アフィリエイトは、企業が商品やサービスを宣伝するためにWebサイトの運用者やブロガーのようなパートナーに報酬を払う広告の手法です。広告主やアフィリエイターとして適切に運用できれば、企業にさまざまな利点や効果が見込めます。
しかし、アフィリエイトの仕組みを理解せずに始めるのは危険です。成果を得るためには適切な運用と管理が必要となります。
そこでこの記事では、アフィリエイト初心者に向け、仕組みや始め方を紹介します。また、失敗例や注意点も解説しているため、この記事を読めば初めての方でもアフィリエイトで成果を出し、収益につなげられるでしょう。
アフィリエイトの始め方が知りたい、企業が運営するサイトから収益化したいWeb担当者の方はぜひ参考にしてください。
アフィリエイトとは何か
アフィリエイトとは、インターネット広告の1つで「成果報酬型広告」とも言います。商品やサービスを拡販するためのマーケティング活動の1つです。
WebサイトやSNS、ブログなどのメディアを持つ運営者(アフィリエイター)が広告を掲載し、その広告からサービスや商品が購入されると、売上の一部が報酬としてアフィリエイターに還元されます。
アフィリエイトの仕組みとは
アフィリエイトは「広告主」「アフィリエイター」「ユーザー」「ASP」と複数の事業者が関わります。
広告主 | 広告を出稿する企業 |
アフィリエイター | 広告をSNSやブログに掲載する広告運営者 |
ユーザー | サイト訪問者 |
ASP | アフィリエイターと広告主を仲介するアフィリエイト広告配信事業者 |
企業がアフィリエイターになる場合、企業のホームページなどで他社の広告を掲載し、その広告から商品の購入やサービスの利用が発生した場合に報酬が発生する仕組みです。
企業が広告主になる場合には、ASPを通して広告発信を依頼し、自社サービスや商品をプロモーションしていきます。
企業がアフィリエイトを始めるのは危険?
アフィリエイト自体に危険性はありませんが、正しい知識と注意点を理解しておかないと、会社の損失につながる可能性があります。
アフィリエイトが危ないと言われている理由には、以下のようなものがあげられます。
- 会社の情報が漏れる可能性がある
- 法律に違反する場合がある
上記のような危険を回避するためには、会社情報が漏れないようWeb担当者個人のメールアドレスを使用しないほか、著作権などの法律も事前に理解を深めておくのが大切です。
また、思いつくままに文章を書くのも危険です。薬機法や景品表示法、健康増進法などの法律に抵触しないよう、表現方法を工夫しましょう。
企業がアフィリエイトを始めるメリット・デメリット
企業がアフィリエイトを始めるメリット・デメリットは以下のようなものがあげられます。
メリット | デメリット |
・会社の利益につながる ・Webに精通していない担当者でも始められる ・低リスクで始められる ・会社のリソースを多く割かずに作業できる | ・安定した収益にはつながらない ・利益につながるまで時間と労力がかかる ・知識を身につける必要がある |
以下で詳しく解説します。
メディア運営をするメリット
メディア運営のメリットは以下の通りです。
- 会社の利益につながる
- Webに精通していない担当者でも始められる
- 低リスクで始められる
- 会社のリソースを多く割かずに作業できる
アフィリエイトは、少ない費用で始めることができるため、低リスクであることに加え、会社の人員や予算を割かずにスタートできます。そのうえ、成功すれば昼夜問わず利益が発生し、月に数十万円の収益につながるチャンスがあります。
また、会社にネット環境さえ整っていれば、莫大な費用を割かず小さく始められるのもメリットの1つです。
メディア運営をするデメリット
メディア運営のデメリットは以下の通りです。
- 安定した収益にはつながらない
- 利益につながるまで時間と労力がかかる
- 知識を身につける必要がある
アフィリエイト広告は成果に対して報酬が支払われる「成果報酬型広告」であるため、作業量や時間に対しての収入はありません。記事数を増やしてコンテンツを充実させ、アクセス数を増やす必要があるため、多くの時間と労力が必要です。
また、一定額の収益が発生するようになっても、その成果が継続するとは限りません。検索エンジンのアップデートや競合との競争で順位が下がるとアクセス数が落ち、収入が下がってしまうため、定期的な更新とサイトのメンテナンスが必要です。
アフィリエイトを始めるのに必要なもの
企業がアフィリエイトを始めるにあたって必要なものは、主に以下の通りです。
- パソコン
- インターネット環境
- 広告を掲載する媒体(Webサイト)
- 報酬受け取り口座
- レンタルサーバー
- 独自ドメイン
- ASPアカウント
広告を掲載する媒体はWebサイトやSNS、ブログなどさまざまなものがあるため、自社にあったものを選択しましょう。
アフィリエイトを始める手順
WordPressブログでアフィリエイトを始める手順は以下の通りです。
- 予算と目的に合ったレンタルサーバーの契約
- 独自ドメインの取得
- WordPressをインストール
- WordPressを始めるための初期設定
- アフィリエイトを実施するサイトを作成
- 自社の商品に合ったASPに登録
以下で詳しく解説します。
1.予算と目的に合ったレンタルサーバーの契約
まず初めにレンタルサーバーを契約します。レンタルサーバーとは、Webサイトを作成する場所を気軽にレンタルできるサービスのことです。
性能によってブログの表示速度や安定性が左右されるため、レンタルサーバーは慎重に選ぶ必要があります。
2.独自ドメインの取得
サイトの信頼性を高めるために、独自ドメインは取得するようにしましょう。独自ドメインとは、アルファベットや数字、記号などを組み合わせて取得できるオリジナルドメインのことです。
通常レンタルサーバーに契約すると、サーバーが提供するドメインが自動的に付与されますが、URLにサーバー会社名やサーバー番号が加わり、独自性に欠けます。これに対し、独自ドメインは好きな文字列を指定してURLに指定できるため、取得しておくと特定のキーワードで検索されたときに上位表示されやすくなります。
独自ドメインは、ドメインの管理会社と契約して取得します。
3.WordPressをインストール
レンタルサーバーの契約、独自ドメインの取得が完了したら、WordPressをインストールします。無料版と有料版がありますが、アフィリエイト運用を行う場合は、有料で利用するのがおすすめです。無料版と比較し、デザイン性やカスタマイズ性が高いため他のサイトと差別化を図れるうえ、サポートやアップデートが充実しているため品質の高いサイトを運営できます。
WordPressのインストール方法は、契約したレンタルサーバーによって異なります。自動インストール機能があれば、レンタルサーバーの管理画面から簡単にインストールできるため、管理もスムーズです。
4.WordPressを始めるための初期設定
WordPressのインストールが完了したら、初期設定を行います。設定内容は以下の通りです。
- サイトのタイトルとキャッチフレーズの設定
- WordPressアドレスとサイトアドレスを確認
- パーマリンク、SSLの設定
- 初期のプラグインとサンプルページの削除
上記の中でサイトのタイトルとキャッチフレーズ、パーマリンクの設定は最低限しておく必要があります。
5.アフィリエイトを実施するサイトを作成
初期設定が終わったら、アフィリエイトサイトを作成します。まずはサイトデザインの基礎となるWordPressテーマを利用しましょう。
有料のテーマには、初めからアフィリエイト運営の機能が備わっています。
6.自社の商品に合ったASPに登録
サイトの作成が終わったら、ASPに登録します。ASPの業者によって得意とするジャンルがあるほか、掲載できる広告の種類もさまざまです。
アフィリエイトで登録必須なASPは以下の通りです。
- A8.net
- afb
- もしもアフィリエイト
ASPは1社ではなく、複数登録しておくことで広告の種類や掲載できる幅が広がります。
アフィリエイトで成果を出すためのコツ
アフィリエイトで成果を出すためのコツは以下の通りです。
- サイト運用の心構えを理解する
- 顧客のニーズに合ったキーワードを選定する
- セールスライティングを勉強する
- SEOに強い記事制作をする
- 顧客ニーズの検索キーワードに沿った記事を作成する
- 「収益記事」と「集客記事」の違いを理解し作成する
以下で詳しく解説します。
サイト運用の心構えを理解する
アフィリエイトで成果を出すには、心構えが大切です。
サイト運用において重要な心構えは以下の通りです。
- 目的と目標の明確化
- ブログ、SNS運営の勉強
- PDCAサイクルで広告の改善
- すぐに成果を求めない覚悟
- 役立つ情報発信
上記の心構えができていると、成果を出すコツやテクニックを自然と身につけることができるでしょう。反対に、心構えがないと長期にわたってサイトを運用しても成果につながらず、挫折してしまうサイト運用者も少なくありません。
始めるのは簡単ですが、成果を得るためにはさまざまな施策や対策が必要なことは覚えておきましょう。
顧客のニーズに合ったキーワードを選定する
アフィリエイトで成果を出しやすいジャンル・キーワードの選定も重要です。中でも、新しいジャンルは競合と同じレベルからスタートできるためおすすめです。
しかし、一時期の盛り上がりで終わり長続きしない可能性もあるため、これから何が流行るのか、どの分野が今後どれだけ成長するのかを見極める必要があります。
また、検索ボリュームの小さいキーワードで上位表示を狙っても成果につながりにくいため、ある程度ボリュームのあるキーワードの選定も重要です。
セールスライティングを勉強する
ユーザーにサービスや商品を購入してもらうためには、セールスライティングを学ぶ必要があります。セールスライティングとは、ユーザーにサービスや商品の購入を促すための文章を書くことです。
自分の書きたいことではなく、商品やサービスとユーザーを結び付けるベネフィットを意識した文章を作成することで、アフィリエイトの成果を出しやすくなります。
まずはYouTubeや書籍などで勉強してみましょう。訓練すれば、心理学を活用して顧客の購買意欲を高める文章を書けるようになります。
SEOに強い記事制作をする
アフィリエイトで成果を出すには、サイトに訪れるユーザーを増やす必要があるため、SEO対策を行い、ユーザーの流入を増やす必要があります。
SEO(検索エンジン最適化)とは、自身のサイトを検索結果の上位に表示させるための施策です。検索結果で上位表示できれば、サイトへ訪れるユーザー数が増えアフィリエイト効果を得やすくなります。
よって、アフィリエイト運用を行う際は、SEO対策の知識も高めておきましょう。
顧客ニーズの検索キーワードに沿った記事を作成する
効率的にユーザーを集めるには、検索キーワードを意識して記事を作成する必要があります。
「どのような目的があって検索するのか」ユーザーの検索意図を理解することで、ユーザーの悩みに寄り添った記事作成ができ、結果的にユーザーを集めることにつながるでしょう。
また、情報が整理されれば検索エンジンにも理解されやすく、上位表示につながる可能性が高まります。キーワードを選定する際は、競合が多いビックワードではなくスモールワードを重要視するのが大切です。
「収益記事」と「集客記事」の違いを理解し作成する
アフィリエイトの記事は「収益記事」と「集客記事」に分けて作成するのが効果的です。
収益記事とは、ユーザーにサービスや商品を購入してもらうための記事を指します。一方集客記事とは、ユーザーを集めるための記事で内部リンクを使って収益記事への誘導を目的として作成した記事です。
2つの記事を作成する際は、先に収益記事の作成から始めましょう。
収益を得るために知っておきたい失敗例
アフィリエイトの失敗例として、アフィリエイトを継続できていないことがあげられます。アフィリエイトは成果が出るまで長い時間を要することから、挫折するサイト運営者は多い傾向です。
アフィリエイトのサイトを運用する際は、多くの時間と労力が必要であることを事前に理解し、コツコツ継続していく必要があります。
また、無料ブログを使っている場合も失敗する可能性が高いです。無料ブログは、広告掲載の制限や上位表示されにくいなどのデメリットがあります。ブログでアフィリエイト運用を行う場合は、無料ブログではなく有料のブログを使用することで成果を出しやすくなります。
メディア運営をして収益を得る際の注意点
アフィリエイト運用を行う際、アフィリエイトの依頼や勧誘にすぐに応じないよう注意が必要です。条件がよいからとすぐに応じず、悪評がないか・実態があるかなどをよく調べるようにしましょう。
また、金銭の要求にも注意が必要です。アフィリエイターが金銭的な負担を強いられることはほとんどありません。何かに参加するために費用が発生する、何かを買わないと始められないなどと金銭を要求されたら断りましょう。
ASPの中には利用料金がかかるものもあり、収益が発生していなくてもASPの利用料金を払い続けなければならない場合があるため、利用前に検討する必要があります。
まとめ
アフィリエイトは、インターネット環境が整った企業であればすぐにでも始めることができる広告手法です。失敗のリスクが低いことに加え、会社のリソースを割かずに作業できるため、小さい規模から始められるのがメリットです。しかし、収益が発生するまでに多くの時間と労力がかかるため、コツコツと続けていく必要があります。
さらにアフィリエイトで成果を出すには、さまざまな知識を身につけ情報をアップデートしていくことが大切です。
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