リスティング広告の運用を検討されている方のなかには「キーワードを選定する際に、競合名を使ってもよいのか」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、リスティング広告のキーワードに競合名を使ってもよいのかどうかという疑問に対する答えとあわせて、運用時に押さえておきたいポイントなどを紹介します。
Webサイトの集客をアップさせたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
リスティング広告の運用において競合名をキーワードに使ってもよいのか
結論から申し上げますと、リスティング広告を運用する際に、競合名を使うことは問題ないとされています。
ただし、競合名は必ずしも使えるというわけではなく、場合によっては使用が認められていないこともあります。
リスティング広告のキーワード選定において、競合名の使用が認められている場合と認められていない場合は以下のとおりです。
そもそもリスティング広告とは何か?と思った方は、下記記事をご覧ください。
競合名の使用が認められている場合
「競合名に関係する一般名詞を“部分一致”で登録する」あるいは「競合名を“完全一致”で登録する」という場合は、リスティング広告のキーワードに競合名を使えます。
部分一致とは、検索キーワードの一部分あるいは検索キーワードに関連する単語が含まれていた場合に、広告が表示されるマッチタイプのことです。
たとえば、「脱毛エステサロン」というキーワードであれば「エステ脱毛」「脱毛クリニック」などのキーワードが検索された場合であっても、広告が表示されることがあります。
一方で完全一致とは、選定キーワードと検索キーワードの検索意図がが完全に一致している場合のみ、広告が表示されるマッチタイプのことです。
上記で挙げた「脱毛エステサロン」というキーワードであれば、このキーワードに関する検索ニーズが完全に一致した場合のみ広告が表示されます。
キーワード選定において競合名の使用が認められていない場合
検索結果画面にリスティング広告が表示される際は、サイト名とあわせて、サイトの内容を紹介する「広告文」が表示されます。
この広告文に競合名を使用することは、認められていません。
なぜなら、広告文に競合名を使用することは不正競争に該当するだけではなく、名誉棄損罪や信用毀損罪に発展する可能性があるとされているからです。
競合他社から悪質だと判断された場合は、裁判に発展して損害賠償を請求される可能性もあるため、広告文を作成する際は競合名を使わないように注意しましょう。
リスティング広告のキーワードに競合名を使うことで想定されるトラブル
リスティング広告のキーワードに競合名を使うことは認められているものの、場合によっては以下のようなトラブルに発展する可能性があります。
トラブル①他社の商標権を侵害してしまう
キーワードに競合名を使うと、競合他社から「ブランドの価値を損ねている」「ユーザーに誤解を与えている」といった理由から、キーワードの除外設定の依頼がくることがあります。
また、競合他社が独占販売権を目的に商標権を登録しているにもかかわらず、その商標名をキーワードに使用すると、場合によっては営業妨害に該当する可能性も考えられます。
トラブル②景品表示法違反に抵触する可能性がある
前項で紹介したとおり、リスティング広告の広告文に競合名を使用することは原則として認められていません。
それにもかかわらず、広告文で競合他社の社名を騙ったり、商標名を使用したりすると、商標権侵害により営業妨害に発展することもあります。
また、景品表示法により禁止されている「比較広告」に抵触する可能性もあるため、広告文の作成は慎重に行わなければなりません。
リスティング広告の運用において競合他社とのトラブルを避けるポイント
ここからは、リスティング広告の運用において、競合他社とのトラブルを避けるために押さえておきたいポイントを紹介します。
ポイント①キーワードが商標登録されているかどうかを調べる
リスティング広告の選定に使うキーワードが、商標登録されているかどうかを確認しておくことは、競合他社とのトラブルの回避につながります。
商標登録の状態は、独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営する「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」というサイトで確認できます。
ポイント②広告文の文面を競合他社と差別化する
リスティング広告の広告文を作成する際は、競合他社との差別化を図りましょう。
なぜなら、自社サイトの広告文を競合他社と同じようなものにすると、ユーザーから広告詐欺の可能性を疑われ、結果的に競合他社とのトラブルに発展する可能性があるためです。
ユーザーに対して「自社と競合他社はあくまでも違う会社である」ということを伝えるためにも、広告文を作成する際は、競合他社の商品やサービスとは異なる特徴を記載しましょう。
リスティング広告で競合キーワードを使用するメリット・デメリット
ここからは、リスティング広告の運用において、競合キーワードを使用するメリットとデメリットを紹介します。
リスティング広告で競合キーワードを使用するメリット
リスティング広告の運用において、競合キーワードを使用するメリットは以下のとおりです。
メリット①機会損失を防止できる
リスティング広告のキーワードに競合名を使用すると、自社サイトが多くのユーザーの目にとまります。
競合名を検索したユーザーに対して、自社の商品やサービスの存在を伝えられるようになるため、ユーザーの比較検討を促せるでしょう。
他社の商品やサービスに興味を持っていたユーザーに対してアプローチができるようになることから、機会損失の防止につながるという点は、大きなメリットであるといえます。
メリット②確度が高いユーザーを獲得できる
リスティング広告のキーワードに競合名を使うことによって、確度が高いユーザーを獲得できる可能性もあります。
たとえば、リスティング広告のキーワードに、ユーザーからの検索回数が多い「ビッグワード」を使用すると、Webサイトへのアクセス数はアップします。
しかし、「売上につながるようなユーザーを獲得できなかった」「すぐに広告費用が上限に達してしまった」といった事態に発展する可能性もあるため注意が必要です。
一方で、リスティング広告のキーワードに競合名を使用する場合は、ビッグワードのような巨額の広告費用がかかるということは、大人気商品の商品名などを除けばほとんどありません。
競合他社の商品に興味があるユーザーを獲得できるという点もまた、メリットでしょう。
リスティング広告で競合キーワードを使用するデメリット
リスティング広告の運用において、競合キーワードを使用するデメリットは以下のとおりです。
デメリット①競合他社のブランドを毀損する可能性がある
リスティング広告で集客をアップさせるために、競合キーワードを使用することは、競合他社の商品やサービスを毀損する可能性があるという点には注意しなければなりません。
知名度が高い競合名をキーワードに使えば、確かにWebサイトへのアクセス数はアップするでしょう。
しかし一方で、「商品Aを調べたにもかかわらず、検索結果には商品Bが表示された」「ユーザーを騙して誘導した」といった、不信感を抱くユーザーが現れる可能性も考えられます。
その結果、意図せず他社のブランドを毀損する事態や、他社の営業を妨害する事態に発展する可能性もあります。
また、競合他社とのトラブルに発展した場合は、会社間の関係が悪化するだけではなく、自社の信頼を失う可能性もあるため注意が必要です。
デメリット②競合キーワードによっては広告費が高くなる
リスティング広告において、人気が高い競合キーワードを使用することは、必ずしもよい効果をもたらすとは限りません。
なぜなら、競合他社の商品やサービスに興味を持っている多くのユーザーが自社の広告をクリックするため、広告費が高くなる可能性があるからです。
リスティング広告を運用する際は、ただ知名度が高い競合キーワードを選べばよいというわけではありません。
「どのくらいのアクセス数や費用がかかるのか」をシミュレートしたうえで、目標とするアクセス数や予算に合ったキーワードを選びましょう。
下記記事ではCVRを改善するキーワードの見極めのポイントについて解説していますのであわせてご覧ください。
リスティング広告のキーワードに競合名を使うことは機会損失の防止につながる
いかがでしたでしょうか。
リスティング広告の運用において、競合名を広告文に使うことは認められていないものの、キーワードに使うことは問題ないとされています。
キーワードに競合名を使用すると、自社サイトが多くの人の目にとまるため機会損失の防止につながるでしょう。
ただし、ユーザーに自社と競合他社を同一の会社として認識させてしまうと、広告詐欺を疑われる可能性もあります。
場合によっては、競合他社とのトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
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