し前にニュースになっていましたが、「生成AIと
付き合う」「生成AIと結婚する」といった話題もありました。

大澤 要輔

しかし、少なくとも現時点では、日本の人口の大多数が、生成AIと日常的に会話し、人間とまったく同じ感覚で接する、つまり、AIに話すのと人間に話すのが完全に同じレベルになる文化には、まだなっていないと思います。

大澤 要輔

このレベルに到達しない限り、お客様から得られる情報量や情報の
質には、必ず差が出ます。

大澤 要輔

人間が直接取りに行く情報と、AIが取りに行く情報とでは差が出る
ため、マーケティングは結局、最後の最後は「現場が命」だと言える
でしょう

大澤 要輔

これは社内マーケティングでも同じです。
社内に対してであれば、従業員やスタッフとの関係性。
社外に対してであれば、お客様の担当者、社員、役職者、あるいは社長
との関係性。
そうした関係性ができていて初めて、「そこまで言ってくれるのか」と
いう話が引き出せるようになります。

大澤 要輔

この部分まで含めて、生成AIが完全に代替できるような文化、つまり「AIと話すのが当たり前で、人間と話すのと何も変わらない」という
世界になれば、可能性はあるかもしれません

大澤 要輔

しかし、正直なところ、そこに到達するのはかなり難しいのではない
かと思います。
なぜなら、人は「相手が人間だと認識できている」からこそ、対等な
会話ができるからです。
相手がロボットだと思った瞬間、本音なんて言わないと思います

大澤 要輔

もちろん、人に言えないことを吐き出す捌け口としてChatGPTを使ったり、悩み相談をしたり、という使い方は十分あり得ます。
しかし、それをビジネスで使えるレベルの情報として引き出せるかと
いうと、話はまったく別です。
信頼関係がない相手から、本質的な情報を引き出せるかというと、
やはり難しい
でしょう。

大澤 要輔

こうした点を踏まえると、現時点では、AIと人間とでは「拾える情報」に明確な差があると言わざるを得ません。

大澤 要輔

そのため、私は大きく分けると今お話しした2つの理由から、AIが
どれだけ進化したとしても、マーケティングが完全に全自動化される、という未来は、正直なところなかなか難しいのではないかと正直思っています。

Webhit 編集部

はい、ありがとうございます。
では、この記事を見てくださっている方に最後に一言お願いします。

大澤 要輔

はい、そうですね。
もし「マーケティングは生成AIですべてできるでしょう」と思っている方がいるのであれば、その考えはできるだけ早く改めたほうが、その会社のマーケティングは確実に伸びると思います。 

大澤 要輔

もちろん、「マーケティングにAIを使うな」という話ではありません。
むしろ私は、AIはどんどん活用すべきだという立場です。
ただし、使い方を間違えると危険です。
活用の仕方を考えず、ただ生成AIの言う通りに作って出しているだけで
あれば、それはAIに振り回されているだけ
だと言えます。

大澤 要輔

実際、生成AIに適切な指示を出したり、的確なフィードバックを返したりできなければ、AIが出すアウトプットのクオリティは上がりません
結果として、出したところで大した効果のないものが出来上がる、と
いう状態になります。

大澤 要輔

もし、マーケターの方や社内のマーケティング担当者の方がこれを見ているとしたら、ぜひ自覚してほしいのですが、「生成AIで全部できるでしょう」と言って、入力して出てきたアウトプットをそのまま使っている
だけだと、その人はマーケターでもマーケティング担当者でもありません。それは生成AIのプロンプト入力代行屋です。

大澤 要輔

それらしいアウトプットが出てくるため、

「自分はマーケティングのスキルが身についてきている」
「成果を出している」

と勘違いしやすくなります。

大澤 要輔

そして、周囲から評価されると、なおさら錯覚しやすくなるでしょう。
実際には、プロンプト入力代行をしているだけで、マーケターとしての
スキルセットは、気づかないうちにどんどん劣化していきます

この点には、できるだけ早く気づいてほしいと思います。

大澤 要輔

また、「今後はマーケティングもAIで自動化されるから、もう勉強しなくていい」と考えるのも危険です。
マーケティングは、マーケットを相手にする仕事です生ものを相手にし、人間を相手にする仕事である、という本質は変わりません

大澤 要輔

そのため、人を理解する力が必要ですし、人の変化についていく力が
必要です。
マーケティングを磨いていく過程では、最終的に必ず、次のような点と
真正面から向き合わなければ、マーケティングはブラッシュアップできません。

・お客様は今、何に満足しているのか
・何に不満を感じているのか
・何を期待しているのか

大澤 要輔

現時点では、生成AIが拾える情報には明確な限界があります
人間がAIと話すことが、人間同士で話すことと完全に同質化しない限り、この差は埋まらないでしょう。
そう考えると、マーケティングが簡単に全自動化できるとは、私は
思っていません。

大澤 要輔

「だいたい生成AIでできるだろう」という発想は、少し安直すぎると
思います。
AIを使うこと自体には賛成ですし、ぜひ積極的に使ってほしいと思い
ます。ただし、使い方には本当に注意してほしい。
その点だけは、強くお伝えしておきたいと思います。

Webhit 編集部

はい、ありがとうございました。

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この記事の執筆者・監修者

大澤 要輔のアバター 大澤 要輔 『Webhit(ウェビット)』編集長

【プロフィール】
マーケティングメディア『Webhit(ウェビット)』の編集長。運営元の株式会社FlyEde 代表取締役を務める。中小企業経営者へのコンサルティングは累計3,000回以上。Webマーケティング × 組織構築 × 人材育成の3つの領域を中心に、年商5,000万円~数億円前後の領域で売上を伸ばす仕組みを構築。

【保有資格】
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