広告の効果を上げたいと考えている広報担当の方は少なくありません。広告の効果を得るには、ターゲットに合わせた広告媒体を選択し、目的に沿った情報発信が大切です。
本記事では、広告で得られる効果や種類別の運用方法を解説します。併せて、広告の効果が低い原因も紹介しているので、自社の広告を改善したい方は、ぜひご覧ください。
広告で得られる効果とは?
広告効果(広告の役割)とは、商品やサービスを宣伝し、認知度と関心の向上を図ることです。そのため、商品やサービスの販売促進、集客力の向上を狙えます。
広告効果は、以下の3種類に分類できます。
- 接触効果
- 心理効果
- 売上効果
ここでは、広告で得られる効果を詳しく解説します。
接触効果により自社商材の認知度を高める
接触効果とは、広告の活用によって自社の商品・サービスを知ってもらい、認知度を向上させる効果のことです。
自社の商品・サービスがユーザーに認知されていなくても、広告を見て接点が生まれることで認知度が向上します。例えば、SNS広告やWeb広告などで繰り返し見るうちに興味がわいてくることを接触効果と言います。
心理効果により購入するきっかけを作る
心理効果とは、自社の商品・サービスに好感を持ってもらい、理解を深めて購入のきっかけを作る効果のことです。
広告は人間のコミュニケーション活動の一種であるため、心理学と深く関係しています。そのため、企業や商品・サービスの魅力や効果、メリットなどが伝わるよう、ユーザーの心理を理解し広告を発信することで心理効果を高められます。
売上効果によりユーザー購入意欲を促す
売上効果とは、広告の発信によってユーザーが商品やサービスを購入することです。接触効果で商品の認知度を高め、心理効果で理解を深めた後の最終フェーズにあたります。
売上効果を上げるためには「PDCAサイクル」を回す必要があります。「PDCAサイクル」とは「Plan(計画) Do(実行) Check(評価) Act(改善)」の頭文字をとった、マネジメントの品質を高める考え方です。
接触効果や心理効果と組み合わせると、より売上効果を向上できるでしょう。
Web・インターネット広告の効果・費用・運用方法
広告にはさまざまな種類があり、そのうちの一つにWeb・インターネット広告があります。Web・インターネット広告とは、Web、インターネット上に表示される広告のことです。検索画面やSNS、ブログなどさまざまな種類があり、目的に合わせて媒体を選択できるのが特徴です。
また、ターゲットに合わせて細かく広告発信ができるほか、少ない費用で広告を発信できます。ここでは、Web・インターネット広告について詳しく解説します。
Web・インターネット広告で得られる効果
Web・インターネット広告では、インターネット上の行動や属性情報などを活用し、細かくターゲットを設定できるため、広告を見てほしいユーザーへ確実に届けられるのが利点です。
目的やターゲット層に合わせて媒体を選択することで、高い広告効果が期待できるでしょう。また、広告の効果測定が行いやすいため、数値的な根拠を基に広告効果の分析をしやすいのが特徴です。
Web・インターネット広告にかかる費用
Web・インターネット広告では、固定の金額が定められていない運用型広告を採用するケースが一般的です。
主な課金形態は以下の通りです。
課金形態 | 特徴 |
エンゲージメント課金型 | ・SNSなどで、ユーザーが行動を起こした際に料金が発生する ・SNSで例えると「いいね」などのアクションのことを言う |
クリック課金型 | ・ユーザーが広告をクリックした際に料金が発生する ・何度も表示されたとしても、クリックしない限り料金は発生しない |
インプレッション課金型 | ・広告の表示回数に応じて費用が決まる ・ユーザーの画面上に何回広告が表示されたかによって、費用が異なる |
動画視聴型 | ・動画広告の再生回数に応じて、料金が発生する ・何分間再生されれば1回視聴したことになる場合が多いが、最後まで試聴しないと料金が発生しない場合もある |
Web・インターネット広告の費用は、自由に設定できるため自社にあった方法で広告を運用しましょう。
Web・インターネット広告の運用方法
Web・インターネット広告の運用は、主に以下の手順で行います。
- 目的の明確化
- ターゲットを絞る
- 顧客目線で広告を設計
- 運用の目的を決める
- 運用開始
上記の手順を踏まえてWeb・インターネット広告を運用すると、効率よく効果的な広告運用ができます。
ヒューマン広告の効果・費用・運用方法
ヒューマン広告とは、インフルエンサーやブロガーなどの影響力を持つ個人に自社商品・サービスの情報発信をしてもらう広告方法です。
ヒューマン広告の中で、代表的な広告は以下の通りです。
- インフルエンサー広告
- アフィリエイト広告
- ライブ配信広告
影響力を持つ個人に情報発信を依頼することで、ネット上で拡散されやすく認知度を高めやすくなります。そのため、依頼する内容にマッチした広告の種類を選択すると、より効果的な広告効果が得られるでしょう。
ここでは、ヒューマン広告について詳しく解説します。
ヒューマン広告で得られる効果
ヒューマン広告を活用することで、認知度の高いインフルエンサーやブロガーが情報発信してくれるため、ネット上で拡散されやすくなり認知度の向上が期待できます。
ヒューマン広告には主に3つの種類があります。
ヒューマン広告の種類 | メリット | デメリット |
インフルエンサー広告 | ・好意的な印象を与えやすい ・対費用効果が高い | ・広告内容はインフルエンサー次第 ・内容によっては自社ブランドが傷つくリスクがある |
アフィリエイト広告 | ・ローリスクで広告発信できる ・企業側がプロモーションする必要がない | ・発信内容の自由度が低い・商材によって広告リンクを設置できない |
ライブ配信広告 | ・親近感を与えやすい ・リアルタイムで質疑応答ができる | ・突発的なトラブルを回避できない ・撮り直しがきかない |
自社の商品やサービスに合わない方法を選択すると、かえって悪影響になってしまう場合もあるため、広告の種類を見極めることが重要です。
ヒューマン広告にかかる費用
ヒューマン広告にかかる費用は、依頼する広告の種類によって異なります。インフルエンサーに広告を依頼する場合、以下のような費用が発生します。
- インフルエンサーへの報酬
- 提供する商品・サービスの代金や配送料
- 訪問や宿泊などにかかる交通費・宿泊費等
ヒューマン広告の費用・料金相場は、1回のSNS投稿で「フォロワー数×2〜4円」です。そのため、フォロワー数が多いほど、依頼するのにかかる費用が高くなります。
ヒューマン広告の運用方法
ヒューマン広告を運用する際も、広告運用の「目的」を明確にするのが重要です。
インフルエンサーやブロガーに広告配信を依頼する手順は以下の通りです。
- 目的の明確化
- インフルエンサーやブロガーなどのリサーチ
- 問い合わせ
- 広告を依頼
自社の目的やターゲットにあった人材かどうかを見極めることで、広告効果を高められます。広告の目的を明確化し、適した人材に依頼しましょう。
マスメディア広告(マス広告)の効果・費用・運用方法
マスメディア広告(マス広告)とは、以下に示すマスメディアを活用した広告です。
- テレビCM
- ラジオCM
- 新聞広告
- 雑誌広告
Web・インターネット広告とマスメディア広告(マス広告)は、広告を発信する媒体がデジタル化されているかどうかで大きな違いがあります。ただし、広告の種類によって発信形態が異なるため、自社にあった方法を選択しましょう。
ここでは、マスメディア広告について詳しく解説します。
マスメディア広告(マス広告)で得られる効果
マスメディア広告(マス広告)はWeb・インターネット広告と比べ、より多くのユーザーに情報発信できるため、認知度の向上が期待できます。
マスメディア広告 (マス広告)の種類 | 期待できる効果 |
テレビCM | ・不特定多数のユーザーに情報発信できる ・音声と映像を使ってアプローチできるため、印象に残りやすい |
ラジオCM | ・時間帯によってユーザー層が変化するため、さまざまな年代にアプローチできる |
新聞広告 | ・社会的信頼性が高く、ユーザー層が広いため、多くのユーザーに情報発信できる ・シニア層へのアプローチが可能 |
雑誌広告 | ・雑誌のテーマによって、ユーザー層が異なるため、ターゲットに合わせた情報発信ができる ・長期的な広告効果を得やすい |
マスメディア広告(マス広告)はWeb広告と比べて、若者層よりシニア層へのアプローチに最適な広告方法です。
マスメディア広告(マス広告)にかかる費用
マスメディア広告(マス広告)にかかる費用は、使用する媒体によって大きく異なります。
マスメディア広告(マス広告)の種類 | かかる費用の相場 |
テレビCM | 5〜10万円(15秒/本) |
ラジオCM | 3〜10万円(20秒/本) |
新聞広告 | 50〜4,000万円(紙面1ページ、最大15段) |
雑誌広告 | 30〜400万円(紙面1ページ) |
広告の種類によって、費用の相場にかなりの開きがあります。これは、使用する媒体が全国に展開されるか、地域に限定されるかなどの規模、内容の違いによるものです。広告の種類や広告を展開する範囲などにより、費用相場に大きな差が生じます。
どの媒体が自社に合っているのか、予算内で効率的に効果を得られるものをよく検討しましょう。
マスメディア広告(マス広告)の運用方法
マスメディア広告(マス広告)の運用方法は以下の通りです。
- 目的の明確化
- 問い合わせ
- 広告回数や時期などの調整
- 広告クリエイティブの作成
- 広告入稿
ほかの方法と同様に「目的」の明確化は重要です。またマス広告の場合、クリエイティブの作成も大切になります。
自社の商品・サービスにあった広告クリエイティブを作成し、ユーザーにとって価値のある広告を作成しましょう。
セールスプロモーション(SP)広告の効果・費用・運用方法
セールスプロモーション(SP)広告とは、交通広告や折込チラシなどのマス広告やWeb広告に含まれない広告のことです。
代表的なセールスプロモーション(SP)広告は、以下の通りです。
- 交通広告
- 屋外広告
- フリーペーパー
- 折込チラシ
- POP
- イベントスペース
- 会員誌
一般的にマス広告よりも費用を抑えて広告発信できます。
ここでは、セールスプロモーション(SP)について詳しく解説します。
セールスプロモーション(SP)で得られる効果
セールスプロモーション(SP)広告は、繰り返しユーザーの目に留まりやすいため、印象に残りやすいです。そのため、ユーザーの購買意欲を刺激することができ、購買の後押しとして有効な広告方法です。
人通りが多い場所や人が多く集まる場所に広告を設置することで、認知度の向上が期待できます。
セールスプロモーション(SP)広告は、費用を抑えて、スピーディに広告発信したい方におすすめな方法です。
セールスプロモーション(SP)にかかる費用
セールスプロモーション(SP)広告にかかる費用は、使用する媒体によって異なります。
セールスプロモーション(SP)広告の種類 | かかる費用の相場 |
折込チラシ | B4サイズ1枚で約3円程度 |
屋外広告 | 屋上広告は約20万円から など |
交通広告 | タクシーの窓ステッカー1枚約900円から/月、バスの車内広告1枚約3万円から など |
※設置場所・種類・サイズ・配送料の有無によって金額に差が生じる
一般的にマス広告と比べて、費用が安く取り組みやすいのが特徴です。多くの人に情報発信したいが、費用を抑えたい方はセールスプロモーション(SP)広告を取り入れてみましょう。
セールスプロモーション(SP)の運用方法
セールスプロモーション(SP)広告の運用方法は、以下の通りです。
- 目的の明確化
- ターゲットを絞る
- 調整・出稿
セールスプロモーション(SP)広告は、広告発信までスピーディに行えるのが特徴です。ほかの広告方法と比べて、比較的早く広告を発信できるため、スピーディな広告発信がしたい方におすすめです。
広告の効果が出ないのはなぜ?
広告の効果が得られない原因は、主に以下の理由が挙げられます。
- 予算設定が適切にできていない
- ターゲットの明確化ができていない
- 目的に沿った広告発信ができていない
- ユーザーにとって魅力的な広告になっていない
以下で、それぞれ詳しく解説します。
予算設定が適切にできていない
広告の予算が少ないと、思うような効果が得られない場合があります。例えば、Web・インターネット広告の場合、自社の広告予算がクリック単価に対して少なすぎることが挙げられます。
少なく予算を見積もった結果、広告表示の機会を逃してしまう場合もあるため、注意しましょう。
ターゲットの明確化ができていない
ターゲットを明確化できていないと、広告は失敗に終わります。ターゲットを明確にせずに広告発信した場合、自社商品・サービスに関心のないユーザーにも情報が発信されるため、成果につながりにくいからです。
広告効果を得るためにはターゲットを明確にし、最小限の費用で成果を出すことが重要です。
目的に沿った広告発信ができていない
広告効果を最大化させるためには、配信の目的を整理しておく必要があります。配信目的とは、商品・サービスの認知を高めたい・実店舗への予約数を増やしたい・問合せ数を増やしたいなどです。
例えば、商品やサービスの認知度を高めるならディスプレイ広告やテレビCM、ターゲット層のファンを獲得したいならインフルエンサー広告などが挙げられます。闇雲に出稿していても、求める効果を得られず、結果的に出稿が目的となっている企業も少なくありません。
目的によって広告の手法も変わるので、まずは自社が広告を出す目的を整理しましょう。
ユーザーにとって魅力的な広告になっていない
広告に使用する画像や文がユーザーにとって「知りたい情報が手に入りそう」「悩みを解決できそう」など、興味を持つ内容ではない場合、広告効果が低下する原因になります。
ユーザーの目線になって「魅力的な広告かどうか」を見直してみましょう。
まとめ
本記事では、広告の種類別で得られる効果・費用・運用方法について紹介しました。自社の目的、ターゲットに合わせた広告を発信することで、認知度の向上や売上アップにつながる可能性が高くなります。ぜひ本記事の内容を参考に、自社にあった最適な広告方法をご検討ください。
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